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お墓の移動にかかる費用や手順を解説!必要な手続きやよくないと言われる理由も紹介

お墓の移動にかかる費用や手順を解説!必要な手続きやよくないと言われる理由も紹介

「お墓の移動」はお墓の管理が難しいときの手段の一つですが、どうやって行うのか分からない人も多いのではないでしょうか。本記事では、お墓の移動にかかる費用や改葬に必要な手続き、移動の手順について解説します。お墓の移動を検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。

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近年お墓の移動をする人が多い理由

近年、さまざまな理由からお墓の移動(改葬)を検討する人が増えています。厚生労働省が公表している「衛生行政報告例」の統計によると、改葬の件数は2009年で72,050件だったのに対し、2022年には151,076件と大幅に増加しています。

一体なぜお墓の移動をする人が多いのか、その理由を見ていきましょう。

衛生行政報告例(厚生労働省)

自宅からお墓が遠い

お墓の移動をする人が多い理由の一つが、お墓が自宅から遠くてお墓参りが困難であるということです。お墓参りで故人を供養する機会がなかなか持てず、周囲に雑草が生えたり砂埃や落ち葉が溜まったりなどでお墓が荒れてしまいます。

お墓の管理者が掃除をしてくれる場合もありますが、管理人や周囲のお墓に迷惑がかかってしまうため、お墓の掃除はお墓を継いだ家庭の人が行うのが一般的です。

自分がお墓を継いでいる場合やお墓の近くに親族がいない場合などは、自宅近くのお墓へ移すことでお墓参りしやすくなります。

お墓の維持が大変

お墓を継承した人が高齢である場合、お墓の維持が負担になるため移動をさせるという理由もあります。お墓を継承した場合、遺骨を埋葬している霊園やお寺へ管理料・お布施などの費用を定期的に支払う必要があり金銭的な負担が発生します。

また、お墓の定期的な掃除・お手入れが必要なため、高齢者にとっては身体的負担が大きいです。お墓の維持が大変な場合は、管理費や手入れの手間が少ない小さなお墓へ移すことで、さまざまな負担を軽減できるようになります。

お墓を引き継ぐ人がいない

少子高齢化の影響により、お墓を継ぐ人がいないというのも大きな理由です。お墓を引き継ぐ人がいない場合、使用していたお墓を撤去して霊園やお寺の管理者へ返却する「墓じまい」を行う必要があったり、無縁墓となって撤去されてしまったりします。

そこで、お墓を継承者が必要ない永代供養墓や合同墓へ移動させたり、埋葬している遺骨で散骨・樹木葬を行ったりすることで、継承者に関する悩みを解消できるようになります。

お墓の移動がよくないと言われているのはなぜ?

近年増えているお墓の移動ですが、中には「お墓を移すのはよくない」という意見の人も少なくありません。ここからは、なぜお墓の移動がよくないと言われているのか、詳しい理由を解説していきます。

故人の魂を乱すと考えられている

日本では古くから、お墓は「故人の魂が眠る場所」であるという考え方が根付いています。そのため、お墓に埋葬されている遺骨を別の場所へ移動させてしまうことで、安らかに眠っている故人の魂を乱してしまうとされてきました。

また同様の考え方に基づいて、お墓を移すことで不幸・祟りを招くと言われてきたことも、お墓の移動に対してよくないとされる理由の一つです。

しかし、故人を大切にしたいという気持ちを持って、正しい手順で手続きをすればお墓の移動は問題ありません。

親族間でのトラブルにつながる可能性がある

お墓の移動は近年増加傾向にありますが、中には前述した考え方や埋葬に関するこだわりが理由で、お墓の移動について親族間で意見が対立することもあるでしょう。

他の親族の納得を得ずにお墓の移動手続きを進めてしまうと、親族間の関係悪化を引き起こす恐れもあります。実際にお墓の移動手続きをする際には、事前に他の親族としっかり話し合いをして、全員が納得した上で行いましょう。

お墓を移動する方法

ここからは、お墓を移動する具体的な方法を紹介します。

墓石・遺骨をまとめて移動する

移動先の墓所の区画サイズ・条件が合う場合は、今ある墓石・遺骨をまとめて移動させる方法もあります。この方法は、先祖代々大切にしてきたお墓を処分しなくてよいのがメリットです。場合によっては、移転先の区画に合わせて墓石を加工することもできます。以前使っていた墓所のスペースは、お墓の移動後に更地に戻されます。

納骨している遺骨を移動する

元々保管していた墓所から遠い場所へお墓を移動させる場合には、納骨している遺骨を移動させる方法もあります。移転先で新しい墓石を用意するため、今ある墓石が古い場合や移動先の区画と合わない場合でも問題なく手続きが可能です。

遺骨の一部を移動する

元々あるお墓はそのままにして別の場所でもお墓参りをしたい場合は、埋葬している遺骨の一部を新しいお墓へ移動させる方法もおすすめです。この方法は「分骨」と呼ばれており、手続きには分ける分の分骨許可証が必要になります。

分骨許可証についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

お墓の移動にかかる費用一覧

ここからはお墓の移動にかかる費用を紹介します。移動方法によって費用が異なるため、しっかり確認しておきましょう。

お墓の解体・撤去費用

新しいお墓へ移動する場合、業者に依頼して元々使っていた墓所のスペースを更地にする必要があります。そのため、お墓の解体・撤去費用は必須です。

撤去費用は墓地のスペースや墓石の大きさによって異なりますが、1平方メートルあたり10~20万円程度とされています。パーツの多い墓石や飾りがついたものであれば、その分の撤去費用もかかります。

離檀料

お墓を管理しているのが寺院である場合は、別の寺院や墓所へ移動する際に離檀料を求められることがあります。離檀料の具体的な金額は寺院や利用者の気持ちによって変わりますが、一般的に5~20万円程度が相場です。

移動先のお墓の購入・建立費

新しいお墓へ移動させる場合、移動先のお墓を購入または建立するための費用も必要です。一般的な墓石タイプのお墓であれば、平均100~200万円程度が購入費用の相場とされています。

墓石の大きさや墓地のスペースによって金額が異なるため、負担が少なく管理しやすいものを選ぶことが大切です。永代供養・樹木葬の場合は地域や施設によって大きく異なるため、あらかじめ見積もりを取っておきましょう。

墓石の運搬費用

墓石と遺骨をまとめて移動させる場合には、墓石の購入・建立費用がかからない代わりに墓石の運搬費用が必要です。墓石・遺骨の運搬費用は70~100万円程度と幅があり、運搬距離によって変化します。

魂抜き・開眼供養にかかる費用

移動先のお墓の準備ができたら、故人の遺骨や魂を移すために必要な魂抜き・開眼供養の費用も用意しておきましょう。魂抜き・開眼供養は、お世話になっているお寺に依頼するのが一般的です。

魂抜き・開眼供養の費用には大きく分けてお布施・お車代などが含まれており、僧侶へ渡します。金額に決まりはありませんが、お布施は1~3万円、お車代は5千~1万円程度が相場です。

お墓を移動する際に必要な手続き・手順

お墓の移動に関する手続きの手順は「墓地、埋葬に関する法律」によって定められており、家族が勝手にお墓を移すことはできません。

昭和23年 墓地、埋葬等に関する法律 (厚生労働省)

ここからは、お墓を移動する際に必要な手続きと手順について解説していきます。

①新しい納骨先の選定

まずは、新しい納骨先を探しましょう。新しく墓石を用意するのか、永代供養や樹木葬などにするのかなど、自分が希望する供養方法に合わせて納骨先を選んでください。お墓参りしやすい場所かどうかはもちろん、スペースの広さや管理費用なども比較しながら複数の墓所・寺院を検討してみましょう。

②現在遺骨を保管している寺院・霊園へ連絡

移動先のお墓が決まったら、現在納骨している寺院・霊園へ連絡してお墓を移動させたい旨を伝えましょう。この際、離檀料が発生する可能性がある点に注意してください。

③新しいお墓の建立手続き

新しく建てたお墓へ移動させる場合には、新しいお墓の建立手続きを行う必要があります。墓石の種類やデザイン、建立スケジュールなどの詳細を業者と取り決め、建立工事を進めましょう。

④必要な証明書・許可書の発行

お墓や遺骨を実際に移動させるためには、自治体からの改葬許可を得た上で「改葬許可証」をもらう必要があります。多くの自治体では、ホームページから申請に必要な書類をダウンロードできます。書類が揃ったら、必要事項を記入してください。

手続きには他にも以下のような書類が必要になるため、事前に発行してもらいましょう。

お墓の移動に必要な書類

  • 埋葬証明書:移動前のお墓の管理者から発行される書類
  • 受入証明書または墓地使用許可証:移動先の墓所・霊園などの管理者に発行してもらう書類

⑤お墓じまい・返還手続き

改葬許可証が発行されたら、お墓の返還手続きに移ります。移動前の墓所の管理者に連絡し、正しい手順で墓地の返還手続きを行いましょう。手続きの際には、使用契約を結んだ際に発行される墓地使用許可証を忘れずに持参してください。

また、石材店によるお墓じまいの工事も行いましょう。墓石もまとめて移動する場合は、解体に加えて運搬や据付工事も行います。

⑥新しいお墓での開眼供養・納骨

お墓の撤去と移動が完了したら、新しいお墓に故人の遺骨を収め魂を入れる開眼供養・納骨の儀式を行います。開眼供養・納骨には、改葬許可証と墓地使用許可証が必要です。

お墓を移動していつでもご先祖と会える環境にしませんか?

この記事のまとめ

  • お墓を移動させる人は多く、その理由には「自宅が遠い」「維持管理が大変」などがあげられる
  • お墓の移動はよくないという意見もあるが、故人を大切にする気持ちと正しい手続きで行えば問題ない
  • お墓の移動方法は、①墓石と遺骨をまとめて移動させる、②遺骨を移動させる、③遺骨の一部を移動させるなどがある
  • お墓の移動には、墓石の解体・撤去費用や離檀料などの費用がかかる
  • 移動時には「改葬許可証」をはじめとした書類が必要

お墓の移動は、正しい手順と必要書類があれば手続きできます。今回紹介した手順や費用の相場も参考にしながら、ご先祖といつでも会える環境を整えてみましょう。 

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