納骨式の挨拶で話すべきことは?例文紹介と当日の流れも併せて解説
納骨式では施主(喪主)が挨拶をするのが一般的です。初めて施主を務める場合には、どのような挨拶をすればよいのか悩む方も多いでしょう。今回は、納骨式の挨拶で心がけることや挨拶の例文を紹介します。納骨式当日の流れも解説するので、初めて納骨式に参加する方はぜひ参考にしてください。
納骨式とは?
納骨式は、火葬をした故人の遺骨をお墓に埋葬するための儀式です。最近では、納骨堂に遺骨を納める方法や、遺骨を自然に返す樹木葬なども増えてきているため、納骨式のあり方も多様化しています。
納骨式を行うタイミング
納骨式を行うタイミングには、明確な決まりはありません。仏教の教えでも、納骨の時期に関する定めはなく、遺族の気持ちの整理がついたタイミングで納骨できます。
一般的には、親族の集まりやすい四十九日法要で納骨式を行うことが多いです。そのほかには、百箇日法要や一周忌で行うこともあります。
納骨式に招待する人
納骨式に誰を招くのかは地域や家庭の考え方によって異なりますが、故人の血縁者とその家族を呼ぶのが一般的です。葬儀と比べると参列者が少なくなる傾向にあります。
また、親族が集まるのが困難な場合は、家族だけの小規模で実施することもあります。とはいえ、参列が難しそうな場合でも、親族全員に声をかけておくのが望ましいです。
納骨式の挨拶で施主(喪主)が心がけること
納骨式の挨拶では、どのような話をすればよいのか悩む方も多いでしょう。挨拶の内容を考えるためにも、まずは話の中で触れておきたい内容を解説します。
参列者へのお礼を伝える
納骨式の挨拶でまず伝えたいことは、参列者へのお礼です。参列者の中には、遠方から足を運んでくれた方や忙しい中で時間を作って参列してくれた方もいることでしょう。また、葬儀や法要の準備を手伝ってくれた方もいるはずです。納骨式の挨拶では、そうした方々への感謝の気持ちを伝えましょう。
一般的には、挨拶の冒頭で参列者への感謝の言葉を伝えます。具体的な例文は、後ほど紹介します。
故人の気持ちを代弁する
納骨式の挨拶では、故人の気持ちを代弁することも意識してみてください。故人が参列者へ直接言葉をかけることはできませんが、故人の気持ちを想像して代弁してあげることはできます。
「こうして皆さまにお集まりいただいて、○○(故人の名前)も喜んでいることでしょう」「皆さまの元気な姿を見られて、○○(故人の名前)も安心していることでしょう」といった肯定的な気持ちを挨拶に取り入れましょう。
遺族の近況報告をする
参列者の中には、遺族の近況が気になっている方もいることでしょう。そうした方々に安心してもらうためにも、納骨式の挨拶では近況報告も取り入れてみてください。
葬儀から日が経っていない場合は、まだまだ気持ちの整理がつかないと思われますが、前を向いて新しい生活をしていることを伝えれば、参列者の安心にもつながります。しんみりした空気になり過ぎないためにも、ポジティブな近況報告を取り入れるようにしましょう。
納骨式の挨拶の例文紹介
ここからは、納骨式で施主(喪主)が行う挨拶の例文をご紹介します。どのような挨拶をすべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
納骨式前の挨拶例文
納骨式当日は、施主(喪主)の挨拶から始まるのが一般的です。まずは、参列者へのお礼や遺族の近況などを伝えましょう。
献杯の挨拶例文
納骨式後に会食を予定している場合は、献杯の前にも施主(喪主)の挨拶を行います。下記の例文を参考にしながら、簡潔に挨拶をすませましょう。
原稿を見ながらでもOK
言葉に詰まりそうな場合は、原稿を読みながらでも問題ありません。あらかじめ考えた内容を落ち着いて読み上げるほうが、参列者にとっては聞きやすい場合もあります。
ただし、参列者の顔を見ずに原稿を読み上げるのは、あまり印象がよくありません。原稿を準備する場合でも、なるべく参列者の顔を見て挨拶をするようにしましょう。
納骨式当日の流れと挨拶をするタイミング
施主(喪主)が挨拶をするタイミングを把握するために納骨式当日の全体の流れを押さえておきましょう。
施主(喪主)の挨拶
参列者が集まり、納骨式の準備が整ったら、施主(喪主)の挨拶を行います。挨拶では、参列者へのお礼の言葉は必ず伝えるようにしましょう。時間が限られているため、あまり長々と話しすぎないように注意してください。
読経
施主(喪主)の挨拶が終わったら、僧侶に読経してもらいます。読経は室内で行う場合もあれば、お墓の前で行うこともあります。僧侶の案内に従って対応しましょう。
納骨
読経が終わったら納骨に移ります。墓石の下にある納骨室(カロート)を石材店のスタッフに開けてもらい、納骨をします。
納骨の仕方は地域によって異なり、関東では骨壺ごと納骨することが多いです。一方、関西では納骨袋に移してから納骨する場合もあります。
再び読経
納骨が終わったら、再び僧侶による読経が始まります。こちらも、室内で行う場合もあれば、お墓の前で行うこともあります。
焼香
読経を始めてからしばらく経つと、僧侶から焼香を促されます。施主(喪主)は最初に焼香をするため、合図されたらすぐに移動しましょう。その後は、故人との関係が深い人から順番に焼香を行います。
会食・献杯の挨拶
納骨式後に会食を予定している場合は、会食会場へ移動します。会食の準備が整ったら、施主(喪主)が献杯の挨拶を行います。会食前の挨拶では、無事に納骨式を終えられたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。
会食後は、施主(喪主)の挨拶で締めくくります。参列者へのお礼を伝えるとともに、今後も変わらずにお付き合いしていただけるようお願いをしましょう。
当日の流れは地域や宗派によって異なる場合も
上記で解説したのは一般的な仏式の納骨式の流れのため、地域や宗派によっては流れが異なる場合もあります。とくに、神道やキリスト教の場合は内容が大きく異なることもあるため、それぞれの宗教に応じた流れを確認してください。
納骨式の挨拶で注意したいこと
納骨式の挨拶では、いくつか注意しておきたいポイントがあります。納骨式当日に円滑に挨拶をすませるためにも、あらかじめ確認しておきましょう。
早口にならないように注意する
納骨式の挨拶では、早口にならないように落ち着いて話すことを意識してください。緊張しているとつい早口になってしまいますが、早口だと思いが伝わらないだけでなく、参列者が必要な情報を聞き逃してしまう可能性があります。緊張している場合は深呼吸をし、心を落ち着けてから話し始めるようにしましょう。
簡潔に伝える
納骨式の挨拶は、1~2分程度で簡潔にまとめるのが望ましいです。あれもこれも伝えたくなる気持ちも分かりますが、長々とした挨拶は参列者から敬遠されます。時間も限られているため、挨拶を始める前に伝えたいことをまとめ、簡潔に伝えましょう。故人との思い出話を語りたい場合は、会食中など別の場で個人的に話をしましょう。
忌み言葉を避ける
納骨式の挨拶では、忌み言葉を避けるのがマナーです。忌み言葉には、不幸が重なることを連想させる重ね言葉や、死を連想させる言葉などが挙げられます。また、宗教ごとの忌み言葉も存在するため、あらかじめ確認しておくと安心です。
納骨式の挨拶で注意したい忌み言葉の具体例
- 重ね重ね
- いろいろ
- 次々
- わざわざ
- 日々
- ときどき
- また
- 引き続き
- 急死
納骨を終えたあとの挨拶の内容
家族のみで納骨式を行った場合や諸事情で来られなかった親族がいた場合は、納骨式を終えた後に挨拶状を送るのがマナーです。納骨式の報告は、メールや電話ではなく手紙で送るのが原則です。挨拶状の内容に悩んだときは、下記を参考にしてください。
納骨を終えたご報告
まずは、納骨式を無事に終えたことに対する報告をしましょう。家族のみで納骨式を実施した場合は、その旨と呼ぶことができなかったことに対する謝罪も伝えておくことが望ましいでしょう。
お墓の場所
家族以外の方にも気軽にお墓参りに来ていただくためにも、挨拶状にはお寺の住所やお墓の場所を明記しましょう。また、お時間が合えばお墓参りに来ていただきたいといった趣旨の言葉も添えると、丁寧な印象を与えられます。
日付と施主(喪主)の住所・氏名
挨拶状の最後には、手紙を書いた日付と、施主(喪主)の住所・氏名を明記しましょう。日付は「令和○年」といったように元号で記載するのが一般的です。
参考文例
当日に向けて挨拶の準備はしっかりと行っておきましょう
この記事のまとめ
- 納骨式の挨拶では、参列者へのお礼や遺族の近況などを伝える
- 納骨式の挨拶は、冒頭に行うのが一般的
- 当日は早口にならないように注意しつつ、簡潔に話をまとめる
- 「重ね重ね」「いろいろ」といった忌み言葉を避ける
- 納骨式に参列できなかった方には報告を兼ねた挨拶状を送るのがマナー
納骨式の挨拶は、参列者への感謝の気持ちを伝える絶好のタイミングです。遠方から来ていただいた方やお見舞いの言葉をかけてくれた方々への感謝の気持ちを伝えましょう。挨拶の内容で悩んだ時は、本記事で紹介した例文を参考にしてください。