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葬儀のあと

お墓の購入にローンが組める!種類ごとの金利の目安や墓石の費用、審査基準を解説

お墓の購入にローンが組める!種類ごとの金利の目安や墓石の費用、審査基準を解説

新たにお墓を購入する場合は、数百万円のまとまったお金が必要です。費用を準備できない場合は、ローンを組んで購入することも可能です。お墓のローンには、どのような種類があるのでしょうか。本記事では、お墓のローンの金利相場や対象費用、注意点などを解説します。

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お墓のローンの種類と金利の目安

お墓のローンは、銀行などの金融機関や石材店が提供しています。主なローンの種類は以下の通りです。

お墓のローンの主な種類

  • 目的別ローン
  • フリーローン
  • メモリアルローン

まずは、それぞれの特徴と金利の目安について見ていきましょう。

目的別ローン(金融機関)

目的別ローンとは、資金の使い道があらかじめ決められている金融機関のローンです。さまざまな種類があり、お墓の購入に利用できるものもあります。資金使途を確認するため、請求書や見積書などの書類提示を求められるのが一般的です。

安定収入があることが利用条件で、保証会社の保証を求められることも多いため、審査は比較的厳しいといえます。目的別ローンの金利の目安は5~7%です。

フリーローン(金融機関)

フリーローンとは、原則として資金の使い道に制限がない金融機関の個人向けローンです。ただし、事業や投資目的、ギャンブル、カードローンの借り換えなどには利用できません。

多くの金融機関でフリーローンを取り扱っており、お墓の購入費用にも充てられます。墓石の購入や永代使用料だけでなく、その他関連費用に使えるのもメリットです。

安定収入があることが利用条件であるため、審査は厳しい傾向にあります。フリーローンの金利は1.5~15%が目安です。金融機関や申し込み者の年収、勤続年数などによって適用利率は変わります。

メモリアルローン(石材店)

メモリアルローンとは、石材店が取り扱っているお墓のローンです。「墓石ローン」「建墓ローン」と呼ばれることもあります。

石材店が提携している信販会社のローンを利用することで、お墓の購入費用の全て、または一部を分割払いにできます。借入可能額や返済期間(支払回数)は、石材店によって変わってきます。

メモリアルローンの金利は3%程度が目安です。金融機関のローンに比べると審査は通りやすい傾向にあり、低金利で借りることが可能です。

ただし、全ての石材店でメモリアルローンを扱っているわけではありません。また、ローンを組む場合は、その石材店で墓石を注文する必要があります。

お墓のローンの対象費用

お墓のローンを借りる場合、その資金はどのような用途に利用できるのでしょうか。ここでは、お墓のローンの対象となる費用を紹介します。

墓石の購入費用

墓石の購入費用は、墓石そのものの代金以外に、墓石の彫刻や設置工事にかかる費用も含まれます。石材店で墓石を購入し、設置工事まで依頼すると100万円以上かかるのが一般的です。実際の費用は、石材の種類や加工方法、彫刻の内容などによって異なります。

永代使用料

永代使用料とは、お墓を建てる際に霊園や寺院に対して支払う費用です。墓地を永代に渡って使用する権利を意味し、支払いは最初にまとめて払います。霊園や寺院の土地を購入するわけではありません。

永代使用料は土地代に近いため、地域によって費用に差があります。東京23区は200万円程度が相場ですが、場所によってはさらに高くなることもあります。

お墓の購入時に必要な費用は、「墓石費用+永代使用料」と理解しておくとよいでしょう。永代使用料も、お墓のローンの資金使途に含まれるのが一般的です。

葬儀・法要費用

お墓のローンの中には、葬儀法要費用も資金使途に含まれる商品もあります。お墓の購入費用だけでなく、葬儀や法要費用も準備したいときに便利です。

仏壇・仏具の購入費用

金融機関の目的別ローンやフリーローンの場合、資金使途に仏壇・仏具の購入費用が含まれていることもあります。お墓だけでなく、仏壇・仏具の購入費用も準備したい場合は金融機関のローンを検討しましょう。

管理費はローン対象外であることが多い

霊園や寺院が墓地を維持管理するための費用は、3年分、5年分をまとめて支払う場合もあります。年1万円程度が相場ですが、費用は霊園や寺院によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。 管理費は、多くのローンで資金使途の対象外となっています。

お墓のローンを選ぶポイント

ここでは、お墓のローンを選ぶときに確認しておきたいポイントを紹介します。

適用金利

お墓のローンで、まず確認したいのは適用金利です。金利水準によって、毎月の返済額や総返済額が変わってくるからです。
例えば、100万円を「返済期間5年、ボーナス払いなし」で借りる場合の返済シミュレーション結果を確認してみましょう。

金利3%

金利5%

金利10%

毎月の返済額

1万7,968円

1万8,871円

2万1,247円

年間の返済額

21万5,616円

22万6,452円

25万4,964円

総返済額

107万8,080円

113万2,260円

127万4,820円

利息支払額

7万8,080円

13万2,260円

27万4,820円

出典)金融広報中央委員会「借入返済額シミュレーション」

金利3%と金利10%を比較すると、毎月の返済額は3,279円(2万1,247円-1万7,968円)、総返済額は19万6,740円(127万4,820円-107万8,080円)の差が生じます。返済負担を減らすには、なるべく金利が低い商品を選ぶことが大切です。

金利タイプ

お墓のローンの金利タイプは、「変動金利」と「固定金利」の二つに分けられます。

お墓のローンの金利タイプ

  • 変動金利:市場金利の動向に応じて定期的に適用利率が見直される
  • 固定金利:借入時の金利がずっと変わらない

変動金利は、固定金利に比べて当初の適用利率は低い傾向にあります。ただし、借入後に市場金利が上昇すれば、返済負担が増える恐れがある点は要注意です。

固定金利は利率がずっと変わらないため、全借入期間にわたって返済額が固定されます。

お墓のローンの多くは変動金利ですが、商品によっては固定金利を選択できるものもあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った金利タイプを選びましょう。

返済期間

お墓のローンは、返済期間が長いほうが毎月の返済額を抑えられます。例えば、100万円を「金利3%、ボーナス払いなし」で借りる場合の返済シミュレーション結果は以下の通りです。

3年

5年

10年

毎月の返済額

2万9,081円

1万7,968円

9,656円

年間の返済額

34万8,972円

21万5,616円

11万5,872円

総返済額

104万6,916円

107万8,080円

115万8,720円

利息支払額

4万6,916円

7万8,080円

15万8,720円

出典)金融広報中央委員会「借入返済額シミュレーション」

毎月の返済額は、返済期間3年は2万9,081円ですが、10年なら9,656円に抑えられます。ただし、総返済額は3年が104万6,916円であるのに対し、10年は115万8,720円に増えてしまいます。

毎月の返済額と総返済額のバランスを考慮して、返済期間を選択することが大切です。

諸費用

お墓のローンは、諸費用はかからないのが一般的です。ただし、商品によっては事務手数料がかかる場合もあります。

また、毎月の返済額とは別にまとまった額を返済する「繰上返済」は手数料がかかる場合があるため、契約前に確認しておきましょう。

資金使途

お墓のローンは、墓石の購入費用や永代使用料に利用できます。商品によっては、葬儀費用や法要、仏壇・仏具の購入などの関連費用に使うことも可能です。資金使途が限定される可能性もあるため、契約前に確認しておくと安心といえます。

保証人・担保の有無

お墓のローンでは、保証人・担保は不要であることが一般的です。ただし、金融機関から保証会社の保証を求められることはあります。その場合は、保証料の有無を確認しておきましょう。

団体信用生命保険の有無

団体信用生命保険とは、ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、保険金で残債が返済される仕組みです。
お墓のローンには、団体信用生命保険に加入できる商品もあります。

契約者に万が一のことがあっても、残された家族に負担をかけずにすむのがメリットです。団体信用生命保険付きのローンを希望する場合は、金融機関や石材店に相談しましょう。

申し込み方法

お墓のローンは、Web申し込みに対応した商品が増えています。仮審査から契約、融資までパソコンやスマートフォンで完結するため、店舗への訪問不要で気軽にローンを利用できます。また、窓口で契約するよりWeb申し込みのほうが、金利が下がる場合もあります。

お墓のローンを利用するときの注意点

お墓のローンを利用する場合は、以下の点に注意しましょう。

墓石保険の加入を検討する

墓石保険とは、地震や台風といった自然災害による墓石の倒壊や破損に備えるための保険です。せっかくお墓を購入しても、災害によって倒れてしまったり、他人のお墓を傷つけてしまったりする恐れがあります。

墓石保険に加入しておけば、修理や再購入が必要になっても保険金で費用を補填できます。保険料は月1,500円程度が相場です。墓石保険を検討する場合は、石材店や損害保険会社などに相談するとよいでしょう。

無理なく返済できる範囲で利用する

お墓のローンは、無理なく返済できる範囲で利用することも大切です。

最近では、さまざまな供養方法が選べるようになりました。地方の過疎化や核家族化の進展などにより、お墓の維持管理が難しくなって「墓じまい」を検討する人も増えています。

ローンを契約する前に、お墓を購入する必要があるのかを再度考えてみましょう。

お墓の購入費用が足りない場合はローンをうまく活用しよう

まとめ

  • お墓のローンは金融機関の「目的別ローン」「フリーローン」、石材店の「メモリアルローン」の3種類がある
  • お墓のローンの平均的な金利は「目的別ローン5~7%」「フリーローン1.5~15%」「メモリアルローン3%程度」
  • お墓のローンは墓石の購入費用や永代使用料だけでなく、葬儀・法要費用や仏壇・仏具費用などに利用できるものもある
  • お墓のローンの返済負担を減らしたい場合は、なるべく金利が低いローンを選ぶ
  • ローンを契約する前に、お墓を購入する必要があるのかを再度検討する

お墓の購入にはまとまったお金が必要なため、資金が足りない場合はローンを活用するのも選択肢です。ただし、最近ではさまざまな供養方法を選べるようになっています。ローンを契約する前に、お金を借りてまでお墓を購入する必要があるかを検討してみましょう。

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