百箇日法要の香典相場は？金額・書き方・お金の入れ方などのマナーを解説

「百箇日法要」は忌明け後初めて行う法要であることから、香典の渡し方や金額に悩む人も多いでしょう。本記事では、百箇日法要における香典の必要性と金額相場を紹介します。香典の渡し方のマナーについても解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

百箇日法要に香典は必要？

百箇日法要は四十九日や一周忌とはまた違った意味を持つ法要であるため、参列時に香典を持参すべきなのか悩む人もいるでしょう。まずは、百箇日法要における香典の必要性について説明します。

百箇日法要とは

百箇日法要とは、故人の死後百日目に行う法要のことです。忌明けにあたる四十九日法要の次に行う法要であることから、故人を失った悲しみに一区切りつけるための儀式として「卒哭忌（そっこくき）」とも呼ばれています。

仏教において、故人の魂が極楽へ行けるかどうかの審判は四十九日目に行われますが、四十九日の審判にて極楽へ行けなかった魂は、百日目に再審判を受けられると考えられています。そのため、故人の死後百日目に行う百箇日法要は、故人が極楽へ行けるようにするために重要な儀式とされています。

なお、近年は参列者やご遺族の身体的・経済的負担を考えて、四十九日法要の後は百箇日法要をせずに一周忌法要を行うことも少なくありません。

百箇日法要に参列する場合は香典を用意する

忌明け後に行う百箇日法要であっても、葬儀やほかの年忌法要と変わらず香典を用意するのが一般的です。そもそも香典は、お悔やみの気持ちを表す・ご遺族の経済的負担を軽減するといった意味を持つお金になります。故人やご遺族へのお悔やみの気持ちを伝えるためにも、百箇日法要に参列する際は香典を用意しておきましょう。

百箇日法要にて香典辞退がされている場合は用意しない

百箇日法要では香典を持参するのが一般的ですが、施主が香典を辞退している場合は、持参しなくても問題ありません。香典辞退されているのにも関わらず、百箇日法要当日に香典を持参すると、ご遺族に香典返しを準備する手間をかけてしまうため避けましょう。

香典が辞退されていたとしても、施主の意向によってはお供え物や供花であれば受け取ってもらえる場合もあります。ただし、香典と一緒にお供え物や供花も辞退されている場合は、無理に渡さないようにしましょう。

香典辞退の有無や詳しい内容については、一般的にご遺族から送られる百箇日法要の案内状に記載されているため、香典を用意すべきか悩んだらまずは案内状を確認してみましょう。

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百箇日法要の香典相場

一般的に参列者は香典を用意する必要がある百箇日法要ですが、実際にはいくら香典を包めばよいのでしょうか。ここからは、百箇日法要における香典の相場について解説します。

百箇日法要の香典の金額は5千円～3万円が相場

百箇日法要の香典の金額は、故人との関係によって異なり5千円～3万円が相場です。故人との血縁が深くなるほど金額が高くなる傾向にあり、両親や兄弟姉妹の場合で1万円～3万円程度になります。祖父母や親戚（おじ・おば）の場合だと、5千円～1万円が相場です。

交友関係にある人は3千円～1万円が相場

友人・近所の人などといった交友関係にある人であれば3千円～1万円が相場です。しかし、生前の故人と親しかった場合には、相場より少し高めの金額を包む場合もあります。

百箇日法要における香典の金額に関するマナー

前述の金額はあくまで相場であるため、実際の百箇日法要では故人との関係に合わせた金額を包むことが大切です。しかし、香典に包む金額を決める際には注意すべき点もあります。ここからは、百箇日法要における香典の注意点について解説します。

相場を大きく超える金額は避ける

百箇日法要の香典を包む際には、相場を大きく超える金額にならないようにしましょう。法要で香典をいただいたら、施主は香典の半額程度を香典返しとして送るのが一般的です。そのため、百箇日法要にて高額すぎる香典を送ると、香典返しを準備する施主やご遺族を困らせてしまいます。

いくら故人と親交が深かったとしても、施主やご遺族へ気を遣わせないように、香典の金額を調整しましょう。

偶数や忌み数は避ける

百箇日法要の香典を包む際には、金額が偶数・忌み数にならないように注意しましょう。偶数は割り切れる数字であることから、冠婚葬祭の場においては「縁が切れる」ことを連想させるため、一般的に避けるべきとされています。

また「忌み数」とは「四」や「九」といった数字のことで「死」や「苦しみ」を連想させることから、偶数と同じく百箇日法要の香典では避けるのが一般的です。

使用する香典袋は宗教・金額に合わせる

百箇日法要の香典で使う香典袋や封筒は、故人が信仰していた宗教や包む金額に合わせましょう。百箇日法要は仏教の行事であるため、白無地で白黒（または双銀）の水引があしらわれた香典袋や蓮のデザインが施された封筒を用意します。

また、香典袋には格式があり、香典の金額と香典袋の格式がちぐはぐにならないようにすることが一般的です。以下に主な香典袋の種類と金額の目安をまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

香典袋と香典の金額の目安一覧
香典袋の種類	香典の金額
水引が印刷されている香典袋	3千円～5千円
本物の白黒の水引が付いている香典袋(3万円以上は双銀のあわじ結びも可）	1万円～5万円

百箇日法要における香典のお金の入れ方

百箇日法要で香典を用意する際には、お金の包み方も重要です。ここからは、百箇日法要における香典のお金の包み方を解説します。

お札の向きを揃える

香典のお金を封筒に入れる際は、お札の向きを揃えましょう。封筒を開けたときにお札の向きがバラバラになっていると、ご遺族がいくら入っているのかを数えるとき大変になってしまいます。ご遺族がスムーズに数えられるように、お札が封筒の中で折れ曲がらないよう香典袋へ入れてください。

肖像画は表側・下向きにする

封筒に入れるときのお札の向きは、肖像画が描かれている面が表向き・下向きになるように入れるのが一般的です。

新札を用意する

百箇日法要の香典は、新札で用意しましょう。古札を包むのは、急で新札を用意できなかったり急いで包んだりしたという意味で、葬儀やお通夜の時です。百箇日法要は事前に準備ができるため、新札を包む必要があるのです。

手元に古札しかない場合は、銀行や郵便局の窓口で両替してもらいましょう。銀行によっては新札を指定できる両替機を設置しているところもあります。

中袋がない場合は香典袋に直接お札を入れる

香典袋の中にはお札を入れるための中袋が付いていないものもありますが、その場合は香典袋へ直接お札を入れましょう。入れる向きやマナーは通常の香典袋と同じです。

百箇日法要における香典袋の書き方

百箇日法要の香典を準備する際には香典袋の書き方にも注意しましょう。ここからは、百箇日法要における香典袋の書き方を解説します。

香典袋の表書きは「御仏前」または「御香典」と書く

封筒の中身が何かを表す表書きですが、百箇日法要の香典袋に記載する表書きは「御仏前」または「御香典」と書くのが一般的です。「御霊前」は四十九日より前に使われる書き方であり、百箇日法要は四十九日以降に行われる法要であるため使いません。

中袋には香典の金額・住所・氏名を書く

香典袋の中袋には、誰がいくら香典を送ってくれたかをご遺族が一目で分かるように、香典の金額と送り主の氏名・住所を記載します。香典の金額は中袋の表面、住所や氏名は裏面へそれぞれ記載しましょう。

また、金額の書き方については金額の前に「金」と記載し、金額は、壱（一）、弐（二）、参（三）、伍（五）、拾（十）、阡（千）、萬（万）を使います。例えば3万円包んだ場合は「金参万圓也」と記載します。

中袋なしの場合の書き方

中袋がない香典袋の場合は、金額・氏名・住所を香典袋の裏面へ記載します。水引の位置より下部になるように、縦書きで記載するのが一般的です。左側に金額を書いたら、金額の右側に小さい文字で住所を書き込みましょう。

百箇日法要における香典袋の渡し方

百箇日法要にて香典を渡す場合、当日に参列するか否かで渡し方が異なります。ここからは、百箇日法要における香典袋の渡し方を解説します。

百箇日法要に参列する場合は受付・ご遺族へ直接渡す

百箇日法要に参列したときに渡す場合は、会場の受付で渡すのが一般的です。受付は参列者で混雑するため、ほかの参列者や受付の人の迷惑にならないよう、長話は避けてください。法要の規模によっては受付がない場合もあるため、その際はタイミングを見計らってご遺族へ直接渡しましょう。

また、香典を渡す際には、香典袋を乗せる袱紗を忘れないようにしましょう。袱紗の色は男性・女性を問わず黒や紺色、深緑などの暗い色のものを使うのが一般的です。

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法要に参列できない場合は手紙を添えて現金書留で送る

法要に参列できず、後から香典を送る場合は、手紙を添えて現金書留で送るのが一般的です。現金は郵便局の窓口で利用できる現金書留でのみ郵送ができるため、ポストへ投函しないように注意してください。手紙には法要に参列できないことへのお詫びの言葉と香典を送った旨を記載しておきましょう。

また、郵送の際にはご遺族が確実に受け取れるように、あらかじめ電話やメールで香典を郵送したことを連絡しておくのもおすすめです。

▶香典に添える手紙の書き方はこちら

百箇日法要の香典は故人との関係によって相場が異なる

この記事のまとめ

• 百箇日法要では香典辞退されている場合を除き、香典は必要
• 百箇日法要の香典の金額は親族であれば5千円～3万円が相場
• 友人・近所の人などの交友関係にある人の香典は3千円～1万円が相場
• 香典を包むときはお札の向きを揃え、肖像面が下向きになるようにする
• 香典袋の表書きは「御仏前」または「御香典」と書く

忌明け後に初めて執り行う法要である百箇日法要では、故人との関係に合わせた金額の香典を用意しておくことが一般的です。本記事で解説した包み方・注意点を踏まえて、ご遺族に失礼のないよう香典を送りましょう。

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