定年後にやることがないと感じる人へのご提案。定年後の毎日を充実させる考え方、過ごし方
働いていた頃は仕事に追われ、責任を感じながらも充実した毎日を過ごしていた方も多いことでしょう。しかし、定年を迎え退職した後は時間を持て余すようになり、やることがないと感じている方もおられるのではないでしょうか。そこで本記事では、定年後にやることがないと感じる方へ、定年後の毎日を充実させる考え方や過ごし方をご紹介します。
定年後にやることがないと感じる人の特徴
定年後に「やることがない」「生きがいが見つからない」と感じる人には、どのような特徴があるのでしょうか?まずは、定年後にやることがないと感じる人の共通点について解説します。
仕事が充実していた人
仕事が充実していた人は、退職後にやることがないと感じる傾向にあるといわれています。仕事に従事している間は没頭する業務があり、仕事を通して多くの人と関わる機会があるため、毎日が充実しています。
しかし、退職した途端、急に仕事や役割を失ってしまい、何をしたらよいのか分からず手持ち無沙汰の状態になります。そのため、せっかく自由な時間ができても、やることがなく時間を持て余してしまうのです。
趣味を持っていない人
趣味を持っていない人も、定年後にやることがないと感じるようになるといわれています。何か一つでも自分が楽しめる趣味を持っている人は、退職後もその趣味を生きがいにすることができます。
しかし、何も趣味を持っておらず、仕事だけの生活を送ってきた人は、急に何もしない時間が増えてしまうため、退屈を感じてしまうかもしれません。
周囲との関わりが少ない人
定年後にやることがないと感じる人は、周囲との関わりが薄い可能性があります。退職すると、会社の同僚とはほとんど関わりがなくなります。学生時代の友人や近所の人とは疎遠になっていて、仕事の付き合いしかなかった人は、退職後に他人と関わる機会が減ってしまいます。
その結果、一緒に飲みに行ったり遊んだりする人がおらず、「やることがない」と感じるようになるのです。
定年後の生活を充実させるための「考え方」
定年後にやることがない人の特徴を見て、「自分にも当てはまるかも」と思った方もいるのではないでしょうか。定年後の生活を充実させるには、これまでの考え方を変えてみる必要があります。ここからは、定年後にやることがない人が意識するべき考え方をご紹介します。
手軽にできることから始めてみる
定年後の生活を充実させるために、「手軽にできることから始める」という考え方を持ちましょう。「続かないかもしれない」「大変そうだからできない」という考えで何もしないままでいると、やりたいことや生きがいを見つけることは難しいです。そのため、「続かないならやめればよい」と考えて、趣味や運動など新しい何かを始めてみましょう。行動を起こすことで、やりたいことや生きがいが見えてくるはずです。
健康を第一に考える
定年後は、健康を第一に考えるようにしましょう。働き盛りの若い世代に比べると、定年後は体調を崩しやすくなっています。やりがいや生きがいを見つけて定年後の生活を充実させるためにも、健康を維持することが大切です。運動や食事の管理などを行い、体調の維持を徹底しましょう。
また、定年後は会社の健康診断がなくなるため、人間ドッグを受けたり自分で病院に行ったりする必要があります。もし不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
プライドは持たず謙虚に生きる
プライドは持たずに謙虚に生きるというのも、定年後の生活を充実させるために必要な考え方です。プライドが高すぎると自分を守る意識が強くなり、新しいことを受け入れる余裕がなくなります。その結果、新たな生きがいや趣味を見つけることが難しくなるのです。
また、周囲からも孤立してしまい、居場所をなくしてしまうかもしれません。そのため、なるべくプライドは捨てて、謙虚な姿勢で生きるようにしましょう。
向上心を忘れない
向上心を持って生きるという考え方も重要です。「これからどう生きたいか」「どのような生活を送りたいか」を考え、望んでいる暮らしを手に入れられるよう努力しましょう。向上心を持って目標を作ると、自然と毎日が充実してきます。
定年後の生活を充実させるための「過ごし方」
定年後の生活を充実させるために、どのように過ごしたらよいのか悩んでいる方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
新しい趣味を探す
定年後の生活を充実させたい場合、新しい趣味を探してみてください。心から打ち込める趣味があると、退屈さを感じることも少なくなるでしょう。アウトドアが好きな方はキャンプやゲートボールを、屋内での活動が好きな方は読書や麻雀など、自分に合った趣味を探してみましょう。
もしこれまで継続している趣味がある方は、新しい趣味を始めるのではなく、その趣味を極めてもよいでしょう。すでに継続できているということは、多少なりとも充実感を覚えているといえるため、納得のできるところまで打ち込んでみてください。
旅行へ行く
定年後は時間に余裕ができるため、旅行に行くのもおすすめです。会社に勤務している頃はまとまった休みが取りにくく、長期間の旅行は難しかったのではないでしょうか。そこで、これまで仕事を頑張ってきた自分へのご褒美として、定年後は行きたかった場所へ訪れてみてはいかがでしょうか。ひとりで行くのはもちろん、夫婦や家族、あるいは友人同士で旅をするのもよいでしょう。
以下の記事では老後での旅行についてお金周りをメインに解説しています。実際の計画を立てるのに役立ててみましょう。
老後の旅行で必要なお金について|国内・海外旅行の費用をもとに資金計画を考えよう
仕事を始める
仕事を生きがいにしていた場合、定年後にまた新しい仕事を始めるのもよいでしょう。勤めていた会社に再雇用を打診したり、これまでの経験が活かせるパートタイムやアルバイトの仕事を探したりしてみてください。
仕事をすれば「社会のためになっている」という気持ちが生まれ、いきいきと過ごせるようになるでしょう。働ける体力があるか心配な方は、毎日ではなく週に何日か働きに出るのもおすすめです。
資格を取得する
定年後は仕事をしていた頃よりも時間ができるため、その時間を活かして資格取得に向けての勉強をするのもおすすめです。勉強をすることで頭を動かせば、脳が活性化されて認知症の予防にもなるでしょう。資格の中には再就職の役に立つものもあります。仕事への復帰を考えている方は、ぜひ資格の勉強を始めてみてください。
家事をする
定年後にやることがないと感じている方は、家事に挑戦してみるのもおすすめです。特に、これまで会社勤めをしてきた男性の中には、あまり家事をしたことがないという方もいるでしょう。
いくつかの家事をこなせるようになれば、配偶者の負担が減るだけではなく時間の有効活用にもなります。料理などの家事を通して、新しい趣味が見つかることもあるでしょう。
ボランティア活動を行う
ボランティア活動に参加することも、定年後のおすすめの過ごし方です。ボランティア活動は社会貢献になる上、活動を通してさまざまな人と知り合えます。人脈が広がって友人が増えると、定年後の生活がより楽しいものになるでしょう。
ボランティア活動の情報は、お住まいの市区町村の広報誌やホームページなどに載っているので、ぜひチェックしてみてください。
終活をする
定年後にやることがないと感じたら、終活を始めてみてはいかがでしょうか。終活とは、人生の最期を迎えるときのことを考えて、さまざまな準備を行う活動のことです。時間に余裕があるうちに終活を進めておくと、将来への不安を軽減できます。終活を行うことで、定年後の人生を前向きに捉えられる効果もあります。
定年後の生活を充実させるポイント
ここまで、定年後の生活を充実させる考え方や過ごし方を解説してきましたが、少しのことを意識するだけで、さらに毎日の暮らしが豊かになります。ここからは、定年後の生活を充実させるポイントを解説していきます。
何か目標を決める
新しく趣味を始める場合や再就職をする場合は、何か目標を決めることをおすすめします。目標があるとやる気が高まり、積極性が増して日々を充実させられるでしょう。また、目標をいくつか決めて達成頻度を高めることで、さらにやる気も上がります。
ただし、目標の難易度が高すぎるとストレスを感じたり、やる気の低下につながったりする恐れがあります。そのため、目標を決めるときは自分の実力を考えて「少し努力すれば達成できる」くらいの難易度にするとよいでしょう。
夫婦共通の趣味を持つ
夫婦共通の趣味を持つことも、定年後の生活を充実させるポイントの一つです。夫婦関係が長くなると、どうしても話題が減って会話をする機会が少なくなる傾向にあります。これから先も充実した生活を送るためには、夫婦の関係を再構築することが大切です。
ガーデニングや料理、ウォーキングなど、夫婦で共通の趣味を持つと話題も増えて、楽しみを共有できます。ぜひ、夫婦で共通の趣味を始めてみてください。
貯金は計画的に使う
定年後の生活を充実させたい場合、貯金は計画的に使いましょう。日本人の平均寿命から考えると、定年後も長い生活が待っています。その上、定年後は会社に勤めていた頃と比べて収入が減少します。そのため、これからの暮らしに必要な金額を把握して、計画を立ててお金を使いましょう。
年金だけに頼らず生きる
年金に頼らずに生きることも、定年後の生活を充実させるポイントの一つです。定年後は体調を崩してしまったり、長年使っていた家電が故障したりと、急な出費が発生しやすいです。このようなときに年金以外の収入がないと、生活費が不足してしまう可能性があります。
お金が足りなくなって生活費を削ることになれば、充実した暮らしは送れなくなります。年金以外にも何か収入源があると、急な出費にも対応でき、安心して定年後の生活が送れます。
社会とつながりを持つ
社会とのつながりを持つことで、定年後の生活が充実するでしょう。毎日ひとりで過ごしていると孤独やストレスを感じやすく、心身の健康が損なわれる恐れがあります。また、認知症や脳卒中といった病気になるリスクも上がるといわれています。そのため、定年後もなるべく社会とのつながりを持ち続けましょう。
整理整頓を心がける
定年後は、自宅の整理整頓を心がけるようにしてみてください。退職後は自宅で過ごす時間が増えるため、家が散らかっているとストレスを感じやすくなります。また、物が多いとつまづいたり怪我をしたりするリスクも高まるため、注意が必要です。
定年後にやってはいけないこと
定年後にやることがないからといって、何をしてもよいというわけではありません。定年後に行いにより、今後の生活に悪影響が出る可能性もあります。そこでここからは、定年後にやってはいけないことを解説します。
勝負事にのめり込む
定年後にやることがないからといって、ギャンブルやパチンコなどの勝負事にのめり込むのは避けましょう。勝負事にのめり込むとついお金を使ってしまい、貯金がどんどん減ってしまいます。今後の生活費を失って暮らしが苦しくなる恐れもあるため、ギャンブルなどはほどほどにしておきましょう。
家族や友人に迷惑をかける
家族や友人に迷惑をかけるようなことも避けましょう。周りのことを考えずに自分勝手な振る舞いを繰り返していると、周囲から愛想を尽かされてしまいます。特に、家族や友人に見放されてしまうと、定年後の長い人生をひとりきりで過ごすはめになる恐れもあります。そのため、どのようなときも周りへの感謝や気遣いを忘れず、迷惑をかける行為は慎みましょう。
体を動かしすぎる
「健康でいるために」と運動するのはよいことですが、体に負荷がかかり過ぎる運動は避けてください。定年後は体力が落ちていき、体調を崩しやすくなっています。無理をすると体を壊して病院に通うことになったり、入院が必要になったりすることもあるでしょう。ずっと健康でいるためにも、過度な運動には注意してください。
定年後の考え方や過ごし方を参考に、定年後の生活を充実させましょう
この記事のまとめ
- 仕事が充実していたり、周囲との関わりが少なかったりする人は、定年後に「やることがない」と感じやすい
- できることから始めてみる、健康を第一に考えるという意識を持つことが大切
- 新しい趣味や仕事を始めたり、ボランティア活動を行ったりするのもおすすめ
- 何か目標を定めると生きがいが生まれる
- 生活費に困らないよう、年金頼りにならないことと貯金の使い方には注意する
- 社会との関わりを持つと生活が充実し、認知症の予防にもなる
- 勝負事にのめり込んだり、体を動かしすぎたりするのは避ける
夢中で仕事に取り組んでいた人や、周囲との関わりが少なかった人などは、定年後にやることがないと感じる傾向にあります。定年後、時間に余裕があると手持ち無沙汰になってしまい、毎日に生きがいを感じられなくなるでしょう。今回紹介した考え方や過ごし方などを参考に、定年後の生活を明るく充実したものにしましょう。