夫婦で香典を出す場合の金額相場とは?連名の書き方やマナーも解説
夫婦で交流のある方が亡くなったときは、夫婦で香典を出す場合があります。しかし、初めて夫婦で葬儀に参列し香典を出す場合、香典の金額が気になる方は少なくないでしょう。本記事では、夫婦で香典を出す場合の金額相場や、夫婦連名の書き方などについて分かりやすく解説します。
夫婦連名で香典を出すのはどんな場合?
香典は世帯ごとに包むのが一般的です。そのため、夫婦連名で香典を包んでも問題ありません。
しかし、地域によっては夫婦連名をタブーとする地域もあります。
夫婦で葬儀や法要に参列する場合
香典は一世帯につき一つであり、通常は世帯主である夫の氏名のみを記載すれば問題ありません。しかし、夫婦揃ってお通夜や葬儀などの法要に参列する場合は、連名で記載することもあります。
夫婦で故人と深い親交があった場合
夫だけでなく妻も含めて夫婦で故人と深い親交があった場合には、夫婦連名で香典を出すことが多いです。夫だけでなく妻の名前も書くことで、ご遺族にも夫婦で故人と仲良くしていたことが伝わるでしょう。
夫婦連名で香典を出す場合の金額相場
夫婦連名で香典を出す場合、どのくらいの金額を包めばよいか迷う方もいるでしょう。ここでは、夫婦連名で香典を出す場合の相場を、葬儀と法要別に紹介します。
葬儀で渡す香典の金額相場
香典は世帯ごとに用意するものであるため、葬儀における夫婦連名の香典金額は、通常のひとり分の金額と大きく変わりません。葬儀における香典の金額は、故人との関係や自身の年代によっても異なります。
以下は葬儀における香典の相場です。夫婦連名の際にも参考にしてください。
葬儀における香典の金額相場 | |||||
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故人が両親(義両親)の場合 |
故人が兄弟姉妹の場合 |
故人が祖父母の場合 |
故人が叔父・叔母・そのほかの親族の場合 |
故人が友人・知人の場合 |
|
20代 |
3万円~10万円 |
3万円~5万円 |
1万円 |
1万円 |
5千円 |
30代 |
5万円~10万円 |
5万円以上 |
1万円~3万円 |
1万円~3万円 |
5千円 |
40代 |
5万円~10万円 |
5万円以上 |
3万円~5万円 |
1万円~3万円 |
1万円 |
50代以上 |
10万円以上 |
5万円以上 |
3万円~5万円 |
3万円以上 |
1万円 |
夫婦が揃って葬儀に参列する場合に注意しなければならないのが、会食代です。夫婦で参列する場合、香典の相場は上述の通り一人分の金額で構いませんが、会食代は二人分にして香典に加える必要があるため覚えておきましょう。
法要で渡す香典の金額相場
葬儀の場合と同じく、法要における夫婦連名の香典金額は、通常のひとり分の金額と特に変わりありません。法要における香典の金額も、故人との関係や自身の年代によって異なります。
以下では、四十九日法要と一周忌の香典の相場を紹介します。なお、夫婦連名の場合も金額は変わりません。
四十九日法要における香典の金額相場
- 故人が両親の場合…1万円~5万円
- 故人が兄弟姉妹の場合…1万円~5万円
- 故人が祖父母の場合…1万円~3万円
- 故人が叔父・叔母・そのほかの親族の場合…5千円~3万円
- 故人が友人・知人の場合…3千円~1万円
一周忌における香典の金額相場
- 故人が両親の場合…1万円~5万円
- 故人が兄弟姉妹の場合…1万円~5万円
- 故人が祖父母の場合…5千円~3万円
- 故人が叔父・叔母・そのほかの親族の場合…5千円~3万円(関係性が薄い場合は3千円~1万円)
- 故人が友人・知人の場合…3千円~1万円
葬儀の場合と同様、法要に夫婦で揃って参列する場合、会食の席が設けられているのであれば、二人分の会食代を香典に加えます。
夫婦連名の香典における金額の注意点
葬儀や法要で香典を持参する場合は、香典の金額に注意する必要があります。香典を用意する前にあらかじめ確認しておきましょう。
相場より多く包みすぎない
香典は相場より多く包みすぎないように注意が必要です。特に夫婦連名で香典を出す場合、どのくらいの金額を包めばよいか分からず高額を包んでしまうこともあるでしょう。
しかし、あまりにも相場より多く包んでしまうと、ご遺族を恐縮させてしまう可能性があります。また、香典返しの負担を増やしてしまうことにもなるため、多く香典を包みすぎるのは避けましょう。
偶数や忌み数は避ける
香典の金額において、偶数や4・9の忌み数は避けられています。偶数は2で割り切れるため「縁が切れる」ことを連想させること、忌み数は「死」や「苦」を連想させることが避けられる理由です。
夫婦連名で香典を出す場合にも、会食代などが加わり偶数や忌み数にならないよう注意しましょう。
夫婦連名の香典袋の書き方
夫婦連名で香典を出す場合、香典袋の名前の書き方において通常とは少し異なる点があります。表書きや金額の書き方などについては通常の香典袋の書き方と変わりませんが、この機会にあわせて確認しておきましょう。
外袋の書き方
外袋の表面には上部中央に表書きとして「御霊前」「御仏前(御佛前)」「御香典」などと記載します。
「御霊前」は四十九日よりも前の葬儀や法要、「御仏前(御佛前)」は四十九日法要以降に使う表書きのため注意しましょう。浄土真宗の場合は、四十九日よりも前であっても「御霊前」は使わず「御仏前」の表書きを記載します。
下部中央には、差氏名を書きます。夫婦連名で香典を出す場合は中央に夫の氏名、左隣に妻の下の名前のみを記載します。この点が通常の香典袋の書き方と違う点です。
中袋の書き方
中袋の表面には中央に「金参萬圓也」と香典として包んだ金額を記載します。
最初に「金」、最後に「也」の文字を加え、金額は壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)などの漢数字を使って書きます。書き慣れていない方は別の紙で練習してから書くとよいでしょう。
中袋の裏面には、左下に住所と氏名を記載します。このときの氏名も夫婦連名で香典を出す場合には夫の氏名と妻の名前のみを書くようにしましょう。
香典のお金の入れ方に関するマナー
最後に、香典のお金の入れ方に関する注意点を紹介します。夫婦連名で香典を出す場合、以下の点を意識して香典を用意しましょう。
お札の向きを揃える
香典に複数枚のお札を入れる際は、お札の向きを全て揃えて入れるのが一般的です。これはご遺族が後からお札を数えやすいようにという配慮とされています。
肖像画を裏向きにする
お通夜や葬儀では、香典袋の表面に対しお札の肖像画側が裏を向くように入れるのがマナーです。肖像画を裏向きにするのは「故人を失った悲しさに顔を伏せる」ことを表すためとされています。しかし、四十九日法要以降は、香典袋の表面に対し表向きに入れます。間違えないように注意しましょう。
新札か古札かに注意する
お通夜や葬儀の香典に包むお金は古札を用意します。新札しかない場合は、折り目をつけた上で入れるようにします。新札は「故人の訃報を想定して新札を準備していた」と捉えられる可能性があり、避ける必要があるためです。
一周忌や三回忌などでは新札を用意しましょう。
中袋がない場合は香典袋に直接お札を入れる
中袋がない場合は、香典袋に直接お札を入れて構いません。中袋がないからといって別の袋を用意して二重に包んでしまうと「不幸が重なる」ことを連想させ、かえって失礼にあたる可能性があります。
中袋がない香典袋も、外袋と中袋がついている香典袋もどちらも正式な香典袋のため、安心してそのまま使用してください。
夫婦連名で香典を出す場合は、金額や名前の書き方に注意しましょう
この記事のまとめ
- 夫婦で故人と深い親交がある場合や夫婦揃って参列する場合などは、香典は夫婦連名で記載することが多い
- 夫婦連名で香典を出す場合、香典の金額はひとり分と変わらない
- 会食の場に参加する場合は、夫婦ふたり分の会食代を香典に追加する
- 夫婦連名で香典を出す場合、香典袋には夫の氏名と妻の下の名前を記載する
- 香典は包む金額や書き方、お金の入れ方などに注意する必要がある
香典は世帯ごとに用意するもののため、香典袋には夫婦であっても世帯主である夫の名前だけを記載すれば問題ありません。しかし、夫婦共に故人と親交があったり夫婦揃って参列する場合などは、夫婦連名で香典を準備することが多いです。
夫婦連名で香典を出す場合、香典の金額はひとり分と変わりませんが、年代や故人との親交の深さによって金額が異なったり、夫婦二人分の会食代を追加する必要があったりするため注意しましょう。