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健康・カラダのこと

認知症の初期症状を確認する方法!高齢者もできる生活改善やリハビリで進行を防ごう

認知症の初期症状を確認する方法!高齢者もできる生活改善やリハビリで進行を防ごう

認知症が進行すると自宅での生活が難しくなり、施設に入所する方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、認知症の初期症状を理解し、早めに気づいて対処することで、生活習慣の改善や治療を通じて進行を遅らせることが可能です。本記事では認知症を早期に発見する方法や、認知症の進行を遅らせる方法について解説します。

監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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認知症とは?

「認知症」とは、脳の病気や障害により記憶力や判断力などの認知機能が低下する状態をいいます。認知症の種類で最も多いのがアルツハイマー型認知症で、次に脳血管性認知症とレビー小体型認知症になります。

どの認知症でも記憶障害などの中核症状と、妄想や幻覚などの行動・心理症状(BPSD)が出現します。割合は少ないですが、暴力をふるったり社会性が低下したりといった前頭側頭型認知症もあります。

現在アリセプトやメマリーといった治療薬が使用されていますが、認知症を完治させるには至っていません。しかし、早期発見や早期対応により、早い時期からの投薬などで認知症の進行を遅らせることが可能です。

認知症を早期発見する方法

認知症の進行を遅らせるためには初期症状を理解し、早期発見・早期対応が大切になります。認知症は誰でもなる可能性がある身近な病気のため、近くにいる家族などが兆候に気づくことが必要です。ここからは、認知症を早期発見する方法を紹介します。

認知症チェックリストの活用

いつもできていたことができなくなる、同じ話を繰り返すなど認知症を疑う項目はいくつかあります。「なんだかおかしいな」「ボケたのかな?」などの症状を感じたら、このチェックリストを参考にしてください。

認知症チェックリスト

  1. 同じことを言ったり聞いたりする
  2. 物の名前が出てこなくなった
  3. 置き忘れやしまい忘れが目立ってきた
  4. 以前はあった関心や興味が失われた
  5. だらしなくなった
  6. 日課をしなくなった
  7. 時間や場所の感覚が不確かになった
  8. 慣れた場所で道に迷った
  9. 財布などを盗まれたと言う
  10. ささいなことで怒りっぽくなった
  11. 蛇口・ガス栓の閉め忘れ、火の用心ができなくなった
  12. 複雑なテレビドラマが理解できない
  13. 夜中に急に起き出して騒いだ

以上の項目に3つ以上当てはまった方は、注意が必要です。日常生活に支障が出ている場合もあるでしょう。かかりつけ医がいる場合は主治医に、生活で困ることがあれば地域包括支援センターに相談してみましょう。

引用:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 認知症チェックリスト

医療機関を受診する

認知症は初期状態で治療すれば、進行を遅らせることが期待できます。先ほどの認知症チェックリストに当てはまった方や、「ボケの始まりかな」など自分自身で物忘れを自覚したら医療機関を受診しましょう。

医療機関は、精神科・神経内科・内科・認知症外来・物忘れ外来などありますが、基礎疾患などで医療機関に通院しているなら、まずは主治医に相談してみるのもよいです。

精密検査が必要とされた方は、脳の状態を調べるMRI検査やSPECT(スペクト)検査などを受けて診断が確定します。認知症の状態により、主治医の指示に基づいて投薬治療や生活改善などを始めることが大切です。

認知症の初期症状とは

認知症の初期症状には、物忘れや集中力の低下、気分の落ち込みなどがあります。主な初期症状とチェックポイントをまとめましたので確認してみてください。

物忘れ

物忘れは誰にもありますが、同じことを何度も話したり尋ねてきたりするのは、認知症の初期症状である場合があります。

物忘れのチェックポイント

  • 何度も同じことを話してくる
  • 頼んだことを忘れる
  • 冷蔵庫に同じものがいくつも入っている
  • 大切なものを置き忘れる
  • 探し物の途中で何を探していたか分からなくなる

このような兆候が増えてきた場合、認知症の初期症状といえるため注意したほうがよいでしょう。日常生活にも支障が出てきます。

集中力の低下

認知症の症状では、集中力が低下する場合もあります。

集中力の低下のチェックポイント

  • 簡単な計算ができなくなる
  • ドラマを見ていても途中で止めてしまう
  • 読書が好きだったのに本を手に取らなくなる
  • 公共料金の支払いが遅れたり忘れることがある

このように何かに取り組もうとしてもすぐに止めてしまう場合、認知症の初期症状を疑ってもよいでしょう。

理解力・判断力の低下

認知症になると考える時間が長くなり、新しい出来事に対応できず混乱するという症状がみられます。

理解力・判断力の低下のチェックポイント

  • 買い物に行っても商品を選べなくなる
  • 買い物をしてもお札しか出さなくなり小銭がたまる
  • 話についていけず、何を話しているのか分からないと言う
  • ひとりで病院受診すると、医師に指示されたことを家族に伝えられない
  • 調理をしようとしても手順が分からない

このように認知症によって脳の働きが低下することで、問題が解決できなくなったりこれまでできていたことが苦手になったりするため、日常生活に支障が出てきます。

気分の落ち込みや混乱

認知機能が低下すると、精神的に落ち込んだり混乱したりすることが多くなります。意欲の低下により身だしなみへの関心も薄れる傾向にあります。このような症状が出現したら気をつけましょう。

気分の落ち込みや混乱のチェックポイント

  • 話しかけても返事がない
  • 怒りっぽくなった
  • 顔を洗うことや歯を磨かなくなった
  • 予想外のことが起きたときにパニックになる

このような兆候はうつ病と間違えられることもありますが、認知症の初期症状と考えられます。

【生活習慣】認知症の進行を遅らせるための方法

認知症の初期症状には物忘れや集中力の低下などさまざまありますが、早い時期に気づけば進行を遅らせる手段が取れます。ここでは、生活習慣を見直すことで認知症の進行を遅らせる方法を紹介します。

生活習慣病の予防・治療

糖尿病や高血圧症などの生活習慣病は、認知症の原因になることが分かっています。そのため、生活習慣病にならないような生活を送ることが認知症の進行を遅らせることにつながります。

糖尿病や高血圧症にかかっていても、たいしたことないと放置している高齢者は、体調不良などをきっかけにして認知症を発症することがあります。そのため、生活習慣病のある方は定期的に診察を受けてしっかりと治療をしていきましょう。

栄養バランスのよい食事をする

栄養バランスのよい食事は、生活習慣病の予防だけでなく認知症の進行を遅らせることにつながります。国立長寿医療研究センターの研究では、以下のようなポイントを挙げています。

認知症と栄養の関連性

  • 低たんぱく質や低脂肪食は認知症のリスクを高める
  • 大豆・野菜・海藻・牛乳・乳製品は認知症のリスクを軽減させる
  • 赤ワインは認知機能低下の予防効果がある

高齢者の健康において、栄養不足による体重減少と認知症の関連は認められています。そのため、炭水化物の摂りすぎには注意し、適度なバランスでたんぱく質や脂肪を摂取することが大切です。これにより、認知症の初期症状の進行を抑える効果が期待できます。

参考:国立長寿医療研究センター 物忘れセンター 認知症と栄養

運動をする

運動は身体機能が維持・向上するほかに、脳も刺激されて認知機能が向上します。しかし、高齢者の場合、今まで運動していない方が急に始めると身体に負担がかかります。1回30分程度、週3回以上の有酸素運動から始めるとよいでしょう。

ひとりで運動するより、近所の方や友人を誘い一緒に行うと継続しやすくなります。このように、適度な運動は脳によい刺激を与え、認知症の進行予防となります。

人と交流をする

他者とのコミュニケーションは、心身の健康を維持する上で非常に重要です。例えばひとり暮らしであれば、自宅にいることが多くなり会話する相手もおらず、徐々に上手に話せなくなります。頭を使うことも少なくなり、刺激も減ってしまうでしょう。

このように人と会話しないと認知機能が低下し、認知症の症状が進行してしまうのです。積極的に外出して人と話をしましょう。

【リハビリ】認知症の進行を遅らせるための方法

リハビリといえば身体を動かすイメージがありますが、認知症にもリハビリがあります。意識して脳を使うことにより、認知症の初期症状の進行を遅らせることが可能です。

日記をつける

日記をつけることは、過去を思い出す作業です。ポイントは、1日から2日前など日にちをさかのぼって日記をつけることです。「何をしていたのか」「何を食べたのか」「何を考えていたのか」など一生懸命思い出そうとすることにより、脳が活性化し記憶力を養うため、認知症の進行を遅らせることが可能になります。

脳トレーニングをする

認知症の症状を進行させないためには、脳トレーニングは有効な手段です。

現在書店などでは高齢者向けのクロスワードや簡単な計算、クイズなどの書籍が販売されています。「1日4ページやる」など目標を決め、達成できたらカレンダーに印をつけるなど目で見て成果が分かるようにすると意欲も出てくるでしょう。

それ以外にも買い物をしながら商品の金額を暗算するなど、日常でもできる脳トレーニングがあります。日常生活に脳トレーニングを取り入れることで認知症の進行を抑える効果があるため、ぜひ行ってみてください。

認知症の初期症状が現れたら適切に対処しましょう

この記事のまとめ

  • 認知症とは、以脳の病気や障害などで判断力や記憶力が低下する状態のこと
  • 認知症を早期発見するには、認知症チェックリストを活用したり医療機関を受診したりする方法がある
  • 認知症の初期症状は物忘れや集中力の低下などあるため、身近な人が早期発見することが重要
  • 認知症の症状を進行させないためには、生活習慣病を予防したり栄養バランスのよい食事をしたり、生活を見直すことが必要
  • 日記をつけることや脳トレーニングをすることも認知症を進行を抑える効果がある

認知機能は加齢にともない徐々に低下していくことが多いです。しかし、認知症は早期発見できれば早く治療が開始でき、症状の進行を防ぐことができます。

自分自身や家族が認知症かもしれないと思ったら、ひとりで抱え込むのではなく周りに相談してみましょう。お住まいの地域包括支援センターやかかりつけ医が相談に乗ってくれるはずです。

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