納骨堂と永代供養の違いを比較!埋葬の方法やそれぞれのメリットもご紹介
納骨堂と永代供養の違いをご存知でしょうか?この二つは混同されがちですが、実は全く異なる意味を持ちます。本記事では、納骨堂と永代供養の違いや埋葬方法、メリットなどを紹介します。
納骨堂とは
納骨堂と永代供養の違いについて説明する前に、まずは納骨堂とは何かを解説します。
遺骨を安置する施設のこと
納骨堂とは、遺骨を安置するための屋内施設を指します。法律では、「納骨堂は都道府県知事の許可を受けた、焼骨を収蔵するための施設」と定められています。
納骨堂の種類
納骨堂には、さまざまな種類があることをご存知でしょうか?ここからは、納骨堂の大まかな種類とその特徴について解説します。
ロッカー式
ロッカー式とは、名前の通りロッカーのような見た目が特徴の納骨堂です。扉がついた個別の納骨スペースが設けられており、小さいながらも専用のスペースがあります。
仏壇式
仏壇式とは、骨壷を収納する棚と仏壇がセットになっている納骨堂です。仏壇と同じような外観であり、ロウソク立てや花立て、焼香具などを置いて故人を偲ぶことが可能です。「しっかりと故人を供養したい」という人に選ばれているタイプでもあります。
位牌式
位牌式の納骨堂は、位牌檀や遺骨を収納するスペースが設けられているのが特徴です。基本的には、一つのスペースにつき一人分の遺骨を収骨する仕組みであり、他のタイプと比較すると安価で利用できるのが魅力です。
自動搬送式
自動搬送式とは、専用の参拝ブースに遺骨を呼び出して故人を供養するタイプの納骨堂で、「マンション型」と呼ばれることもあります。参拝ブースの受付機に専用のカードをかざすと、遺骨が収められた厨子が搬送されてくる仕組みです。
永代供養とは
次に、永代供養について解説します。「永代供養」という言葉は知っていても、実際にどのようなものなのか分からない人は、ぜひ確認してみてください。
遺骨の管理・供養
永代供養とは、霊園や寺院が遺族・子孫の代わりに遺骨を管理・供養することを指します。遺骨の管理や供養を全て任せられるため、「子供にお墓のことで負担をかけたくない」「お墓を守ってくれる人がいない」という人に選ばれています。樹木葬や集合墓、合祀墓などに永代供養がついていることが多く、一般的なお墓でも永代供養がついていれば、選ぶことができます。
納骨堂と永代供養の違いとは
納骨堂とは遺骨を安置しておく屋内施設の総称であり、永代供養は家族の代わりに遺骨の管理・供養を行ってもらえるサービスのことです。お墓の形式か、それとも管理形態の一つかという点が、納骨堂と永代供養の違いといえるでしょう。
納骨堂への納骨方法
納骨堂へ納骨をする場合、どのような手続きが必要なのでしょうか?ここからは納骨堂へ納骨する手順や流れについて紹介します。
納骨堂を探す
納骨堂の利用を検討しているのなら、まずはあなた自身に合った納骨堂を探しましょう。パソコンやスマートフォンなどで検索すれば、自宅の近くにある納骨堂を手軽に調べられるでしょう。ホームページが設けられていれば、料金やサービス内容なども合わせて確認できます。
また、納骨堂の広告やチラシなどはコンビニやデパート、スーパーなどに置いてあることが多いです。駅や電車の中に納骨堂の広告が出されていることもあります。外出した際にチラシや広告を確認し、希望に当てはまる納骨堂があるか探してみてください。
希望に合った納骨堂が見つかったら、電話やメールなどで資料請求を行いましょう。ほとんどの場合、資料請求は無料のため、少しでも気になる納骨堂があったら積極的に資料をもらうのがおすすめです。
申込みする
納骨堂が決まったら、申込みへと進みます。納骨堂を契約する際には何点か必要な書類があるため、前もって確認しておくと安心です。
納骨堂の契約に必要な書類・持ち物
- 本人確認書類
- 埋葬許可証(執行済みの火葬許可証)
- 住民票もしくは戸籍謄本
- 認印
納骨式を行う
寺院が運営している納骨堂では、納骨式を執り行うことが多いです。納骨式では僧侶に読経をしてもらい、遺族や参列者が焼香を行います。納骨式を行う場合は、僧侶へのお布施やお車代などを準備しておきましょう。
また、納骨の当日は、管理者にいくつか書類を提出する必要があります。申込み時に必要な書類とは種類が異なるため、こちらも合わせて確認しておきましょう。
納骨当日に必要な書類・持ち物
- 納骨堂への受入許可証(墓地使用許可証)
- 埋葬許可証(執行済みの火葬許可証)
- 認印
永代供養の供養方法
続いて、永代供養の供養方法を解説します。永代供養墓の利用を検討している人は、以下で紹介する流れを参考にしてみてください。
永代供養先を決める
まずは、永代供養先を決めます。施設の候補を探して資料請求をした後は、実際に現地に足を運んでみてください。このとき、管理者の人柄や考え方、宗旨は問われるか、参拝時間は決まっているかなどを確認しておきましょう。「ここでなら安心して永代供養を任せられる」と判断したら、実際に契約に移ります。
申し込みする
永代供養で必要になる持ち物は、基本的にどの施設でもほとんど同じです。以下を参考にしながら、必要な書類を準備しましょう。
必要な書類
- 依頼者の本人確認書類のコピー
- 故人の改葬許可証または埋葬許可証
- 納骨自認書
納骨を行う
納骨当日になったら、故人の遺骨をお墓に納めます。寺院が管理する永代供養墓へ納骨する場合、納骨式が行われることもあります。
納骨堂・永代供養のメリット
納骨堂・永代供養を検討している人の中には、「どのようなメリットがあるか分からない」「一般的なお墓に比べてどのような利点があるのか」という疑問を持っている人もいるでしょう。ここからは、納骨堂・永代供養のメリットを詳しく解説します。
納骨堂のメリット
納骨堂は、都心のアクセスがよい場所などにも多く存在します。歳をとった後でも通うことができるのは、供養をする側としては大きなメリットとなるでしょう。その他、納骨堂は屋内施設であるため、天候や草むしりといったお墓参りや管理にありがちな悩みも心配する必要はありません。
また、一般的な永代供養では、合祀されてしまうと遺骨を取り出すことができなくなってしまいます。納骨堂であれば骨壷のまま保管してもらえるため、取り出すことが可能です。何かの事情で納骨堂から取り出す必要が出たときにも安心でしょう。
費用も一般的な墓より墓石がない分、費用を抑えられる可能性が高くなります。
永代供養のメリット
永代供養ではお墓の管理を任せることができるため、供養する側の手間が省けることが大きなメリットです。遠方に住んでいたり、墓参りに気軽に訪れることができない場合でも安心でしょう。
維持にかかるお金も、納骨の際に一括で支払うことで都度の支払いを気にすることなく、管理を長期間に渡って依頼することができます。
納骨堂・永代供養の注意点
さまざまなメリットがある納骨堂・永代供養ですが、利用にはいくつか注意点があります。ここからは、納骨堂・永代供養の注意点について解説します。
納骨堂の注意点
納骨堂では、防災上の制限や衛生管理の観点から、お線香やお供物といった故人へ捧げるものが制限されている場合があります。一般的な墓参りに比べて異なる感覚を覚えるかもしれません。
また、納骨堂建物自体についても老朽化や火災・地震による倒壊といったリスクが存在します。万が一の際に取り出せるかは、規約や契約前の説明で必ず確認が必要です。
永代供養の注意点
永代供養では多くの場合、契約期間の終了と同時に遺骨が合祀されてしまいます。その際、一度合祀されてしまうと遺骨を取り出すことが難しくなってしまうことが最も大きな注意点です。
子世代の時点で墓石を用意して供養をすると決めても、その時点でご両親の遺骨が合祀されている場合は遺骨を取り出して一緒の墓に入ることもできません。
また、永代供養というと永久的に管理を行ってもらえるという捉え方をしてしまいがちですが、実際には期間が決まっており、その後も個別に年忌法要などををお願いしたい場合は通常通りお布施を支払う必要が出てきます。
納骨堂と永代供養の違いを押さえて、故人の供養方法を考えましょう
この記事のまとめ
- 納骨堂とは遺骨を安置する屋内施設のことで、ロッカー式・仏壇式・位牌式・自動搬送式がある
- 永代供養とは遺骨の管理・供養を遺族にかわり霊園等が行うものである
- 納骨堂・永代供養は、お墓管理の手間を省ける、一般的なお墓より費用を抑えられる、宗派を問わず利用できるといったメリットがある
- 納骨堂や永代供養を行う場合、周囲の理解を得られない恐れがあるため注意
- 遺骨が取り出せない、お墓を継承できないといったデメリットもある
納骨堂は遺骨を安置するための施設であり、ロッカー式や仏壇式などさまざまなタイプがあります。また、永代供養は遺骨のの管理・供養を指します。どちらにもメリットや注意点があるため、本記事の内容を参考にしながらどのように故人を供養するべきか考えてみてください。