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お金・お家のこと

家の名義を親から子に変更する方法を解説!申請方法や必要な書類を紹介

家の名義を親から子に変更する方法を解説!申請方法や必要な書類を紹介

家の名義を親から子に変更したいとき、どのような手続きが必要かご存知ですか?本記事では、家の名義を親から子に変更する3つの方法について解説します。方法ごとに必要になる手続きや費用が異なるため、自分に合う方法を考える機会にしてください。

監修者 SUPERVISOR
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士 森本 由紀

神戸大学法学部卒業。鉄鋼メーカー、特許事務所、法律事務所で勤務した後、2012年に行政書士ゆらこ事務所を設立し独立。メインは離婚業務。離婚を考える人に手続きの仕方やお金のことまで幅広いサポートを提供。法律・マネー系サイトでの執筆・監修業務も幅広く担当。

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家の名義を親から子に変更できる?

今住んでいる家を、ゆくゆくは子供に名義変更したいと考えている方も少なくないでしょう。家の名義を親から子に変更することは可能です。

まずは、親から子に名義変更する方法や手続きの注意点、費用について説明します。

親から子に名義変更する方法は3つ

親から子に家の名義を変更するためには、親から子へ所有権を移転する必要があります。家の所有権を移転する方法としては、次の3つが挙げられます。

親から子に家の名義変更をする方法

  1. 親から子へ生前贈与する
  2. 親から子へ売却する
  3. 親から子へ相続させる

上記のうち生前贈与及び売却については、親が生きている間に手続きをします。また三つ目の相続させる方法では、親が亡くなったタイミングで自動的に所有権が移転しますが、名義変更手続きが別途必要になります。

家の名義変更をするには登記申請が必要

家の所有者の名義変更をするには、法務局での所有権移転登記が必要です。不動産の所有者等の情報は、法務局に登記することにより一般に公開される仕組みになっています。

所有権移転登記をする際には、所有権が移転した原因(贈与、売買、相続等)によって必要書類や税金額などが変わってきます。

親から子へ家の名義変更をする場合には、税金もかかってしまうので、できるだけ節税になる方法を選ぶのがおすすめです。

名義変更する際にかかる税金

家の名義変更には、税金がかかります。法務局で家の名義変更(所有権移転登記)をする際には「登録免許税」という税金を納めなければなりません。登録免許税の額は、所有権移転の原因によって以下のように異なります。

所有権移転の原因 登録免許税
贈与 固定資産税評価額の2%
売買 固定資産税評価額の2%
※ただし、税率の軽減措置あり
相続 固定資産税評価額の0.4%

家の名義変更の登記手続きは複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に登記手続きを依頼した場合は、登録免許税のほかに司法書士に払う報酬が発生します。

名義変更方法①家を親から子に生前贈与

ここからは、家の名義変更をする3つの方法について、それぞれ手続きの流れや注意点を説明していきます。まず一つ目が、家を親から子に生前贈与する方法です。

家を親から子に生前贈与して名義変更する流れ

生前贈与とは、親が生きている間に子へ財産を譲ることです。親から子に家を生前贈与する手続きの流れは、以下の通りです。

①贈与契約書を作成

まず家を生前贈与することを明らかにするために、贈与契約書を作成します。贈与契約書には当事者として親と子の氏名、対象となる不動産、親子で贈与に合意していること、贈与の日付などを明記します。

②法務局で登記申請

次に登記申請書に必要書類を添付し、不動産の所在地を管轄する法務局に提出しましょう。登記申請書の書き方には厳格なルールがあり、間違っている箇所があると受け付けてもらえません。申請後に不備があった場合は法務局から連絡がくるため、書類の訂正をします。登記されている住所と現住所が違う場合などは、追加の書類が必要になる場合もあります。手続きに不安がある場合は、司法書士に依頼するのが安心です。

家を生前贈与をして名義変更する場合の必要書類

法務局で生前贈与を原因として家の名義変更をする場合の必要書類は、次の通りです。

生前贈与で名義変更する際の必要書類

  • 贈与契約書
  • 贈与者(親)の印鑑証明書
  • 受贈者(子)の住民票
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 固定資産税評価証明書(または課税明細の写し)

家を生前贈与する際の注意点

親から子へ家を生前贈与して名義変更する場合には、以下の内容に注意が必要です。

生前贈与を受けた子は贈与税の申告が必要になる

贈与を受けた子は翌年の2月1日から3月15日までの間に、税務署で贈与税の申告・納税を行う必要があります。贈与税の税率は、一般贈与財産と特例贈与財産とで異なります。親から成人している子への贈与は特例贈与財産となり、他人に贈与する場合に比べると税金が抑えられるでしょう。贈与財産額から基礎控除110万円を差し引きした金額を算出し、「基礎控除後の課税価格×税率ー控除額」の速算表に当てはめてみてください。贈与税額を導き出せます。

特例贈与財産の贈与税の速算表
基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円

親から子へ生前贈与する場合、相続時精算課税の利用も可能です。相続時精算課税を利用すれば、贈与時には2500万円+年110万円まで贈与税が非課税となります。贈与財産は、相続時に相続財産に加算して相続税の課税対象となりますが、贈与税の節税には役立ちます。

生前贈与を受けた子には不動産取得税がかかる

土地や建物を取得した場合は、子は不動産取得税を納めなければなりません。生前贈与を受けた場合には、不動産取得税の課税対象となります。不動産取得税の税率は固定資産税評価額の4%が原則です。土地及び居住用家屋は、特例により3%に軽減されます。

名義変更方法②家を親から子に売買

親から子へ家の名義を変更するとき、子供にお金を払ってもらう売買という形にする方法もあります。親子間で金銭のやりとりをするのは違和感を覚える人もいるでしょう。しかし、家を贈与すると贈与税の負担が大きくなるため、売買の方がメリットが大きい場合もあるのです。

家を親から子に売買して名義変更する流れ

家を親から子に売買する場合には、次のような流れで手続きしてください。

①売買契約書を作成

はじめに、以下の内容を明記した売買契約書を作成します。

売買契約書の内容

  • 当事者である親子の氏名や住所
  • 親子とも売買に合意していること
  • 対象となる不動産
  • 売買の日付
  • 売買代金

②売買代金の支払い

続いて、売買をする場合には売買代金の受け渡しが必要です。子から親に売買代金を払い、親は領収書を発行しておきます。

③法務局で登記申請

最後に、不動産の所在地を管轄する法務局で、売買を原因とする所有権移転登記を行って名義変更をします。

家を親から子に売買して名義変更する場合の必要書類

売買による名義変更の登記をする場合、必要書類は次の通りです。

売買で名義変更する際の必要書類

  • 売買契約書
  • 売主(親)の印鑑証明書
  • 買主(子)の住民票
  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 固定資産税評価証明書(または課税明細の写し)

家を親子間売買する際の注意点

家を親から子に売却する場合には、次のような点に注意しましょう。

売買金額が安過ぎるとみなし贈与になってしまう

親子間で家の売買をする場合、相場よりも金額を安めに設定することが多いです。しかし売買金額が安過ぎると、相場との差額を贈与とみなされ、贈与税が課税されてしまいます。たとえば、家の価格の相場が3000万円にも関わらず1000万円で売買した場合、差額の2000万円に贈与税がかかる場合があるため注意が必要です。

家を買った子には不動産取得税がかかる

売買により家を取得した場合には、不動産取得税の課税対象となります。家を買った子は不動産取得税を納める必要があることにも注意しておきましょう。なお不動産取得税は、家を取得した時点でのみかかる税金です。家を取得後は、毎年固定資産税を納める必要があります。

住宅ローンの審査が厳しい

家を購入する子は、住宅ローンを利用しなければ購入代金が払えないこともあるでしょう。しかし親子間売買では住宅ローンの審査が通りにくく、住宅ローンが利用できない場合も多くあります。

親子間売買の場合、融資したお金を別の目的に使われるのではないかと、金融機関が融資に慎重になるのです。家を親子間売買する場合、子が住宅ローンの審査に通らない場合があることも想定しておくとよいでしょう。

名義変更方法③親の死亡後に子が家を相続

親が生きている間に家を子の名義に変更しなかった場合、家は親の死亡時に子へ相続されます。ここでは、相続により名義変更する場合の手続きや費用について説明します。

家を相続で名義変更する流れ

相続発生時に家の名義を変更する場合の流れは次の通りです。

①遺産分割協議をする

親が亡くなった場合、もう一人の親(亡くなった親の配偶者)が生きていれば相続人になり、子供も全員相続人になります。子供のうちの一人が家を相続する場合、遺産分割協議で他の相続人の了承を得なければなりません。

②法務局で相続登記をする

家を相続する者が決まったら、法務局で相続を原因とする所有権移転登記(相続登記)を行います。

家を相続で名義変更する場合の必要書類

遺産分割協議を行った後、相続による名義変更の登記申請をする場合には、次の書類が必要です。

遺産分割協議による相続登記の必要書類

  • 被相続人(親)の住民票除票または戸籍の附票
  • 相続関係がわかる戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図の写し)
  • 家を相続する人(子)の住民票
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 固定資産税評価証明書(または課税明細の写し)

家を相続する際の注意点

親の死亡時に相続で家の名義変更をする場合には、次の点に気を付けましょう。

相続税の申告が必要な場合がある

家を含む相続財産が次の基礎控除額を超える場合には、相続人に相続税がかかります。

基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税がかかる場合には、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告・納税が必要です。なお相続により家を取得した際には、不動産取得税はかかりません。

相続人間でトラブルになる可能性がある

相続時まで家の名義変更をせずにいた場合、相続人全員が家を所有する権利を持つことになります。この場合、誰が家を相続するかでトラブルになる恐れもあるでしょう。特定の子に家を相続させたい場合には、遺言書を書いておくのがおすすめです。

相続では、遺言書があれば相続順位より優先されます。遺産分割協議も不要になり、迅速に手続きが進むでしょう。希望の相続を実現するために、遺言書をぜひ活用してください。

親から子に家の名義を変更する方法と注意点を理解しておきましょう

この記事のまとめ

  • 家を親から子に名義変更する方法は、生前贈与・売買・相続の3つ
  • 家を親から子に生前贈与する場合には、贈与税と不動産取得税がかかる
  • 家を親から子に売買する場合には、不動産取得税がかかる
  • 家を親子間売買する場合に、安過ぎるとみなし贈与とされるため注意が必要
  • 家を親から子に相続させる場合には、遺言書を作成しておくのがおすすめ

家を親から子に名義変更するには、生前贈与、売買、相続の3つの方法があります。それぞれの方法で手続きの仕方やかかる税金が異なりますので、節税できる方法を選んで手続きしましょう。

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