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【所得税の計算】所得税の種類や計算方法とは?総合課税と分離課税を詳しく解説

【所得税の計算】所得税の種類や計算方法とは?総合課税と分離課税を詳しく解説

初心者でも大丈夫! 所得税の計算をわかりやすく教えます。 タックスプランニングの中で、所得税の計算の全体像をご紹介します。ここでは10種類の所得を合計するところからスタートし、損益通算、所得控除、税額控除を行って、最後に納付すべき所得税額を計算する一連の流れを俯瞰しましょう。

監修者 SUPERVISOR
公認会計士/税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 岸田 康雄

平成28年度経済産業省中小企業省「事業継承ガイドライン」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施作研究調査会「事業継承支援専門部会」委員、東京中小企業診断士委員会「事業継承支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・デリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルネスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業継承から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業継承とM&A業務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業継承コンサルタント業務を提供している。

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所得税の計算の全体像について

今回は、タックスプランニングの中で、所得税の計算の全体像をご紹介します。
所得は10種類に分けて計算されます。まず、ここでは10種類の所得を合計するところからスタートし、損益通算、所得控除、税額控除を行って、最後に納付すべき所得税額を計算する一連の流れを知っていきましょう。

各種所得金額と損益通算

所得は、性質によって10種類に分かれます。

①利子所得、②配当所得、③不動産所得、①事業所得、⑤給与所得、⑥退職所得、⑦山林所得、⑧譲渡所得、⑨一時所得および⑩雑所得の10種類です。

それぞれの所得について、収入や必要経費の範囲、所得の計算方法が定められています。
次に、損益通算を行います。損益通算とは、総合課税の所得、すなわち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、雑所得、土地・建物等以外の譲渡所得、一時所得について、所得金額を合算することで、黒字と赤字を相殺することをいいます。この合計を総所得金額といいます。
なお、土地・建物等以外の譲渡所得と一時所得については、2分の1を乗じた金額を合算することとなっています。

これに対して、分離課税の所得は、上場株式を除いて損益通算は行いません。

ここから、純損失の控除または繰越しを行います。

損益通算した後に赤字が残ってしまう場合、この金額を「純損失」といいますが、これは翌年以後3年間にわたって、所得から控除できることがあります。前年度から繰り越された純損失があれば、この段階で控除するのです。

こうして算出されたものが、合計所得金額です。

課税所得金額の計算

合計所得金額が算出できましたら、そこから所得控除額を控除します。所得控除とは、納税者の個人的な事情を考慮して税金の負担の大きさを調整するものです。

所得控除は15種類あります。

すなわち、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除です。

これらは合計所得金額から控除しますが、所得控除額のほうが大きかった場合には、それを分離課税の所得から控除することができます。

総合課税の所得について、所得控除を行って算出された金額を「課税所得金額」といいます。

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税額の計算

最後に税額の計算です。税額は、課税総所得金額に累進課税の税率を掛けて計算します。

累進課税とは、所得が多くなるに従って段階的に高くなり、納税者がその支払能力に応じて公平に税を負担するしくみです。

分離課税の所得については、これとは別の税率を掛けます。土地建物や上場株式の譲渡所得であれば、一律15%です。住民税5%と復興特別所得税を合算しますと、20.315%となります。
そして、これらの税額を合算した算出税額から税額控除を行います。配当控除を行うこともあります。

これで今年度の納付すべき所得税額が計算できました。
ただし、所得税の前払いである源泉徴収税額や予定納税額があれば、すでに納付済みです。これらを差し引いた金額を確定申告のときに納付します。

なお、2037年12月31日までの所得税額に対して、2.1%の税率を乗じて計算した復興特別所得税が所得税に上乗せされます。

総合課税と分離課税の区別を忘れずに

この記事のまとめ

  • 所得は10種類に分かれ、計算方法や範囲が定められている
  • 損益通算では総合課税の所得を合算し、黒字と赤字を相殺
  • 純損失は3年間にわたり所得から控除可能。前年度から繰り越される
  • 15種類の所得控除があり、個人の事情を考慮して税金の負担調整
  • 税額は課税総所得金額に累進課税の税率を掛けて計算される

今回は、所得税の計算方法についてご紹介しました。

絶対に間違ってはいけないことは、総合課税と分離課税の区別です。総合課税の所得は、損益通算を行ってから合算し、所得控除の後に、累進課税の税率をかけて税額を計算します。これに対して、分離課税の所得は、損益通算は行わず、合算もせずに、所得ごとに15%の税率をかけて税額を計算します。

これをしっかりと覚えておきましょう。

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