いとこへの香典の相場とは?金額のマナーや書き方についての注意点も紹介
いとこの葬儀に参列する際、香典はいくら包めばよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。香典は、亡くなった方との関係や自身の年齢によって金額の相場が変わってきます。本記事では、いとこに包む香典の相場や、マナーについて詳しく解説します。
いとこの葬儀で香典は包むべき?
いとこの葬儀でも香典は必要
血縁関係だけで考えると、4親等に当たるいとこへの香典を準備する必要はありません。一般的に親族への香典の範囲は、3親等までとすることが多いためです。親等とは、親族との関係の近さを表す単位のことをいいます。
とはいえ、生前故人であるいとこにお世話になっていたり仲良くしていたりした場合は、香典を用意する場合もあるでしょう。また、お通夜や葬儀に参列する場合は、ご遺族が香典を辞退していない限り香典は必要です。
親等の数え方 | |||
---|---|---|---|
1親等 | 父母・子供 | ||
2親等 | 兄弟姉妹・祖父母・孫 | ||
3親等 | 叔父叔母・曾祖父母・ひ孫・甥姪 | ||
4親等 | いとこ・高祖父母・祖父母の兄弟姉妹・甥姪の子供・玄孫 |
香典辞退の有無を確認する
いとこのお通夜や葬儀に参列するときには、ご遺族の周囲の方や葬儀社などに香典が必要かどうかを確認しましょう。参列者に負担をかけたくない、香典返しの負担を減らしたいという理由などから、ご遺族が香典を辞退することもあります。辞退している場合、無理に香典を渡すことはかえって迷惑になってしまうでしょう。
ご遺族は葬儀等の準備に追われていますから、香典辞退の有無についてはご遺族以外の親戚や葬儀社に確認するのがおすすめです。
いとこへの香典の相場
いとこに包む香典の金額は、自身の年齢によっても相場が変わります。ここでは、いとこに包む香典の相場を年齢別に解説していきます。香典の金額は多すぎても少なすぎてもご遺族に対して失礼に当たるため、年相応の金額を包むことが大切です。
20代の場合
自身が20代の場合、亡くなったいとこへの香典の相場は「3千円~1万円」です。いとこと疎遠だった場合は3千円、夫婦で参列する場合は5千円になります。また生前、いとこにお世話になっていたり仲良くしていたりした場合は1万円が相場です。夫婦で参列した場合も1万円になります。
30代の場合
自身が30代の場合も20代同様、亡くなったいとこへの香典の相場は「3千円~1万円」です。いとこは自身と年齢が近いことが多いですから、20代や30代でいとこのお通夜や葬儀に参列する機会は少ないといえるでしょう。いとこへの香典は、自分との関係を重視して金額を決めましょう。
40代以降の場合
自身が40代の場合、亡くなったいとこへの香典の相場は一般的に「1万円~3万円」といわれています。あまり付き合いのないいとこの場合は、1万円を包みましょう。故人であるいとこと深い関係だった場合の香典は、3万円が相場です。また夫婦でお通夜や葬儀に参列する場合も、3万円包むことをおすすめします。
夫婦で包む場合
香典は一世帯で包むのが一般的なため、夫婦で参列するからといって二つ用意する必要はありません。香典袋には夫の名前、または夫婦の名前を記載しましょう。
いとこへの香典の金額のマナー
お通夜や葬儀で包む香典の金額には、いくつかのマナーや注意点があります。ここでは、いとこへ香典を包むときの金額のマナーや注意点について解説します。ご遺族が気持ちよく香典を受け取れるよう、マナーを把握しておきましょう。
3万円以上包まない
いとこへの香典の金額は、3万円以上包まないようにするのがマナーです。亡くなったいとこにお世話になっていた場合、香典を多く包みたいと思うこともあるでしょう。しかし、相場以上の香典を包むと、ご遺族に気を遣わせてしまいます。ご遺族が香典返しを準備する際の負担にもなってしまうため、いとこへの香典は3万円以内に収めるようにしてください。
夫婦など連名で渡す場合は1.5倍~2倍の金額
夫婦でいとこのお通夜や葬儀に参列する場合は、1.5倍~2倍の金額を目安にするとよいでしょう。ただし、相場以上の金額にならないよう気をつけてください。
「4千円」「9千円」を避ける
いとこへの香典の金額は「4千円」や「9千円」を避けるようにしましょう。「忌み数」と呼ばれる「4・9」といった数字は「死・苦」を連想させるため、日本では縁起が悪いとされています。
また偶数は割り切れる数字であり「故人と縁が切れる」「故人とこの世の縁が切れる」という意味を連想させるため避けたほうがよいでしょう。お札の枚数も、偶数にならないよう注意してください。香典の相場が「3千円~1万円」だった場合は「3千円」「5千円」「1万円」を包むのが一般的です。
いとこへの香典の包み方のマナー
香典には、金額以外にも気を付けるべきマナーがあります。ここでは、いとこへの香典の包み方について解説します。いとこに限らず当てはまる香典のマナーですので、包む前に確認しましょう。
黒白の水引封筒を選ぶ
香典袋は「黒白の水引封筒」が一般的です。しかし、いとこへの香典の金額によって用意する封筒の種類が異なるため注意しましょう。いとこへの香典は1万円以内が多くなりますが、この場合の香典袋は「水引が印刷されている封筒」を選びます。5千円未満の場合は「黒白」、それ以上の場合は「藍銀」を選んでも構いません。
自身の年齢が40代以上で、いとこの香典に3万円包む場合は「本物の水引が付いた封筒」を選びます。また3万円以上の香典の場合は「双銀のあわじ結び」の封筒を使うことも可能です。
使用感のある古札を用意する
香典に入れるお札は、新札ではなく「使用感のある古札」を用意するのがマナーです。香典に新札を入れることは、「死ぬことを予期していた」「死ぬのを待っていた」という意味になってしまうためふさわしくありません。
古札には「訃報を聞いて慌てて用意した」という意味があるため、香典に入れるときにはあえてお札に折り目を付けてから入れましょう。しかしいくら古札といっても、あまりに汚れているものはご遺族に対して失礼になってしまいますので注意してください。
お札の肖像が裏向きになるように入れる
香典袋にお札を入れるときには、肖像画が裏向きかつ下側になるように入れるのがマナーです。肖像画を裏向きにして入れることは、「顔を伏せている」という意味が込められており、突然の訃報の悲しみを表現しています。
ただし、四十九日以降の法要は、お札の向きは表向きにするのがマナーですのでご注意ください。用意した祝儀袋に中袋がある場合は、中袋にお札を入れ封をしないまま渡しましょう。
いとこへの香典の書き方のマナー
薄墨を使って書く
香典袋に表書きや名前を書く際は、薄墨の毛筆や筆ペンを使うのがマナーです。薄墨には「突然の訃報で墨をする時間がなかった」「悲しくて涙が流れ墨が薄まった」という意味があります。薄墨の筆が用意できない場合は、サインペンなどで書いても問題ありません。
ただし、香典を濃い黒色で書くのはマナー違反と考える方も多いため、できる限り薄墨の毛筆や筆ペンを用意しましょう。薄墨の筆ペンは、コンビニなどでも購入できます。
上包みに「御香典」と氏名を書く
香典袋の上包みの上部に「御香典」または「御霊前」、下部に参列者の氏名を書きます。一般的な仏教のお通夜や葬儀のときには「御香典」や「御霊前」、四十九日以降の一周忌法要などでは「御仏前」と書きます。
しかし、浄土真宗では亡くなった後はただちに仏様になるという教えから、お通夜や葬儀のときから「御仏前」と記載します。宗派によって異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
中包みに金額と住所・氏名を書く
香典袋の中包みには、表面に縦書きで包んだ金額を書きましょう。中包みのない封筒の場合は、上包みの裏側に記入します。香典の金額は「金壱萬圓也」などと記入します。「金」と「也」は、金額の前後に付けることで改ざんを防ぎます。
香典の数字の書き方
- 壱(一)
- 弐(二)
- 参(三)
- 伍(五)
- 拾(十)
- 阡(千)
- 萬(万)
- 圓(円)
また、中包みの裏面には、ご遺族が香典返しを円滑に行えるよう、参列者の住所と氏名を書きましょう。
いとこへの香典の相場は年齢や関係を考慮しましょう
この記事のまとめ
- 血縁関係だけでみると、4親等に当たるいとこへの香典は必要ない
- いとこへの香典は、生前の関係によって要・不要が異なる
- いとこへの香典の金額は、20代と30代は「3千円~1万円」、40代以降は「1万円~3万円」が一般的
- ご遺族が香典を辞退している場合があるため、事前に確認する
- 包み方や書き方など、金額以外のマナーにも気を付けて香典を用意する
いとこが亡くなったときは、相場や生前の関係などを考慮して香典を準備する必要があります。香典の包み方や書き方についても、本記事を改めて確認してみてください。