葬儀費用をローンで支払う方法とは?手続きや審査に必要な書類を解説
葬儀費用をローンで支払うことができるのをご存知でしょうか?本記事では、葬儀費用をローンで支払う方法や手続き、必要な書類などについて詳しく解説します。利用の際の注意点も紹介しますので、葬儀費用が工面できず悩んでいる方はご覧ください。
葬儀ローンとは
葬儀を執り行うにはまとまったお金が必要になるため、費用の工面に悩む方も多いでしょう。こういった場合に役立つのが葬儀ローンです。まずは、葬儀ローンとはどのようなものか解説していきます。
葬儀費用を分割払いするサービス
葬儀ローンとは、葬儀にかかる費用を分割で支払える金融サービスのことです。お通夜や葬儀を執り行うのにかかった費用は、葬儀が終わった後に葬儀社へ支払う必要があります。規模にもよりますが、葬儀を行うには100万円〜200万円ほどの費用がかかるため、手元に現金が用意できないこともあるでしょう。このようなときに葬儀ローンが活用できます。
葬儀ローンは、葬儀社や金融機関からお金を借り入れて葬儀費用を支払った後に、分割払いでお金を返済していくという仕組みです。ただし、葬儀ローンの利用には条件が定められています。年収や職業、勤務年数、年齢、借金の有無といった与信審査を通過した人が、利用できます。
葬儀ローンのメリット・デメリット
葬儀ローンにはメリットがある一方、デメリットも存在します。葬儀ローンの利用を検討している方は、メリットとデメリットどちらもきちんと把握しておきましょう。
メリット①葬儀にお金をかけられる
葬儀ローンを利用するメリットとして、葬儀にお金をかけられるという点が挙げられます。
故人のために盛大な葬儀を行いたい、大勢の参列者を招きたいと考える方もいるでしょう。葬儀ローンを組んで借り入れをすることで、費用を気にせず葬儀を執り行えます。借り入れた費用は分割回数を決めた上で支払えるため、無理のないペースで返済できるのもメリットです。
また、葬儀ローンは利用目的が葬儀のみに限られているため、限度額が高いのも特徴です。葬儀ローンを利用することで、手元に現金がなくても費用が大きくかかる豪華な葬儀を行えるでしょう。
メリット②手元に現金を残しておくことができる
手元に現金を残しておくことができるというのも、葬儀ローンを利用するメリットの一つです。
突然家族が亡くなった場合や、大きな買い物をした直後などは、金銭的な余裕がなく葬儀費用を準備できない恐れがあります。香典だけでは費用を賄えない、故人の遺産を利用することができないといった状況に置かれることもあるでしょう。このような場合に手元に現金を残したまま葬儀費用を工面できるというのは、葬儀ローンを活用する上での大きなメリットです。
デメリット①利子や分割手数料がかかる
葬儀ローンを利用する際は、利子や分割手数料がかかることを覚えておきましょう。契約したローンにもよりますが、手数料は数%から十数%ほどになり、一括で支払うよりも支払い総額が高くなるのが一般的です。
分割回数を増やすほど、利子や手数料も比例して高くなっていきます。利子や手数料をなるべく抑えたい場合は、可能な限り早めにローンを返済することをおすすめします。
デメリット②審査に時間がかかる場合がある
葬儀ローンのデメリットとして、審査に時間がかかる場合があることが挙げられます。葬儀ローンには与信審査があり、それに通らなければ利用できません。葬儀ローンの種類や借りる人の状況によっては、審査の結果が出るまでに時間がかかる恐れがあります。
また、審査に通らず葬儀ローンを組めない可能性もあります。すぐに費用を工面できない可能性や、審査に通らない場合があることを念頭に置いておきましょう。
葬儀ローンの種類
葬儀ローンには、金融機関が提供しているものと葬儀社が提携している信販会社が提供しているものの2種類があります。ここからは、葬儀ローンの種類ごとの特徴について解説します。
金融機関のローン
葬儀ローンの種類として、銀行や労働金庫、信用金庫などの金融機関から借り入れられるローンが挙げられます。銀行ではフリーローンや多目的ローンなど、資金用途が限定されていないローンとして借り入れを行うのが特徴です。金利の相場は5%〜15%で、返済回数は120回までと長期間の返済が可能です。
労働金庫や信用金庫でも、基本的にフリーローンや多目的ローンとして借り入れを行います。中には、葬儀限定のローンを提供している労働金庫や信用金庫もあります。他に比べると与信審査が厳しいとされていますが、金利が2.5%〜10%ほどと低めに設定されているのが特徴です。
葬儀社が提携している信販会社のローン
葬儀ローンには、葬儀社が信販会社と提携している種類のローンも存在します。
金融機関が提供している葬儀ローンに比べると、葬儀社のローンは審査基準が緩く条件に適合しやすい上、与信審査のスピードが早い傾向があるとされています。お通夜や葬儀の打ち合わせと平行して利用手続きや審査の準備を進められる点もメリットです。ただし、金融機関の葬儀ローンに比べると、金利相場は8%〜18%と高めです。
葬儀ローンの手続きと審査に必要な書類
葬儀ローンを利用したいけれど、どのような手続きが必要なのか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここからは、葬儀ローンの種類ごとに手続き方法を紹介します。
金融機関のローンの場合
金融機関の葬儀ローンの利用手続きは、以下の通りです。
金融機関の葬儀ローンを利用する際の手順
- 窓口でローン希望の旨を伝え、申し込み書類を記入する
- 仮の与信審査が行われる
- 仮審査に通ったら正式な審査に移行するための必要書類を提出する
- 与信審査に通ったら契約書類を記入・捺印して完了
必要な書類は金融機関によって異なりますが、収入を証明する書類や住民票などの提出を求められることが多いです。
葬儀社が提携している信販会社のローンの場合
葬儀社が提携している信販会社の葬儀ローンの利用手続きは、以下の通りです。
葬儀社が提携している信販会社の葬儀ローンを利用する際の手順
- 葬儀の打ち合わせの際などに葬儀費用を出す施主がローン利用の旨を伝え、審査申込書を記入する
- 与信審査が行われる(早いと1〜2時間ほど、長くても1日以内に結果が出る)
- 審査に通ったら契約書類に記入・捺印して完了
葬儀社のローンの場合、特に書類の提出は求められないことが多いですが、葬儀社や信販会社によっては住民票や収入を証明する書類が必要になることもあります。前もって必要な書類があるかを確認しておくと安心です。
葬儀ローンを利用する際の注意点
葬儀ローンを利用する際は、いくつかの注意点があります。どのような注意点があるのかきちんと押さえた上で、葬儀ローンを利用するかどうを検討してみてください。
審査に通らない可能性も考えておく
葬儀ローンの利用を検討する際は、与信審査に通らなかったときのことを考え、現金を工面する方法やクレジットカードを使った支払い方法を検討しておくことをおすすめします。
葬儀ローンの審査が通らず現金が工面できない場合は、自治体や国による給付制度を活用するとよいでしょう。故人が国民健康保険以外や協会けんぽに加入していた場合は「埋葬費」、国民健康保険に加入していた場合は「葬祭費」として給付を受け取れます。受け取り可能な金額は、加入していた保険の種類によって異なるため、前もって故人がどの保険に加入していたのか確認しておきましょう。
また、埋葬費や葬祭費は、故人と生計をともにしていた人や葬儀費用を出した施主が申請する必要があります。
返済可能な額か確認する
葬儀ローンを利用する際は、返済可能な金額かを事前に確認しましょう。葬儀ローンを利用すると、毎月決まった金額を返済していくことになります。分割回数が多いほど1回に支払う金額は減りますが、金利は高くなっていきます。
葬儀ローンを利用する際は、途中で返済できなくなるという事態を防ぐため、利子込みの返済額をしっかりと確認しておきましょう。家計を圧迫しないよう、無理のない範囲でできる限り分割回数を少なくするのがおすすめです。余裕があれば、繰り上げ返済を行ってもよいでしょう。
注意点を押さえて葬儀ローンの利用を検討しましょう
この記事のまとめ
- 葬儀ローンとは、葬儀費用を分割払いできる金融サービス
- 葬儀ローンのメリットは、葬儀にお金をかけられる、手元に現金を残しておけること
- 葬儀ローンのデメリットは、利子や分割手数料がかかる、審査に時間がかかること
- 葬儀ローンには、金融機関のローンと葬儀社のローンの2種類があり、それぞれ手続き方法や必要書類が異なる
- 葬儀ローンは審査に通らないことがある
- 葬儀ローンを利用する前に、返済可能な額が確認する必要がある
葬儀ローンとは、葬儀費用を借り入れて分割払いができる金融サービスです。現金が手元になく費用が工面できない場合でも、葬儀ローンを活用すれば葬儀を執り行うことが可能です。現金の用意が難しい、規模が大きい葬儀をしたいという方は、葬儀ローンの利用を検討してみましょう。