葬儀でのアクセサリーの選び方は?基本マナーと注意するポイントを解説
葬儀に参列する際、どのようなアクセサリーを身に着ければよいか迷う方もいるでしょう。この記事では、涙の象徴とされる真珠のネックレスやピアスの選び方をはじめ、指輪や腕時計、ジェットなど真珠以外の装飾品についても取り上げます。葬儀の場にふさわしいアクセサリーを選ぶために、気を付けたいポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 葬儀のアクセサリーと、涙を象徴する真珠の選び方
- ネックレスやイヤリングなど種類別の正しい身に着け方
- 華美なデザインや光り物を避けるといった、アクセサリー選びの注意点
- 見落としがちなバッグやハンカチなど、小物類の注意点
「ひとたび」は、東京都内で6つの総合斎場を運営する東京博善(創業100年超)がお届けするお役立ちコラムです。現場を知り尽くした専門スタッフが、葬儀・法要・終活の疑問に分かりやすくお答えします。
葬儀にアクセサリーは必要?
葬儀に和装で参列する場合、アクセサリーは結婚指輪以外身に着けないのが適切です。洋装の場合、最近では葬儀に適したアクセサリーを着けるのが一般的になってきました。しかし、必ずしも必要というわけではなく、アクセサリーを着用するかどうかは自分で決められます。
西洋では、故人を悼むために葬儀でアクセサリーを身に着ける「モーニングジュエリー」の文化がありますが、日本ではこのような文化はありません。洋装の際、葬儀に適したアクセサリーが用意できなかった場合は無理に身に着けなくてよいでしょう。
葬儀で身に着けるアクセサリーの配慮すべき点
葬儀で身に着けるアクセサリーには、いくつかの気を付けたい点があります。ご遺族に不快な思いをさせないためにも、洋装で参列する際は注意してアクセサリーを選びましょう。
ネックレス
葬儀に参列する際、ネックレスは身に着けることの多いアクセサリーの一つです。ネックレスを着用する場合、「涙の象徴」とされる真珠(パール)のネックレスを身に着けるのが一般的となります。
デザイン
葬儀で真珠のネックレスを着用する際は、一連のものが適切です。二連のネックレスは不幸が重なることを想起させるため、避けるのが一般的です。また、チェーンが目立つような一粒のネックレスも、葬儀の場ではふさわしくないとされています。これらの点に留意し、故人を偲ぶ場に合った装いを心がけましょう。
真珠(パール)の色
真珠の色は、白や黒、グレーが葬儀のアクセサリーとしてふさわしいです。真珠の色にはピンクやイエローなどもありますが、葬儀の場には適さないため避けるべきです。
黒真珠やグレーの真珠の中には、光沢が強く出ているものや鮮やかな緑色などが入ったピーコックカラーなどもありますが、こちらも葬儀のアクセサリーとしては適していません。黒やグレーの真珠のネックレスを身につける際は、細部まで注意して選びましょう。
白の真珠は、冠婚葬祭用のフォーマルなアクセサリーとして広く人気です。黒やグレーの真珠も同様に冠婚葬祭で使用できますが、服装によっては合わせにくいこともあるため、真珠の色に迷った際は白を選ぶと安心です。
40代以上の女性の場合、黒やグレーの真珠は格式高く落ち着いた印象を与えてくれるためおすすめです。年齢に合わせて葬儀の服装を買い替える際など、黒やグレーの真珠を使ったネックレスを新調してもよいでしょう。
真珠の大きさ・形
葬儀に適している真珠の大きさは、直径7~8mm程度とされています。粒が大きいと華やかな印象になりやすく、小さいとカジュアルになりやすいため、真珠の大きさにも注意して選びましょう。
真珠の形に凹凸があるバロックパールは、ファッション性が高く葬儀には適していないため、綺麗な丸い形の真珠を選ぶようにしてください。
長さ
ネックレスの長さは40cm程度がおすすめで、着用したときに鎖骨のあたりに位置するものを選びましょう。長すぎるとカジュアルな印象になったり、焼香の際に邪魔になったりする恐れもあります。
長さが40cm程度であれば冠婚葬祭のフォーマルなアクセサリーとして使用できるため、まだ真珠のネックレスを持っていない人はぜひ検討してみてください。
ピアス・イヤリング
葬儀においては、ネックレスと同様に真珠のピアスやイヤリングを着用することができます。真珠のネックレスも着用する際には、真珠の色をすべて統一させることが望ましいです。
ピアスやイヤリングを選ぶ際は、一粒のデザインが一般的です。複数の真珠があしらわれたものは、不幸が続くことを想起させる可能性があるため、避けるのが賢明です。
加えて、揺れるデザインの真珠のピアスやイヤリングは、葬儀の場にはふさわしくないとされています。金具の色についても配慮が必要で、ゴールドではなくシルバーの金具があしらわれたものを選ぶようにしましょう。
ブローチ
洋装で葬儀に参列する際、ブローチの着用は避けるのが賢明です。葬儀においては、控えめな装いを優先し、装飾品は最小限にするのが一般的です。
やむを得ずブローチを身に着ける場合は、以下の点に留意して選びましょう。
ブローチを身に着ける場合の留意点
- 色は白、黒、またはグレーの真珠があしらわれたものを選ぶ
- デザインは小さく、光沢が抑えられた控えめなものにする
- 土台の金具はシルバーを選び、ゴールドや色石などの派手なものは避ける
迷う場合は無理に着用せず、外して参列するのが最も無難な選択です。
指輪
指輪は、結婚指輪以外は身に着けないのが一般的です。ダイヤモンドなどの石が付いている場合は、石の部分を手のひら側に回して隠すか、デザインが華やかなものであれば外して参列するのが一般的です。
ネックレスなどと比較して着用する方は少ないですが、白や黒、グレーの真珠が一粒のみあしらわれたシンプルな指輪であれば、着用できる場合もあります。ただし、派手な印象を与えるものは避けましょう。
また、近年普及しているスマートリングも指輪と同様に扱います。健康管理などの理由で身に着ける場合も、光沢の強い素材や目立つデザインの場合はできるだけ避け、葬儀の場にふさわしい控えめなものを選ぶ配慮が大切です。
腕時計・スマートウォッチ
腕時計は「時間を気にしている」と捉えられ、以前は葬儀での着用を控える傾向にありました。しかし、現代では不適切とはされません。むしろ、式中にスマートフォンを取り出して時間を確認する方が周囲への印象を損ねる恐れがあるため、必要に応じて身に着けてもよいでしょう。
着用する際は、ゴールドなどの派手な色や輝きの強いものは避け、シルバーや黒を基調としたシンプルで落ち着いたデザインを選びます。これはスマートウォッチも同様で、多機能なモデルであっても、派手なベルトや目立つ文字盤の設定は避けるのが一般的です。ご遺族に不快な思いをさせないよう、華美でないものを選ぶ配慮が大切です。
ヘアアクセサリー
髪が長い場合は、性別を問わず髪を一つにまとめて葬儀に参列するのが適切です。その際のヘアアクセサリーは、黒色のシンプルなヘアゴムを使用します。女性の場合、髪をまとめる際には、黒色で光沢のないマットな質感のバレッタやヘアネットを選ぶことが推奨されます。シュシュの使用は避けるのが一般的です。
葬儀で身に着けられる真珠以外のジュエリー
葬儀では真珠のアクセサリーを着用するのが一般的ですが、ジェットやオニキス、黒曜石などのジュエリーも葬儀での着用が可能です。真珠のアクセサリー以外のジュエリーを探している人は、ここから紹介するジュエリーもぜひ検討してみてください。
ジェット
ジェット(黒玉)は、樹木の化石を職人が磨き上げて製作される、艶やかな黒色の宝石です。
この宝石がモーニングジュエリーとして広く認識されるようになったのは、イギリスのヴィクトリア女王が夫であるアルバート公の喪中に身につけたことがきっかけです。今日では、日本の皇室においても、服喪の際にジェットを着用することが通例となっています。
ジェットは軽量であるという特性があり、普段からアクセサリーをあまり着用しない方にも適しています。また、汗による変色が起こりにくいため、日常使いしやすい点も魅力の一つです。
ブラックオニキス
ブラックオニキス(黒瑪瑙)は、数珠などにも用いられる黒色の天然石です。モーニングジュエリーの一種ではありますが、ジェットと比較すると、日本の葬儀における装身具としてはあまり普及しておらず、葬儀の場で身につけることの是非については見解が分かれることもあります。
黒曜石
黒曜石は、特定の場面で着用について見解が分かれることがある、半透明の黒い火山岩です。涼やかな見た目をしているため、もし手元にあるのであれば、身内だけで行う夏の法要などで身につけることも選択肢の一つとなるでしょう。
水晶
水晶は、古くから数珠の素材として親しまれています。無色透明で控えめな輝きを持つ水晶は、慎み深い印象を与えるため、数珠としては弔事の場にふさわしい選択肢の一つです。
水晶の数珠を選ぶ際は、以下のポイントに注意しましょう。
水晶の数珠を選ぶポイント
- カットが施されていない、丸玉のデザインを選ぶ
- 金具はシルバーやホワイトゴールドなど、光沢の抑えられた色味を選ぶ
キラキラと輝くカット入りの水晶は、華美な印象を与えてしまうため避けるのが一般的です。透明感のある水晶は特に夏の葬儀や法要で涼やかな印象を与えますが、地域の慣習によっては真珠の数珠が推奨されることもあるため、事前に周囲へ確認しておくとより安心です。
葬儀のアクセサリーにおける注意点
葬儀のアクセサリーを選ぶ際は、いくつかの注意点があります。失礼にあたらないよう、以下に紹介する注意点を確認してアクセサリーを選びましょう。
華美なデザインや光り物は避ける
葬儀用のアクセサリーは、シンプルなデザインや落ち着いた色のものを選ぶことが一般的です。たとえ真珠のアクセサリーであっても、華美なデザインのものやゴールドの金具が輝く光り物は避けましょう。
ダイヤモンドがついていないか、シルバーなど目立たない金具であるかなど、アクセサリーをよく確認して選んでください。
ブローチの着用は避けた方が無難
喪服にブローチを身に着けて参列する方もいますが、葬儀においてはブローチの着用は避けた方が無難です。
ブローチは葬儀以外の法要であれば身に着けることもできますが、その際は白や黒の真珠が使われた小さくて控えめなものを選びましょう。
迷ったら自己判断せず地域の人に相談する
葬儀のアクセサリーは、地域によって決められていることもあります。そのため、アクセサリーについて迷った際は同じ地域の女性などに相談すると安心です。
急に真珠のアクセサリーが用意できない場合
突然のお通夜や葬儀で、真珠のネックレスやイヤリングが手元にない場合でも、無理に購入して用意する必要はありません。
アクセサリーをつけないこと自体は不適切にはならないため、派手な手持ちのものを着けるよりは、何もつけない(なし)状態で参列する方が無難です。
どうしても着用したい場合は、本真珠ではなくフェイクパールや貝パールを使用しても問題ありません。
また、喪服と一緒にパールアクセサリーをレンタルできるサービスを利用するのも一つの方法です。
子供や学生のアクセサリーについて
子供や学生が葬儀に参列する際は、大人の女性のようにパールのアクセサリーなどをつける必要はありません。
中学生や高校生などで学校の制服がある場合は、その制服が正式な礼服としての扱いになるため、制服を正しく着用して参列してください。
制服がない小さなお子様の場合は、黒や紺、グレーといった落ち着いた色合いの服装を選びます。
キャラクターものや音が鳴るアクセサリー、目立つ髪飾りなどは外し、清潔感を第一に考えた身だしなみを整えるように配慮しましょう。
メイクやネイルのマナーにも注意する
葬儀の場では、服装やアクセサリーだけでなく、メイクやネイルといった身だしなみにも配慮が必要です。メイクは清潔感のあるナチュラルメイクを心がけ、濃いアイシャドウや派手なリップは避けるようにしましょう。
お葬式メイクについては「マナー違反にならない【お葬式メイク】とは?片化粧の仕方や参列」で詳しく紹介しています。
また、ネイルをしている場合は、あらかじめ落として参列するのが一般的です。
すぐに落とせないジェルネイルなどの場合は、ベージュなどの目立たない色に上塗りするか、弔事用の黒手袋を着用して手元を隠すなどの工夫をするとよいでしょう。
葬儀に参列する際に気をつけたい小物
葬儀で気をつけることは、服装やアクセサリーだけではありません。意外と見落としてしまいがちですが、ハンカチやコート、傘などの小物についても葬儀にふさわしいものを選ぶ必要があります。
葬儀に必要な持ち物については「葬儀へ参列する際に必要な持ち物|あると便利なものや」で詳しく紹介しています。
ハンカチ
葬儀において、ハンカチは必ず持参しておきたい小物です。ハンカチは白や黒のシンプルなものを用意しましょう。光沢のあるシルク生地や、フォーマルシーンに合わないタオル生地のハンカチは避けてください。白いハンカチは冠婚葬祭で使用できるため、まだフォーマル用のハンカチを持っていない人におすすめです。
ストール・コート
寒い時期の葬儀には、ストールやコートを着用することもあるでしょう。ストールやコートは、黒・紺・グレーなどの落ち着いた色のものを身に着けます。殺生を連想させるファーや、派手な印象を与えやすい金ボタンなどの装飾がないものを選びましょう。
傘
葬儀の参列時には、黒や紺などの落ち着いた色の傘を選びましょう。傘は葬儀会場までの往復時に使うことがほとんどで、葬儀中に開くことはほとんどにありません。服装とのバランスを見ても、明るい色やデザイン性の高い傘は避けた方が無難です。
女性用の傘は華やかなデザインのものが多いため、葬儀に合った傘を持っていない場合は身内の男性用の傘を借りるのも一つの方法です。あまりフォーマルシーンに合うとは言えませんが、ビニール傘でも問題ありません。
バッグ
お葬式の際に持参するバッグは、黒色で光沢のないシンプルな布製のものが一般的です。
金具が目立つものや、殺生を連想させるクロコダイル柄やヘビ革、エナメル素材などは避けるようにしてください。
荷物が多くなってしまう場合は、コンパクトなフォーマルバッグに加えて、黒の無地でA4サイズが入る程度のサブバッグを用意しておくと便利です。
男性の場合はバッグを持たず、手ぶらで参列することが望ましいとされています。
靴・ストッキング
女性が葬儀に参列する際、足元は黒色で光沢のないプレーンなパンプスを選ぶのが一般的とされています。
ヒールの高さは歩きやすく安定感のある3cm〜5cm程度が適しており、金具などの装飾がないシンプルなデザインを選びましょう。
ピンヒールやサンダル、つま先の開いた靴は避けてください。
また、足元に合わせるストッキングは、肌がわずかに透ける程度の薄手の黒色を着用します。
冬場の寒い時期でも、厚手のタイツなどはカジュアルな印象を与えてしまうため、一般的には避けた方が無難です。
数珠・袱紗(ふくさ)
アクセサリーとは異なりますが、数珠や袱紗(ふくさ)も葬儀に参列する際の重要なアイテムです。
数珠は故人の冥福を祈るための仏具であり、家族間であっても貸し借りはタブーとされているため、必ず自分専用のものを持参してください。
相手の宗派が分からない場合は、どの宗派でも共通して使用できる略式数珠を選ぶと安心です。
また、香典を持参する際は、黒や紺などの寒色系の袱紗に包むようにします。濃い紫色の無地の袱紗であれば、弔事だけでなく慶事にも兼用できるため、あらかじめ用意しておくと役立ちます。
葬儀のアクセサリーに関するよくある質問(FAQ)
葬儀のアクセサリー選びで迷いやすいポイントを、一問一答形式でまとめました。
Q. ゴールドのアクセサリーはだめですか?
A. 葬儀の場では、ゴールドのアクセサリーを身に着けるのは避けるのが一般的です。死者を悼む席では、光り輝くものや華美な装飾は慎むべきと考えられています。
結婚指輪にゴールドが含まれている場合はそのままでも問題ありませんが、ネックレスやイヤリングなどは、光沢を抑えたシルバーやホワイトゴールドの台座に真珠をあしらったものを選びましょう。
Q. 男性のアクセサリーや髪型の注意点を教えてください。
A. 男性のアクセサリーについては、結婚指輪以外にも、状況に応じて着用が許容される場合があります。
男性のアクセサリーのポイント
- ネクタイピン:スーツに合わせた適切なデザインであれば着用可能です。光沢のある素材も選択肢の一つです。
- カフスボタン:スーツに合わせるアクセサリーとして、さまざまな素材やデザインのものが着用できます。黒オニキス以外にも光沢のある素材も一般的に用いられます。
- 腕時計:シンプルで上品なデザインであれば、革ベルトやシルバーのものが一般的ですが、それ以外の素材や色も許容される傾向にあります。
- 髪型:お辞儀をした際に顔にかからないよう、清潔感のあるまとめ方を心がけることが大切です。
葬儀のアクセサリーはマナーを踏まえて選びましょう
この記事のまとめ
- 葬儀に和装で参列する場合、アクセサリーは結婚指輪以外は身に着けない
- 洋装の場合は葬儀に合ったアクセサリーであれば着用してもよい
- 葬儀に参列する際のネックレス・イヤリング・ピアスは、白や黒、グレーの真珠のものであれば身に着けてよい
- 指輪は、結婚指輪以外は身に着けない
- 一般的に腕時計は身に着けないが、必要であればシルバーや黒のシンプルなものを身に着ける
- ヘアアクセサリーは、黒や紺などのシンプルなヘアゴムを使う真珠以外に身に着けられるジュエリーには、ジェットやブラックオニキス、黒曜石がある
- ブラックオニキスと黒曜石は、身につけてよいか意見が分かれることもあるため注意
葬儀の参列時には服装にばかり気を取られがちですが、アクセサリーにも注意する必要があります。派手なデザインのアクセサリーは避け、シンプルで落ち着いた色の弔事にふさわしいアクセサリーを選びましょう。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。