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葬儀での志とはどんな意味?香典返しでのし紙に書かれる理由や表書きの書き方を徹底解説!

葬儀での志とはどんな意味?香典返しでのし紙に書かれる理由や表書きの書き方を徹底解説!

葬儀の香典返しで使われる「志」とは、どのような意味かご存知でしょうか。本記事では「志」の意味に加え、のし紙の表書きの書き方やのし紙の選び方、香典返しの渡し方などについても解説します。香典返しのマナーについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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葬儀における「志」とは

そもそも葬儀で使われる「志」(こころざし)とはどんな意味なのでしょうか。弔事用のし紙に「志」が使われるようになった理由とともにみていきましょう。

葬儀における「志」の意味

一般的に「志」という言葉は「心に決めたこと」や「目標」を意味しますが、葬儀では「心ばかりのお返し」という意味になり、弔事用のし紙の表書きに使われます。

香典返しののし紙に「志」を使う理由

葬儀や法事ののし紙の表書きに「志」が使われるようになった背景は明らかになっていません。しかし、「志」という言葉には「ああしよう、こうしようと考える心の動き」や「気持ち」という意味が含まれているため、転じて感謝の気持ちを示す言葉として使われるようになったと考えられています。

なお、本来「のし紙」は慶事で使用するものを意味し、葬儀や法事で使うものは「かけ紙」として区別されてきましたが、昨今は両者を広義の意味で「のし紙」と呼ぶことが増えてきたため、本記事でも「のし紙」と記載しています。

のし紙に「志」を使う表書きの書き方

Photo by stock.adobe.com

葬儀や法事で香典返しを用意する場合、弔事用のし紙を掛けて表書きを書くことが一般的です。表書きとは、贈り物の目的を示すためにのし紙の上部に記載される文字のことです。日本では元来贈り物に目録をつける慣習があり、簡略化されたものが「表書き」だといわれています。

葬儀の香典返しでは、表書きに「志」が使われることが多いため、書き方に関するマナーを事前に把握しておきましょう。

「志」の書き方

弔事用のし紙は中央の水引を境目に上部の「のし上」と下部の「のし下」に分かれており、「志」の文字はのし上に記載します。書き方のポイントは、文字の位置を水引の結び目の真上にすることです。筆ペンを使って丁寧に書きましょう。

名前の書き方

名前を記載するのは弔事用のし紙ののし下で、水引の結び目の真下に書くのが一般的です。書き方は「山田家」のように「姓+家」で記すか、喪主の氏名を書きます。

表書きの文字の色

葬儀の香典返しの表書きは、四十九日までであれば「薄墨」で書きましょう。「薄墨」とは薄い墨で書くことで、薄い文字にすることで「控えめ」「偲ぶ」といった意味を表します。

ただし、法事のお返しの表書きは四十九日関係なく濃い墨で書く地域もありますので、事前に地域の慣習を確認しておくとよいでしょう。

香典返しで使うのし紙・包装紙の選び方

葬儀の香典返しにおいて、適切なのし紙や包装紙を選ぶことは礼を尽くすことにもつながります。香典返しを用意する前に、選び方のポイントを知っておきましょう。

渡し方によって「内のし」か「外のし」か選ぶ

葬儀の香典返しにのし紙を掛ける際、包装紙の外側と内側どちらに掛けるかを選ぶことになります。厳密なルールはありませんが、香典返しの渡し方によって適切な掛け方が変わりますので、「内のし」と「外のし」それぞれの目的や渡し方について紹介します。

内のしとは

内のしとは、包装紙の内側にのし紙をかける方法です。控えめな印象を与えるため、葬儀での一般的なのし紙の掛け方として知られています。また、のし紙が汚れたり破れたりすることも防げるため、香典返しを郵送する際にも適した方法です。

外のしとは

外のしとは、包装紙の外側にのし紙を掛ける方法です。ひと目で葬儀用だと分かるため、目的をはっきりと伝えたいときに選ばれます。また、地域によって法事では外のしと決まっている場合もありますので、香典返しを用意する前に確認しておきましょう。

のし飾りがないのし紙を選ぶ

のし飾りとはのし紙の右上にあるひし形の飾りのことで、慶事ではのし飾りが付いたのし紙、葬儀ではのし飾りが付いていないのし紙を選びます。のし飾りは干しアワビをお祝いの贈り物に添えていた慣習が由来であるため、葬儀やお見舞いの場面で使うのは適切ではありません。

地域や宗教様式に合わせて水引のデザインを選ぶ

水引とはのし紙の中央についたリボンのような飾りのことを指し、デザインは葬儀が行われる地域の慣習や宗教儀式に合わせて選びます。

例えば、東日本では黒白または双銀5本結び切りの水引を使うのが一般的ですが、西日本の一部地域では黄白または双銀5本結び切りの水引が使われます。また、キリスト教式では水引が付いていないのし紙を掛けることが多いです。

地味な色の包装紙を選ぶ

葬儀の香典返しには光沢のない銀色や薄い青色、淡い紫色などの地味な色の包装紙を選びましょう。派手な色のものを選んでしまうと、不謹慎だと受け取られることがあるためです。装飾過多なデザインのものは避け、無地でシンプルな包装紙を選ぶようにしましょう。

香典返しの渡し方に関するマナー

葬儀の香典返しの渡し方として、直接渡す方法と郵送する方法の二通りがあります。中でも直接渡す方法は、後日ご自宅へ出向いて渡す方法と、予め香典返しを用意して葬儀の当日に渡す「即日返し」に分かれます。いざというときに失礼にあたらないよう、渡し方のマナーを踏まえておきましょう。

直接渡す場合は一言添える

香典返しを直接渡す場合は、四十九日法要後にお世話になった方の自宅へ伺い、一言添えて渡すようにしましょう。具体的には、香典をいただいたことの御礼と、四十九日を終えたことの報告です。

即日返しの場合は、「お香典の御礼としてお納め下さい」という一言を添えます。葬儀に参列いただいたことの返礼である「会葬御礼」と混同されやすいため、即日返しの際は香典の御礼である旨を明確に伝えるようにしましょう。

郵送の場合は御礼状をつける

葬儀や法事の香典返しを自宅へ郵送する場合、御礼状を添えましょう。香典をいただいたことへの御礼や弔いを終えたことの報告を言葉でも伝える必要があるためです。なお、御礼状は元々手書きで書くことが一般的でしたが、最近は印刷して用意することも増えています。

【番外編】「志」に似た言葉の使い方

最後に、葬儀や法事ののし紙に記載される「志」に似た言葉を紹介します。「志」とは似ていても使い方が異なるため、誤用を避けるために予め把握しておきましょう。

「満中陰志」の使い方

「満中陰志」(まんちゅういんし)は、西日本の四十九日の香典返しでよく使われる言葉です。「満」は満ちる、「中陰」は死後四十九日の期間、「志」は感謝の気持ちを意味します。

香典返しの「志」とほぼ同じ意味ですが、言葉を使う時期は葬儀直後ではなく四十九日の後に限定されますので注意しましょう。

「忌明志」の使い方

「忌明志」(きめいし)は、四十九日が過ぎた期間「忌明け(きあけ)」に「志」を示すことです。満中陰志とほぼ同じ意味ですが、西日本の中でも特に京都でよく用いられます。

忌明志は四十九日を過ぎた後に使う言葉ですので、四十九日法要を繰り上げる場合ののし紙の表書きは「忌明志」ではなく「志」にしましょう。

「粗供養」の使い方

「粗供養」(そくよう)は、葬儀で供養していただいたことへの御礼という意味です。具体的には、葬儀における「会葬御礼」や「香典の即日返し」、法事における「返礼品」のことを指しています。

相手に対してへりくだる「粗」という文字が含まれているため、基本的には喪主や施主側が参列者に向けて使用する言葉で、参列者自身は使いません。例えば、葬儀の打ち合わせの際に「粗供養はどうしますか」などと話題に出ることがあります。

「偲び草」の使い方

「偲び草」(しのびぐさ)は、故人を偲ぶ気持ちを品物に代えるという意味です。「志」とほぼ同じ意味があり、葬儀や法事のお返しに使うという点も「志」と共通ですが、主にキリスト教式や神式で使用する言葉であるという点が異なります。

元来、キリスト教式や神式において香典はありません。しかし、日本の葬儀では参列者が「御霊前」として金品を贈る習わしがあるため、御礼を用意する習慣が生まれました。言葉の使い方に迷った場合は、宗教に関係なく使える「志」を選ぶとよいでしょう。

「寸志」の使い方

「寸志」(すんし)は少しばかりの贈り物のことを指します。一寸ほどのわずかな気持ちという意味です。御礼という意味で「志」と似ていますが、寸志は上司から部下など目上から目下の人へ贈るときの言葉ですので、香典返しには使いません。

また、寸志は葬儀や法事だけでなく、お祝いでも使われる言葉という点も「志」とは異なります。

「茶の子」の使い方

「茶の子」は、一般的にはお茶請けのお菓子という意味ですが、葬儀や法事においては香典返しのことを指します。「志」とほぼ同じ意味の言葉ですが、使われる地域は主に中国・四国・九州の一部です。

また、葬儀に来てくださった方にお渡しする「会葬御礼」や、ロウソクなどのお供えといった意味が含まれることもあり、茶の子は「志」よりも広い意味を持つ言葉だといえます。

「お供え」の使い方

「お供え」は、葬儀や法事で仏前や神前にお供えするものを意味します。「志」は葬儀や法事を行う喪主や施主から参列者へ渡す品物につける表書きですが、「お供え」は喪主や施主へお渡しする時に使います。お供えの場合、一般的なのし紙の表書きは「御供」「お供え」などになります。

「志」の意味を理解して香典返しを送りましょう

この記事のまとめ

  • 「志」とは、葬儀の香典返しや法事のお返しの表書きに使われる言葉である
  • 「志」はのし紙ののし上に記載し、のし下には名前を書く
  • のし紙や包装紙を選ぶ際は、渡し方や地域性、宗教様式なども考慮する
  • 「志」の表書きは宗教や地域に関係なく使用できる

葬儀の香典返しにまつわるマナーや慣習は地域や宗教によって異なる部分が多く、最初は戸惑うことも多いことでしょう。しかし、故人を偲んでくれた方への御礼を示すためのものという点は共通しており、一番大切なのは礼儀を重んじて感謝の気持ちを示すことです。

「志」の意味を理解し、基本的なマナーを踏まえて香典返しを用意しましょう。

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