故人の遺品整理を自分で行う方法まとめ|準備事項や注意点などを踏まえた手順を解説
家族や親族が亡くなった後に必要なのが、遺品整理です。故人の遺品をどのように片付けるべきか、遺品整理ができるかどうか悩む方は多いのではないでしょうか。本記事では、故人の遺品整理を自分で行う方法について解説していきます。
遺品整理は自分でできる?
遺品整理を業者に頼まず自分で行えるかどうかは、故人の家の状態やあなたの状況などによって異なります。まずは、自分で遺品整理ができるかどうか確認してみてください。
自分で遺品整理ができるケース
遺品整理は大変な作業ですが、状況によっては自分で行うこともできます。例えば、他のご遺族と協力して複数人で遺品整理が行える場合、自分たちで片付けができるでしょう。故人と同居していて遺品が少ない場合や、遺品整理を行う時間が十分に取れる場合も、自分で対応が可能なケースです。
自分で遺品整理を行えば業者に依頼する費用を削減できる上、大切なものを失くしてしまう可能性も低くなります。遺品整理ができそうな場合は、なるべく自分で対応することをおすすめします。
自分で遺品整理を行えるケース
- 他のご遺族と協力し、複数人で遺品整理ができる
- 故人と同居している、または故人の家が近い
- 遺品が少ない
- 遺品整理を行う時間がある
自分で遺品整理をするのが難しいケース
遺品整理はなるべく自分で対応するのがおすすめですが、それが難しい場合もあります。例えば、故人の住居が遠方にある場合や、遺品の数が多く遺品整理に時間がかかりそうな場合です。
自分で遺品整理をするのが難しいケース
- 故人の家が遠方にある
- 遺品の量が多い
- 遺品整理が必要な部屋数が多い
- 協力してくれる遺族がいない
遺品整理を自分で行う前の準備事項
遺品整理を自分で行う場合は、まず事前準備をする必要があります。前もって準備をしておくことで、片付けをスムーズに進められるでしょう。ここからは、遺品整理を自分で行う場合の準備事項について解説していきます。
現場の様子をチェックする
まずは、遺品整理を行う故人の自宅の状況をチェックしましょう。他の家族と一緒に遺品整理をする予定である場合は、一緒に現場の様子を確認することをおすすめします。どの部屋から片付けるべきか、ゴミや不用品はどの程度出そうかを確認しておきましょう。
必要な道具を準備する
故人の自宅の様子を確認したら、必要な道具を準備します。片付けに必要なものを持参することで、遺品整理をスムーズに進められるでしょう。
汚れてもよい服やマスク
遺品整理を行う際は、汚れてもよい服やマスクを着用するのがおすすめです。病気や怪我などで故人が入院しており、故人の自宅が長期間放置されていた場合は、汚れが溜まっているため軍手や掃除道具などもあわせて持参するとよいでしょう。
段ボール
遺品整理を自分で行う場合は、段ボールを複数個準備しておくと便利です。遺品の片付け作業では、保管しておくものと処分するものを分類する必要があるため、仕分け用の段ボールがあると作業が捗ります。大きすぎる段ボール箱は持ち運ぶのが大変なため、サイズには注意しましょう。
ハサミやドライバー
遺品整理では、ハサミやドライバーなどの道具も持参するとよいでしょう。本棚や机、カラーボックスなどの家具は、自分でドライバーを用いて分解することで搬出や処分が楽になります。ハサミはビニール紐を切ったり、空き箱を小さくカットしたりする際に活躍します。
ゴミ袋
自分で遺品整理を行う際は、ゴミ袋も持参しましょう。故人の自宅の片付け中には、必要なものだけでなく不要なものも多数出てきます。故人の自宅がある自治体の決まりにあわせて、燃えるゴミやプラスチックなどのゴミ袋を準備しておきましょう。
遺品整理のタイミングを決める
必要な道具が揃ったら、遺品整理を実際に行うタイミングを決めます。故人が住んでいたマンションやアパートが賃貸物件である場合、契約が切れてしまう前に片付けをすまさなければいけません。なるべく早急に遺品整理の時期を決め、片付けに取り掛かりましょう。
また、他に家族や親族がいる場合、財産相続の権利がある人には前もって遺品整理のことを相談しておく必要があります。勝手に遺品整理を進めるとトラブルの原因になるため、十分注意しましょう。
遺品整理を自分で行う際の注意点
遺品整理を自分で行う場合、さまざまなトラブルが発生する恐れがあります。こちらでは遺品整理の際の注意点を解説していきますので、自分で片付けを進めようと考えている方は目を通してみてください。
大切なものを処分しないよう注意する
自分で遺品整理を進める際は、大切なものを処分してしまわないよう注意しましょう。例えば、不動産の権利書や税金関係の書類、銀行口座などの金融情報などです。こういった重要な書類を捨ててしまった場合、再発行のために煩雑な手続きが必要になる可能性が高いです。
また、買い取り価値が高く遺産として残すべきものを処分してしまうこともあります。この場合、遺産分配時や形見分けの際、家族や親族とトラブルになる可能性があります。自分ひとりの判断でものを捨てたり処分したりせず、周囲と相談しながら遺産整理を進めていきましょう。
遺品分配でトラブルになることがある
自分で遺品整理をする場合、遺品分配でトラブルになることがあるため注意しましょう。例えば、勝手に資産価値のあるものを分配したり、物品を引き取ったりして、他の親族とトラブルになるケースが挙げられます。遺品整理をする際は、財産相続の権利を持つ親族を集めて相談しながら遺品分配を行うことで、無用なトラブルを防ぐことが可能です。
なるべく早めに遺品整理を行う
遺品整理は先延ばしにせず、なるべく早めに取り組むようにしましょう。特にマンションやアパートなどの賃貸物件に故人が住んでいた場合、家賃がかさむ上に近隣住民から苦情が入ることもあります。
持ち家の場合も、時間が経つにつれて家の劣化が進んでしまいます。親族と話し合ってスケジュールを合わせ、速やかに遺品整理に取り掛かりましょう。
処分するものが多すぎて手間取ることもある
想像よりも処分するものが多く、遺品整理に手間取ることもあります。処分するべきゴミが大量にあると、遺品整理にかかる時間や手間は増大します。片付けの途中で「これ以上自分で遺品整理を進めるのが難しい」と判断したら、業者に依頼するのがおすすめです。
遺品整理を自分で行う手順
準備が整ったら遺品整理の作業に取り掛かりましょう。遺品整理をスムーズに進めるためには、手順や流れをしっかり押さえておくことが大切です。ここでは自分で遺品整理を行う方法や手順を解説するため、参考にしてみてください。
STEP①必要なものと要らないものを仕分ける
初めに、必要なものと不要なものを仕分けしていきます。相続人で形見分けするべきものや、資産価値や買取り価値のあるものは残しましょう。片付け中に必要かどうか迷ったら、「自分が買い取りたいか?」「親族の誰か買い取ってくれるか?」と考えてみてください。必要なものと不要なものは、それぞれ段ボールなどに入れて分類しておきます。
STEP②リサイクル品を仕分ける
一方で、不用品は、リサイクルを意識して、細かく分類していかなければいけません。燃えないゴミや燃えるゴミ、再利用できるものに分類しておくことで、自治体の回収サービスで効率良く捨てられます。リサイクルの方法や基準については自治体によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
必要なものは後に親族同士で分けますが、不要なものはリサイクル品として仕分ける必要があります。不要なものの中から、リサイクルショップなどで売れるものや、資源として再利用できるものを分類していきましょう。
リサイクルショップに持ち込む時間がない場合は、フリマアプリ・インターネットオークションや出張買取サービスを利用するのがおすすめです。
STEP③不用品の処分方法を考える
必要なものとリサイクルできるものを仕分けたら、次に不要なものの処分方法を考えます。燃えるゴミや燃えないゴミなどは、自治体の回収サービスを利用して処分するのがおすすめです。
大きな家電や家具、機械類などの処分が難しい不用品は、専門業者に相談して処分を進めてください。
STEP④遺品を分配する
次に、遺品整理で出てきた資産価値のあるものを分配していきます。遺品分配の際の権利関係は親族によって異なり、遺言書の内容によって相続の仕方や資産額が違ってきます。
例えば、遺言書に「総資産の半分を長男に譲り、残りを他の兄弟で分けてほしい」と書かれていた場合は、その内容通りに長男が総資産の半分を相続できるよう遺産を分配することになるのです。遺言書がある場合は、遺品整理の前に親族に開示しておくことをおすすめします。
STEP⑤清掃を行う
物の片付けが終わったら、自宅の清掃を行います。特に、故人の自宅が賃貸物件であった場合、清掃は原状回復にあたる作業です。その場所を引き続き使う場合も、そうでない場合も丁寧に清掃を行いましょう。
STEP⑥物件の処分を進める
室内の清掃が完了したら、物件の処分を進めていきます。マンションやアパート、一戸建てなどの賃貸物件に故人が住んでいた場合、物件の解約手続きを行います。遺品整理を行う前に大家さんに相談しておき、今後の手続きや契約について話し合っておきましょう。
故人が持ち家に住んでおり、誰もその家に住まない場合も処分が必要になります。誰も住んでいない家をそのままにしておくと、固定資産税がかかり続けるだけでなく、不法投棄の温床になる恐れがあるためです。自宅を他人に貸し出す、解体して土地を売るなど、どのように処分するか考えてみてください。
遺品整理をスムーズに進めるコツ
遺品整理はかなり大変な作業であるため、思うように片付けが進まず悩むこともあるでしょう。そこでここからは、自分で遺品整理をスムーズに進めるコツについて解説していきます。
形見の品や貴重品は前もって仕分けておく
故人の形見の品や不動産の権利書、通帳、印鑑などの貴重品は、遺品整理を本格的に始める前に仕分けておくことがおすすめです。自分で遺品整理を進めていると、重要なものまで処分してしまうケースがあります。捨ててはいけないものを前もって分類しておくと、うっかり処分してしまう心配がなくなります。
できるだけ大人数で遺品整理を行う
遺品整理を自分で進める場合、家族や親族などに頼んで大人数で遺品整理を行うのがおすすめです。遺品整理はかなりの時間や手間がかかり、肉体的にも精神的にも負担になるものです。なるべく大勢で遺品整理を進めることで、部屋の片付けがスムーズに進みます。
遺品を分類する人、大きな家具や家電を運搬する人、ゴミを出す人などと役割分担をしておくと、さらに作業が捗ります。また、大勢で遺品整理をすることで、価値のあるものをうっかり処分してしまうことも減るでしょう。
不用品の処分には業者に依頼するとスムーズ
自分で遺品整理を進める場合でも、不用品の処分だけでも業者に依頼することをおすすめします。小さなものはゴミとして処分できますが、リサイクルが必要なものや大きく重たい家電などは、自分で処分するのが難しいものです。自治体に回収してもらうこともできますが、細かい分類が必要な場合や日程が制限されるなど、なかなか処分が進まないこともあるでしょう。
処分が難しい不用品は専門の業者に依頼すれば、スムーズに遺品整理を進められます。中には買い取りを行っている業者もあるため、ブランド品や高級な家具・家電が多い場合は、買い取りサービスを実施している業者を探すのがおすすめです。
遺品整理を行う際は、流れや手順を確認しましょう
この記事のまとめ
- 遺品整理を行う前に、自分で片付けができるか見極める必要がある
- 遺品整理を自分で行う際は、現場の様子を確認したり必要なものを用意したりといった準備が必要
- 手順を意識しながら遺品整理を進めることで作業が捗る
- 形見の品や貴重品などは、前もって仕分けておく
- 不用品の処分は、専門業者に依頼するとスムーズ
故人の自宅が近くにあったり、親族や家族が協力してくれたりする場合は、自分たちで遺品整理を行うことが可能です。遺品整理を自分で進めれば、業者に依頼する費用を抑えられるでしょう。今回紹介した遺品整理の方法や準備するべきものを参考に、片付けを進めてみてください。