「お悔やみ申し上げます」と言われた際の返事は?例文と注意点を紹介

身近な人が亡くなると、周りの人から「お悔やみ申し上げます」という言葉をかけられることがあります。しかし、悲しみの中でどう答えればよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。本記事では「お悔やみ申し上げます」と言われた際の返事について、例文と注意点もあわせて解説します。
「お悔やみ申し上げます」とは

「お悔やみ申し上げます」とは、故人を悼むと共に、ご遺族に対する思いやりを示す言葉です。一般的に、故人と関係のあった方が訃報を聞いたり葬儀に参列したりする時に、弔意を伝えるために使います。
つまり「お悔やみ申し上げます」は単なる形式的な挨拶ではなく、ご遺族の悲しみに寄り添う温かい言葉だといえるでしょう。
なお、葬儀後の四十九日法要や年忌法要では「お悔やみ申し上げます」を使用しない点に注意してください。
「お悔やみ申し上げます」の使用例
- この度はご愁傷様です。心よりお悔やみ申し上げます。
- ご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
- 突然の悲報に接し、心からお悔やみ申し上げます。
そのほか代表的なお悔やみの言葉としては、口頭であれば「ご愁傷様です」「残念でなりません」、文章であれば「ご冥福をお祈りします」「哀悼の意を表します」などが挙げられます。
「お悔やみ申し上げます」と言われた際の返事と例文

葬儀の参列者から「お悔やみ申し上げます」と言われた際、感謝の意を込めて返事をすることが大切です。
ここからは「お悔やみ申し上げます」に対する代表的な返事と例文を紹介します。状況に応じて使い分けるようにしましょう。
「恐れ入ります」
「お悔やみ申し上げます」と言われた際には「恐れ入ります」と返事するとよいでしょう。
「恐れ入ります」とは、相手の厚意を申し訳なく思いつつ感謝しているという表現です。そのため、葬儀に参列いただいた相手に向けて、謙虚な姿勢で謝意を伝えるのに適しています。
また、目上の方や会社の上司から「お悔やみ申し上げます」と言われた場合、より丁寧に「恐縮でございます」と返事をすることも可能です。
「ありがとうございます」
「お悔やみ申し上げます」という言葉に対しては、「ありがとうございます」と返事をするのも一般的です。
また「ありがとうございます」の前に「ご丁寧に」や「お気遣い」などと言葉を添えると、表現の幅が広がる上に誠意も伝わりやすくなります。
「ありがとうございます」を使用した返事の例文
- ご丁寧にありがとうございます。
- お気遣いありがとうございます。
- お忙しい中お越しいただきありがとうございます。
「痛み入ります」
「痛み入ります」は感謝と恐縮の意味をあわせ持っており、「恐れ入ります」に近い表現だといえるでしょう。つまり「ありがとうございます」と「恐れ入ります」の表現をひとつにまとめ、相手に簡潔に謝意を伝えられます。
また、目上の方や会社の上司からの「お悔やみ申し上げます」に対する返事としても適切です。
「生前はお世話になりました」
「お悔やみ申し上げます」と言われた際、「生前はお世話になりました」という表現も適切な返事のひとつです。特に友人や会社の同僚など、故人が生前に親しくしていた方に感謝を伝えたい場合に使うとよいでしょう。
また「ありがとうございます」や「恐れ入ります」と組み合わせて返事をすることで、より丁寧かつ誠実な印象を与えられます。
「生前はお世話になりました」を使用した返事の例文
- お心遣いありがとうございます。生前は夫がお世話になりました。
- 恐れ入ります。生前は母がお世話になりました。
返事の言葉が出ない場合は黙礼する
故人が亡くなってショックを受けたり、気持ちの整理が付かなかったりする場合も少なくありません。そのため「お悔やみ申し上げます」の言葉に対し、何も返事ができない可能性も十分有り得ます。とっさの返事に詰まってしまった場合は、黙礼するだけでも問題ないといわれています。
黙礼で対応する際には「お悔やみ申し上げます」と声をかけてくれた方に体を向け、深くお辞儀をしてください。丁寧に一礼することで、こちらがお悔やみの言葉に感謝しているという意図を相手に伝えましょう。
「お悔やみ申し上げます」とメールをいただいたら

対面や電話に限らず、「お悔やみ申し上げます」とメールでいただく場合も考えられます。お悔やみのメールをいただいたら、対面と同じく、感謝の言葉を簡潔にまとめて返事するのが一般的です。
ここからは、メールの「お悔やみ申し上げます」という言葉にどのように返事をすればよいのか、例文とあわせて紹介します。
仕事関係者に対する返信の例文
仕事の関係者から「お悔やみ申し上げます」とメールをいただいた場合、感謝はもちろん、仕事に影響を与えてしまったことへの謝罪も必ず伝えるようにしましょう。仕事関係者に対する返事では、敬意を表すために丁寧かつ慎み深い表現を心がけてください。
忌引き休暇中は、上司や同僚に業務を代わってもらわなければなりません。フォローしてもらった相手にきちんとお礼の返事を送ることが、職場の人間関係を円滑にするためにも重要となります。
また「お悔やみ申し上げます」のメールには、仕事に復帰する具体的な日付を記載して返事をするとより親切です。
返信の例文
先日はご多忙の中、丁寧なお言葉をいただきありがとうございました。
突然のことでご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。
おかげさまで葬儀を滞りなく終えることができましたので、取り急ぎご連絡させていただきます。
なお、会社には〇月〇日より復帰いたします。 どうか皆様にもよろしくお伝えください。
親しい友人に対する返信の例文
親しい友人や知人からいただいた「お悔やみ申し上げます」のメールには、少し砕けた表現で返事をしてもかまわないといわれています。ただし、礼儀をわきまえた上で、心からの感謝が伝わる文章となっているか注意してください。
返信の例文
先日は連絡をくれてどうもありがとう。
突然のことで驚くばかりだったけれど、無事に葬儀も終わって今は少し落ち着いています。
ひと段落したら、またゆっくりお話させてください。
取り急ぎ、お礼まで。
また、相手が故人とも知り合いである場合、返事の内容で故人との思い出に触れて互いの悲しみを分かち合うのもよいでしょう。
親族に対する返信の例文
親族から「お悔やみ申し上げます」とメールをいただいた場合も、相手の気遣いに対して率直に感謝を伝えることが重要となります。親族との関係にもよりますが、丁寧な言葉遣いで簡潔に文章をまとめるように意識しましょう。
返信の例文
この度はお忙しい中、メールをいただきありがとうございました。
皆様からのお力添えで、無事に葬儀を終えることができました。
お心遣いに、家族一同、心より感謝しております。 ありがとうございました。
「お悔やみ申し上げます」に返事をする際の注意点

「お悔やみ申し上げます」と言われて返事をする際には、いくつか注意すべき点があります。相手に失礼のないよう「お悔やみ申し上げます」に対する適切な返事の仕方を押さえておきましょう。
忌み言葉を使わない
「お悔やみ申し上げます」と言われたりお悔やみのメールをいただいたりした場合の返事では、忌み言葉を使わないように注意してください。
忌み言葉とは死や不幸を連想させるような言葉を指し、弔事においては特に縁起が悪いと考えられています
主な忌み言葉には「消える」「切れる」「終わる」などがあります。また「四」は「死」に、「九」は「苦」につながる不吉な言葉とみなされる点に注意が必要です。例えば「急死」のように死にまつわる直接的な表現は「突然のこと」と言い換えるようにしましょう。
さらに「ますます」や「たびたび」といった同じ言葉を2回使う重ね言葉も、不幸の重なりを連想させるため避けてください。
事前に返事の内容を考えておく
「お悔やみ申し上げます」と言われた際にどのように返事をするのか、事前に内容を考えておくとよいでしょう。
葬儀ではさまざまな準備に追われ、時に参列者への対応で言葉に詰まってしまうことも考えられます。また、敬語の使い方や挨拶の仕方などが正しいのか、不安を覚える方もいるかもしれません。
そこで、実際に「お悔やみ申し上げます」の返事となる内容を文章に書き起こし、頭の中を整理しておくようにします。前もって準備すれば、葬儀の場で「お悔やみ申し上げます」と挨拶してくれた参列者にも落ち着いて受け答えできるでしょう。
さらに「お悔やみ申し上げます」とメールをいただいた際も、心理面での負担を減らしながら感謝の気持ちを込めた返事を送れます。
「お悔やみ申し上げます」という言葉には感謝の気持ちを持って返事をしましょう

この記事のまとめ
- 「お悔やみ申し上げます」とは故人への弔意とご遺族に対する思いやりを表す言葉
- 「お悔やみ申し上げます」に返事する際は感謝を伝える表現を使用する
- 「お悔やみ申し上げます」に対する返事の言葉が出なければ黙礼でも可
- 「お悔やみ申し上げます」とメールでいただいたら相手との関係に応じて返事をする
- 「お悔やみ申し上げます」の返事では忌み言葉は使用しない
- 事前に「お悔やみ申し上げます」に対する返事の内容を準備する
「お悔やみ申し上げます」という言葉には、故人とご遺族双方に対する深い思いが込められています。そのため、感謝の気持ちが伝わるように返事をすることが大切です。葬儀の前には、対面やメールで「お悔やみ申し上げます」と言われた場合を想定し、例文を参考にしながら返事の内容を考えましょう。