四十九日法要にふさわしい服装とは?身だしなみのマナーや持ち物を解説
葬儀では喪服を着用するのが一般的ですが、四十九日法要にふさわしい服装についてはよく知らないという方もいるでしょう。本記事では、四十九日法要の参列時に適した服装を男性・女性・子供別に解説します。身だしなみのマナーや必要な持ち物も紹介するため、四十九日法要に参加予定の方は参考にしてください。
【結論】四十九日法要では喪服の着用が望ましい
結論から言うと、四十九日法要では喪服の着用が望ましいです。まずは、四十九日法要における服装の一般的な考え方について説明します。
四十九日法要から三回忌法要までは喪服を着用する
四十九日法要から三回忌法要までは、喪服を着用するのが望ましいとされています。ご遺族から私服着用の案内などがあった場合を除き、特に服装の指定がない場合には喪服を着用して参列するのが一般的です。
喪服の着用は、故人を偲んで冥福を祈ることを意味しています。故人を偲ぶ気持ちや故人への感謝がしっかりご遺族に伝わるよう、喪服を着崩すことなく着用して四十九日法要をはじめとする法要に参列しましょう。
身内だけの四十九日法要でも喪服の着用が一般的
たとえ故人の身内だけで四十九日法要を行う場合であっても、服装は喪服を着用します。もし喪主が喪服を着用しないと判断した場合には、全員で服装を合わせられるよう「四十九日の法要は私服で参列してください」などと参列する身内全員に服装の詳細を知らせることが大切です。
四十九日に僧侶を招く場合には、参列者が身内だけであっても喪服がより望ましい服装とされています。もし、喪主が私服を望んだ場合、喪主は事前に「四十九日の服装は喪服ではなく私服を考えているのですがよろしいでしょうか」などと僧侶に相談してから判断しましょう。
喪服の種類
喪服には、大きく分けて正喪服・準喪服・略喪服の3種類があります。着用できる人が限定されている喪服もあるため、この機会に確認しておきましょう。
正喪服
正喪服は、3種類の喪服の中でも一番格式の高い服装です。誰でも着られるわけではなく、喪主や3親等までの遺族など法要の主催者側が三回忌法要まで着用できる服装となっています。正喪服には和装と洋装の2種類があるのも特徴の一つです。
男性の正喪服
- 和装の場合…黒羽二重の五つ紋が付いた羽織袴
- 洋装の場合…モーニングスーツ
女性の正喪服
- 和装の場合…黒無地に五つ紋が付いた着物
- 洋装の場合…ブラックフォーマル
しかし最近では、和装やモーニングを持っている人が少なくなってきていることや葬儀の簡略化が進んだこともあり、喪主や3親等までの遺族が必ずしも正喪服を着用しないといけないわけではなくなっています。最近では次に解説する準喪服を着用することも多くあります。
準喪服
準喪服は、一般的に多くの方が想像している喪服を指します。準喪服を着用できる人は限定されておらず、喪主や親族、参列者の全てが着用できる服装です。お通夜や葬儀のほか、四十九日といった全ての法要で着用できます。
準喪服
- 男性の準喪服…礼服のブラックスーツ
- 女性の準喪服…礼服のブラックフォーマル
一般的な喪服のため、これから喪服を用意するという方は準喪服を用意しておきましょう。
略喪服(平服)
略喪服は、準喪服よりも格下の略式の喪服です。正式な喪服ではなく、七回忌や十三回忌などの法要などで着用してもマナー違反にならない、地味で落ち着いた色合いの服装を指します。
略喪服
- 男性の略喪服…黒やダークグレー、紺などのダークカラーのカジュアルではないスーツ
- 女性の略喪服…ダークカラーのカジュアルではないワンピースやアンサンブルなど
略喪服はどの法要でも着用が可能なわけではなく、喪主から「平服でお越しください」と案内があった場合にのみ着用できる服装です。家族だけで三回忌法要を行う場合や、七回忌以降の法要の場合に着ることが多いでしょう。
四十九日法要の服装・身だしなみ|男性
ここからは、四十九日法要における男性の服装・身だしなみについて解説します。喪服の詳細が知りたい方は、ぜひ確認しておきましょう。
服装
四十九日法要に参列する場合、特に服装の指定がない場合には準喪服を着用します。男性の場合は礼服のブラックスーツに白無地のワイシャツを着用し、ネクタイは黒無地のものを選びましょう。どのアイテムも光沢のない生地を選ぶことが大切です。スーツの上着はシングル・ダブルどちらでも構いませんが、パンツは裾がシングルのものを着用します。
また、靴下は黒無地、ベルトは黒無地で金具が目立たないものを着用します。ベルトは皮製品を選んでも構いませんが、明らかに動物の殺生を連想させるヘビ革やワニ革などは避けるのが一般的です。また、ネクタイピンやカフスボタンなどは身に着けないよう注意しましょう。
靴
靴は黒無地でストレートチップタイプ(つま先に横一文字型の切り替えがある)の内羽根式の紐靴が最も適しています。つま先にデザインのないプレーントゥの紐靴でも問題ありません。ベルトと同様、合皮製ではなく動物の皮製品を選んでもマナー違反ではありませんが、明らかに動物の皮だと分かるようなヘビ革やワニ革などの靴は着用しないよう注意してください。靴紐の結び方は、蝶結びだと何度も結び直せることから、縁起が悪いとされており、しっかりと引き締めることができるシングルで結ぶ方がマナーといわれています。
髪型
最低限の身だしなみとして、髪型はお辞儀をしたときに乱れないよう、整髪剤で軽く整えます。あまりたくさんの整髪剤を使ってしまうと光沢が出てしまうため、使う量には十分注意が必要です。
髪の長い男性は、耳より下の位置で一つにまとめて参列します。シンプルなデザインの黒いヘアゴムを使って結びましょう。
鞄・持ち物
男性の場合、鞄は必ずしも必要なアイテムではありません。ポケットなどにしまえるのであれば、鞄を持たずに参列することも可能です。
鞄が必要な場合には、黒のシンプルなデザインの鞄を用意しましょう。光沢があるものや金具が目立つもの、明らかに動物の皮だと分かるものは持って行かないよう注意が必要です。
四十九日法要で必要な持ち物は、香典と袱紗です。そのほか数珠やスマートフォン、財布、腕時計、地味な色のハンカチ、天気が悪い日には傘なども用意しましょう。
四十九日法要においては、腕時計は装飾品とされるため、身に着けずに鞄やポケットに入れておくのが一般的です。法要中にどうしても時間を確認する必要がある場合にのみ腕に着けます。
四十九日法要の服装・身だしなみ|女性
ここからは、四十九日法要における女性の服装・身だしなみについて解説します。女性の場合は服装に注意点が多いため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
服装
四十九日法要における女性の服装は、準喪服が一般的です。黒無地でシンプルなデザインのワンピースやアンサンブルを着用します。ビジューが付いているものや光沢のある服装は適していないため、避けましょう。
ワンピースやスカートは、膝が隠れる丈のものを用意してください。肌の露出を控えるのもマナーとされているため、ストッキングは肌がうっすらと透ける30デニール以下の薄手の黒いものが望ましいとされています。
靴
靴は、光沢がなくシンプルなデザインのパンプスを着用します。布素材でも革素材でも構いませんが、明らかに動物の皮だと分かるワニ革やヘビ革などは避けましょう。また、ヒールが高すぎるものやウェッジヒールやピンヒール、先端がとがっている靴も避けるのが一般的です。
髪型
髪の長い方はお辞儀などで髪が乱れないように、黒いヘアゴムやヘアクリップなどを使って耳から下の位置で一つにまとめます。まとめられない長さの場合は、ヘアピンなどで留めましょう。ビジューが付いているものや、金具が目立つような髪留めは使わないよう注意が必要です。
化粧
葬儀や四十九日法要などの弔事に参列する場合、女性は片化粧と呼ばれる必要最低限の薄化粧を施します。色味やラメ、光沢のあるものは使わず、ファンデーションやアイブロウ、リップのみを使用するのが一般的な片化粧です。
なお、ノーメイクで参列するのもマナー違反です。ノーメイクはフォーマルな場には相応しくなく、手を抜いた印象になってしまうためです。故人やご遺族に失礼がないよう、片化粧を施して参列しましょう。
アクセサリーなどの装飾品
葬儀や四十九日法要などの弔事では、アクセサリーは結婚指輪以外身に着けないのが一般的です。洋装の場合にどうしても何か身に着けたいときには、パールの一連ネックレスを着用します。
二連のネックレスは不幸が重なることを連想させるため、ふさわしくありません。また、一粒パールのネックレスもチェーンの金具が目立ってしまうため、着用を避けます。パールの色は白、黒、グレーから選びましょう。
ネイルは取り除いて参列するのがマナーです。ただし、ジェルネイルなど自分で取り除けない場合については、黒の手袋を着用し手元を隠して四十九日法要に参列するという方法もあります。
鞄・持ち物
鞄は黒無地でシンプルなデザインのハンドバッグを持参します。布製が望ましいですが、革製品を選んでも構いません。ただし、明らかに動物の皮と分かる素材は避けましょう。
四十九日法要に必ず必要な持ち物は香典と袱紗です。そのほか、数珠やスマートフォン、財布、地味な色のハンカチ、腕時計、予備のストッキング、天気に応じて雨傘や日傘などを用意しましょう。全ての持ち物が鞄に入りきらない場合には、サブバッグに入れて持ち運ぶことをおすすめします。
四十九日法要の服装・身だしなみ|子供
四十九日法要における子供の服装・身だしなみは、子供が学生であるか否かによって変わります。子供であっても、法要にふさわしい服装を用意するようにしましょう。
乳幼児の場合
乳幼児が四十九日法要に参列する場合、黒や白、そのほかダークカラーのシンプルなデザインの服装を着用します。派手な色合いや柄物、キャラクターデザインの服装は避けるようにしましょう。
学生・園児の場合
制服がある学校や幼稚園の場合、学生・園児は制服が礼服となります。そのため、四十九日法要に参列する場合も制服を着用しましょう。制服であれば赤いリボンやネクタイを身に着けて参列しても構いませんが、気になる場合には外して参列することも可能です。
制服がない場合は、白いポロシャツやワイシャツに黒や紺などのブレザー、ズボンまたはスカートを着用しましょう。
靴下は黒・紺・白のもの、靴も黒・紺・白のローファーかスニーカーを履きましょう。
四十九日法要の服装で注意すべき点
四十九日法要を行う季節によっては、シャツやジャケットなどの素材に気を使ったり、コートやマフラーといったアイテムが必要になったりするでしょう。ここからは、四十九日法要の服装の注意点を紹介します。
外に出るため体温調節が可能なものを用意する
四十九日法要では、屋内で読経などを行うだけでなく外に出て納骨式やお墓参りをすることが多くあります。夏はUVカットの羽織や通気性のよいシャツ、冬は厚手の上着を着たり、スーツの下にベストを着用したりするなど、体温調節を可能にしておくと便利です。
夏はできるだけ肌を露出しないようにする
四十九日法要が夏場の暑い時期に行われる場合、できるだけ涼しい服装で参列したいところですが、肌の露出は避けるのがマナーです。
男性の場合、夏であってもスーツのジャケットと長袖のシャツは必ず着用します。ただし、シャツに関してのみ、ジャケットを絶対に脱がないという前提で半袖シャツが許されることもあるため検討してもよいでしょう。
女性の場合、夏であってもノースリーブのワンピースや丈の短いスカート、素足などといった露出のある服装は避けなければなりません。半袖のワンピースを着用しても構いませんが、ジャケットを羽織って参列しましょう。
冬はコートやマフラーの素材やデザインにも注意する
冬であれば、四十九日法要の式場までの行き帰りにコートやマフラーを使用することもあるでしょう。コートやマフラーを着用する場合は、法要に適した素材やデザインを選ぶことが大切です。
具体的には、光沢のある素材や派手な色・柄のコートやマフラーなどは四十九日法要では着用を避けます。失礼のないように、ダークカラーでシンプルなデザインのコートやマフラーを用意しておきましょう。
四十九日法要の服装でよくある質問
最後に、四十九日法要の服装でよくある質問について解説します。服装で気になることがある方は、目を通してください。
家族だけの場合は私服で参列してもよい?
四十九日法要を家族だけで行う場合であっても、私服ではなく一般的には喪服を着用します。
しかし、完全に家族だけで行う場合や僧侶を招かず故人の家族で手を合わせるだけにする場合などは、略喪服ではなく一般的な「私服」を着用して参列しても特に問題はないでしょう。
ただし、服装は参列する家族全員に事前に連絡し、服装の指定について知らなかった人がいないように注意することが大切です。
女性はパンツスーツはマナー違反になる?
女性のパンツスーツは、明らかなマナー違反ではありません。しかし、ワンピースやアンサンブルなどといったスカートスタイルの方が格式は高く、法要の服装に適しているとされていることは覚えておきましょう。
足元が不安定でスカートだと歩きにくいと感じる場合や、自身が参列者側の場合などはパンツスーツの着用を考えてもよいでしょう。
四十九日法要では喪服を着用し、身だしなみや持ち物についても注意しましょう
この記事のまとめ
- 四十九日法要から三回忌法要までは喪服を着用するのが一般的
- 喪服には正喪服・準喪服・略喪服(平服)の3種類ある
- 男性と女性は、四十九日法要では準喪服を着用する
- 子供が四十九日法要に参列する場合でも、法要にふさわしい服装を着用する
- 四十九日法要の服装では、体温調節が可能なものを用意すると便利
- 四十九日法要でコートやマフラーを使用する場合、素材やデザインに注意する
- 家族だけで四十九日法要を行う場合は、私服を着用しても問題ないが注意が必要
四十九日法要は、納骨式やお墓参りなどをすることも多い大切な法要です。服装は喪服を着用し、デザインや露出などにも注意する必要があります。服装だけでなく身だしなみや持ち物についても失礼のないよう、事前に確認しておきましょう。