【葬儀後の挨拶】感謝の気持ちが伝わるお礼状の例文や注意したいマナーを解説
喪主をはじめとする遺族は、葬儀後もさまざまな対応に追われます。その一つとして挙げられるのが「葬儀後の挨拶」です。直接お会いできる方には挨拶回り、遠方の方などにはお礼状をもって挨拶を行いましょう。本記事では、挨拶回りと葬儀後のお礼状について分かりやすく解説します。
葬儀後にはお礼の挨拶をする
喪主は葬儀後に、お世話になった方々へお礼の挨拶を行わなくてはいけません。挨拶には、直接お礼を伝える挨拶回りと、手紙やはがきでお礼の挨拶をするお礼状の2種類があります。それぞれの挨拶の違いについて、以下で分かりやすく解説します。
挨拶回り
挨拶回りとは、葬儀でお世話になった方々の元へ訪れて、直接お礼の挨拶をすることを言います。一般的には葬儀後1週間以内に挨拶回りを行います。
挨拶回りの対象となるのは、葬儀でお世話になった方々です。忙しい中時間を取ってもらって挨拶をすることになるため、玄関先で簡潔にお礼を伝えます。しどろもどろにならないよう、伝えたい内容は前もって整理しておきましょう。
うっかり誰かを忘れてしまわないように、挨拶回りをする方のリストを事前に用意しておくことをおすすめします。漏れがないよう、家族に確認してもらうとさらに安心です。
お礼状
直接お礼の挨拶をできない方には、お礼状を郵送するのも一つの方法です。葬儀の後に配る会葬礼状は参列のお礼を伝える礼状ですが、こちらのお礼状は葬儀に参列していないものの弔電や供花を送っていただいた方も対象となります。混同しないよう注意しましょう。
お礼状を送る対象となるのは、遠方に住む葬儀でお世話になった方、弔辞をお願いした方、弔電や供花、お供え物などをいただいた方などです。
お礼状のタイミングは、四十九日の法要後1ヵ月以内に香典返しと合わせて送るのが一般的です。その期間内にお礼状を送る方のリストを準備しておきましょう。
お礼状は手書きが一番丁寧で心が伝わりますが、多くのお礼状を用意する場合には印刷もおすすめです。メールなどで対応しようと考える方もいるかもしれませんが、手紙やはがきでお礼状を送るのが一般的です。
葬儀後のお礼状に含めたい内容
ここからは、葬儀後のお礼状に含めたい内容を紹介します。「一体どのようなことを書けばよいのか分からない」という方は、以下の内容を意識してお礼状を書いてみましょう。
故人の名前
相手に、誰の葬儀におけるお礼状か分かってもらえるよう、葬儀後のお礼状の最初に必ず故人の名前を書きます。「亡父 ○○」や「故 ○○」などと書くのが一般的でしょう。また、戒名を授かった場合には、戒名も合わせて書くのがおすすめです。
お礼の言葉
遠方から参列してくださったことや、香典・弔電・供花・お供え物などをいただいたことに対するお礼の言葉も忘れないように記します。
参列していない方や弔電をいただいていない方に、参列や弔電のお礼を述べることは決してないようにしましょう。間違わないと思っていても、多くの方にお礼状を書くとなると間違う可能性もあるため、十分に気をつけてください。
故人とのエピソード
故人とのエピソードは、葬儀後のお礼状を送る全ての方へではなく、特に故人と関係性が深かった方へ送る場合に含めたい内容です。エピソードの内容は、故人と相手に関わるものが好ましいでしょう。
エピソードを書くことによって、誰にでも渡せるようなお礼状ではなく相手のためだけに書いたお礼状であることが伝わります。また、相手に故人を思い出してもらう時間にもなるでしょう。
香典返しについての連絡
先述の通り、葬儀後のお礼状は四十九日法要後に香典返しと一緒に送るのが一般的です。そのため、香典返しを一緒に送ったという連絡も記載するとよいでしょう。
ただし、葬儀に参列してくださった方へは即返しとして葬儀当日に香典返しを渡すこともあります。すでに即返しを行っている場合には、香典返しの連絡は省いて構いません。
手紙でお礼を伝えることへの断り
本来であれば、手紙ではなく直接お会いしてお礼を伝えるのが正しい対応方法です。しかし遠方に住んでいるなどを理由に手紙でお礼を伝えるという手段を取っているため、そのお断りをしっかり伝えると丁寧な印象を残せます。
今後とも変わらぬお付き合いをお願いする言葉
葬儀後のお礼状は、これまで連絡を頻繁に取っていなかった方にも改めて連絡ができる機会でもあります。そのため、故人が亡くなった後も変わらずお付き合いをお願いする言葉を記すと、相手にもその気持ちが伝わります。
葬儀を最後に連絡や関係が途絶えてしまう場合も多々あるため、それらを防止したい場合はぜひ伝えてみましょう。
手紙を書いた日付と喪主の名前
お礼状の最後には、手紙を書いた日付と喪主の名前を記載します。日付は、万が一相手がお礼状を開くタイミングが遅くなってしまっても、いつ頃送られてきたものか判断するときにも有用です。
また、誰から送られてきたのか判断できるよう、喪主の名前も忘れずに書きましょう。今後、やり取りをする際にも便利です。
葬儀の後に送るお礼状の例文
初めてお礼状を書く場合は、例文を参考にするのもおすすめです。葬儀でお世話になった方や供花を送ってくれた方など、いくつかの場合に対応する例文を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
葬儀でお世話になった方へのお礼状
葬儀に供花を送ってくれた方へのお礼状
故人と関係性が深かった方へのお礼状
お礼状を書く際のマナー
最後に、お礼状を書く際のマナーを紹介します。しっかりとお礼の気持ちが伝わるよう、以下の点に十分気をつけましょう。
お礼は簡潔に伝える
お礼状は、簡潔さを意識して便箋一枚に収めるのがマナーです。二枚以上は不幸が重なることを連想させるため、避けるべきとされています。
葬儀以降お会いしていない方や関係の深い方には特に長々と何枚にもわたってお礼の挨拶をしたためてしまいそうにもなりますが、読んでいただく際に相手の時間を奪ってしまうため、必ずお礼は一枚にまとめましょう。
一発本番で書いてしまうと意図せず二枚目に移ってしまうこともあるため、あらかじめ下書きを用意してから書き始める方法がおすすめです。
時候の挨拶は記さない
時候の挨拶は、葬儀後のお礼状では記さないのがマナーです。頭語・結語である「拝啓」や「敬具」については記しても構いません。ただし、必ずしも必要というわけではないため省くことも可能です。
忌み言葉を使わない
葬儀では、不幸を連想させるとして忌み言葉は使わないのがマナーです。また、不幸が重なることを連想させる重ね言葉の使用も避けます。普段よく使う言葉が忌み言葉にあたることも多いため、お礼状を書く際には事前に忌み言葉を確認しておくことが大切です。
忌み言葉の一例
- 不幸を連想させる言葉…死ぬ・生きる・苦しい・消える・忙しい・大変など
- 不幸が重なることを連想させる言葉(重ね言葉)…ますます・たびたび・いろいろ・何度も・再び・またなど
句読点を使わない
お礼状では、句読点を使わないよう意識します。本来書状には句読点を使わないこと、葬儀が滞りなくすむようにとの意味で、文章を区切らないことが主な理由です。知識として知っておくと今後も役立つため、ぜひ覚えておいてください。
葬儀後は感謝の気持ちを込めてお礼の挨拶を行いましょう
この記事のまとめ
- 葬儀後の挨拶には、直接お礼を伝える挨拶回りと、手紙やはがきでお礼の挨拶をするお礼状の2種類がある
- 挨拶回りの対象となるのは、葬儀でお世話になった方々など。葬儀終了後1週間以内を目安に挨拶に行く
- お礼状を送る対象となるのは、遠方に住む葬儀でお世話になった方、弔辞をお願いした方、弔電や供花、お供え物などをいただいた方など。四十九日の法要終了後から1ヵ月以内に郵送する
- 葬儀後のお礼状に含めたい内容には①故人の名前、②お礼の言葉、③故人とのエピソード、④香典返しについての連絡、⑤手紙でお礼を伝えることへの断り、⑥今後とも変わらぬお付き合いをお願いする言葉、⑦手紙を書いた日付と喪主の名前がある
- お礼状を書く際に注意したいマナーには①お礼状は便箋一枚に収める、②時候の挨拶は記さない、③忌み言葉を使わない、④句読点を使わないなどがある
葬儀が終わった後は、喪主をはじめとした遺族は葬儀後のお礼を伝える必要があります。直接お礼の挨拶を伝える挨拶回りの方法と、お礼状を用意する方法がありますが、どちらも心からの感謝を伝えることが大切です。故人と関係の深かった方やお世話になった方に、故人の分までお礼を伝えましょう。