葬儀で贈る花輪とは?手配の方法、供花などの似ている言葉との違いも解説
葬儀で贈る花輪とは、どのようなものかご存知ですか?本記事では、葬儀で贈る花輪の手配方法や他の花との違い、贈る際のマナーまで詳しく解説します。
葬儀で贈る花輪とは?
まずは、花輪の意味や歴史について解説します。
花輪とは
花輪とは、生花や造花で作られた円状の花飾りのことです。脚の付いた台座の上に生けられており、花輪の下には贈る人の名前が書かれたプレートが取り付けてあります。
葬儀では、故人の親戚や友人、会社などから贈られることが一般的です。また、花輪は葬儀のような弔事の場面だけでなく、開業や開店といった慶事にも利用されています。
花輪を葬儀で贈るようになった理由
花輪を葬儀で贈るようになったのは、古代ギリシャ時代の慣習に由来すると言われています。地中海に多く生息する月桂樹は魔よけの効果があるとされており、古代ギリシャでは病人のいる家に月桂樹が飾られていました。
やがて月桂樹以外の花も添えられるようになり、輪の形に作られるようになったとされています。
現在、葬儀で贈る花輪には、故人の魂を慰め冥福を祈り、ご遺族の悲しみを癒やすという意味が込められています。
葬儀で贈る花輪以外の花との違い
葬儀には、花輪以外にも「供花」「枕花」「献花」などの花にまつわる言葉が複数あります。どれも似た言葉ですが、それぞれ用途が異なるため、花輪との違いをみていきましょう。
供花(くげ・きょうか)
供花とは、通夜や葬儀・告別式の会場、自宅に設置する後飾りなどに供える生花のことです。故人の冥福を祈り、ご遺族の悲しみを癒すという意味や、祭壇を飾るといった意味があります。
花輪も供花の一つですが、花輪は外に飾るもの、供花は会場内に飾る生花を指すことが多いです。
故人との関係性が深い親戚や友人、会社の同僚などから贈られます。
枕花(まくらばな)
枕花とは、故人の枕元に飾る花のことです。故人やご遺族と縁の深い方が贈ります。お通夜が始まる前から飾られるため、訃報を受けたらすぐに手配します。
花輪と違い枕花は故人の自宅へ届けるのが一般的でしたが、近年では葬儀社等の安置所にご遺体を安置することが多いため、葬儀会場に贈られることが増えてきました。
また、枕花はご遺体とともに移動し、葬儀が終了するまで使われるため、持ち運びしやすい小さめのフラワーアレンジメントにすることが一般的です。
献花(けんか)
献花とは、主にキリスト教の葬儀や告別式で行われる儀式で、故人に花を捧げる行為のことです。献花用に用意された花をひとり1本ずつ持ち、仏式の線香代わりに献花台に供えます。
お悔やみを伝える役割のある供花とは異なり、献花は別れの気持ちを伝えるという役割があります。また、供花は通夜や葬儀の参列者から贈られるものですが、献花はご遺族が用意するものになります。
葬儀に贈る花輪の手配方法
ここからは、葬儀に贈る花輪の手配方法について解説します。予算やこだわりなどと照らし合わせながらどの方法がよいか検討してみてください。
花輪のレンタル業者に依頼する
近年、葬儀の花輪はレンタル業者から借りることが一般的です。自分でレンタル業者を見つける以外に、葬儀社から業者を紹介してもらう方法もあります。業者によって花輪のデザインや大きさが異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
レンタル業者の費用相場
花輪をレンタルする場合の費用は、花の種類やデザイン、サイズや形によっても値段が異なります。地域ごとに価格差があり、その地域で利用されている大きさや形に合わせる必要がありますが、一般的には1~2万円が相場です。
花輪の値段は、高ければよいわけではありません。花輪を受け取ったご遺族は花輪の金額に合ったお礼を用意するため、値段が高いとそれだけご遺族に負担をかけてしまいます。そのため、地域の相場に合った価格帯の花輪を選ぶようにしてください。
また、会社の代表と同僚一同などで別々に贈る場合は、上役よりも豪華な花輪にならないように配慮が必要です。
葬儀社に手配してもらう
花輪を贈る際は、葬儀を執り行う葬儀社に依頼することも多いです。花輪は地域や宗教によって特色があるため、デザインやサイズ感が異なることがありますが、葬儀社に依頼すれば適切なものを選定してもらえます。
花輪を飾る場所がないホールもあるため、葬儀社に花輪の相談をすることで、手配する前に飾れるかどうかの確認も併せてできます。
花屋で手配する
葬儀の花輪は、花屋に依頼して手配する方法もあります。その際、葬儀社には必ず事前の連絡をしましょう。花輪が飾れるホールであるか、葬儀スタイルに沿っているかなどを確認してから、手配しなければならないためです。
また、葬儀社によっては特定の花屋と提携している場合もあります。その場合は、葬儀社に依頼したほうが値段は安くなる可能性もあるので、どちらの価格も調べておくと安心です。
ただし、花屋で花輪を手配する場合は、生花がほとんどのため、レンタルよりも価格は高くなる傾向にあります。花の種類や季節によって値段が変動する点にも注意しましょう。
インターネットで手配する
葬儀の花輪は、インターネットで手配することも増えてきています。時間帯関係なく手配できるので、仕事などで日中に時間がとれない方にもおすすめです。
また、取り扱っている花輪の価格帯が幅広く、なかには5万円を超えるものもあり、さまざまな葬儀スタイルに対応できるようになっています。
しかし、インターネットで花輪を手配した場合、葬儀が執り行われる地域の葬儀社へ委託されることが一般的なため、お通夜や葬儀・告別式が執り行われる地域に対応している葬儀社がない場合は、インターネットでの花輪が注文できない可能性があります。
葬儀に花輪を贈る際のマナー
最後に、葬儀に花輪を贈る際のマナーについて解説します。宗教や地域の慣習によってもマナーは異なりますが、一般的な例を挙げますので参考にしてみてください。
贈る前に葬儀社に確認する
贈る花輪によっては会場への運搬が困難であったり、そもそも会場が花輪を受け付けていない場合もあります。花輪を贈る前に、必ず葬儀社に確認をとりましょう。
また、花輪は地域の慣習や宗教によって花の種類やデザイン、大きさや形が異なります。場合によっては葬儀社のスタッフが家庭の事情や葬儀スタイルなどに合った花輪の選び方を教えてくれるため、執り行われる葬儀に適切な花輪を贈ることができます。
前日までに届くように手配する
花輪は、式の前日までに届くように手配しましょう。お通夜や葬儀・告別式の当日は参列者への対応があり、葬儀社のスタッフも慌ただしくしています。花輪の飾り付けに時間がかかる可能性もあるので、前日までに届くように配達までの日数をあらかじめ確認しておきましょう。
芳名名札を付ける
葬儀の花輪には、芳名名札を付け、芳名名札には贈り主の名前を記載します。個人で贈る場合はフルネームを、複数人で贈る場合は連名や「〇〇一同」などと記載します。
以下が主な芳名名札の書き方です。
芳名名札の書き方
- 個人:フルネーム
- 夫婦:2人の連名
- 3人以上:「〇〇一同」
- 親族:子供一同、兄弟一同、親族一同
- 会社関係:法人名、代表者の肩書きと氏名、社員一同
- 会社関係・連名:立場が上の方を右から順に書く
- 4人以上の連名:上段と下段に分ける、立場が上の方から順に、右上・左上・右下・左下
兄弟姉妹から贈る場合に、姉妹のみや、姉と弟といった場合でも、「兄弟一同」と記載します。
また、一つの名札に3~4人までが一般的であるため、それを超える場合は個人名を記載しない、または花輪を二基にするとよいでしょう。ただし、兄弟が独身の場合はご喪家の一員に含まれることもあり、兄弟一同に加えなくても問題ありません。
子供の場合も兄弟姉妹の芳名と同様に、ふたり以上の場合は「子供一同」と記載します。独身の場合は、ご喪家に含まれることがあるため、必ずしも出さなければならないものではありません。そのため、喪主や子供同士で話し合って決める必要があります。
「親戚一同」とする場合、どこまで親戚に含めるのかは、地域やそれぞれの家庭によって異なります。大きさや数によっても費用が変わってくるので、葬儀社と相談して決めるのがよいでしょう。
ご遺族が辞退している場合は意向に従う
葬儀の形式によっては、ご遺族が供花を辞退している場合もあります。花輪は供花に含まれるため、ご意向に従うようにしてください。
花輪は葬儀へ参列できない方が贈ることもありますが、近年は家族葬が増えており、招待した方以外からの香典や供花を受け取らないこともあります。参列できずに花輪のみを贈ろうと考えている場合、事前に葬儀社に確認しておくとよいでしょう。
葬儀の際は地域や宗教に合った花輪を贈りましょう
この記事のまとめ
- 花輪とは、生花や造花で作られた円状の花飾りのことで葬儀会場の外に飾るもの
- 花輪の手配方法は主に①レンタル業者②葬儀社③花屋④インターネットの四つ
- 花輪の下に芳名名札を付ける
- 花輪を手配する際は葬儀社に事前に確認が必要
- ご遺族が供花を辞退している場合は意向に従う
葬儀の花輪は、地域や宗教によって花の種類やデザインが異なるため注意が必要です。花輪の手配は、レンタル業者を利用したり、葬儀社や花屋に依頼したりとさまざまな方法があります。事前に葬儀社へ確認をとり、執り行われる葬儀に適した花輪を贈るようにしましょう。