お線香を送る方法を解説!金額や選び方もあわせて知っておこう

葬儀や法事、お盆などでは、お悔やみの気持ちやご遺族への心遣いを込めてお線香を送ることがあります。本記事では、お線香を送る方法について詳しく紹介します。贈答用のお線香の選び方や金額などもあわせて解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
お線香はどのようなときに送る?

お線香を人に送るのは、いったいどういった場合なのでしょうか。まずは、お線香はどのようなときに送るのか紹介します。
葬儀・法要に参列できなかったとき
訃報を後から知った場合や遠方などの理由で葬儀・告別式に参列できなかったときに、ご遺族にお線香を送るのが一般的です。お線香は、故人を偲び、哀悼の意を表す供物として贈られることがあります。
葬儀後にお線香を送る場合は、四十九日までに届くように手配するのが目安とされています。
喪中はがきを受け取ったとき
喪中はがきによって、初めて訃報を知ることもあるでしょう。このような場合にも、故人を偲ぶ気持ちとしてお線香を送ることがあります。
お盆・お彼岸
お線香を送る場面として、お盆やお彼岸が挙げられます。お盆やお彼岸は、故人がいるあの世と現世がつながりやすい時期と考えられています。故人を偲んでお線香を選び、供物として送りましょう。
お線香を送る方法

住んでいる場所や事情によっては、直接お線香を渡しにいけないこともあるでしょう。その場合、お線香を郵送や宅配で送ることになります。ここからは、お線香を送る方法を三つ紹介します。
定形外郵便
お線香を送る方法として、定形外郵便が挙げられます。定形外郵便の場合は挨拶状を同封することも可能です。
定形外郵便には規格外と規格内の二つがありますが、一般的なお線香の箱は厚さが3cmを超えることが多く、規格外として扱われるケースがほとんどです。パッケージのサイズや内容量によって異なるため、発送前に厚みを確認しましょう。
また、定形外郵便は荷物の重さで料金が変動します。送料は荷物の重さでのみ変動し、送り先との距離は関係ありません。厚さ3cmを超える定形外郵便でお線香を送る場合、郵便局の窓口に持ち込むことになります。規格外のお線香は、ポストへの投函は受け付けていないため注意が必要です。
定形外郵便でお線香を送る場合の基本情報 | |||
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想定重量 |
500g以内 |
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送料 |
660円 |
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追跡番号 |
なし |
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着払い |
なし |
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補償 |
なし |
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発送場所 |
郵便局の窓口 |
ゆうパック
お線香を送る方法として、ゆうパックもおすすめです。ゆうパックでは、重さが25kg以下で3辺の長さの合計が170cm以内の荷物を発送できます。定形外郵便とは異なり、補償や追跡をつけて送ることも可能です。金額は送り先までの距離と荷物の大きさによって異なり、定形外郵便よりも高額になります。
また、ゆうパックでは信書を同封できません。挨拶状をお線香と一緒に送る場合は、封はせずにメッセージカードという名目で同送するようにしてください。
ゆうパックでお線香を送る場合は、まずコンビニや郵便局で専用のラベルを受け取ります。ラベルに必要事項を書き込んだら、コンビニもしくは郵便局の窓口で発送します。自宅まで集荷してもらうことも可能ですが、この場合は持込割引が適用されません。なるべく費用を抑えたいのであれば、コンビニや郵便局から送るのがおすすめです。
ゆうパックでお線香を送る場合の基本情報 | |||
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想定サイズ |
60サイズ |
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送料 |
990円(東京から大阪) |
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追跡番号 |
あり |
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着払い |
あり |
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補償 |
あり |
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発送場所 |
コンビニ・郵便局の窓口 |
宅急便コンパクト
宅急便コンパクトは、ヤマト運輸のサービスです。70円の専用のボックスに荷物を入れて送るのが特徴で、金額は配送元や配送先の場所によって変動します。また、宅急便コンパクトの専用ボックスには箱型と封筒型の二つがあるため、お線香のサイズに合わせてどちらを使うか検討しましょう。
宅急便コンパクトでお線香を送る場合、まず専用のボックスを購入して梱包します。その後、コンビニかヤマト運輸の営業所で送り状をもらい、必要事項を書き込みます。送り状は、自宅で印刷したり集荷のときに持ってきてもらったりすることも可能です。荷物の準備が整ったら、コンビニや営業所に持ち込んだり、集荷してもらうなどして発送します。
宅急便コンパクトでお線香を送る場合の基本情報 | |||
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想定サイズ |
専用ボックス |
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送料 |
710円(東京から大阪) |
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追跡番号 |
あり |
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着払い |
あり |
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補償 |
あり |
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発送場所 |
ヤマト運輸の営業所・コンビニ |
お線香を送る際のマナー

お線香を送る場合、直接渡すときと同じく表書きの書き方や包み方に注意する必要があります。ここからは、お線香を送る際に覚えておきたいマナーを詳しく解説します。
表書き
お線香を送る場合、お線香を包んだ箱にのしをかけます。のしの中央上部には、品物の用途を表す表書きを記載するのがマナーです。仏教の場合、四十九日までであれば「御霊前」、四十九日後であれば「御仏前」を使用しましょう。
新盆や初盆の供物として渡す場合は、「新盆御見舞」と記載します。喪中はがきで訃報を知った場合など、故人を偲ぶ気持ちとしてお線香を送るのであれば、「喪中御見舞」という表書きが適しています。また、「御供」はどの場面でも使用できる表書きです。神道の場合は「御霊前」「御玉串料」「御榊料」、キリスト教の場合は「御花料」と記載しましょう。
名入れ
表書きの下には、お線香を送る人の名前を記入します。表書きの文字よりも少し小さめに、名前をフルネームで記載してください。
2名以上の連名であれば、横並びで名前を記入します。友人の場合は五十音順に、会社関係であれば役職が上の人から順に右から名前を記載してください。夫婦の場合は中央に夫のフルネームを書き、左側に妻の名前のみを記載するのが一般的です。
4名以上の連名でお線香を送る場合、のしには代表者の氏名のみを書き、左側に「外一同」と記載します。その上で、別紙にほかの人の氏名と住所を書いて同送します。
挨拶状
お線香を送る場合、挨拶状を同封するとより丁寧な印象を与えられます。内容は簡潔で構わないため、故人やご遺族への気持ちを伝える手紙を一緒に送りましょう。挨拶状にはお悔やみの言葉と、故人とご遺族の名前を書きます。
ただし、電話でご遺族に直接お悔やみを伝えた場合は、挨拶状は不要と考える方もいます。挨拶状を同封するかは、状況によって判断しましょう。
【通年】挨拶状の例文
ご逝去の報に接し 心から哀悼の意を表すとともに ○○様が安らかにご永眠されますようお祈り申し上げます
心ばかりではありますが お線香をお送りし故人を偲びたいと思っております
お供えいただければと存じます
【新盆】挨拶状の例文
新盆を迎えられるにあたり 改めましてお悔やみ申し上げます
この度はお伺いすることがかなわず 遠方より故人を偲びたいと思っております
心ばかりではありますが線香を送らせていただきますので お供えいただければ幸いです
【法人】挨拶状の例文
○○様のご訃報に接し 社員一同心からお悔やみ申し上げます
ご生前のご功績を偲び 感謝と尊敬の念をもって謹んで哀悼の意を表します
心ばかりではございますが お線香を送らせていただきます
お供えいただけると幸いです
のし
お線香を送る際は、包装をしてのしをかけるのが基本的なマナーです。のしのかけ方には「内のし」と「外のし」の2種類があります。お線香を郵送する場合は、包装紙の内側にのしをかける「内のし」にするとよいでしょう。一方、お通夜や葬儀、法要などで直接お線香を持参する場合は、誰からのお線香かがすぐに分かるよう「外のし」にするのがマナーです。
お線香の選び方

ここからは、お線香の選び方を紹介します。贈答用のお線香をどうやって選べばよいか分からないという方は、こちらのポイントを意識してみてください。
香りで選ぶ
贈答用のお線香の選び方として、香りで選ぶ方法があります。お線香に使用されている香木によって香りが異なり、ウッディな香りやスパイシーな香り、甘い香りなど種類もさまざまです。近年は、フローラルなものやコーヒー、柑橘系の香りのお線香もあります。故人やご遺族の好みに合わせて選んでみてください。
金額で選ぶ
お線香を選ぶ際は、金額にも注目しましょう。気軽な贈答用としてのお線香は、千円~2千円の価格帯のものを選びましょう。葬儀や法事などには、3千円~5千円のお線香がおすすめです。この価格帯のお線香は、香りに特徴があったり高級感のある包装だったりと、丁寧な印象を与えられます。目上の方や特別な相手に対して送るお線香には、5千円以上の高級なものが良いでしょう。
長さで選ぶ
お線香の選び方として、長さにも注目してみてください。お線香には14cm前後の短寸線香と、30cm〜70cmほどの長尺線香があります。ご家庭に送るお線香には、短寸線香を選ぶのが一般的です。
故人への気持ちを込めて送るお線香を選びましょう

この記事のまとめ
- お線香は、葬儀や喪中はがきを受け取ったとき、お盆、お彼岸などに送る
- お線香を送る方法として、定形外郵便、ゆうパック、宅急便コンパクトがある
- 送るお線香には、のしをかけ表書きと名前を書く
- お線香に挨拶状を同封することで、より気持ちが伝わる
- 贈答用のお線香の選び方として、香りで選ぶ方法、金額で選ぶ方法、長さで選ぶ方法がある
お線香を送ることは、故人を偲び、ご遺族へ静かに寄り添う気持ちを伝える行為です。香りや形状に気を配り、控えめで思いやりのある言葉を添えることで、心のこもったものになります。
本記事で紹介した渡し方や選び方などを参考にして、送るお線香を選びましょう。

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。