一周忌法要の服装は何がよい?身内だけの場合や夏・冬の注意点、マナーを男女別に解説
「一周忌法要」は年忌法要の中でも重要な節目に行う法要ですが、当日はどのような服装で参列すればよいか迷ってしまう人も多いでしょう。本記事では、一周忌法要にふさわしい服装を紹介します。服装選びにおける注意点やよくある疑問点なども解説しているため、ぜひ参考にしてください。
一周忌法要とは
一周忌法要とは、故人が亡くなった一年後に行われる法要のことを指します。一年を過ぎると「喪が明けた」とみなされるため、大きな節目となる年忌法要として古くから重要視されてきました。
そのため、一周忌では家族・身内だけでなく、故人が生前に親しくしていた友人なども招いて法要を行うことも少なくありません。地域やご喪家によって違いはあるものの、一般的な一周忌法要では、お墓参りや、家族や参列者が皆で食事会をする「お斎(おとき)」も一緒に行います。
関連して、一周忌と混同されやすい言葉に「一回忌」があります。二つには明確に違いがあり、一周忌は故人が亡くなってから一年後に執り行われる法要であるのに対し、一回忌は故人が亡くなった日、すなわち命日を指す言葉です。
一周忌法要の服装の一般的な考え方
喪明けの節目にあたる重要な行事である一周忌法要ですが、当日の服装はどのように考えればよいのでしょうか。ここからは、一周忌法要の服装選びにおける一般的な考え方を紹介します。
喪服(準喪服)を着用するのが一般的
結論からいうと、一周忌法要の服装は喪服を着用するのが一般的です。故人の家族であれば「正喪服」と呼ばれる、シンプルな黒のモーニングコートやアンサンブルなどを着用します。故人の友人をはじめとした一般参列者の場合は「準喪服」と呼ばれる、ブラックスーツ・ワンピースなどを着用するとよいでしょう。
しかし近年では、喪主や故人の家族であっても一周忌法要の服装に準喪服を選ぶことが多くなっています。ただし、一周忌法要を執り行う会場によって、服装の指定がないか事前に確認しておきましょう。
身内だけで一周忌を行う場合は意向に合わせる
身内だけで一周忌法要を行う場合は、喪主の意向に合った服装を選びましょう。身内だけで行う法要の場合も喪服を着用するのが一般的ですが、喪主側で服装を指定していることもあります。身内だけの法要に参列する際は、あらかじめ案内状などに服装の指定がないかを確認しておくとよいです。
特に葬儀会館にて法要を行う場合、ほかにも法要を執り行っている家族がいる可能性もあるため、場の雰囲気を壊さない服装を心がけましょう。
和装で参列するなら黒喪服・色喪服を着用
一周忌法要に和装で参列する場合、黒喪服または色喪服を着用するのが一般的です。黒喪服とは紋付の着物から帯・草履までの全てが黒で統一されている服装のことで、一周忌法要では主に喪主が着用します。
対して色喪服は、一周忌法要において喪主以外の家族や参列者が着用するのが一般的です。色喪服にはグレーや紺、茶系などの落ち着いた色の着物が使われます。
【男女・子供別】一周忌法要にふさわしい服装
一周忌法要の服装は参列者の性別や年齢によって異なります。ここからは、男女・子供別に一周忌法要にふさわしい服装について解説します。実際に参列する際にはご喪家の意向・法要を執り行う会場の雰囲気などに合わせて服装を選びましょう。
男性の服装の選び方
一周忌は喪明けの重要な節目であり、ご遺族や他の参列者に対して失礼のないよう、清潔感のある身だしなみを整えることが大切です。具体的なアイテムの選び方や、避けるべきデザインの詳細は以下の通りです。
礼服(ブラックスーツ)に無地の白シャツがよい
一周忌法要に参列する男性の服装は、略礼服とも呼ばれるブラックスーツを着用するのが一般的です。ビジネスで着用する一般的な黒いスーツとは異なり、光沢のない深い黒色の生地で作られた礼服を選びましょう。また、故人へのお悔やみの気持ちを表すために、光沢のある素材やデザイン性の高い派手なスーツなどは避けることが大切です。
合わせるシャツは、ボタンダウンや柄のない無地の白ワイシャツがよいでしょう。
ネクタイや靴下、ベルトは黒で統一
スーツに合わせるネクタイ、靴下やベルト、靴などの小物類もすべてシンプルな黒色で統一し、刺繍やデザイン性の高いものを避けましょう。法要の際は結婚指輪以外のアクセサリーは避けることが望ましいため、ネクタイピンやカフスボタンは着けません。
スーツに合わせるベルトは光を反射しにくい金具のものを、靴はファッション性が控えめなプレーントゥがおすすめです。男性はカバンを持たないことが一般的ですが、どうしても必要な際には参列時に邪魔になりにくいセカンドバッグを用意するとよいでしょう。
女性の服装の選び方
女性の服装は、一周忌という大切な節目にふさわしく、慎み深さと清潔感を意識した装いを選びましょう。
また、殺生を連想させる革製品や毛皮、華美なアクセサリーの使用は控え、故人を偲ぶ場にふさわしい控えめな身だしなみを心がけることが大切です。
礼服か黒のワンピースやアンサンブル
女性は黒のワンピースやアンサンブル、スカートスーツを着用するのが一般的です。セットアップやパンツスタイルは略喪服にあたりますが、近年は準喪服として選ぶ人も増えています。ワンピースの上にボレロを羽織る際は、光沢のない素材を選びましょう。
いずれの場合も、デザインはシンプルで光沢のない素材のものを選びます。過度な露出は避け、スカート丈は座った際にも膝がしっかりと隠れる長さであることを確認しましょう。
ストッキングは黒
女性が一周忌法要に参列する際は、黒のストッキングを着用するのが一般的です。厚さは肌がうっすらと透ける20デニールから30デニール程度の薄手のものを選びます。厚手のタイツはカジュアルな印象を与え、お悔やみの場にはふさわしくないため避けるのが賢明です。
ただし、冬場の寒い時期や屋外での移動がある場合は、体調を優先して厚手のタイツを着用しても差し支えありません。その際も、光沢のない黒色で無地のものを選ぶように心がけましょう。また、網タイツやラメ入り、柄物などは不適切となるため注意が必要です。予備のストッキングを準備しておくと、万が一伝線した際にも慌てずに対応できます。
子供の服装の選び方:制服がよい
一周忌法要における子供の服装については、中学生や高校生、通っている学校の制服を着用すれば問題ありません。小学生などで、学校指定の制服がない場合はいわゆる「ブラックフォーマル」と呼ばれる、黒や暗い色の服装を選ぶことが望ましいでしょう。
男の子であれば、黒や紺色などの暗い色のジャケット・ズボンを着用することが一般的です。中に着用するシャツは白のワイシャツを選び、靴下もジャケットと同様に黒や紺色で揃えるようにしましょう。靴についても黒や紺色の革靴が望ましいですが、子供の場合はスニーカーでも問題ないとされています。
女の子の場合は、白のブラウスに黒や紺色などの暗い色のジャケット・スカートを合わせるのが一般的です。スカートの丈は大人の女性と同様に、膝が隠れる程度の長さのものを選びましょう。
乳児や未就学児についてはそこまで厳格な服装の決まりはないため、黒や紺色などの暗い色の服装を心がける程度で問題ありません。幼稚園の制服でもよいでしょう。
一周忌における服装の注意点
一周忌法要に参列する際の服装を考えるときには、たとえ身内だけの法要であっても、喪主の意向や季節によって注意すべき点があります。ここからは一周忌法要における服装の注意点を解説します。
平服とは?普段着ではなく略喪服を着用
案内状などに「平服でお越しください」と書いてあった場合は、略喪服を着用しましょう。略喪服とは男性であればダークグレーや濃紺などのスーツ、女性も同様のスカートスーツやワンピースなどが挙げられます。「平服」は普段着のことではないため、間違えないように注意しましょう。
夏でも法要中はジャケット(上着)を着用
夏に執り行われる一周忌法要であっても、儀式の最中は上着を着用するのが一般的です。法要は故人を偲ぶ重要な節目であるため、暑い時期でもジャケットを羽織ることで、礼節をわきまえた端正な装いとなります。
暑さへの対策としては、通気性に優れた夏用の礼服やワンピースを用意しておくのがおすすめです。夏用の素材であれば、法要中も比較的涼しく過ごせます。
また、女性の場合は七分袖のデザインを選んだり、移動中は半袖で過ごし、式が始まる際に薄手のジャケットを羽織ったりするなどの工夫をするとよいでしょう。急な用意が難しい場合はレンタルの活用もおすすめです。会場の冷房対策としても、上着が一枚あると安心です。
冬の法要ではコートのデザインに注意
冬の一周忌法要における服装選びでは、コートのデザインにも注意が必要です。法要の場で着用するコートは黒色が一般的ですが、用意できない場合は濃紺やグレーなど、落ち着いた色味のものを着用しましょう。
また、殺生を連想させる毛皮やファー、レザー素材を使用したものは、お悔やみの場にふさわしくないため避けるのが望ましいです。カジュアルすぎるダウンジャケットや、装飾の多いデザインも控えるように心がけましょう。冬場の法要は屋外での移動やお墓参りも含まれることが多いため、礼節を保ちつつ防寒性に優れたシンプルなウールコートなどを選ぶのが適切です。
室内ではカーディガンなど羽織ものやひざ掛けなどでうまく防寒するとよいでしょう。
一周忌法要における身だしなみで気を付けたいポイント
一周忌法要に参列する際は、服装だけでなく髪型やメイクなどの身だしなみにも気を配る必要があります。故人を偲ぶ場にふさわしい、清潔感があり控えめな装いを心がけることが大切です。
ここでは、男女別に気をつけるべき身だしなみのポイントについて解説します。
男性:髪型やひげを整え清潔感を意識する
男性の場合、寝ぐせを直してきれいに髪を整え、派手なスタイリング剤の使用は避けて自然にまとめることが大切です。
また、無精ひげはだらしない印象を与えてしまうため、きれいに剃っておくことが一般的です。
女性の場合、髪が長いときは黒や茶色などの目立たないヘアゴムで一つにまとめ、お辞儀をした際に髪が顔にかからないようにします。華美なヘアアクセサリーの使用は避け、全体的に清潔感を意識した身だしなみを整えるようにしましょう。
女性:メイクやアクセサリーの注意点
女性が参列する際のメイクは、派手さを抑えた薄化粧にするのが一般的です。ラメが入ったアイシャドウや濃い色の口紅、光沢のあるチークなどは避け、落ち着いた色味のナチュラルメイクを心がけましょう。
ネイルについては事前に落としておくのが望ましいですが、難しい場合は上からベージュ系のマニキュアを塗って隠すなどの配慮が必要です。また、アクセサリーは真珠のネックレスやイヤリングが適切となります。
イヤリングを身に着ける場合は、一粒タイプの真珠であれば問題ありません。ただし、金具が目立つものや揺れるデザインのものは、お悔やみの場にふさわしくないため避けるのが一般的です。
一周忌法要で必要となる持ち物
一周忌法要に参列する際は、持参する持ち物にも気を付けたいポイントがあります。
参列者として必要なものや、喪主として準備すべきものなど、立場によって持っていくべきものは異なります。
ここでは、一周忌法要における持ち物について解説します。
参列者が持参する香典や数珠
参列者の持ち物として、香典と数珠が挙げられます。香典を持参する際は現金をそのまま持ち運ぶのではなく、必ず袱紗(ふくさ)に包んで持っていくのが一般的です。
袱紗の色は、黒や紺、グレーなどの寒色系で落ち着いた色を選びましょう。数珠はご自身の宗派のもの、またはどの宗派でも使える略式数珠を持参します。法要中に涙を拭くためのハンカチは、白や黒の無地、または控えめなデザインのものを選ぶとよいでしょう。
喪主が用意するお布施やお供え
ご喪家や喪主の場合は、参列者の持ち物に加えて法要を執り行うための準備物が必要です。僧侶に読経を依頼する際にお渡しするお布施を用意しましょう。
お布施の金額は、法要の場合は1万円〜5万円が目安とされていますが、地域やお寺との関係によっても異なるため、事前に確認しておくと安心です。
お布施を包む封筒は無地のものを選びます。
そのほか、祭壇に飾る位牌や遺影、日持ちのするお菓子や果物といったお供えも準備しておくのが一般的です。
一周忌法要の服装に関するよくある質問(FAQ)
一般的な決まりはあれどご喪家や地域によって具体的な服装が異なることから、一周忌法要の服装選びではさまざまな疑問を持つ人は多いでしょう。ここからは、一周忌法要の服装に関するよくある質問について回答します。
Q.お墓参りの服装は?家族だけの訪問でも喪服を着る?
A.お寺で一周忌法要とあわせてお墓参りを行う場合、法要の席と同じく喪服を着用して向かうのが一般的です。法要の一環として親族や知人が集まる場であれば、故人への敬意を表し、儀式にふさわしい服装で臨むことが大切です。
一方、一周忌の当日ではなく、別日に家族だけでお墓参りをする場合は、必ずしも喪服を着用する必要はありません。ただし、一周忌という節目であることを考慮し、普段着の中でも落ち着いた印象を与える「略喪服(平服)」を意識するとよいでしょう。男性であれば暗い色味のスーツやジャケットにスラックス、女性であれば露出を控えた地味な色のワンピースやセットアップなどが適しています。
家族だけの訪問であっても、華美な色使いや派手なアクセサリー、殺生を連想させる毛皮やアニマル柄などは避けるのが一般的です。また、お墓の掃除を兼ねる場合は、動きやすい服装に着替えるか、汚れが目立たない工夫をすることをおすすめします。いずれにしても、周囲の方々に不快感を与えず、ご先祖や故人を偲ぶ場にふさわしい清潔感のある装いを心がけましょう。
Q.一周忌法要で鞄はどうする?
A.一周忌法要に参列する際、女性の場合はコンパクトな黒のハンドバッグを持つのが一般的です。生地も毛皮やクロコダイルなどの殺生を連想させるものは避けましょう。飾りや光沢のない布地のバッグが望ましいとされています。
男性の場合は、数珠やハンカチなどの持ち物はスーツのポケットに入れ、一周忌法要ではバッグをできるだけ持たないことがよいとされています。なお、男性でどうしてもバッグが必要な場合は、セカンドバッグなどの邪魔になりにくい鞄を選ぶとともに、女性が鞄を持つときと同様に、落ち着いたデザインで黒色のものを選びましょう。
Q.妊娠中の一周忌法要服装は何がよい?
A.妊娠中の女性が一周忌法要に参列する場合、一般的な喪服が窮屈に感じる場合はマタニティ喪服を着用することをおすすめします。靴については、ヒールが高いパンプスが不安定に感じる場合、1cm程度のローヒールパンプスを着用しても問題ありません。
また、冬に行う一周忌法要の場合は寒さで体調を崩してしまう可能性もあるため、当日には黒や濃紺のひざ掛けやストールで寒さ対策をしておくのもよいでしょう。
Q.赤ちゃんや幼児連れの場合の服装や注意点は?
A.赤ちゃんや幼児が一周忌法要に参列する場合、服装に厳格な決まりはありませんが、周囲との調和を考えて派手な色や柄は避けるのが一般的です。
黒や紺、グレーといった落ち着いた色味の服を選び、キャラクターものや光沢のある素材は控えましょう。乳児の場合は、清潔感のある淡い色のベビー服でも問題ありません。
注意点として、法要中に子供が泣き出したり騒いだりした際、すぐに席を外せるよう出口に近い席を確認しておくと安心です。また、音の出ないおもちゃや飲み物など、静かに過ごすための準備もしておきましょう。あくまでもご遺族や他の参列者への配慮を優先し、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。
一周忌法要の服装では喪服を着用しましょう
この記事のまとめ
- 一周忌法要では、一般的に喪服を着用する
- 身内のみで行う法要の場合、喪主やご喪家の意向に合わせて服装を選ぶこともある
- 男性の服装はブラックスーツ(準喪服)が一般的
- ワイシャツは白無地、ネクタイや靴下、靴は黒で統一
- 女性の服装は黒のワンピースやアンサンブル、スカートスーツ(準喪服)が一般的
- ストッキングや靴は黒色のものを選ぶ
- 子供の服装は 学校の制服がある場合は制服を着用し、制服がない場合は地味な色合いの服装
- 和装の場合施主や故人に近い親族は、正喪服(男性は紋付羽織袴、女性は黒無地の染め抜き日向紋付きの着物)を着用
- 参列者は、準喪服または略喪服を着用
服装を選ぶ際は、露出を控え、華美なデザインや殺生を連想させる素材は避けるのが望ましいとされています。故人の供養における大きな節目である一周忌法要では、お悔やみの場にふさわしい服装を選ぶことが大切です。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。