お布施が少ないと言われたらどうする?お気持ちとして用意すべきお金とマナーを解説
お布施とは、僧侶や寺院への謝礼として渡す金銭のことです。基本的に「金額はお気持ちで」とされていますが、ある程度の相場は決まっているため、あまりにもお布施の金額が少ないとお坊さんから指摘される場合があります。本記事では、お布施が少ないと言われた際の対処法について紹介します。
お寺に渡すお布施については「お寺に渡すお布施の相場は?葬儀や法要での金額目安と書き方を解説」で詳しく紹介しています。
この記事で分かること
- お布施が少ないと言われたときの原因と具体的な対処法
- 葬儀や法要の種類ごとに異なるお布施の金額相場
- 感謝の気持ちを伝えるための書き方・包み方・渡し方の作法
- 金額トラブルを未然に防ぐための事前確認のポイント
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お布施が少ないと言われたらどうするべきか
「お布施はお気持ちで」としている寺院が大半ですが、お気持ちだからといってお布施の金額が少なすぎると、僧侶やお寺に対して失礼にあたるため注意が必要です。場合によっては、お布施が少ないことに言及されることもあるでしょう。ここからは、用意していたお布施が少ないと言われた場合の対処法を紹介します。
追加でお金を包む
お布施を渡した後に包んだ金額が相場よりも大幅に少ないことが分かったり、お布施が少ないと言われた場合、追加でお布施を包む方法がおすすめです。お布施はいつでも納められるため、葬儀や法要が終わった後に渡しても問題ありません。
菩提寺(ぼだいじ)に葬儀や法要を依頼している場合、その寺院とはこの先も付き合いが続きます。今後もお互いによい関係を続けられるよう、お布施が少ないと言われたら真摯な対応を心がけてください。
寺院を変えることを検討する
寺院からお布施が少ないと言われることはほとんどありませんが、中には高額なお布施を要求するお寺もあります。寺院と遺族の間で相場の認識に差があったり、お布施を支払う経済的な負担が大きかったりする場合は、寺院を変えるのも一つの方法です。
お布施は、明確な金額が定まっているものではありません。そのため、提示された金額に疑問を感じた場合や、自身が支払った金額が妥当か確認したい場合は、葬儀社のスタッフなど、事情に詳しい人に相談することをおすすめします。
なぜ「お布施が少ない」と言われた?考えられる主な理由
お布施が少ないと言われる主な理由は、必要な費用が漏れていたことや相場の認識にズレがあったことなどが考えられます。
僧侶に不足を指摘された場合は、まず何が不足していたのか原因を振り返る必要があります。
主な要因として以下の三つが挙げられます。
お布施が少ないと言われる主な理由
- お車代や御膳料が含まれていなかったこと
- 戒名の位や宗派の相場とずれていたこと
- お金の入れ忘れや桁の間違い
まずは落ち着いて、包んだお布施の内容を再確認してください。
お車代や御膳料が含まれていなかった
お布施とは別に渡すべきお車代や御膳料が漏れていたため、合計金額が少ないと判断された可能性があります。
お車代は僧侶の交通費として、御膳料は僧侶が会食を辞退した場合の食事代として渡すものです。
これらは読経などに対するお布施とは性質が異なるため、別々の封筒に包んで渡すのが一般的です。
読経料については「読経料の相場はいくら?渡す際のマナー、お布施との違い」で詳しく紹介しています。
それぞれの相場は5千円〜1万円程度となります。お布施の金額自体は相場通りであっても、これらの費用が含まれていないことで指摘を受けることがあるため注意が必要です。
戒名の位や地域・宗派の相場とずれていた
お布施の金額は、戒名の位や地域、宗派によって大きく異なります。格式の高い戒名を授かる場合、基本となるお布施に加えて高額な戒名料が必要になることがあります。
また、同じ宗派であっても、地域や寺院の格式によってお布施の相場が異なる場合も少なくありません。
浄土真宗のお布施については「浄土真宗のお布施の金額はいくら?葬儀や年忌法要」で詳しく紹介しています。
インターネット上の情報を参考にして包んだ金額が、自身の菩提寺の相場と合っていなかったという事態も考えられます。相場とのズレが生じないよう、事前によく確認することが求められます。
お金の入れ忘れや桁の間違い
封筒にお金を入れる際の人為的なミスによって、実際にお渡しした金額が少なくなってしまった場合も考えられます。
急いで準備をしたことでお札を入れ忘れたり、1万円札と千円札を間違えてしまったりするミスは起こり得ます。
また、封筒の裏書きには3万円と書いてあるのに、中身が3千円しかなかったというトラブルも少なくありません。
お布施を包む際は、表書きや裏書きの内容と中身の金額が確実に一致しているか、複数人で確認すると安心です。
お布施として包むべき金額
お布施として包む金額の相場は、法要の種類によって大きく異なります。地域や寺院との関係によっても変動しますが、一般的な目安を把握しておくことで、金額不足によるトラブルを未然に防ぐことができます。
葬儀の際、一日葬であれば10万円~30万円程度が目安とされています。これらのお布施とは別に、戒名料や僧侶への交通費としてのお車代、会食を辞退された際のお膳料などが必要になる点に注意してください。金額に迷う場合は、事前に葬儀社や寺院へ確認することが最も確実です。
お通夜・葬儀
お通夜や葬儀は他の法要に比べて僧侶に読経してもらう回数が多く、戒名をつけてもらう費用も必要です。そのため、相場は20万円〜50万円と他の法要に比べて費用が高額になる傾向があります。葬儀の規模が大きくなればなるほど、お布施の金額は多くなります。葬儀と初七日法要を同日に行う場合は、両方のお布施を一緒に包んで納めてください。
また、お通夜を執り行わない一日葬の場合の相場は15万円〜30万円、お通夜や葬儀を行わず火葬のみを執り行う直葬では5万円〜15万円が相場です。お通夜や葬儀のお布施を用意する際は、式の規模に合わせた金額を包むようにしましょう。
戒名料
戒名料とは、仏教において人が仏弟子となる際に授かる「戒名」の費用です。戒名は、寺院への貢献度や社会的地位といった要素を考慮してつけられるのが一般的です。格式の高い戒名をつけてもらう場合は戒名料が高額になり、100万円以上の費用がかかる場合もあります。
戒名料の相場は宗教や宗派によって異なるため、事前にお寺や近所の人に相場を確認しておきましょう。
忌日法要
忌日法要とは、葬儀が終わった後に執り行われる法要を意味します。初七日法要から始まり、7日ごとに四十九日まで行われるのが本来の形式です。ただし、現在は葬儀や火葬と共に初七日法要を行い、その後四十九日法要のみを執り行うことがほとんどです。
忌日法要のお布施の費用相場は、3万円〜5万円とされています。もし忌日法要と他の法要を合わせて執り行う場合は、両方の法要のお布施を一緒に包んで渡しましょう。
年忌法要
年忌法要とは、故人の命日に執り行う法要を意味します。一周忌法要のお布施の相場は3万円〜5万円、三回忌以降は1万円〜3万円が相場とされています。
年忌法要の数え方やお布施の相場については「【必読】法要は何回忌まで行う?年忌法要の数え方やお布施の相場など覚えておきたいポイントを解説」で詳しく紹介しています。
納骨式
納骨式とは、故人の遺骨をお墓へ納める際に執り行う儀式です。納骨式で用意するお布施の相場は3万円〜10万円とされています。先祖代々のお墓に納骨する場合や、既にお墓を建て終わっている場合は、四十九日法要と同日に納骨式を行うことが多いです。新たにお墓を建てる場合は、百箇日法要や一周忌法要と同時に納骨式を行うのが一般的です。
お盆
故人が亡くなってから初めて迎えるお盆は「新盆」または「初盆」と呼ばれ、大切な法要の一つとされています。この際、僧侶を招いて読経をしてもらう場合は、お布施を用意するのが一般的です。
新盆では、家族や親族を招いて丁寧な供養を行うことが多いため、お布施の金額は3万円〜5万円程度が目安とされています。2年目以降のお盆では、お布施の相場は5千円〜1万円程度が一般的です。
お布施の書き方に関する気を付けたいポイント
お布施は奉書紙や封筒などに包みますが、この封筒の書き方にも気を付けたいポイントがあります。お布施の書き方のポイントを踏まえて、僧侶への感謝の気持ちを伝えましょう。
お布施の中袋の書き方については「お布施の中袋の書き方を解説!金額相場と封筒・お金の入れ方」で詳しく紹介しています。
表書き
お布施を包んだ封筒や奉書紙の表面には、毛筆や筆ペンなどで表書きを書きます。香典の表書きは薄墨で書くのが一般的ですが、お布施の場合は濃い墨で「お布施」または「御布施」と書きます。表書きが既に印刷されている封筒を使用するのもおすすめです。
裏書き
裏書きには、お布施として包んだ金額と住所を記入します。毛筆または筆ペンで書くのが一般的です。金額の改ざんを防ぐため、包んだ金額を書く際は壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)といった旧字体を使用します。
お布施の包み方に関するマナー
お布施を包む際は、僧侶への謝礼としてふさわしい作法を守ることが大切です。金額の多寡だけでなく、丁寧な準備や心遣いが伝わることで、僧侶との良好な関係を築くことにつながります。
お布施は感謝の気持ちを表すものです。急な葬儀で新札が用意できない場合でも、できる限り汚れやシワの少ないお札を選び、向きを揃えて包むよう心がけてください。
新札を包む
僧侶に渡すお布施には、新札を包むのが適切とされています。お通夜や葬儀で渡す香典は、「前もって準備していた」と思われないために古札を包むのが一般的です。しかし、お布施は香典のように悲しみを意味する必要はないため、新札を準備しましょう。
白い封筒や奉書紙に包む
葬儀や法要で渡すお布施は、白い封筒や奉書紙に包むのが適切です。封筒にお布施を包む際は、何も印刷されていない白無地のものを選びましょう。また、コンビニやスーパー、仏具店などで購入できる不祝儀袋にお布施を包んでも問題ありません。
お札の肖像画を表に向けて包む
お布施を封筒や奉書紙に包む際は、お札の向きに注意してください。お通夜や葬儀で渡す香典は、お札の肖像画が裏側になるように包むのが一般的とされています。しかし、お布施は「寺院や僧侶に対するお礼」という意味合いが強いため、肖像画が表向きになるようにし、全ての紙幣の向きを揃えてから封筒に入れましょう。
お布施を渡す際のマナー
お布施を渡す際は、僧侶への感謝の気持ちを形にするための作法を守ることが大切です。金額の妥当性も重要ですが、丁寧な振る舞いや準備が整っていることで、お寺側との信頼関係をより深めることにつながります。
お布施は「サービスへの対価」ではなく、あくまで「ご本尊への献金」であり、僧侶はその仲立ちをしてくださる存在です。そのため、事務的に済ませるのではなく、敬意を持った所作を心がけてください。
挨拶をしながら渡す
お布施を僧侶に渡すときは、簡単に挨拶をするのが一般的です。長々と挨拶やお礼を述べる必要はないため、手短に挨拶をすませましょう。法要前にお布施を渡す場合は「遠方よりお越しくださりありがとうございます」「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶しましょう。法要後であれば、「本日はありがとうございました」と伝えるのがおすすめです。
切手盆に乗せて渡す
お布施を包んだ封筒や奉書紙は、切手盆に乗せて渡すのが適切です。切手盆が用意できなかった場合は、袱紗や小さな黒いお盆などを使っても問題ありません。直接封筒を僧侶に手渡しするのは失礼にあたるため、注意してください。
封筒の向きに注意する
僧侶にお布施を渡す際は、お布施を包んでいる奉書紙や封筒の向きに注意しましょう。袱紗からお布施を出した後、封筒に描かれている表書きが僧侶から見て読めるように向きを変えるのが一般的です。
お布施の金額トラブルを防ぐための事前対策
お布施の金額トラブルを防ぐためには、自身の判断だけで金額を決めず、事前に相場を把握しておくことが不可欠です。
後になって少ないと指摘される不安を解消するためにも、以下の二つの対策を講じることを推奨します。
お布施の金額トラブルを防ぐ方法
- 葬儀社や親族に相場を相談する
- お寺に直接目安を尋ねる
あらかじめ目安となる金額を知っておくことで、僧侶に対しても失礼のない対応をとることができます。
葬儀社や親族に相場を相談する
お布施の金額に迷った際は、地域の事情に詳しい葬儀社のスタッフに相談するのがおすすめです。
葬儀社は多くの葬儀をサポートしているため、地域や宗派ごとの具体的なお布施の相場を把握しています。
また、以前同じ寺院で葬儀や法要を行ったことがある親族に確認するのも有効な方法です。過去の実績に基づく具体的な金額を知ることができれば、安心して準備を進められます。まずは身近な専門家や経験者に意見を求めてみてください。
お寺に直接目安を尋ねる
お布施の金額については、菩提寺の僧侶に直接尋ねても失礼にはあたりません。「お布施はおいくら包めばよろしいでしょうか」と尋ねると、「お気持ちで結構です」と返答されることがよくあります。
その場合は、「ほかの方々はどのくらい包まれていますか」と尋ねることで、具体的な目安を教えてもらいやすくなります。
直接確認することで、寺院側との認識のズレを防ぎ、後から金額が少ないと言われるトラブルを未然に防ぐことができます。
お布施が少ないと言われたときは、適切に対処しましょう
この記事のまとめ
- お布施が少ないと言われることはほとんどないが、もし足りないと言われたら追加でお金を包む
- お布施として包むべき金額相場は、法要の種類によって異なる
- お布施の表書きは濃い墨で「お布施」または「御布施」と書き、裏書きは包んだ金額と住所を書く
- お布施には新札を用意し、白い封筒や奉書紙に包む
- お布施は袱紗に包んで持参し、挨拶をしながら切手盆に乗せて渡す
- お布施を僧侶に渡す際は、封筒の向きを僧侶が見える向きに変える
お布施の金額は遺族側がお気持ちで決めるものであるため、「お布施が少ない」と言われることはほとんどありません。しかし、あまりにも包んだお金が少なかった場合は、寺院から指摘されることもあるでしょう。お布施が少ないと言われたら、なるべく早めに追加でお金を渡すのがおすすめです。また、お布施を用意する際は書き方や包み方といったポイントもしっかり押さえておきましょう。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。