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一周忌法要でのお返しは何を用意する?マナーと選び方をあわせて解説

一周忌法要でのお返しは何を用意する?マナーと選び方をあわせて解説

一周忌法要を執り行う際、参列者にお返しを用意する必要があります。初めて法要を行う場合、何を用意するべきか迷ってしまうのではないでしょうか。本記事では、一周忌法要のお返しの選び方やおすすめの品物などを詳しく紹介します。

一周忌法要のお返しとは

一周忌のお返し

一周忌法要では、参列者にお返しの品物を渡すのが一般的です。しかし、お返しの品物が持つ意味についてご存知ないという方も多いのではないでしょうか。まずは、一周忌法要のお返しとはどのような品物なのかを紹介します。

参列者に対するお礼の品物

一周忌法要のお返しとは、参列者に対するお礼の品物のことを指します。一周忌法要を執り行う場合、参列者はお供え物や香典を持参します。これに対して感謝を表すために渡す品物が「お返し」と呼ばれるものです。一周忌法要のお返しは「引き出物」といわれることもあります。

また、法要の際に行われる「御斎」という食事もお返しの一つです。御斎には参列していただいたことへの感謝や僧侶に対する読経のお礼という意味のほか、故人への供養という意味も込められています。ただし、場合によっては、この御斎を行わないこともあります。

一周忌法要でのお返しの選び方

一周忌のお返し

一周忌法要でのお返しを選ぶ際は、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここからは、一周忌法要でのお返しの選び方について解説します。

消え物を選ぶ

一周忌法要のお返しには、「消え物」を選ぶのがおすすめです。消え物とは、使用することでなくなり後に残らないもののことを指します。消え物を選ぶのには、「悲しみが後に残らず消えるように」という意味が込められています。どのような方でも使用できるよう、好みが分かれないものを用意するのがおすすめです。

また、遠方から一周忌法要に参列される方のことを考え、持ち運びやすいものを選ぶようにしましょう。サイズが大きすぎるものや重すぎるものは避けた方が無難です。食品をお返しとして用意する場合は、常温でも保管できて日持ちするものが適しています。

一周忌法要でのお返しの相場

一周忌法要でのお返しの相場は、いただいたものの金額の半額〜3分の1程度の金額です。ただし、高額のお供え物をいただくと予想される場合は、お返しの金額も高額になります。

また、お住まいの地域によってお返しの相場が異なることがあるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

▶一周忌法要の香典の相場を知りたい方はこちら

一周忌法要でおすすめのお返しの品物

一周忌のお返し

一周忌法要のお返しの品物の選び方はわかったものの、実際にどんな品物が最適なのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここからは、一周忌法要のお返しにおすすめの品物を紹介します。

お菓子

お菓子は手軽に持ち運べるため一周忌法要のお返しに最適です。なるべく日持ちするよう、マドレーヌやフィナンシェ、クッキーといった焼き菓子が適しています。和菓子であれば、せんべいやおまんじゅう、羊羹などがおすすめです。

また、時間がたっても食べられることを考えて個包装されているものを選ぶのもよいでしょう。

石鹸

石鹸も、一周忌法要のお返しにおすすめしたい品物の一つです。石鹸は誰でも使う実用品であるため、もらった人の負担になりません。また、石鹸には「不幸な出来事を洗い流す」という意味も込められているため、弔事である一周忌法要のお返しに最適です。

石鹸をお返しとして用意する際は、香りが強すぎないものを選ぶのがおすすめです。

タオル

好みに左右されにくく使い勝手がよいタオルは、誰からも喜ばれるお返しといえます。白いタオルが選ばれることが多いですが、派手過ぎなければ色や柄が入ったものでも構いません。

お茶・コーヒー

一周忌法要のお返しとして、お茶やコーヒーなどもおすすめです。お茶は好みが分かれにくく、日持ちしやすいのが特徴です。コーヒーも多くの方に好まれており、失敗が少ない品物として人気があります。

カタログギフト

カタログギフトも、一周忌法要のお返しとしてよく選ばれている品物の一つです。カタログギフトは参列者自身が好きな品物を選べ、選択肢も豊富なため、喜ばれやすいでしょう。また、持って帰る際にかさばりにくいという点も、カタログギフトが選ばれる理由です。

一周忌法要でのお返しに関するマナー

一周忌のお返し

一周忌法要のお返しを用意する際、水引や表書きなどのマナーに気を配る必要があります。こちらで紹介する一周忌法要でのお返しに関するマナーを把握しておき、参列者に失礼のないようにしましょう。

水引に関するマナー

一周忌法要のお返しの水引には、白黒のものを選ぶのがマナーです。結び方は「不幸が続かないように」という意味のある結び切りを選びます。ただし、関西など一部の地域では黄白の水引を使用することもあるため、前もって確認しておきましょう。

表書きの書き方

一周忌法要のお返しの表書きは、濃い墨の筆ペンや毛筆を使用して書きます。お通夜や葬儀で使用される薄墨は使われないため、注意してください。

表書きには「志」「粗供養」「茶の子」などが使用されます。お住まいの地域によって使用される表書きが異なるため、前もって確認しておくことをおすすめします。

品物にはかけ紙をする

一周忌法要のお返しを用意する際、品物にかけ紙をします。かけ紙のかけ方には、「外のし」と「内のし」の2種類があります。外のしとは品物の包装紙の外側にかけ紙をかける方法で、内のしとは品物の箱に直接かけ紙をかける方法です。

基本的に外のしは直接手渡しする場合、内のしは郵送する場合に使われます。どちらの掛け方でもマナーとしては問題ありませんが、法要では外のしが選ばれることが多いです。
また、かけ紙を裏で合わせる場合、弔事の場合は左側を外にすることがマナーです。

郵送の場合は挨拶状を添える

一周忌法要のお返しは一般的に当日手渡ししますが、場合によっては品物を郵送することもあります。郵送の場合は、挨拶状を添えるのが正式なマナーです。

挨拶状には法要に参列いただいた感謝、略式での挨拶になることへのお詫びなどを記載します。この時、句読点や忌み言葉を使用しないよう注意してください。

一周忌法要のお返しの渡し方

一周忌のお返し

初めて一周忌法要を迎える場合、いつお返しを参列者に渡すのか迷ってしまうのではないでしょうか。ここからは、一周忌法要のお返しの渡し方について紹介します。

法要当日に渡す

一周忌法要のお返しは、法要当日に渡すのが一般的です。

お返しの品物は、参列者全員に一律で準備します。参列者それぞれに個別の品物を用意することは少なく、一周忌法要までに品物の手配が可能です。

日を改める場合は法要から1ヵ月以内に送る

いただいたお供え物が高額だったり、参列者が会場に来られなかった場合などは、日を改めて品物を送ることになります。この場合、一周忌法要が終わってから1ヵ月以内に品物を手配するのが一般的です。品物は直接相手の自宅に持参して手渡すのが正式なマナーとされていますが、郵送でも問題ありません。

一周忌法要のお返しとして不適切な品物

一周忌のお返し

ここからは、一周忌法要のお返しとして不適切な品物について紹介します。不適切な品物を渡すのは、参列者に対して失礼になるため注意が必要です。どのような品物を避けるべきなのか、事前に把握しておくと安心でしょう。

殺生を連想させるもの

一周忌法要のお返しとして不適切な品物に、殺生を連想させるものが挙げられます。仏教においては殺生が禁止されているため、肉や魚、動物性の食品、加工品などは避けるべきと考えられています。また、日本酒やビールといったアルコール類や生ものなども避けた方が無難です。

慶事で選ばれる品物

慶事の引き出物として選ばれる品物も、一周忌のお返しには不適切です。一周忌法要は弔事であるため、エビや鯛、昆布といった慶事の品物はふさわしくありません。一周忌法要のお返しを選ぶ際は、その品物が慶事で送られるものでないか確認しましょう。

参列者への感謝を込めて、一周忌法要でのお返しを準備しましょう

一周忌のお返し

この記事のまとめ

  • 一周忌法要のお返しとは、参列者に対するお礼の品物を指す
  • 一周忌法要でのお返しには、消え物や好みの分かれないものを選ぶのがおすすめ
  • お返しの相場は、いただいたものの金額の半額〜3分の1程度とされている
  • 一周忌法要でおすすめのお返しの品物として、お菓子、石鹸、タオル、お茶・コーヒー、カタログギフトが挙げられる
  • 一周忌法要のお返しは法要当日に渡すのが一般的だが、日を改める場合は法要から1ヵ月以内に送る
  • 殺生を連想させるものや慶事で選ばれる品物は、一周忌法要のお返しとしては不適切

一周忌法要のお返しとは、参列者に対するお礼の品物のことです。どのような品物がお返しに適しているか、事前に確認しておくことをおすすめします。本記事で紹介した品物の選び方やおすすめの品物、用意する際のマナーなどをぜひ参考にしてみてください

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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