喪中見舞いのお礼状(挨拶状)の例文集!内容や具体的な書き方も紹介
喪中はがきを受け取った方がご遺族を気遣って送ってくださった喪中見舞いに対して、どのようなお礼状(挨拶状)を送るべきか悩む方もいるでしょう。本記事では、喪中見舞いをいただいた際のマナーやお礼状の書き方、例文を紹介します。丁寧なお礼状を作成し、喪中見舞いをいただいたことへのお礼の気持ちを伝えましょう。
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)とは
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)とは、喪中見舞いの品物をいただいた際に遺族がお礼として送るはがきや手紙のことです。喪中見舞いをいただいた遺族は、お礼状を送るのが一般的です。しかし、高価な品物をいただいた場合や相手との関係など、遺族にとって返礼が必要だと判断した際にはお礼状と品物を合わせてお返ししてもよいでしょう。
喪中見舞いとは
喪中見舞いとは、喪中はがきを受け取った相手が送ってくださるお見舞いの品物のことです。喪中はがきを受け取った相手は、電話やはがきで挨拶をするのが一般的ですが、中には喪中はがきで故人の訃報を知った方や葬儀に参列できなかった方が、お見舞いの品物を送ってくださる場合もあります。
寒中見舞いとは
寒中見舞いとは、寒さが最も厳しくなる時期に相手の体調を気遣う目的で送るはがきや品物のことです。寒中見舞いの用途は幅広く、喪中のお年賀の代わりや訃報を知らずに新年の挨拶を送ってくださった方へのお礼として送ることもできます。
寒中見舞いを送る時期は、松の内が明けた1月8日~2月4日の立春頃です。松の内が明ける時期は地域によって異なるため、1月下旬を目途に送るのが望ましいでしょう。
喪中見舞いと寒中見舞いの違い
喪中見舞いと寒中見舞いは、はがきや品物を差し出す時期が異なります。喪中はがきを受け取った方は、喪中見舞いを年が明けないうちに出すのが一般的です。一方の寒中見舞いは、1月下旬を目途に送ります。
喪中見舞いと寒中見舞いのどちらも、故人への哀悼の気持ちを込めて送ることは共通です。寒中はがきを出す時期を待たずに出せるものとして根付いたのが喪中見舞いであるため、喪中見舞いは喪中はがきを受け取ったらすぐに出すのが望ましいとされています。
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)を出すタイミング
遺族が喪中見舞いのお礼状を出す場合、喪中見舞いが届いた時期が忌明け前なら、忌明け後から1ヶ月以内に出すのが一般的です。忌明け後に喪中見舞いが届いた場合は、届いてから1週間以内を目途にお礼のはがきや品物を送りましょう。
なお、先述した通り、喪中見舞いに対してのお礼は電話で伝えても問題ありません。お礼状を出さなくてもマナー違反ではないため、状況や相手との関係に応じて対処しましょう。
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)で伝えること
喪中見舞いのお礼状には、これから紹介する四つの内容を入れた書き方が一般的です。お礼状を作成する前に、必要な内容を確認しておきましょう。
①喪中見舞いをいただいたことへのお礼
お礼状では、はじめに喪中見舞いをいただいたことへの感謝の気持ちを伝えます。「亡〇〇(喪主との続柄)〇〇(亡くなった方の名前)」と誰の訃報に際していただいたお供えであるのかを記し、喪中見舞いの心遣いへのお礼を書いてください。
必要に応じて、いただいた喪中見舞いを仏前にお供えしたことや、故人も喜んでいる旨を記載してもよいでしょう。文頭には「拝啓」、文末は結語の「敬具」で締め、相手への敬意を示します。
②送り主の体調を気遣う言葉
お礼状では、送り主の体調を気遣う言葉も添えるとよいでしょう。喪中見舞いを送る時期は、12月頃の寒い時期です。喪中見舞いへのお心遣いに対し、「寒さの厳しい時期のためご自愛ください」と相手の健康を願っていることを伝えてください。
なお、相手への気遣いの言葉を必ず入れる必要はありません。喪中見舞いへの感謝を伝えることが大切であるため、会社の連名でいただいた場合や相手との関係が浅い場合は状況に応じてお礼状を作成しましょう。
③書面で挨拶となることへのお詫び
お礼状では、書面での挨拶となることへのお詫びの言葉を入れるのがマナーです。贈り物をいただいた際は、本来であれば直接お礼を伝えるのが望ましいとされています。一言お詫びを入れると感謝の気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
④差出人と差し出し日
お礼状の最後に、差出人と差し出し日を記載します。差し出し日は令和〇年〇月と年号も記載し、並べて差出人の名前を書いてください。差し出し人は一般的に喪主の名前、親族連名とする場合は「親族一同」と書きましょう。
郵便番号と住所は、文面に入れても入れなくてもどちらでも問題ありません。はがきで出す場合は表面に、手紙で出す場合は封筒に記すのが一般的な書き方であるため、必要に応じて記載してください。
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)の例文
ここでは、喪中見舞いのお礼状(挨拶状)の例文を相手との関係別に紹介します。喪中見舞いのお礼状を差し出す際、実際に使える例文となるため参考にしてください。
親族や友達など親しい方に送る場合
親族や友達など親しい方に送るお礼状は、少しカジュアルな文面にしても問題ありません。伝えるべきことを記載して、喪中見舞いへの感謝を伝えましょう。以下の例文を参考にしてください。
親族や友達など親しい方に送る場合の例文
拝啓
このたびは亡き祖父東博太郎(故人の名前)の喪中のご挨拶を申し上げたところ
ご丁寧なお心遣いを賜り 誠にありがとうございました
ありがたく仏前に供えさせていただきました
寒い日が続きますため どうぞご自愛ください
略儀ながら書中にて御礼申し上げます
令和六年十二月
喪主 東博一郎(喪主の名前)
ほか 親戚一同
敬具
会社や上司に送る場合
故人が勤めていた会社や上司に送るお礼状の例文は、下記を参考にしてください。本来は、直接お礼を伝えることが望ましいとされています。文面でのお礼となることをお詫びし、例文のように喪中見舞いへの感謝を伝えてください。
会社や上司に送る場合の例文
拝啓
このたびは亡き祖父東博太郎(故人の名前)の喪中のご挨拶を申し上げたところ
ご丁寧なお心遣いを賜り 心より厚く御礼申し上げます
つきましてはお心遣いへの御礼と致しまして心ばかりの品をお送りいたします
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝謁の上 お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中にて 謹んで御礼申し上げます
令和六年十二月
喪主 東博一郎(喪主の名前)
ほか 親戚一同
敬具
喪中見舞いのお礼状(挨拶状)を書く際の注意点
喪中見舞いのお礼状の書き方には、いくつか注意点があります。相手に正しく感謝を伝えるためにも、注意点を押さえておきましょう。
忌み言葉と重ね言葉の使用を避ける
弔事のお礼状では、忌み言葉と重ね言葉を使わない書き方が一般的です。忌み言葉は不幸や死を、重ね言葉は不幸が重なることを連想させることから、弔事のお礼状で使うことはタブーとされています。お礼状を書く際は注意しながら言い換えるようにしてください。
忌み言葉の例 |
言い換え表現 |
---|---|
生きていた |
ご生前、お元気でいらした |
死亡 |
亡くなる、ご逝去 |
重ね言葉の例 |
言い換え表現 |
---|---|
重ね重ね |
深く、加えて |
いろいろ |
さらに、多くの |
わざわざ |
特別、あえて |
句読点の使用を避ける
喪中見舞いのお礼状には、句読点を使わないのが一般的です。句読点は文章の流れを切るために使用するため、「縁を切る」ことを連想させてしまう可能性があります。
文章を読みやすくする際は、句読点の代わりにスペースを空けるようにしましょう。
手書きが望ましい
現代ではお礼状を印刷し作成する方が増えていますが、手書きで書く方が望ましいとされています。喪中見舞いをいただいたら、可能な限り手書きで作成するとよいでしょう。
喪中見舞いをいただいてからなるべく早く感謝を伝えられるよう、お礼状を準備してください。
縦書きで書く
お礼状は、縦書きで書くのが一般的です。お礼状を印刷で作成する際も、縦書きのデザインを選ぶのが望ましいです。一方、友達や親しい親族など、近しい関係の方にお礼状を送る場合は、横書きのデザインでも許容されるでしょう。相手との関係を考え、臨機応変にお礼状を準備してください。
はがきは落ち着いた色味のものを選ぶ
弔事に関するお礼状のはがきや手紙は、落ち着いた色味のものを選ぶのが一般的です。色味は白黒を基調とし、淡い水色や紫といったカラーのデザインでも問題ありません。お花や雪柄がプリントされたはがきや便箋もあるため、相手との関係を考えてデザインを選びましょう。
喪中見舞いのお礼をする際のマナー
最後に、喪中見舞いのお礼をする際のマナーを紹介します。対応の判断に困った際の参考にしてください。
お礼状(挨拶状)だけをお返しするのが一般的
先述した通り、喪中見舞いをいただいた場合の返礼品は不要で、電話やお礼状(挨拶状)だけをお返しするのが一般的です。
喪中見舞いは、訃報を喪中欠礼はがきで知った方や、葬儀や法要など弔事に参列できない方が送ってくださります。「せめてもの気持ちに」と送ってくださることが多いため、品物は送らずお礼のみに留めると相手への気遣いとなるでしょう。
品物をいただいた場合はお返ししてもよい
お礼やお礼状に留めるのが一般的ですが、必要に応じて品物をお返ししても失礼には当たりません。相場よりも高価なものをいただいた場合や、故人との関係を考慮して、お礼の品物が必要だと判断することもあるでしょう。その際は、返礼品にお礼状を添えるのを忘れずに、心遣いへの感謝を伝えてください。
返礼品としておすすめの品物
喪中見舞いの返礼品は、食料品や日用品などの消えものを送るのが望ましいでしょう。具体的には、菓子折りや飲み物、調味料、タオルなどが人気です。喪中見舞いを送ってくださった相手が日常で使えるものを選んでみてください。
喪中見舞いをいただいた際はお礼状(挨拶状)で気遣いへの感謝を伝えましょう
この記事のまとめ
- 一般的に喪中見舞いへのお返しの品物は不要
- お礼をしたい場合は、電話やお礼状で感謝を伝える
- お礼状では、喪中見舞いのお礼や書面での挨拶へのお詫びなど伝える
- 忌み言葉を控え、手書きで縦書きにするのが一般的である
- いただいた品物や相手との関係によっては品物でお返しをすることがある
喪中見舞いに対するお返しの品物は一般的に不要です。電話やお礼状で気遣いへの感謝を伝えるとよいでしょう。しかし、いただいた品物や相手との関係によっては、お返しの品物を送っても問題ありません。お礼状のみ送る場合も、品物とお礼状を一緒に送る場合も、今回紹介した例文を参考に、喪中見舞いへのお礼状を作成してみてください。