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定年後は「再就職」か「再雇用」か。60代からの働き方、仕事探しの方法を解説

定年後は「再就職」か「再雇用」か。60代からの働き方、仕事探しの方法を解説

定年後の働き方として、「再就職」か「再雇用」か悩んでいる方も多いのではないでしょうか?この記事では定年後の「再就職」と「再雇用」の働き方や、メリット・デメリットを徹底解説します。また、定年後の仕事を決める際のポイントも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

定年後の「再就職」と「再雇用」の違いとは?

男性

定年後の働き方を決める上で、「再就職」と「再雇用」の違いを理解しておく必要があります。はじめに、二つの違いについて解説していきます。

「再就職」は新しい職場で働く

「再就職」とは、定年後に今までの会社を退職して、新たな会社に就職することです。基本的には、自分で新しい仕事を探して再就職することになります。

「再雇用」は今までの職場で働く

「再雇用」とは、今までの会社で引き続き働くことです。再雇用制度を利用し、定年年齢で一度退職した上で再度雇用される働き方のことで、本人が希望すれば65歳まで働き続けることができます。ただし、同じ職場ではなく、子会社やグループ会社での勤務となる可能性もあります。

また、近年では少子高齢化が進み、中長期的に見ると労働力人口が減少していきます。その影響で、年金制度改正による年金支給開始年齢の引き上げが発表され、事業主側に70歳までの定年年齢引き上げや70歳までの再雇用制度などが求められています。

そのような厚生労働省の「高年齢者就業確保措置」によって、65歳以降も働ける可能性がありますが、今までの雇用形態と異なり、業務委託契約のような形になるケースもあるでしょう。そのため、自分の会社の定年後の雇用継続制度について、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

厚生労働省・高年齢者の雇用

定年後の「再就職」ガイド

履歴書

定年後の「再就職」と「再雇用」の違いが分かったところで、まず「再就職」について詳しく解説します。

働き方

定年後の「再就職」は、自分で仕事を探すケースが多いです。しかし、正規雇用は少なく、契約社員やパートなどの非正規雇用の割合が多くなります。

定年後の60~64歳の男性の39.2%、女性の68.4%がパートタイム労働者です。さらに、65歳以上になると、パートタイムで働く人は男性は67.3%、女性は84.2%と大半を占めています。

厚生労働省・入職者に占めるパートタイム労働者の割合

給与水準

定年後の「再就職」での給与水準は、定年前よりも減少するケースが多いです。前述したように、正規雇用が少ないことや労働時間も短くなるため、全体の収入は減る傾向にあります。

前職と比較して給与が1割以上減ったと感じている人は、60~64歳では65.4%、65歳以上では49.5%という調査結果です。

厚生労働省・転職入職者の賃金変動状況

仕事探しの方法

定年後における仕事探しとして、以下のような方法が考えられるでしょう。

ハローワーク

「ハローワーク」とは、厚生労働省が管轄する職業紹介所です。民間の紹介事業では就職に結びつきにくい就職困難者と、人手不足で困っている中小零細企業を中心に、無償で就職支援を行っています。特に「生涯現役支援窓口」では、定年退職後の希望者の雇用を確保するために、職員と相談員が支援チームを作って職業紹介や相談を実施しているため、こちらに相談すると心強いでしょう。

厚生労働省・公共職業安定所(ハローワーク)の 主な取組と実績

シルバー人材センター

「シルバー人材センター」は、全国の市区町村単位に設置されており、高齢者向けに仕事を紹介する社団法人です。

こちらでは、臨時的・短期的・軽易な業務などを提供しているため、安定してまとまった収入の保証はありません。高齢者の生きがいある生活を実現させることや、地域社会の福祉の向上を目的としています。

公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会・シルバー人材センターとは

人材紹介サービス

「人材紹介サービス」とは、求職者と企業を結びつけるマッチングサービスです。企業が求める経験やスキルを持った人材を募集しているため、選考条件に合致すれば適した職場を紹介いただけるでしょう。

近年では、経験豊富な高齢者向けの人材紹介サービスも増えており、履歴書の作成や条件交渉をサポートしてくれる場合もあります。

転職サイト

「転職サイト」は、Webサイトを通じてさまざまな業種の企業が求人を掲載しており、自分が求める職種や勤務条件などを入力し、その条件に合った企業に応募する方法です。履歴書の作成から応募、企業とのやり取りまで自分で行う必要があります。

再就職支援

「再就職支援」とは、定年退職や早期退職に伴い、再就職先を紹介してくれるサービスのことです。退職者が早期に新しい仕事に就けるように、カウンセリングや適性判断、履歴書の添削、面接練習などを支援してくれます。

ひとりで行う再就職活動を不安に思うこともあるでしょう。再就職支援はコンサルタントが相談に乗り、仕事探しをサポートしてくれるのがポイントです。

知人からの紹介

定年後は、知人に仕事の紹介を依頼する方法もあります。「リファラル採用」と呼ばれ、実際に働いている従業員の紹介のため、仕事内容や職場環境が分かりやすいのが利点です。

紹介者を通じて、企業側が働く人のスキルを把握しやすいこともあり、マッチング率や定着率が高くなる傾向があります。

定年後の「再就職」のメリット・デメリット

会議

ここまで「再就職」について働き方や仕事の探し方などを紹介しましたが、仕事探しを始める前に再就職のメリット・デメリットも知っておいた方がよいでしょう。そこでここからは、定年後に異なる職場に転職する「再就職」のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

新しい仕事に挑戦できる

「再就職」のメリットとして、前職にとらわれることなく、新しい仕事に挑戦できることが挙げられます。再就職は、今までできなかったことや躊躇していたことなどに挑戦する機会でもあります。保有資格を活かした職業に就いたり、社会貢献につながる仕事をしたりと、自分の希望に沿った仕事を実現できるチャンスです。

人間関係が広がる

「再就職」によって新しい職場にめぐり合うため、人間関係が広がる可能性があります。同じように再就職した同世代の人と知り合う機会があり、今までとは異なる人間関係を構築することもできるでしょう。

65歳以上も継続して働ける可能性がある

再就職であれば、期限を区切らず働く仕事を見つけることも可能です。そのため、職場によっては65歳を超えても継続して働ける可能性があります。

デメリット

高齢者の求人が少ない

「再就職」の場合は、高齢者の求人が少ない点に注意しなければなりません。ハローワークや人材紹介サービスでも高齢者を募集している企業が少ないため、仕事探しに大変さを感じるでしょう。また、近年ではインターネットを介した求人募集も増えてきています。そのため、インターネットが苦手な方は苦労するかもしれません。

再就職先が決まるまでブランクが空くこともある

高齢者の求人募集が少ないこともあり、すぐに転職できない可能性があります。また、希望通りの職業を見つけるまでブランクが空くこともあるでしょう。再就職までの期間が長くなるほど、仕事に復帰することへの不安が大きくなる傾向もあるようです。

雇用条件が前職より劣るケースが多い

前述したように、定年後の再就職は契約社員やパートタイムなどの非正規雇用で働くことが多くなります。定年後は給与だけでなく、仕事内容や勤務地などの雇用条件も前職より悪くなるケースが多いことを覚えておきましょう。

定年後の「再雇用」ガイド

ビジネス

ここまでは、定年後に新たな職場で働く「再就職」について詳しく解説してきましたが、ここからは定年後も同じ職場で働く「再雇用」について紹介します。

「再雇用」の流れ

「再雇用」については、退職を迎える前に企業から通達されます。その後、担当者と面接をして勤務条件のすり合わせを行い、契約の内容に合意したら再雇用が決定します。

再雇用制度を利用するかどうかは、あくまでも本人の意向次第です。条件のすり合わせが上手くいかず、希望にそぐわない場合は断ることもできます。

働き方

定年後に「再雇用」されている人の割合は、60代前半で正社員が約4割、嘱託・契約社員が約6割です。

「定年前と全く同じ仕事」を提供している企業は44.2%で、「定年前と同じ仕事であっても、責任の重さが軽くなる」という企業は38.4%となっています。そのため、定年前と同じ業務の方も多い反面、役割やポジションは変わることがあるようです。

給与水準

「再雇用」の場合の給与水準は、60歳直前の給与を100とした場合、61歳時点での平均値で78.7になっています。しかし、会社によって異なるため具体的に確認しておいた方がよいでしょう。

厚生労働省・高年齢者雇用の現状等について

定年後の「再雇用」のメリット・デメリット

話す

ここまで紹介した「再雇用」の働き方を踏まえて、そのメリットとデメリットを紹介します。「再雇用」では慣れ親しんだ環境で働ける一方で、同じ職場で働き続けることならではの悩みを抱えることもあるでしょう。これらを総合的に検討した上で、「再就職」なのか「再雇用」なのかを考えてみてください。

メリット

慣れ親しんだ環境で働ける

「再雇用」は、同じ会社で働き、仕事の内容も同じであることが多いため、慣れ親しんだ環境で働けるのがメリットの一つです。

同じ職場の場合、以前と同じ生活スタイルを維持できたり、交流のある同僚と継続して働くことになります。そのため、再就職のように、新しい環境で人間関係を構築しなければならないというストレスを抱えることがないでしょう。

仕事探しの手間がかからない

「再雇用」は、定年前に話し合って働くことを決めるため、仕事探しの必要がありません。近年、さまざまな仕事探しの方法はありますが、高齢者向けの案件は少ない傾向にあり再就職先を決めるのに苦労する人もいます。再雇用であれば、このような仕事探しの苦労をすることはなくなります。

老齢厚生年金の受給額が増える

「再雇用」で働くと、厚生年金に加入し続けることになるため、老齢厚生年金の受給額が増えます。会社員や公務員の年金は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2階建てです。また、厚生年金は原則として70歳まで加入できるため、加入していた期間によって年金の受給額を増やせます。

「再就職」はパートタイムで働く人が多く、厚生年金に入れる条件を満たすのが難しいケースが多いです。また、退職後に期間が空く可能性もあります。「再雇用」は定年後も継続して働けるため、厚生年金に加入していない期間ができるのを回避できるでしょう。

デメリット

役職が変わる

「再雇用」では、定年前の役職から変わることが多いです。仕事内容は変わらなくても、責任の重さは軽くなる傾向にあります。そのため、定年前は部下だった人が再雇用後は上司となることもあるでしょう。

スキルと給与のバランスに不満を感じやすい

「再雇用」で働く場合、同じ職場であったり仕事内容が同じであったりすることもあります。しかし、給与は定年前より少なくなる傾向にあるため、スキルや知識に見合っていないと感じる可能性があります。勤務条件については、定年前に企業側とのすり合わせが必要です。

再雇用期限以降は自分で仕事を探さなければならない

「再雇用」の期限は基本的に65歳までのため、それ以降も働き続けたい場合、自分で仕事探しをすることになります。会社によっては65歳以降も働ける場合もありますが、現時点ではそのような企業はあまり多くありません。

また、再雇用期限後の65歳となると、定年してすぐの60歳からさらに年齢が高くなっているため、希望に合った仕事を探すのが難しい可能性もあるでしょう。

定年後の「再就職」や「再雇用」を決める前に

パソコン

ここまでは「再就職」と「再雇用」についての働き方や給与水準、メリット・デメリットなどを解説してきました。いずれの場合でも、定年退職後に働く場合に押さえておきたいポイントを紹介します。

生活費の収支を把握する

60歳の定年を迎えて、65歳で年金が受給されるまで収入が減ることが考えられます。そのため、生活費の収支を把握しておくことが大切です。

定年後の生活費を把握することで、多く収入を得たいときは仕事量を増やす、余裕がある場合は趣味に多くの時間を費やすなど、定年後の働き方を考えることにつながるでしょう。

譲れないこと・妥協できることを整理する

定年後の働き方や仕事探しは、これまでのキャリアやプライドが邪魔をしてなかなか決まらないことがあります。しかし、再雇用では役職が変わったり、再就職では高齢者向けの求人は少ない傾向にあったりするため、ある程度の妥協も必要です。自分としてどうしても譲れないことは何かを決めておくことで、定年後の仕事の選択肢を絞ることができるでしょう。

スキルの棚卸しをしておく

定年前に、自己のスキルの棚卸しをしておきましょう。自分のスキルや経験などの強みを再確認しておくことで、定年後の働き方も決めやすくなります。また、スキルの棚卸をしておくことで、再就職の際には企業側へのアピールポイントを明確にすることができます。

趣味や特技が仕事になることもある

定年後は、趣味や特技を活かした仕事に就く方法もあります。以前は趣味で楽しんでいたことも、定年後は本格的に取り組む時間を増やすことができます。

モノづくりが好きな人はハンドメイド作品を販売したり、自分が好きなことをSNSで発信したりして、収益化する方法を模索するのもよいでしょう。

「起業」という選択肢もある

定年後の働き方として、起業するのも一つの方法です。

自分の好きなことや、やりたい職業で起業して無理のない範囲で行う「ゆる起業」というスタイルも注目されています。インターネットの普及により、開業資金やランニングコストが抑えられるようになっているため、少ないリスクで始められる可能性もあります。

定年後は自分に合った働き方を選択し、充実した生活を送りましょう

三人

この記事のまとめ

  • 「再就職」は定年後に新しい職場で働く
  • 「再雇用」は定年前と同じ職場で働く
  • 「再雇用制度」は、本人が希望すれば65歳まで働ける(企業によっては65歳以上の場合もある)
  • 再就職の働き方は契約社員やパートが多く、給与は減少することが多い
  • 再雇用の働き方は正社員が約4割、委託・契約社員が約6割で、給与は定年前の7~8割
  • 仕事探しの前にスキルの棚卸しをしたり、定年後の生活費を把握したりすることが必要
  • 定年後は趣味や特技を活かした働き方もある

定年後の「再就職」と「再雇用」について解説してきましたが、どちらにもメリットとデメリットがあります。自分のライフスタイルや考え方を踏まえて、自分に合った働き方を選び、定年後の働き方を充実したものにしてください。 

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