家族葬に参列しない時の香典はどうする?香典を送った方がよい場合や別の弔意の表し方も紹介
親族や友人が亡くなり、家族葬が執り行われるものの、葬儀に参列できないという場合もあるでしょう。この場合、香典はどのようにするべきなのでしょうか。本記事では、家族葬に参列しない時の香典はどのようにするべきか、香典以外での弔意の表し方などを紹介します。
家族葬に参列しない場合、香典は送るべきか
家族葬に参列しない場合、香典を用意するべきか迷う人も多いでしょう。香典を送るべきかどうかは、葬儀に招かれていない場合と、招かれたけれど参列しない場合とで異なります。
葬儀に招かれていない場合は香典は控える
家族葬に招かれていない場合は、基本的に香典を送らないようにしましょう。一般葬よりも規模が小さい家族葬では、「香典を受け取って返礼品を送る」ことを想定していない場合が大半です。参列しない人が香典を送ると、ご遺族は返礼品を用意しなくてはならず、相手に負担をかけてしまいます。
また、家族葬とは遺族や親族、一部の親しい友人などを招いて行う葬儀です。訃報の連絡をもらった際に、葬儀の日時や場所が記載されていなかったり、「参列はご辞退申し上げます」と書かれていたりする場合は、参列を控えましょう。ご遺族から訃報の連絡がない場合も「招かれていない」と解釈して参列しないのがマナーです。
葬儀へ招かれたが参列しない場合は送るべき
「家族葬に参列してほしい」とご遺族から連絡をもらったものの、式に参列しない場合は香典を用意しましょう。ただし、ご遺族が事前に香典辞退の旨を伝えていた場合は、香典を送るのは控えましょう。
香典以外の弔意の表し方
「家族葬に参列しないものの、故人への弔意を表したい」「香典辞退の旨を連絡されているが、哀悼の気持ちを伝えたい」と考える人も多いでしょう。そこでここからは、香典以外の弔意の表し方を紹介します。
供花を送る
家族葬に参列しない場合は、香典の代わりに供花を送り弔意を表すのがおすすめです。供花とは、お通夜や葬儀などで故人の祭壇に飾られる花のことです。故人の冥福を祈って弔意を表す目的のほか、祭壇や会場を華やかにするという役割も担っています。
基本的に供花は華美になりすぎないよう、白を基本とした落ち着いた色味の花を選ぶことがマナーです。一般的に、菊やカーネーション、蘭、百合などの花が選ばれます。ツル科の花や強い匂いがするもの、毒がある花、トゲがある花などは供花としては不向きなため避けましょう。
供花を送る場合は、お通夜の前日までに注文しておくのが安心です。ただし、供花を早めに届けると「故人の死を予想していた」と捉えられる恐れがあるため、訃報をもらってから準備をしましょう。もし準備が遅くなった場合は、葬儀社のスタッフに供花を手配してもらえるかを確認してください。
供花は葬儀を執り行う斎場に送るのが一般的ですが、自宅で葬儀が行われる場合は自宅に送りましょう。供花の宛名には喪主の名前を書くことが多いですが、不明な場合は「〇〇家ご遺族様」「〇〇家」という宛名にしても問題ありません。
弔電を送る
弔電とは、故人やご遺族に対して哀悼や弔意を伝えるための電報です。家族葬に参列しない場合は、香典の代わりに弔電を手配するのがおすすめです。弔電はお通夜や葬儀で読み上げられるため、葬儀が始まる4〜5時間前までに届くようにしてください。
弔電を送るタイミングが早すぎると、斎場が弔電を受け取ってくれなかったり、ご遺族が不在だったりする恐れがあります。弔電を手配する際は、確実にご遺族や斎場が受け取れる日時を確認してください。もし、お通夜や葬儀に間に合わない場合は、初七日までに弔電をご遺族の自宅に送るとよいでしょう。
お悔やみの手紙を送る
お通夜や葬儀の後に弔意を伝える方法として、お悔やみの手紙を送るのもおすすめです。葬儀から1〜2週間後に届くようにタイミングを調整して、手紙を出しましょう。お悔やみの手紙は弔事に関するものであるため、明るく華美なデザインの便箋ではなく、落ち着いた色味のものを選ぶのがマナーです。
お悔やみの手紙を書く際は、不吉とされる表現には注意してください。例えば、数字の4や9は「死ぬ」「苦しむ」を連想させるため、使わないのがマナーです。また、「重ね重ね」「度々」などの重ね言葉や、「迷う」「再び」などの忌み言葉も記載しないよう注意しましょう。
弔問する
家族葬に参列しない場合、葬儀が終わった後に故人の自宅へ弔問して弔意を示す方法があります。お通夜や葬儀の直後は、ご遺族や親族が片付けや手続きなどに追われているため、落ち着いたタイミングで弔問しましょう。ただし、基本的に弔問は四十九日までに行うものであるため、葬儀から時間を空けすぎるのはマナー違反になります。一般的には、葬儀後1〜2週間ほどの時期に弔問することが多いです。
弔問する場合は、事前にご遺族と連絡を取って日程を決めてから自宅に伺います。ご遺族と玄関先で挨拶をする際にお悔やみの言葉を述べ、供物を持参した場合はこのタイミングで渡しましょう。その後、故人の仏壇へ線香をあげ、改めてご遺族にお悔やみの言葉を伝えます。
ご遺族は、故人を失った悲しみや必要な手続きなどで心身ともに疲弊している状態だと考えられます。弔問の際は長居しすぎず、お悔やみを述べたら早めに辞去しましょう。また、故人の訃報が知らされた際「弔問辞退」との記載があった場合は、弔問も控えるのがマナーです。
線香を送る
仏式のお通夜や葬儀で、家族葬に参列しない場合、香典の代わりに線香を送ってもよいでしょう。線香は仏事で頻繁に使用するものであることから、ご遺族に喜ばれるものです。故人が好きだった香りの線香や、煙が少ないタイプなどを選ぶとよいでしょう。
家族葬に参列しない場合の注意点
参列辞退の連絡は早めに入れる
家族葬に招かれたものの参列できない場合は、早めに参列辞退の連絡を入れましょう。規模の小さい家族葬の場合でも、喪主は出席人数に合わせて葬式の準備を進める必要があります。すぐに欠席の連絡を入れないと、喪主に負担をかけることになるため注意してください。
参列辞退の連絡は、確実かつ早く要件を伝えられるよう、電話で行うのがおすすめです。この際、参列できない理由やお悔やみの言葉、参列できないことへの謝罪を伝えましょう。
勝手に供物を送らない
家族葬に参列しない場合、香典の代わりに供物を送ろうと考える人もいるでしょう。しかし、ご遺族の確認を取らずに供物を送ると、相手に「返礼品を用意しなくては」と気を遣わせてしまいます。香典辞退の旨を知らされていない場合も、供物を送る前に必ずご遺族に確認をしましょう。
弔問はご遺族の都合に合わせる
葬儀終了後に弔問する場合は、ご遺族の都合に合わせて日程を決めましょう。突然弔問する行為はご遺族の負担になり、マナー違反にあたるため避けてください。電話やメールなどで弔問したい旨を伝え、都合のよい日程を知らせてもらいましょう。
家族葬に参列しない場合は、香典を渡すのは控えましょう
この記事のまとめ
- 家族葬に参列しない場合、香典は控えるのが基本だが、参列予定だった場合は香典を贈る
- 香典以外に、供花や線香を送る、弔電やお悔やみの手紙を送る、弔問するといった方法で弔意を表すことができる
- 家族葬に参列できない場合は、参列辞退の連絡を早めにするのがマナー
- ご遺族の確認を取らずに供物を送ることは避ける
- 弔問を検討している場合、ご遺族の都合に合わせる
家族葬に参列しない場合、基本的に香典を控えるのがマナーです。弔意を伝えたい場合は、香典の代わりに線香や供花を送ったり、弔電やお悔やみの手紙を送ったりして対応しましょう。また、後日改めて弔問することも可能ですが、いきなりご遺族の自宅に行くのは失礼に当たります。必ず事前に弔問したい旨を伝え、ご遺族の都合のよい日程を聞くようにしましょう。