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葬儀を知る

音楽葬とは?葬儀の流れや注意点、選曲方法を押さえて故人を偲ぼう

音楽葬とは?葬儀の流れや注意点、選曲方法を押さえて故人を偲ぼう

音楽葬は、葬儀の形態の一つです。故人とのお別れを特別なものにするため、音楽葬を執り行いたいと思っている方もいるでしょう。今回は音楽葬の流れや選曲方法、知っておきたい注意点をご紹介します。音楽葬の実施を検討している方や音楽葬に参列予定の方は、ぜひ参考にしてください。

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音楽葬とは

まずは、音楽葬の特徴や費用について解説します。

音楽葬の特徴

音楽葬とは、葬儀の中で故人とゆかりのある音楽を奏でながら故人を偲ぶ葬儀形態です。読経などの代わりに音楽を流す無宗教の自由葬のほか、仏式の葬儀に音楽を取り入れる場合もあります。

音楽葬には決まった形式はありません。CDなどで音楽を流す場合もあれば、葬儀会場に演奏家を招いて生演奏する場合もあります。曲や演奏方法は自由に決められるため、故人や遺族の意向に沿った葬儀を実現できます。

音楽葬の費用

音楽葬の費用は、形式の違いにより20~200万円と幅があります。CD音源で音楽を流す場合は費用を抑えられますが、プロの演奏家に生演奏を依頼する場合は高額になります。演奏家の人数によっても料金は変わってくるため、予算に応じた形式を選択することが大切です。

音楽葬における主な費用内訳は、葬儀一式費用、音楽使用料、飲食接待費です。葬儀一式費用の中には、会場使用料や人件費、安置料などの一般的な葬儀と同様の費用が含まれます。

音楽葬のメリット・デメリット

自由な形式で進められる音楽葬には、メリットとデメリットがあります。音楽葬を検討している方は、あらかじめ確認しておきましょう。

音楽葬のメリット

音楽葬のメリットは、自由な形式でオリジナリティ溢れる葬儀を実施できることです。一般的な葬儀では式の流れがある程度決まっていますが、音楽葬は故人や遺族の意向に合わせて式の流れを自由に構成することができます。

また、音楽と葬儀を結びつけることで、遺族や参列者の記憶に残りやすくなるメリットもあります。葬儀後に音楽葬で流れた曲を耳にした際、故人のことを思い出すきっかけになるでしょう。

音楽葬のデメリット

音楽葬はまだ馴染みが薄いため、周囲から理解が得られない場合があります。とくに年配の方は、音楽を流す葬儀の形式に戸惑いがちです。親族から反対された場合は、故人が音楽葬を希望していたことなどを伝えると、理解を得やすくなります。

また、葬儀会場によっては音楽を流せない場合もあります。全ての葬儀会場で音楽葬ができるわけではないことも、覚えておきましょう。

音楽葬の流れ

ここからは、音楽葬の流れを順を追って紹介します。

なお、以下は無宗教で実施する場合の流れです。仏式の葬儀で音楽を流す場合は、番外編を確認してください。

①開式

一般的な葬儀と同様に、司会者が開式の挨拶を行います。音楽は開式前から流れている場合もあります。

②故人の紹介

故人の略歴紹介が行われます。写真やスライドショーに合わせて、故人の生涯や功績が紹介されます。

③弔辞と弔電の紹介

参列者からの弔辞の読み上げや、届いた弔電の紹介があります。

④献花

遺族や参列者による献花が行われます。献花のタイミングで、故人にゆかりのある曲を流す場合が多いです。プロの演奏家が生演奏をするのも、献花のタイミングが一般的です。

⑤喪主挨拶

参列者への感謝の気持ちを伝えるため、喪主の挨拶があります。

⑥閉式

司会者より閉式の挨拶があります。告別式はここで終了です。

⑦出棺

故人との最後のお別れをしてから出棺をします。出棺のタイミングで音楽を流すこともあります。

【番外編】仏式に音楽葬を取り入れる場合の流れ

仏式の葬儀に音楽葬を取り入れる場合は読経や焼香などを挟むため、無宗教での方法とは少し異なります。読経や焼香といった宗教的な儀式以外のタイミングで音楽を流しましょう。

仏式での一般的な流れは、以下の通りです。

仏式に音楽葬を取り入れる場合の流れ

  1. 開式
  2. 読経
  3. 焼香
  4. 弔辞・弔電紹介(献奏)
  5. 閉式
  6. 出棺

上記はあくまで一例のため、宗派や地域によって流れが変わる場合もあります。

音楽葬の選曲方法3つ

音楽葬で流す曲は自由に決められますが、どのような基準で選べばよいでしょうか。ここからは、音楽葬にふさわしい選曲方法を3つご紹介します。

故人が好きだった曲から選ぶ

音楽葬では、故人が好きだった曲を選ばれる方が多いです。好きだった曲に包まれながらお見送りをすることは、安らかな供養につながります。故人がよく聞いていた曲であればご家族にとっても思い入れが深いため、記憶に残る葬儀になるでしょう。

あらかじめ音楽葬を希望されていた方であれば、事前に「この曲を流してほしい」とリクエストされる可能性もあります。リクエストがあった場合は、故人の意思を尊重して希望通りの曲を流すように準備をしましょう。リクエストがなかった場合は、カラオケでよく歌っていた曲などから選ぶ方法もあります。

故人のイメージに近い曲から選ぶ

曲の希望がなかった場合は、故人のイメージに近い曲から選びましょう。落ち着いた雰囲気の方であればクラシックやバラード、パワフルな方であればアップテンポの明るい曲を選ぶのも一つの方法です。

また、歌詞の意味が故人の性格や信念に適した曲を選ぶといった場合もあります。故人のイメージに近い曲を家族で話し合って決める時間も、故人を偲ぶことにつながります。

音楽葬でよく選ばれている曲から選ぶ

故人からのリクエストもなく、イメージに近い曲も見つからなかった場合は、音楽葬でよく選ばれている曲から選んでもよいでしょう。

音楽葬で流す曲としてよく選ばれているのは、以下の通りです。

クラシック

  • パッヘルベル「カノン」
  • バッハ「G線上のアリア」
  • シューベルト「アヴェ・マリア」
  • ショパン「別れの曲」
  • ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
  • モーツァルト「レクイエム」

邦楽

  • 秋川雅史「千の風になって」
  • 美空ひばり「川の流れのように」
  • 中島みゆき「時代」
  • クレープ「精霊流し」
  • 山口百恵「いい日旅立ち」
  • 坂本九「見上げてごらん夜の星を」

洋楽

  • ジョン・ニュートン「アメイジング・グレイス」
  • セリーヌ・ディオン「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」
  • クイーン「ボヘミアン・ラプソディー」
  • ビートルズ「レット・イット・ビー」
  • カーペンターズ「イエスタデイ・ワンス・モア」
  • エリック・クラプトン「ティアーズ・イン・ヘヴン」

生演奏で音楽葬を行いたい場合の依頼方法

ここからは、音楽葬で生演奏をしてもらいたい時の主な依頼方法を4つご紹介します。

葬儀社に演奏家を手配してもらう

音楽葬に対応している葬儀社を利用する場合は、葬儀社経由で演奏家を手配してもらうのが便利です。葬儀社によっては、音楽葬のためにピアノやフルート、バイオリン、チェロなどの演奏家と提携しているところもあります。

葬儀社経由であれば、希望する演奏形態や料金を伝えるだけで適切な演奏家を手配できますので、遺族が演奏家を探す手間を省くことができます。

遺族が演奏家派遣サービスに依頼をする

近年では、音楽葬での生演奏に対応している演奏家の派遣サービスがあります。葬儀社経由で演奏家を手配できない場合は、演奏家派遣サービスに依頼しましょう。

自分で申込みをする手間はかかりますが、楽器や演奏形態などを自由に選択できるといったメリットがあります。申込みをする際は、料金や対応地域を確認しながら適した派遣サービスを選びましょう。

親族や知人に演奏を依頼する

親族や知人に楽器の弾ける方がいれば、その方に依頼する方法もあります。故人とも面識のある方に依頼することで、よりアットホームな葬儀になります。

ただし、依頼された親族や知人は演奏している最中は献花や焼香などに参加できません。そのため、演奏している方も儀式に参加できるような構成にするのが望ましいです。

音楽葬を行なう場合の注意点

音楽葬を行う場合、いくつかの注意点があります。後々トラブルに発展しないためにも、きちんと確認しておきましょう。

無断で流すと著作権侵害に当たる可能性がある

音楽葬で特に注意したいのは、著作権の問題です。行事などで楽曲を流す場合は、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に使用料を払わねばなりません。葬儀で流す際も、無断で流すと著作権侵害に当たる可能性があります。

ただし、全ての楽曲に著作権者の許諾が必要というわけではなく、許諾が不要なものも存在します。

著作権者の許諾が必要な場合

CDやインターネット配信の楽曲を流す場合は、著作権者の許諾が必要です。事前にJASRACに申請し許諾を得るようにしましょう。

また、生演奏の場合でも著作権者の許諾は必要です。演奏家を手配してもらう葬儀社や派遣サービスに、著作権者の許諾を得ているか確認しておきましょう。

著作権者の許諾が不要な場合

著作権者の許諾が不要な場合として、著作者が死後70年以上経ったものが挙げられます。クラシックは70年以上経っている曲が多いため、利用申請は必要ありません。

また、自宅での葬儀で音楽を流す場合は個人利用とみなされるため、利用申請は原則不要とされています。自己判断が難しい場合は、JASRACに確認を取るとよいでしょう。

音楽葬に対応していない式場もある

音楽葬はどの式場でも実施できるものではありません。中には、音楽を流すこと自体が禁止されている式場もあります。

また、読経なしの音楽葬で葬儀を行った場合、宗派によっては納骨を拒否されてしまう可能性も否めません。音楽葬を希望する際には、あらかじめ菩提寺に確認しておくのがおすすめです。

生演奏の場合は楽器が搬入できるか確認する

葬儀で生演奏を行う場合は、会場に楽器が搬入できるか確認しておきましょう。たとえば、音楽葬でピアノを使いたい場合は、ピアノを設置するスペースの有無を確認する必要があります。また、搬入までの導線も十分な広さがあるか調べておくと安心です。

葬儀にふさわしくない曲は避ける

音楽葬で流す曲は自由ですが、葬儀にふさわしくない曲は避けましょう。歌詞の意味が過激な曲は、葬儀には不向きです。

もしアップテンポな曲を選ぶ場合は、オルゴールなど落ち着きのあるアレンジにされた曲を選ぶとよいでしょう。

服装や香典のマナーは一般的な葬儀と同じ

音楽葬に参列する際のマナーは、一般的な葬儀と同様です。服装は喪服で参列し、香典も用意します。無宗教の音楽葬では、香典の表書きは「御霊前」や「御供料」と記載しましょう。

また、無宗教で行われる音楽葬では、宗教・宗派ならではの意味を持つ言葉を避けるのが無難です。たとえば、成仏、供養、往生、冥福などの仏教用語は使わないようにしましょう。ただし、仏式に音楽を取り入れる場合は仏教用語を使用しても構いません。

音楽葬で思い出に残る葬儀を執り行いましょう

まとめ

  • 音楽葬とは、葬儀中に故人とゆかりのある曲を流す葬儀形態
  • 音楽葬の費用は20~200万円で、生演奏を入れるかなど形式によって金額に差がある
  • 音楽葬は献花のタイミングで流すことが多い
  • 音楽葬で使用する曲は、①故人の好きだった曲②故人のイメージに近い曲③音楽葬でよく選ばれている曲から選ぶのが一般的
  • 生演奏をしてもらいたい場合の依頼先には①葬儀社②派遣サービス③親族や知人がある
  • 音楽葬で楽曲を流すには著作権者の許諾が必要な場合もある

故人にゆかりのある曲を流す音楽葬は、遺族・参列者の記憶に残りやすい葬儀の形態です。実施するためには親族の理解のほか、葬儀会場や菩提寺からも許可をもらう必要があります。

故人が生前に音楽葬を希望されている場合は、どのような音楽葬にしたいのか事前に話し合っておき、会場や菩提寺にもあらかじめ確認しておきましょう。

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