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葬儀のあと

涅槃会とはどんな行事?意味や誕生の由来、いつ行われるのかなど徹底解説

涅槃会とはどんな行事?意味や誕生の由来、いつ行われるのかなど徹底解説

「涅槃会」とは何かを知っていますか?「名前は聞いたことがあるけれど何をするか知らない」「初めて言葉を聞いた」という人もいるかと思います。本記事では、涅槃会とはどのような行事なのか、意味や誕生の由来などを解説していきます。涅槃会に参加する際のお布施のマナーについてもまとめていますので、ぜひ目を通してみてください。

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涅槃会とは

涅槃会の読み方は「ねはんえ」で、仏教の行事の一種を意味します。まずは、涅槃会とはどのような行事なのか、意味や歴史などを紹介します。

2月に行われる仏教行事

涅槃会とは、一般的に毎年2月15日に行われる仏事の一種です。4月8日の花まつりや12月8日に行われる成道会と並ぶ三大仏事としても知られています。

三大仏事の概要

名称

概要

涅槃会

お釈迦様の命日

花まつり

お釈迦様がこの世に誕生された日

成道会

お釈迦様が悟りを開かれた日

涅槃会は、西暦750年の奈良時代から行われている寺院もあり、歴史と伝統のある行事として知られています。

涅槃図を前に法要を行う

涅槃会は、飾られた涅槃図を前に行われます。涅槃図とは、お釈迦様が入滅されたときの様子が描かれているものを指します。

満月の沙羅双樹の下で横になっているお釈迦様と、その周りを菩薩や天部衆、善男善女、十大弟子、動物などが囲んでおり、お釈迦様の入滅を悲しんでいる姿を描いたものが涅槃図です。

寺院によって涅槃図は異なり、極彩色で描かれたものや金箔が使われているもの、織物などさまざまなものがあります。中でも有名なのが、京都の本法寺・東福寺・泉涌寺にある三大涅槃図です。三代涅槃図は期間限定で公開されるため、気になる方はぜひ調べてみてください。

涅槃会が誕生した由来

涅槃会は、お釈迦様の入滅に由来するとされています。お釈迦様である「ゴータマ・シッダールタ」は北インドの王族として生を受けましたが、29歳のときに身分を捨てて出家します。その後、修行者として6年間の厳しい苦行を積みましたが、悟りは開けませんでした。35歳のときに苦行をやめて菩提樹で禅行を行ったところ、遂に悟りに辿り着いたとされています。

悟りを開いた後、お釈迦様は45年間人々に仏教の教えを伝えて弟子を増やしました。そして80歳になった頃、後3ヶ月で自身が入滅することを弟子に伝え、終焉の地であるクシナガラで涅槃を迎えました。涅槃とは、「肉体を捨て、迷いのなくなった境地」という意味があります。お釈迦様がこの涅槃に至った日ということで、涅槃会が生まれたのです。

涅槃会が行われる時期

涅槃会は1年に1度しか行われない仏事であり、行われる時期は大まかに決まっています。ここからは、涅槃会が行われる時期を紹介します。

2月15日に行われることが多い

涅槃会は、基本的に2月15日に行われることが多いです。これは、お釈迦様が入滅された日が2月15日だとされているためです。

しかし、お釈迦様の正式な命日は記録されていません。「大般涅槃経」というお経で、お釈迦様の命日は「インドの暦で2月の満月の日」とされていたため、旧暦2月15日が入滅の日だと定められました。この日にちが日本に伝わり、現代でも入滅を迎えた2月15日に涅槃会を行う寺院が多いのです。

各寺院によって開催時期が異なる

涅槃会は、寺院によって開催時期が異なる場合もあります。お釈迦様の入滅日とされている旧暦2月15日は、現在の日本では3月にあたるため、3月15日に涅槃会を行う寺院もあります。涅槃会に参列する場合は、参列を検討している寺院での開催日を調べておきましょう。

涅槃会で有名な寺院

ここからは、涅槃会で有名な寺院を解説します。涅槃会はさまざまな寺院で行われている仏事ですが、中でも有名な三大寺院を紹介します。

本法寺

涅槃会で有名な寺院として、京都の本法寺が挙げられます。本法寺は室町時代に建てられた寺院であり、本阿弥家の菩提寺でもあります。

本法寺には、長谷川等伯が1599年に描いた三大涅槃図の一つが収められています。長谷川等伯は、日蓮宗においてさまざまな仏教画を描いてきた画人です。涅槃図の長さは10m、横幅は6mと非常に大きく、間近で見ると迫力があります。

またユーモアのあるデザインも特徴で、お釈迦様が仏教を布教していた当時、南蛮人が連れていたとされる2匹のコリー犬が動物たちの中に描かれています。

東福寺

京都の東福寺も、涅槃会で有名な寺院の一つです。東福寺は、鎌倉時代の摂政である九条家によって発願された京都の禅寺です。

東福寺の涅槃図も三大涅槃図の一つで、東福寺の僧侶である明兆によって描かれました。高さ12m、横幅は6mとこちらも非常に大きく、日本で2番目の大きさを誇ります。この涅槃図には、仏教において縁起がよい存在とはされていない猫が描かれており、別名「猫入り涅槃図」といわれています。

この猫は絵の具を咥えながら明兆の元を訪れていたとされており、東福寺ではこの猫を「魔除けの猫」としています。

泉涌寺

泉涌寺は、特徴的な涅槃図を持つ寺院として有名です。京都に建てられた寺院で、真言宗泉涌寺派の総本山です。泉涌寺は、高さ16m、横幅8mの大きさを誇る涅槃図を所有しており、日本最大級の大きさであることから「大涅槃図」とも呼ばれています。こちらも三大涅槃図の一つです。大涅槃図は、江戸時代の第15代住職である明誉古磵上人によって描かれたもので、極彩色の彩りが特徴です。

非常にサイズが大きいため、涅槃会の際には正面の祭壇にお釈迦様、天井部分に満月の部分がくるようL字型に折って飾られます。

涅槃会のお供え物

ここからは、涅槃会でのお供え物について解説していきます。

花供御

涅槃会のお供え物としては、花供御が挙げられます。花供御は「はなくそ」と読み、お正月にお供えしていた餅で作ったあられのことを指します。仏教では、仏様にお供えする品物を「花供御(はなくご)」と呼び、はなくごを仏様のお下がりとして食べる際「これはお釈迦様の鼻くそだ」と揶揄したことが由来とされています。名前は変わっていますが、これからの無病息災を願うためのご利益のあるお菓子です。

団子

涅槃会でお供えされる品物として、団子も挙げられます。涅槃会でお供えする団子は「涅槃団子(ねはんだんご)」とも呼ばれ、お釈迦様のご遺骨である仏舎利を意味しているとされています。涅槃会を行う寺院やお住まいの地域によって形状や色味は少しずつ異なりますが、基本的には丸い形状です。

涅槃会が終わった後、境内でこの涅槃団子を撒く寺院が多いです。撒かれた後の涅槃団子は、食べたり厄除けのお守りとして身につけたりすることもあります。

涅槃会に参加する際のお布施のマナー

寺院で行われる涅槃会に参列する場合、僧侶や寺院への謝礼としてお布施を準備する必要があります。ここからは涅槃会で渡すお布施のマナーを解説しますので、目を通してみてください。

3千〜1万円ほどが相場

涅槃会で寺院や僧侶にお渡しするお布施の金額は、3千〜1万円ほどが相場とされています。お布施はお気持ちであるため厳密な金額が決まっているわけではありませんが、これを目安としてお布施を包むとよいでしょう。

寺院によってはお布施の金額が決まっている場合もあります。また、お布施にシワの多いお札を使うのはマナー違反となるため、新札を準備してから包みましょう。

白い封筒に包む

涅槃会のお布施は、白い封筒に包んで渡すのがマナーです。弔事用ののし袋を使用する人もいますが、正式には白い封筒を使うことが推奨されています。郵便番号が印刷されているものや茶封筒は避け、真っ白の無地の封筒を使いましょう。白い封筒ではなく、奉書紙を使用しても問題ありません。

二重の封筒は避ける

涅槃会のお布施は白無地の封筒に包むのがマナーですが、二重の封筒は使わないようにしましょう。これは、二重封筒を使うと、「不幸なことが続けて起こる」という意味になってしまうためです。

白封筒は中身が透けないように二重になっているものが多くあるため、購入前にしっかり確認しておきましょう。

濃い墨で書く

お布施に書く表書きや氏名は、薄墨ではなく濃い墨を使って書きましょう。薄墨は、故人を失った悲しみを意味するために使われるものです。お布施は僧侶への謝礼という位置づけであり悲しみを表現する必要はないため、濃い墨を使うのがマナーです。

お布施を手渡しするのは避ける

お布施を僧侶にお渡しする際、直接手渡しするのはマナー違反です。菓子折りの箱の上や袱紗などの上に封筒を乗せ、表書きの文字が僧侶から見て読める向きにして差し出しましょう。

涅槃会の由来やマナーを押さえてお釈迦様を偲びましょう

この記事のまとめ

  • 涅槃会とは、お釈迦様が入滅したとされる日に行われる三大仏事の一つ
  • 涅槃会はお釈迦様の入滅日である2月15日に行われることが多いが、寺院によっては3月15日に行うところもある
  • 涅槃会で有名な寺院として、京都の本法寺、東福寺、泉涌寺が挙げられる
  • 涅槃会では、花供御(はなくそ)と涅槃団子をお供えする
  • 涅槃会では、3千〜1万円ほどのお布施を包むのがマナー
  • お布施は一重の白無地封筒に包み、表書きは濃い墨で書く

涅槃会とは、お釈迦様の入滅日に2月15日に行われる三大仏事の一つです。涅槃会にはお釈迦様を偲ぶという意味があり、盛大に涅槃会を行う寺院も多く存在します。涅槃会に参列する際は、本記事で紹介したお布施に関するマナーを押さえておきましょう。 

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