胃に優しい飲み物|手軽に買える選び方と避けたい飲み物・飲み方
胃の調子が悪いときの水分補給には、胃に負担をかけにくい飲み物を選ぶことが大切です。では「胃に優しい」とは、どのような飲み物でしょうか。本記事では、コンビニやスーパーで手に入りやすい「胃に優しい飲み物」を紹介し、あわせて不調時は控えたい飲み物についても解説します。体調に合わせた適切な水分補給のために、ぜひ参考にしてください。
胃に優しい飲み物とは(前提と注意点)
一般的に、胃に優しい飲み物とは、冷たすぎず熱すぎない、味が濃すぎず刺激が少ない、少量ずつ飲み進めやすいといった特徴のあるものを指します。
ただし、ここでの内容は一般的な情報に基づくもので、体質やそのときの体調によっては合わない場合もあります。「症状がつらい」「長引く」など違和感を覚えた場合は、自己判断で我慢したり無理したりせず、医療機関を受診し、医師の指示を優先してください。
コンビニ・スーパーで手に入りやすい飲み物の例
胃の不調時や胃になるべく負担をかけずに水分補給をしたいときは、刺激が少ないとされる飲み物を選ぶのがおすすめです。ここでは、コンビニやスーパーで手に入りやすい飲み物の例を紹介します。
常温の水・白湯
一般的に、常温の水や白湯は刺激が少ないとされ、胃にも負担をかけにくいため、体調がすぐれないときの水分補給に向いています。
ただし、冷たすぎる水は胃を冷やしやすく刺激になる場合もあるため、なるべく常温または温かい状態で飲むようにしましょう。また、一度に大量の水を摂取すると胃に負担がかかる場合もあります。少量ずつ様子を見ながら飲むようにしましょう。
麦茶・ほうじ茶
麦茶はカフェインを含まず、ほうじ茶も比較的カフェインが少ない飲み物です。カフェインを含む飲み物は胃に刺激となる場合があるとされているため、胃の調子が悪いときはなるべくカフェインを含まないものや、含有量が少ないものを選びましょう。
麦茶やほうじ茶はコンビニやスーパーでも手軽に購入でき、味にクセが少なく飲みやすい点もメリットです。麦茶やほうじ茶をティーバッグで抽出して作る場合、抽出時間が長くなると渋みが出て飲みにくいと感じることもあるため、抽出時間を調整し、飲みやすい濃さになるように工夫しましょう。
薄めたスポーツドリンク
体調が悪いときや食欲がないときは、水分補給に薄めたスポーツドリンクを選ぶのがよいでしょう。スポーツドリンクには、水分に加えて少量の糖分や電解質(塩分・ミネラル)が含まれています。しかし、市販のスポーツドリンクは糖分濃度が高めのものもあり、大量に飲むと胃に負担を感じる場合があります。そのため、大量にスポーツドリンクを摂取すると胃に負担がかかりやすくなるため注意が必要です。
また、スポーツドリンクはそのままだと甘みも強いため、水で薄めて少量ずつ飲むことをおすすめします。飲みにくいと感じたら無理に飲む必要はありません。
乳飲料は体質により合わない場合あり
牛乳やヨーグルト飲料、乳酸菌飲料といった乳製品は、胃の粘膜を保護するとされる成分が含まれており、胃の調子が悪いときに取り入れやすい飲み物です。
ただし、乳製品は体質により「合う・合わない」が分かれやすい飲み物でもあります。例えば「乳糖不耐症」で乳製品に含まれる乳糖を消化しづらい方や、脂肪分を重く感じやすい方もいます。まずは、少量から試し、違和感や不快感が出ないか様子を見てください。合わないと感じた場合は、他の飲み物に切り替えましょう。
家で作れる「やさしめ」の飲み物
胃の調子が悪いときは、市販の飲み物以外にも、家で作れるやさしめの飲み物を取り入れるのもおすすめです。ここでは、白湯の作り方や番茶・麦茶のいれ方など、自宅で簡単に作れる飲み物を紹介します。
白湯の作り方と温度の目安
白湯は、何も入れていない水を一度沸騰させてから、冷ましたものを指します。薬を飲む際や体調不良時の水分補給にも用いられてきました。
やかんや鍋、電気ケトルなどで水を沸騰させ、50℃前後まで冷ましてから飲みましょう。熱すぎない・ぬるめくらいが目安です。飲む前にカップを手で持ってみて熱く感じないか、少量を口に含んで温度を確かめてください。
飲むときには一気飲みを避け、胃の様子を確かめながら一口ずつゆっくり口に含むようにして飲むのがポイントです。
薄めの番茶・麦茶のいれ方
薄めの番茶や麦茶をいれる際は、抽出時間は短めにして、濃くしすぎないようにしましょう。抽出時間が長いほど苦みや渋みが出て、負担に感じる場合があります。
茶葉の量を通常の半分~2/3に減らしたり、お湯を注いでから蒸らし時間を短めにしたり、ティーバッグなら色が出たタイミングで早めに取り出すようにすると、苦みや渋みなどを抑えられます。
また、ペットボトルなどで売られている番茶や麦茶に、常温の水や白湯を加えて薄めるのも手軽な方法です。
はちみつ湯の注意点(乳幼児は不可)
はちみつ湯は、ぬるめのお湯に少量のはちみつを溶かした飲み物です。甘くなりすぎないように、ティースプーン1杯程度から試してみるとよいでしょう。
甘さが気になる場合は、はちみつの量を減らしたりお湯で薄めたりして様子をみてください。無理に飲み切らず、合わないと感じた場合は飲むのを中止したり他の飲み物に変えたりすることも大切です。
注意したい点として、はちみつは1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。はちみつに含まれているボツリヌス菌は、土壌中などに広く存在する細菌です。食品を介して体内に入った場合、大人では腸内細菌との競争で増えにくく、通常は問題になりません。
しかし、腸内環境が整っていない赤ちゃんの場合はボツリヌス菌が腸内で増加し、「乳児ボツリヌス症」を発症する可能性があります。こうした危険性を回避するため、赤ちゃんのいるご家庭では注意が必要です。
控えたい・様子を見たい飲み物
胃の調子が悪いときは、負担になりやすい飲み物を控えめにするのがよいでしょう。特に、空腹時や体調が悪いときなどは、胃への負担を感じやすくなる場合があります。以下に控えたい飲み物をまとめています。
控えたい飲み物の例
- アルコール:大量に飲むと胃が強い刺激を受けて、胃粘膜が荒れる原因となる場合がある
- 強い炭酸飲料:胃腸が不調のときは、飲みすぎると過剰に刺激されて下痢や腹痛の症状が出る場合がある
- カフェインが多い飲み物(濃いコーヒー・エナジードリンクなど):過剰摂取により、消化器官が刺激されて下痢や吐き気、嘔吐などを引き起こすこともある
- 強い酸味の飲料(濃い柑橘系ジュースなど):酸味の強い飲料は胃酸分泌を促すことがあり、消化器官の粘膜を傷つけることがある
- 香辛料が強いもの:香辛料などの刺激物は過剰摂取により、胃粘膜を損傷する恐れもある
- 人工甘味料が多い飲料:腸内環境に影響する可能性が指摘されており、胃腸が敏感なときは負担に感じる場合もある
「飲み方」の工夫でさらにやさしく
同じ飲み物でも飲み方によっては胃への負担が変わることもあります。そこで、ここでは胃に優しいとされる飲み方を紹介します。
飲み方の工夫
- 少量をこまめに飲む:一度に大量に飲まず、少しずつ間隔をあけて飲む
- 冷やしすぎない:常温~ぬるめの温度を目安にし、キンキンに冷えた飲み物は体調を見ながら取り入れる
- 空腹時に刺激の強い飲み物を避ける:まずは、水や白湯など刺激の少ないものから試す
- 自分に合う・合わない飲み物やタイミングを把握する:簡単にメモしておくと、体調管理の目安になる
こんな症状は無理せず受診を
この記事で紹介している胃に優しいとされる飲み物は、一般的な目安です。
次のような症状がある場合は無理をせず、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
医療機関へ相談した方がよい症状
- 強い腹痛が続いている
- 嘔吐を繰り返す
- 血が混じる便、黒い便が出る
- 発熱が続く
特に、高齢の方・基礎疾患がある方・妊娠中の方は、体調の変化が体への大きな負担につながることがあります。症状がつらい、または長引く場合は、自己判断せず、早めに医療機関へ相談しましょう。
よくある質問(FAQ)
ここでは、胃に優しい飲み物についてのよくある疑問をまとめています。体調や症状は個人差があるため、迷ったときの目安として参考にしてみてください。
Q. 胃に優しいのは常温と温かい飲み物のどちらですか?
A. 一般には常温〜少し温かい飲み物から少量ずつ試すのが無難です。体質やその時の体調によって合う・合わないがあるため、自分の状態を見ながら調整してください。
Q. 炭酸水は胃に優しいですか?
A. 人によっては炭酸が刺激になり、かえってつらく感じることがあります。胃のむかつきや不快感があるときは控えるか、弱めの炭酸を少量だけ飲む程度にとどめましょう。
Q. スポーツドリンクは薄めた方がよいですか?
A. 甘みが強いと飲みにくい場合は、水や氷で薄めると飲みやすくなることがあります。ただし、無理に飲み続けず、自分にとって負担が少ない飲み方を優先してください。
Q. 牛乳は胃に優しいですか?
A. 合う方もいれば、乳糖や脂肪分で重く感じる方もいます。試す場合は少量から始め、合わないと感じたら別の飲み物を選びましょう。
胃に優しい飲み物は体調に合わせて飲み方も工夫しよう
この記事のまとめ
- 胃に優しい飲み物とは、刺激が少なく、冷たすぎず熱すぎない温度で、少量ずつ飲みやすいものが一般的
- 胃の不調時の水分補給には、常温の水・白湯・麦茶・ほうじ茶など、カフェイン控えめの飲み物が選びやすい
- スポーツドリンクは、そのままでは糖分が多くなりやすいため、水で薄めて少量ずつ飲む
- 乳製品は胃を保護するとされる一方、体質によって合わない場合があるため少量から試すことが重要
- アルコール、強い炭酸飲料、カフェインの多い飲み物、酸味や刺激の強い飲料は、胃への負担になりやすい
- 飲み物の種類だけでなく、量・温度・飲むタイミングなど「飲み方」を工夫することが胃への負担軽減につながる
- 強い腹痛や嘔吐、血便、発熱などの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することが大切
胃の調子が悪いときの水分補給は、胃に優しいとされる飲み物を選び、濃さ・温度・量を調整することが大切です。コンビニやスーパーで手に入る身近な飲み物でも、少量ずつ・常温〜ぬるめを意識すると負担を抑えやすくなります。判断に迷ったときや不調が続く場合は無理をせずに、早めに医療機関へ相談してください。
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。