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エンバーミングとは?一般的にかかる費用や処置の仕方まで徹底解説

エンバーミングとは?一般的にかかる費用や処置の仕方まで徹底解説

近年、故人とのお別れ前に行う「エンバーミング」が注目を集めています。日本ではあまり馴染みがないため、詳しいことは分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、エンバーミングの概要や費用、流れについて解説します。

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エンバーミングとは

エンバーミングとは、ご遺体の保存・殺菌・修復などを目的に行われる処置のことです。故人を生前の姿になるべく近づけて保存する技術のことで、「死体防腐処理」「遺体衛生保全」と呼ばれることもあります。エンバーミングを行うのは、専門資格を持った「エンバーマー」と呼ばれるスタッフです。

エンバーミングでは、ご遺体を殺菌・消毒した後に血液や残存物を除去し、代わりに特殊な薬剤を注入します。このような処置を施すことで、ご遺体を10日〜2週間ほどきれいな状態で保管できるとされています。また、注入する薬剤には色味がついており、ご遺体の顔色が良く見える効果もあります。

エンバーミングをするメリット

ここからはエンバーミングのメリットについて解説していきます。

自然な形でお別れできる

エンバーミングを行うと、自然な形でお別れできることもメリットの一つです。エンバーミングを施すと、ご遺体の顔色や口の開き、目のくぼみなどがきれいになり、まるで眠っているような表情になります。場合によっては、事故による損傷や口を閉じるために巻かれたバンドの跡なども修復できます。

ご遺体が生きていた頃の姿に近づくと、より自然な形で故人とお別れできるでしょう。特に、家族葬などの規模が小さい葬儀では故人の顔をしっかりと見ることもできるため、生前のような姿でお別れしたいと願う人が増えています。

安全に故人と触れ合える

エンバーミングを行うメリットとして、安全に故人と触れ合える点が挙げられます。故人がインフルエンザや結核、C型肝炎などの感染症で亡くなった場合、生きている人へ病気が感染してしまう恐れがあります。そのため、通常はご遺体と触れ合うことはできません。

しかし、エンバーミングで徹底的に殺菌・除菌処理を行うことで、生きている人への感染を未然に防げます。また、ご遺体に水疱や黄疸ができたり、腹水や異臭が発生したりするのを防ぐ効果もあります。エンバーミングを行うことで、安心して故人の顔に触れたり手を握ったりしながら最後のお別れができます。

エンバーミングで予防できる感染症

  • 結核
  • インフルエンザ
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • HIV
  • 敗血症
  • MRSA

ドライアイスが不要になる

エンバーミングを行うと、ドライアイスによるご遺体の冷却が不要になります。エンバーミングを行うとご遺体が腐敗しにくくなるため、ドライアイスで冷却する必要がなくなります。ドライアイスの費用を削減できるため、1日あたり5千〜1万円ほどの節約になるでしょう。ドライアイスをご遺体に当てることによる肌の黒ずみを予防できるのもメリットです。

元気だった頃の姿で見送ることができる

元気だった頃の姿で故人を見送りたい場合、エンバーミングを依頼するのがおすすめです。例えば、長期間病気と闘っていた場合、薬の影響で顔が変わってしまっていたり頬が痩せてしまったりすることがあります。この場合、葬儀に参列してくれた親族や故人の友人が、故人の生前のイメージとの違いに驚くかもしれません。

エンバーミングを行うことで頬のくぼみや血色感が改善され、自然な表情になります。「なるべく元気だった頃の姿でお別れしたい」「生前の姿でお別れさせてあげたい」といった故人やご遺族の希望を叶えられるでしょう。

エンバーミングが必要になるケースとは

エンバーミングは、火葬が主流の日本においてあまり行われていませんでした。しかし、近年ではエンバーミングを希望する遺族が増えてきています。ここからは、エンバーミングが必要になる場合について解説していきます。

ご遺体の損傷が激しい場合

ご遺体の損傷が激しい場合、エンバーミングが必要になるでしょう。軽い損傷であれば納棺師のみで修復可能ですが、損傷箇所が大きく修復が困難な場合はエンバーミングを行うことになります。

エンバーマーのみが持つ特別な技術により、損傷が激しいご遺体も生前の元気な頃の姿に近づけられるでしょう。できる限りの復元を望む場合は、エンバーミングを検討してみてください。

海外からご遺体を搬送する場合

海外から日本へご遺体を搬送する必要がある場合、エンバーミングが施されます。航空機にご遺体を乗せて運ぶ場合は、ドライアイスを使ってご遺体を冷やすことができません。何の処理もしていない状態だと、搬送している間にご遺体の腐敗が進んでしまう恐れがあります。この場合、ご遺体をきれいに保全する目的でエンバーミングが行われます。

葬儀まで日数が空く場合

故人が亡くなってから葬儀まで日数が空く場合も、エンバーミングが必要になるでしょう。人が息を引き取った後、徐々にではありますがご遺体の腐敗が進行して見た目が劣化していきます。ドライアイスを使ったり保冷庫で保管したりしても、ご遺体の腐敗を完全に止めることはできません。

一方、エンバーミングを施せばご遺体を最大50日間きれいな状態で保管できます。ご遺体の見た目の維持や腐敗・異臭防止、死後硬直などの心配もなく、遺族が故人と自由に触れ合うことも可能です。葬儀までの日数が何日か空いてしまう場合は、しっかり故人とのお別れをするためにもエンバーミングを行うとよいでしょう。

エンバーミングにかかる費用

エンバーミングを行うのにかかる費用は、約15〜25万円ほどとされています。エンバーミングの費用は、一般社団法人日本遺体衛生保全協会によって相場が定められています。

ご遺体の大きさや修復が必要な箇所、状態によって金額が多少変動することはありますが、どの葬儀社に依頼しても値段が大幅に変わることはありません。また、ご遺体の修復や死化粧、着付け、保全などは料金に含まれていますが、搬送費用は料金に含まれていないことが多いため注意してください。

エンバーミングの流れ

ここからは、エンバーミングの流れについて解説していきます。

1.葬儀社への依頼

エンバーミングを行う場合、葬儀社への依頼が必要です。エンバーミングを行っている施設と提携していたり、一般社団法人日本遺体保全協会が定めた専門資格を持つエンバーマーが在籍している葬儀社を選びましょう。

エンバーミングを依頼する際は、故人の生前の写真や処置後に着替えさせる洋服などを準備しておきます。また、以下の書類を提出することになるため、事前に用意しておきましょう。

エンバーミングに必要な書類

  • 死亡診断書
  • エンバーミング依頼書(遺族の同意書)

死亡診断書は、故人の死亡を確認する目的で使用される書類です。また、エンバーミング依頼書とは家族や親族がエンバーミングに同意していることを意味するため、原則2親等以内の家族の署名が求められます。

2.ご遺体の搬送

エンバーミングは、専門施設である「エンバーミングセンター」にて行われます。ご遺体を安置している場所や病院などから、エンバーミングセンターへ搬送します。エンバーミングセンターは全国に約70施設ほどしかなく、ご遺体の搬送費がかかる場合もあるため、近くに施設があるか事前に確認しておきましょう。

3.ご遺体の洗浄

ご遺体をエンバーミングセンターに搬送した後は、専門の処置が行われます。まず、ご遺体の状態を専門スタッフが確認し、身体の消毒と洗浄を行います。このとき、表情を生前に近づけるため、肌の保湿剤の塗布や洗髪・洗顔なども行います。産毛やひげの剃毛の処理も希望があれば可能です。

4.腐敗保全処理

ご遺体の洗浄が終了したら、エンバーマーがご遺体の腐敗保全処理を施します。まず、ご遺体の一部を1〜10cmほど切開し、体液や血液などを排出します。次に、動脈から専用の薬剤を注入した後、体内に残った残存物を除去します。最後に、破損した箇所の修復や切開箇所の縫合を行い、全身の洗浄を行えば腐敗保全処理は終了です。

5.着替え

エンバーマーによる処置が終わった後は、遺族の希望があればご遺体に洋服を着せます。ご遺体をより生前の姿に近づけるため、髪型を整えたり化粧を行うこともあります。エンバーミングが終了したら、ご遺体を葬儀場や自宅の安置場所に搬送します。

エンバーミングを行う際の注意点

ここからは、エンバーミングを依頼する際に覚えておきたい注意点を紹介していきます。

立ち会うことはできない

エンバーミングは、「エンバーミングセンター」と呼ばれる専門の施設で行われる処置です。遺族はエンバーミングに立ち会うことはできないため注意しましょう。

ご遺体にメスを入れなくてはいけない

エンバーミングでは、体液や血液を除去したり薬剤を注入したりする際、ご遺体にメスを入れる必要があります。ご遺体にメスを入れるのに抵抗を感じる人は、事前に家族や親族と相談しておくとよいでしょう。

信頼できる業者に依頼する必要がある

エンバーミングを検討しているのなら、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。例えば、エンゼルケアや死化粧を「エンバーミング」と偽って案内する業者があります。こういった業者に依頼した場合、後にトラブルに発展する恐れがあるため注意してください。

エンバーミングは遺族の心のケアにもなる大切な処置

この記事のまとめ

  • エンバーミングとは、ご遺体の保全や殺菌、修復などを目的に行う処置のこと
  • エンバーミングには、①自然な形でお別れできる②安全に故人と触れ合える③といったメリットがある
  • ご遺体の損傷が激しい場合や葬儀まで日数が空く場合などは、エンバーミングが必要となる
  • エンバーミングの費用は一般社団法人日本遺体衛生保全協会によって定められており、15〜25万円ほどが相場
  • エンバーミングは、①葬儀社への依頼②ご遺体の搬送③ご遺体の洗浄④腐敗保全処理⑤着替えの順番で行われる
  • エンバーミングに立ち会うことはできない

エンバーミングとは、ご遺体を殺菌・修復して腐敗を防ぐための処置です。エンバーミングを行うことで故人を生前の状態に近づけられるほか、安心して故人と触れ合えるようになります。このように、エンバーミングは故人にとっても遺族にとっても大切な処置といえるでしょう。本記事を参考に、エンバーミングを行うか検討してみてください。 

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