寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出せる?出す時期や使える例文を紹介
「寒中見舞い」は年賀状を出し忘れた際の挨拶状として出すことが多いですが、喪中はがきの代わりにもなることをご存知ですか?今回は、寒中見舞いは喪中はがきの代わりとして出せるのかについて、時期や書き方と一緒に紹介していきます。例文や出すときのマナーも解説しているため、参考にしてみてください。
寒中見舞いとは
喪中はがきや年賀状と同じく挨拶状の一つとして用いられる寒中見舞いですが、そもそも寒中見舞いとはどのような挨拶状なのでしょうか。まずは、寒中見舞いとは何かについて解説します。
寒い時期に出すお見舞い状のこと
寒中見舞いとは、寒い時期に出すお見舞い状のことを指します。夏に出す暑中見舞いと同じく、冬の最も寒い時期に相手の健康を気遣って送ります。寒中見舞いは明治末期頃から盛んに行われてきた慣習の一つで、特に寒さが厳しい雪深い地域で活発に行われていたとされています。
年賀欠礼状として喪中はがきの代わりに出せる
寒中見舞いは寒い時期のお見舞い状としてだけでなく、年賀状を出せないときに喪中はがきの代わりとして出すことも可能です。
喪中を知らない相手へ喪中はがきを出すことに抵抗があるときや、故人に届いた年賀状へ返事を書くときなどにも、寒中見舞いを使えば、相手に気を遣わせることなく喪中であることの連絡と挨拶を伝えられます。
また、喪中はがきの代わりとしてだけでなく、相手が喪中であるときや期限までに年賀状が準備できなかったときに年賀状の代わりとして出すことも可能です。
喪中はがきの代わりに寒中見舞いを出せるのはいつまで?
ここからは、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す際に、いつまでなら出せるのかについて解説します。
松の内の翌日から立春までの時期
一般的に喪中はがきの代わりとして寒中見舞いを使う場合は「松の内が明けてから立春までの時期」に出す必要があります。松の内とは年神様をお迎えしてから帰られるまでの期間のことで、松の内の最終日は関東では1月7日、関西だと1月15日と地域によって異なるため注意しましょう。
立春の日は太陽と地球の位置によって決定されるため、毎年決まっているものではありません。なお、2025年の立春は2月3日となっています。
立春を過ぎると「余寒見舞い」を出すことが一般的
喪中はがきの代わりに寒中見舞いを出し忘れ、立春を過ぎてしまった場合には一般的に「余寒見舞い」を出します。余寒見舞いは寒中見舞いと同様に、喪中はがきの代わりとして出すこともできますが、いつまでに出すという決まりはありません。
しかし、気温が高くなって暖かくなってくると主旨に合わなくなってしまいます。厳しい寒さが感じられるうちに出しましょう。
喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いの内容と例文
喪中はがきの代わりとして出せる寒中見舞いですが、実際に出す場合にはどのような内容を書けばよいか分からないという人も多いでしょう。ここからは、喪中はがきの代わりとして寒中見舞いを出す場合に適した内容を、例文とともに解説します。
喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いの内容
寒中見舞いを喪中はがきの代わりとして出す際には、相手からすでに年賀状が送られているか否かによって書く内容が異なります。主に以下の4つの項目が必要となるため、寒中見舞いの書き方に困った際には参考にしてみてください。
年賀状をいただいたことへの感謝
寒中見舞いを送る前に年賀状をもらっている場合には、年賀状をいただいたことへの感謝の一言を書きましょう。寒中見舞いの最初に「寒中お見舞い申し上げます」や「寒中お伺い申し上げます」などのお見舞いの挨拶を書いたら、行を変えてお礼の文章を書きます。
寒中見舞いは本文を書けるスペースが少ないため、年賀状のお礼は一行程度にまとめることが一般的です。喪中はがきの代わりとなる寒中見舞いを出す前に年賀状をもらっていない場合には、前述したお見舞いの挨拶だけで問題ありません。
故人についての情報
喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いであるため、送った相手に喪中であることが分かるように「故人についての情報」も記載します。いつ誰が他界したかを簡潔に書きましょう。故人の死因等の詳しい情報は書く必要はありません。
また、亡くなっていることを知らない相手が故人に対して年賀状を送ってきている場合の返事には、故人が生前にお世話になっていたことへの感謝の一言も一緒に記載すると、より丁寧な挨拶文にまとめられます。
喪中のお知らせ・お詫びの一言
挨拶状を出す前に年賀状をもらっているか否かを問わず、喪中のお知らせとお詫びの一言は記載してください。特に年末に亡くなった場合、葬儀や埋葬などで忙しく、すぐに報告ができないことも多いでしょう。
そのため、喪中はがきの代わりとして寒中見舞いを出す際には、喪中の報告が遅れてしまったこと・年始の挨拶ができなかったことについてお詫びする一言を添えると、より相手に失礼のない挨拶文になります。
締めの挨拶
喪中はがきの代わりに寒中見舞いを出す際には「締めの挨拶」も重要です。一般的には年賀状と同様に「今後ともよろしくお願いいたします」という旨の一言で問題ありませんが、送る相手によって文面や内容を変えるとよいでしょう。
例えば相手が親しい人であれば「お互い体に気を付けましょうね」といった、柔らかな言葉遣いをしても問題ありません。相手が取引先の人や目上の人であれば「○○様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます」といったように丁寧な言葉遣いが好ましいです。
喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いの例文
喪中はがきの代わりとして、寒中見舞いを出す際に必要な内容を解説してきましたが「なかなか文章が思い浮かばない」という人もいるでしょう。以下は、喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いの例文です。寒中見舞いを出す相手との関係を考えながら文章を書いてみましょう。
喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いの例文
喪中はがきの代わりに寒中見舞いを書くときのマナー
寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出す場合、季節の挨拶として出すときとは違うマナーがあります。マナーを踏まえた上で寒中見舞いを出すことで、より相手に対して丁寧な印象を与えられるでしょう。ここからは、喪中はがきの代わりとして寒中見舞いを出すときのマナーを解説します。
落ち着いたデザインのはがきを使用する
喪中はがきの代わりとして出す寒中見舞いは、喪中の報告も兼ねた挨拶状であるため、使うはがきも落ち着いたデザインのものを選んでください。絵柄の例としては寒椿や雪景色などが挙げられます。
年賀状の代わりとしての役割もあるとはいえ、あくまで喪中の報告であるため、松竹梅などのお祝いを連想させる華やかなデザインのはがきは避けましょう。
お祝いの言葉や直接的に死を表現する言葉は避ける
喪中はがきの代わりとして出す寒中見舞いの文章には、お祝いの言葉や直接的に死を表現する言葉は避けてください。あくまで喪に服す期間であるため「賀正」や「あけましておめでとう」などのめでたい意味の言葉は避けるべきとされています。
すでに年賀状を通して新年の挨拶をもらっていた場合などでは、「賀正」の代わりに「年始」や「年頭」などの言葉を使うことが一般的です。
また、喪中はがきの代わりとして出すものとはいえ、直接的に死を表現する言葉は不適切とされています。故人が亡くなったことを知らせる場合には、代わりの表現として「他界」や「永眠」などを使いましょう。
重ね言葉・忌み言葉にも注意する
喪中はがきの代わりとして出す寒中見舞いの表現には、重ね言葉・忌み言葉にも気を付けなくてはいけません。重ね言葉は同じ言葉を重ねることから不幸の重なりを、忌み言葉は別れや不吉を連想させるため、一般的に弔事では不適切とされています。
一例として、「くれぐれも」や「ますます」といった重ね言葉、忌み言葉では「病気」や「最後」などが挙げられます。通常の手紙の挨拶ではうっかり使ってしまいそうな表現もあるため、喪中はがきの代わりに寒中見舞いを出す際には気を付けましょう。
喪中はがき・寒中見舞いに関してよくある質問
喪中はがきや、代わりとなる寒中見舞いを書く際には「何親等までが対象になるのか」や「どう送ればよいか」などの疑問が浮かぶ人もいるでしょう。ここから、喪中はがきや寒中見舞いを書く際によくある質問に回答していきます。
Q.喪中の対象はどこまで?
喪中は一般的に「2親等以内の親族」が対象です。しかし、喪中はがきやその代わりとなる寒中見舞いを出す際には、故人と深く親交があった場合などでは何親等であっても喪中として問題ありません。
Q.はがき以外で寒中見舞いを出してもよい?
寒中見舞いであれば、はがきで出さなければいけないといったルールはありません。はがきやメール、電報などといったさまざまな送り方があるため、送る相手との関係や状況を踏まえ適切な手段で伝えましょう。
喪中はがきを出し忘れた場合は代わりに寒中見舞いを出しても問題ない
この記事のまとめ
- 寒中見舞いを喪中はがきの代わりに出すことは可能
- 寒中見舞いを出せる期間は、松の内の翌日から立春まで
- 寒中見舞いは落ち着いたデザインのはがきを使用する
- 一般的に喪中は2親等以内だが、親しい人であれば何親等でも可能
- 喪中はがきの代わりに出す寒中見舞いは、メール・電報などでもよい
喪中であることを報告するための喪中はがきですが、出す時間がなかったり出すのを忘れてしまう人も少なくありません。そのようなときは、代わりとなる寒中見舞いを送ることができます。今回紹介した例文を参考にしながら、寒中見舞いを書いてみてください。