遺品整理の見積もりの取り方。業者を決めるのに注意すべき点や安くできるコツは?
遺品整理を業者に依頼する場合、まず見積もりを取ってどの業者がよいか検討することが大切です。本記事では、遺品整理の見積もりの取り方について詳しく解説します。業者を決めるときの注意点や費用を安くするコツもまとめていますので、参考にしてみてください。
遺品整理の費用相場
遺品整理の見積もり費用は業者によって異なりますが、一般的には「2DK」「4LDK」など、部屋の広さによって料金が決まります。これは、間取りが広いほど貴重品を探したり部屋の掃除をしたりするのに時間や手間がかかるためです。基本的な相場が知りたい人は、以下の表を参考にしてみてください。
遺品整理の基本料金相場 | |||
---|---|---|---|
部屋の広さ | 作業時間 | 作業人数 | 料金 |
1K・1R | 1〜2時間 | 2人 | 3万5千円〜 |
1DK | 2〜3時間 | 2人 | 5万5千円〜 |
1LDK | 2〜4時間 | 3人 | 8万円〜 |
2DL | 3〜5時間 | 3人 | 10万円〜 |
2LDK | 2〜6時間 | 4人 | 14万円〜 |
3DK | 2〜7時間 | 4人 | 16万円〜 |
3LDK | 5〜8時間 | 4人 | 18万円〜 |
4DK | 5〜9時間 | 5人 | 20万円〜 |
4LDK | 8〜10時間 | 5人 | 22万円〜 |
基本的な料金は上記の通りですが、プラン内容やオプションなどによっては追加で費用がかかります。また、自宅の坪数や部屋の面積などで料金が変わることもあるため、遺品整理を依頼する前にしっかりと見積もりを取っておくことが大切です。
遺品整理の見積もりの取り方
どのくらい費用がかかるのか事前に把握するためにも、遺品整理の見積もりを取っておくことは大切です。ここからは、遺品整理の見積もりの取り方を詳しく解説します。「どうやって見積もりを取ればよいか分からない」と悩んでいる人は、参考にしてみてください。
メールや電話で業者に必要情報を伝える
メールや電話などで業者に必要事項を伝えると、見積もりを出してもらえます。部屋の広さや回収品の種類、重量、作業環境などを伝えることで、無料で見積もりが取れます。「買取りをしてほしい」「深夜の作業を依頼したい」など、オプションサービスの希望を伝えることも可能です。
ただし、メールや電話などで部屋の情報を正確に伝えるのは難しいものです。特に、回収が必要な荷物の量がうまく伝わらず、メールや電話で取った見積もりよりも実際の費用が高額になる場合が多いです。
現場に訪問してもらい、見積もりを出してもらう
正確な見積もりを出したい場合、業者に部屋へ訪問してもらう方法がおすすめです。部屋の間取りや作業環境、回収品の重量などを見てもらうことで、実際の料金に近い見積もりを出してもらえます。
ただし、遺品整理業者に部屋まで出張してもらうための費用がかかる場合もあるため、前もって確認しておきましょう。
ホームページでシミュレーションする
遺品整理業者のホームページで、サービス別に料金の目安が掲載されています。どのプランを利用するべきか、シミュレーションして見積もりを出すことも可能です。
見積もりに含まれる項目
見積もりを出してもらったものの、「費用の内訳が分からない」「この料金はどのような作業でかかるものなの?」と疑問に感じる人も多いものです。そこでここからは、見積もりの中に含まれている項目を詳しく解説します。
出張費
遺品整理の見積もりには出張費が含まれています。出張費とは、回収した品物を詰め込むトラックの準備費用や、現場までの交通費などです。
遺品整理の現場前の道路が細くてトラックが入れない場合、大きなトラック1台ではなく複数の軽トラックを手配するため、出張費が高額になります。また、遺品整理業者の会社から現場までの距離が遠いほど、出張費は上がります。
処分費
処分費とは、家電や家具を処分するためにかかる費用です。エアコンや冷蔵庫、テレビ、洗濯機といった家電は、家電リサイクル法によりリサイクル料を払って処分しなくてはいけません。また、タンスやダイニングテーブルといった大型家具を処分する際も、費用がかかります。
人件費
遺品整理の見積もりに含まれる料金として、人件費が挙げられます。作業に必要な人数が多ければ多いほど、人件費は高額になります。作業人数は荷物の多さや部屋の広さによって変わり、基本的に1Rや1Kなら2人ほどで足りますが、4LDKなどは5人ほどの人数を手配することになります。
清掃作業
清掃作業にかかる費用も、遺品整理の見積もりに含まれる料金の一種です。清掃作業とは、天井や壁、床などを業者が清掃・消毒をする作業です。業者によって清掃の内容は異なるため、事前に確認しておきましょう。基本的に清掃作業費は部屋の間取りに応じて料金が変わります。
仕分け作業の費用
仕分け作業とは、「必要なもの・貴重品」と「処分するもの」を分けてもらう作業のことです。仕分け作業が必要な荷物が増えるほど、費用は高額になります。また、仕分け後に遺品を買取りに出す場合は梱包作業が必要になるため、仕分け作業とは別に料金が発生することもあります。
各種オプション費
見積もりに含まれる費用として、各種オプション費が挙げられます。例えば、仏壇の処分や特殊清掃、家財撤去後の工事など、基本サービス以外の作業はオプションサービスに当たります。見積もりの内訳にオプションが入っているか確認し、そのオプションが本当に必要か検討してみてください。
遺品整理の業者を決める際にチェックするポイント
遺品整理の業者選びに失敗すると、費用が高額になったり希望通りの作業をしてもらえなかったりといったトラブルにつながる恐れがあります。信頼できる業者を探すためにも、以下のポイントをチェックしておきましょう。
実績
遺品整理の業者を決める際は、会社の実績を確認しておきましょう。営業年数が長く実績がホームページに載っている会社であれば、安心して遺品整理を任せられるでしょう。また、業者の評判や顧客からの口コミなどがある場合は、あわせてチェックすることをおすすめします。
運営形態
遺品整理業者の営業形態は、大きく分けると「地域密着型」と「全国対応型」になります。「地域密着型」の業者は受付や見積もりから作業までを一つの会社が担当しますが、対象地域外の利用はできません。
「全国対応型」の会社は、受付窓口と実際に作業を行う会社が異なる場合が多いです。全国どこでもサービスを受けられるというメリットはありますが、信頼できる会社かどうかが分かりにくいのがデメリットです。それぞれのメリットやデメリットを押さえて、業者を選びましょう。
許認可の有無
業者を選ぶ際は、許認可の有無もチェックしておきましょう。遺品整理業者が提供するサービスの中には、自治体で許認可を受けなくてはいけないものもあります。
例えば、不用品の買取りには「古物商許可証」、処分品の回収には「産業廃棄物収集運搬許可証」が必要です。許可証がない業者の場合、他の業者に委託しなくてはいけないため追加料金が発生する恐れがあります。
遺品整理士の在籍
遺品整理士とは、遺品整理の流れや処分品の区別方法、法知識などを持っている遺品整理のプロです。遺品整理士がいる業者であれば、安心して作業を依頼できるでしょう。
作業プランの多さ
作業プランの多さも、遺品業者を選ぶ際にチェックしたいポイントの一つです。作業プランが多いと、状況や希望に応じてさまざまな対応をしてくれます。業者へ依頼する前に作業プランを確認し、求めるサービスがあるかも確認しておきましょう。
スタッフの対応
遺品整理業者を選ぶ際、スタッフの対応にも注目してみてください。受付担当の対応や見積もりを依頼した際の対応、接客態度などをチェックし、信頼できる業者か確認しておきましょう。言葉遣いや質問・相談に丁寧に応じてくれるかなどもあわせてチェックすることをおすすめします。
遺品整理の業者を決める際の注意点
ここからは、遺品整理の業者を選ぶ際の注意点を解説します。業者とトラブルになったり、作業を依頼した後に後悔したりすることのないよう、注意しながら業者を選ぶようにしてください。
見積もりに責任者印があるか確認する
見積もりを取った際、必ず責任者印が押されているか確認しましょう。責任者印とは、作業を担当した者の責任の所在を明確にするものです。信頼できる遺品整理業者であれば、見積もりに責任者印が押されているでしょう。
また、責任者印が押されていれば、見積もりを取った後に追加で作業を依頼したり作業内容を変更したりする場合もスムーズに対応してもらえます。
しつこい勧誘やセールスがある業者は避ける
受付をした際や見積もり相談時などに、しつこい勧誘やセールスを行ってくる業者は避けた方がよいでしょう。勧誘やセールスをしつこく行ってくる業者は、顧客の希望に寄り添ってくれない可能性が高いです。
希望通りの作業を行ってもらえなかったり、知らないうちにオプションを付けられたりといったトラブルに発展する恐れもあるため、注意しましょう。
追加オプションの説明があるか確認する
業者を選ぶ際のポイントとして、追加オプションの説明があるかという点が挙げられます。オプションのサービス内容や費用などの説明がない業者の場合、作業が終わった後に高額な料金を請求される恐れがあります。追加オプションについてきちんと話してくれる業者であれば、安心して作業を依頼できるでしょう。
遺品整理の費用を安くするコツ
遺品整理を業者に依頼する上で最も気になるのが、費用面ではないでしょうか?「少しでも安い費用で遺品整理を依頼したい」と考える人もいらっしゃるでしょう。そこでここからは、遺品整理の見積もりを少しでも安く抑えるコツを紹介します。
複数業者から見積もりを取る
遺品整理の見積もりは、複数の業者から取るようにしてください。業者によって作業内容や料金、オプションの内容などは大きく異なります。いくつかの業者から見積もりを取って内容や費用を比べることで、希望に近い業者を見つけやすくなります。
処分するものを減らす
遺品整理の費用を少しでも安くしたい場合、処分を依頼する荷物をできるだけ減らしておくことが大切です。自分でできる範囲で不用品やゴミなどを片付けておくと、費用を抑えられます。
使えるものは知り合いに譲ったり、リサイクルショップに持ち込んで買い取ってもらう方法がおすすめです。
貴重品を先に探しておく
遺品整理業者の作業を行う前に、貴重品を先に探しておきましょう。捨ててはいけない貴重品や思い出の品を先に回収しておくと、業者の作業時間が短縮されて人件費を安く抑えられる可能性が高いです。
業者が誤って貴重品を捨ててしまうといったトラブルも防げるため、先に探しておくとよいでしょう。
買取りサービスを使う
遺品整理業者が行っている買取りサービスを利用するのもおすすめです。業者に不用品の買取りを依頼すると、作業費用から不用品の買取り費用を差し引いてもらえます。この方法であれば、リサイクルショップやフリーマーケットなどに持ち込む手間も省くことができます。
作業日を指定しない
時間や日程に余裕がある場合、作業日を指定しない方法もおすすめです。作業日程を指定すると、指定料金がかかる場合があります。指定しない場合、この料金はかからないため、経費を抑えられる場合があります。ただし、必ず費用が安くなるとは限らないため事前に確認しておきましょう。
遺品整理の業者を選ぶ注意点を踏まえ、遺品整理をスムーズに行いましょう
この記事のまとめ
- 遺品整理の費用相場は、部屋の間取りによって変動する
- 遺品整理の見積もりは、メールや電話、現地に訪問してもらう、ホームページでシミュレーションをするといった方法がある
- 見積もりには、出張費、処分費、人件費、清掃作業費、仕分け作業の費用、各種オプション料金などが含まれている
- 業者を選ぶ際は、実績や運営形態、許認可の有無、遺品整理士の在籍などを確認するとよい
- 遺品整理業者を決める際は、見積もりに責任者印があるか、しつこい勧誘やセールスはないか、追加オプションの説明はあるかを確認する
- 先に貴重品を自分で探したり処分するものを減らしておくことで、遺品整理の費用を安く抑えられる
遺品整理を自分で行うとなると、手間や時間がかかり大きな負担となってしまいます。精神的・肉体的な負担を軽減するためにも、遺品整理業者へ作業を依頼することをおすすめします。部屋の間取り、広さなどによって費用が変わるため、前もって見積もりを取っておきましょう。
遺品整理業者を選ぶ際は、実績や運営形態、スタッフの対応などを確認するようにしてください。今回紹介した見積もりの取り方や業者を選ぶ際の注意点などを参考にして、遺品整理をスムーズに行いましょう。