葬儀で「互助会」を利用するメリットとは?仕組みや積み立て費用の相場を解説
皆さんは「互助会」という言葉をご存知でしょうか。「聞いたことはあるけれど、よくは知らない」という方も多いでしょう。将来の葬儀に備える「互助会」は、仕組みや注意点の理解が不可欠です。毎月の積立金相場や物価変動に強い等のメリット、解約金や倒産リスクといった事前に知るべき注意点まで網羅。後悔しないための選び方を解説します。
互助会とは
ここでは、互助会の意味や仕組みについて解説します。はじめに互助会という組織について把握しましょう。
冠婚葬祭に備えてお金を積み立てる組織
互助会とは、結婚式や葬儀といった冠婚葬祭に備えてお金を積み立てるための組織です。互助会を運営できるのは、経済産業大臣から許可を受けた企業のみです、互助会の80%は「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会」に所属しています。
互助会の仕組み
互助会は、毎月一定の費用を積み立てることで葬儀や結婚式でサービスが受けられます。元々は「相互扶助」の精神から生まれたものです。組織に参加している人が費用を出し合うことで、いざというときの費用の負担を軽減する、という役割があります。
互助会に加盟している人は、結婚式や葬儀費用の割引が受けられます。また保険や共済とは違い、毎月いくら支払っている金額に応じて、受けられるサービス内容が変化する仕組みです。
権利を他の人に譲渡できる
互助会の仕組みには、互助会の権利を他人に譲渡できるといったものもあります。互助会に加入すると、結婚式や葬儀に対するサービスを受ける権利を得られます。この権利は契約した人だけが受けられるのではなく、名義変更を行えば他の家族や友人に権利を譲渡できるものです。例えば互助会に加入していた妹が手続きを行い、姉に結婚式費用の割引を受ける権利を譲るといったことができます。
ただし、互助会の中には権利を譲渡できる範囲を制限しているところもあります。互助会への入会を検討している場合は、権利の譲渡範囲を確認しておきましょう。
互助会の積立金の相場
互助会に加入すると、毎月一定の金額を積み立てることになります。積立金額がいくらかは互助会によって違い、一般的には毎月千円〜5千円ほどが相場です。毎月費用を支払って30万円前後を積み立て、葬儀や結婚式で活用します。相場がいくらかは利用するプランによっても違いがあるため、互助会に加入する際はしっかり確認しておきましょう。
葬儀で互助会を利用するメリット
「互助会の仕組みは分かったけれど、入るメリットや意味がいまひとつ分からない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、葬儀で互助会を利用するメリットについて解説します。
大きな金額をまとめて用意する必要がない
葬儀で互助会を利用するメリットとして、大きな金額をまとめて準備する必要がないことが挙げられます。葬儀の規模にもよりますが、一般葬だと150万円〜200万円、家族葬でも100万円前後の費用がかかります。互助会を利用していない場合、この金額をまとめて支払わなくてはいけません。
しかし互助会に加入していれば、毎月の積立金の中から葬儀費用を充当できます。費用に余裕ができれば、故人を満足のいく形で見送ることができるでしょう。大きな金額をまとめて用意する必要がないことは、互助会利用の大きなメリットだといえます。
規模の大きい葬儀を低価格で行える
互助会を利用するメリットの一つとして、葬儀の準備における費用負担を軽減できる点が挙げられます。互助会では、毎月の積立金に応じてサービス内容が異なります。契約に応じたサービスが提供され、設備が整った斎場や一般葬、家族葬など多様な葬儀形式から選択できる場合もあります。
互助会に加入することで、葬儀の選択肢が広がり、規模の大きい葬儀も費用負担を抑えられる可能性があります。
積立途中でもサービスが受けられる
互助会のメリットとして、積立の途中でもこれまでの積立金を使ってサービスが受けられる点が挙げられます。互助会は、積立金を60〜100回ほどの分割で支払う仕組みです。もし全額を支払う前に契約者が亡くなった場合でも、今の積立金との差額を払えばサービスを受けられます。
葬儀以外の用途でも積立金を使える
葬儀以外の用途で積立金を使えるのも、互助会のメリットの一つです。互助会の積立金は主に結婚式や葬儀費用に充てられるだけではありません。他にも、仏壇やお墓の購入費などに利用できます。
互助会によっては会員専用の施設が提供されていたり、レストランやホテルなどの提携施設でサービスを受けられたりするところもあります。契約者本人だけでなく、家族も一緒に受けられるサービスもあるため、個人だけでなく家族でメリットを享受できるでしょう。
物価変動の影響を受けない
互助会を利用するメリットとして、物価変動の影響を受けないことが挙げられます。
互助会は「前払式特定取引業」という法律に基づいているため、契約後に物価が上昇しても毎月の掛金は変わりません。
掛金を完納してからサービスを利用するまでに長い期間が空き、その間に葬儀費用全体が高騰したとしても、契約時のサービス内容をそのまま利用できる権利が保障されています。
そのため、将来の経済状況に左右されず、安心して葬儀の準備を進めることができます。
葬儀で互助会を利用するデメリットと注意点
互助会の利用には、いくつかの注意点もあります。ここでは、葬儀で互助会を利用する際のデメリットや注意点を解説します。入会前にしっかりと確認しておきましょう。
解約金が高額になることがある
葬儀で互助会を利用する際の注意点として、解約金が高額になる可能性があることが挙げられます。互助会のサービスを解約する場合、ほとんどのところで解約金が発生します。入会した互助会によっては、積み立てた費用の半分ほどしか返金されない場合もあるため注意が必要です。解約金がいくらなのかは、互助会によって異なります。後で後悔しないよう、入会前にきちんと確認しておきましょう。
解約に時間がかかることがある
葬儀で互助会を利用する注意点の一つとして、互助会は保険や共済とは違い、解約に多少時間がかかることが挙げられます。互助会の解約手続きを進めるためには、会員証や解約申し込み書類、本人確認書類などを用意する必要があります。場合によっては、契約者以外が解約する際の委任状や戸籍謄本、故人の場合は除籍謄本など、追加の書類が必要となることがあります。
また、解約時には手数料が発生し、返戻金が全額ではないことや、手続きから返金までに一定の期間を要する場合があるため、事前に詳細を確認することが重要です。
葬儀費用の全てを賄えるわけではない
互助会を利用する際は、積立金で葬儀費用の全てを賄えるわけではないことを覚えておきましょう。プランにもよりますが、互助会で積み立てた金額以上の葬儀費用がかかる場合があります。不足した場合は、自分で払う必要があります。互助会を利用しているからといって、葬儀の際の費用負担がゼロになることはないため注意しましょう。
積立金が戻ってこないことがある
家族が故人の互助会入会を把握していない場合、サービスの申請ができずに積立金を葬儀で使えません。解約もされずに積立金がそのまま戻ってこないことも考えられます。互助会の積立金は、互助会以外の葬儀では利用することができません。せっかく積み立てたお金を無駄にしないためにも、互助会に入会したら必ず家族に伝えておきましょう。
互助会が倒産する恐れがある
互助会は国や自治体が運営している組織とは違い民間企業であるため、倒産のリスクはつきまといます。互助会が倒産した場合、積み立てた費用を利用できなくなる恐れがあります。
ただし、積立金が全てなくなってしまうわけではありません。積立金の半額は返金される仕組みがあります。これは、経済産業大臣指定の受託機関により、積立金の半額が維持されているためです。また、他の互助会が積立金を引き継いでくれるという救済措置もあります。
利用できる葬儀社や斎場が限定される
互助会を利用する注意点として、選べる葬儀社や斎場が限定されることが挙げられます。
互助会で積み立てた費用は、加入した運営会社の提携している施設や指定の葬儀社でしか使うことができません。そのため、将来遠方へ引っ越しをした場合や、運営会社の事業縮小によって利用できる提携施設が減少した場合、希望する場所で葬儀を行えなくなるリスクがあります。
入会前には、利用できる施設の範囲や場所を十分に確認しておくことが大切です。
現金として引き出すことはできない
積立金は現金として引き出せないことも、注意すべきポイントです。
銀行の預貯金とは異なり、互助会で積み立てたお金は冠婚葬祭などのサービス利用に限定されます。途中で生活費などのために手元の現金が必要になっても、解約手続きを行わない限りお金を戻すことはできません。
また、解約する場合には所定の解約手数料が発生するため、元本割れしてしまう可能性が高くなります。積立金の使い方には制限があることをよく理解しておきましょう。
葬儀での互助会の選び方
ここでは、葬儀での互助会の選び方について解説します。どのようなポイントに注意すればよいのか、しっかりと確認しておきましょう。
料金プランで選ぶ
互助会を選ぶ際は、料金プランを確認しまよう。互助会によって料金プランはさまざまです。一般的には希望の金額を毎月分割払いして、費用を積み立てる仕組みです。積立金額の総額や支払い回数によって毎月の負担金額が異なります。どのような料金プランがあるのかを事前に確認しておきましょう。
互助会の中には、費用を一括払いすると割引を受けられるところもあります。家計に余裕がある場合は、一括払いでの割引に対応している互助会を選ぶのもよいでしょう。
葬儀プランで選ぶ
葬儀プランで互助会を選ぶのもおすすめです。互助会の葬儀プランには、利用できる斎場や価格帯が幅広く用意されています。
また、家族葬や直葬などの形式に対応していない互助会もあります。希望通りの葬儀ができない可能性も否めません。互助会に入会する前に公式ホームページなどを見て、希望通りの葬儀が行えるかどうか事前に確認しておきましょう。
経営基盤の安定性やスタッフの対応で選ぶ
互助会を選ぶ際は、経営基盤の安定性やスタッフの対応も重要です。
大切なお金を数年単位で預けるため、倒産リスクの低い信頼できる会社を選ぶ必要があります。会社の運営情報や口コミなどを参考に、安心してお金を預けられるか判断しましょう。
また、入会前の相談において、プランの内容や解約時の条件について、わかりやすく丁寧に説明してくれるかどうかも見極めのポイントです。
想定外の追加費用を払いたくない場合は、契約前に不明点をなくしておくことが大切です。
互助会の解約方法
毎月の支払いが難しくなったり、積み立て金が不要になったりしたときには、互助会を解約することができます。しかし、解約に関するトラブルはよくあるため注意が必要です。ここでは、互助会を解約する方法について解説します。
窓口で手続きを行う
互助会を解約する際は、窓口での手続きがおすすめです。解約書類を郵送でやりとりする方法もありますが、時間がかかってしまう恐れがあります。解約手続きの際は、スムーズに手続きを終えるため、加入者証や印鑑、本人確認書類、振込先の口座番号など、必要なものを準備しておきましょう。
解約代行サービスを利用する
互助会を解約する上で何かトラブルが生じた場合は、解約代行サービスを利用するのがおすすめです。「第三者に手続きを依頼したらスムーズに解約できた」という場合も多いです。
また互助会の解約手続きは、葬儀社が代行してくれることもあります。解約代行サービスの利用を検討している方は、対応している葬儀社を探してみてください。
加入者本人以外が代理で手続きする
加入者本人が逝去した後や、ご自身での手続きが難しい場合は、代理人が解約手続きを行うことも可能です。その際、加入者本人の委任状や代理人の戸籍謄本などが必要になる場合があります。
また、解約が受理されてから返金されるまで45日程度かかることもあるため、時間に余裕を持って手続きを進めましょう。
もし互助会側から解約を拒まれたり、想定外の手数料を請求されたりといったトラブルが生じた場合は、国民生活センターなどに相談することも検討してください。
互助会の仕組みや注意点を理解した上で、葬儀での利用を検討しましょう
この記事のまとめ
- 互助会とは、冠婚葬祭に備えてお金を積み立てる組織
- 互助会の積立金の相場は、毎月千円〜5千円ほど
- 互助会を利用するメリットは、「大金を準備しなくてよい」「積立途中でもサービスを受けられる」「葬儀以外でも利用できる」など
- 葬儀で互助会を利用する際は葬儀費用の全てを賄える訳ではない点、互助会は倒産するリスクがある点に注意する
- 互助会を選ぶ際は、料金プランや葬儀プランを確認する
消費者庁の「冠婚葬祭互助会の解約手数料のあり方等に係る研究会報告書」によると、互助会の事業者数は減少傾向にありますが、入会者数は増加傾向にあります。互助会に入会すると、いざというときに積立金を利用できるため安心です。本記事で紹介した内容を参考に、利用を検討してみてください。