喪主は誰がやる?決め方のポイントや八つの役割、葬儀での挨拶例文まで徹底解説
喪主を誰がやるのか、どのように決めたらよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?家族が亡くなった際、喪主が遺族を代表して葬儀の準備や手続きを取り仕切ることとなります。本記事では、喪主の決め方のポイントや役割を解説します。喪主が押さえておくべき葬儀までの流れもまとめていますので、目を通してみてください。
喪主の役割とは
喪主は、家族や親族を代表して葬儀に関する内容をまとめ、お通夜や葬儀を進行する役割を担っています。葬儀における遺族側の代表者と考えると、分かりやすいでしょう。
葬儀には遺族だけでなく、菩提寺の僧侶や葬儀社スタッフ、参列者などさまざまな立場の人が関係してきます。関わる人が多くなるほど、葬儀についての意見や考え方が食い違うこともあるでしょう。そのようなときに関係者の意見をまとめるのが、喪主の仕事です。
数多くのことを手早く決めていく必要があるため、喪主には決定力や判断力が求められます。他にも、葬儀の準備をしたり参列者への挨拶を行ったりといった役割もあります。
喪主は誰がやるのか、決め方をご紹介
家族が亡くなって葬儀を執り行う場合、家族や親族の中から喪主を決める必要があります。ここからは喪主は誰がやるのか決め方を紹介しますので、参考にしてみてください。
故人との縁が深い人から決める
喪主の決め方にルールはなく、基本的には故人との縁が深い人から決めていきます。喪主を行う順番として一般的なのは、故人の配偶者、子供(長男や長女)、故人の両親(故人が若い場合)、故人の兄弟姉妹です。
故人の配偶者が高齢の場合は、配偶者と子供の2人で喪主を務めることもあります。
遺言がある場合はそちらに従う
故人が遺言書で喪主を指定している場合は、法的な効力を持つためその内容に従って喪主を決めましょう。ただし、葬儀の方法については遺言があっても効力がないため、家族が納得できるようしっかりと話し合った上で決めるようにしてください。
喪主がやること
ここからは、喪主がやるべきことについて解説します。喪主を務めることになった際は、こちらを参考にして仕事内容を押さえておきましょう。
死亡診断書の受け取り・死亡届の提出
喪主がやることとして、死亡診断書の受け取りと死亡届の提出があります。病院で死亡が確認された場合、医師が死亡診断書を出します。用紙の死亡届の欄に必要事項を書き込んで印鑑を押したら、市区町村の戸籍係に死亡診断書と死亡届を出しましょう。
死亡届が受理されると、火葬許可証が発行されます。この火葬許可証がないと火葬を行えないため、大切に保管しておきましょう。ただしこれらの手続きは必ず喪主本人がやる必要はなく、葬儀社のスタッフや他の家族に代行してもらっても構いません。
寺院とのやりとり
喪主がやるべきこととして、寺院とのやりとりも挙げられます。具体的には、戒名授与についての打ち合わせやお通夜・葬儀の日程調整などが挙げられます。菩提寺がある場合は、そのお寺の僧侶に読経を依頼しましょう。
菩提寺がない場合は、近くのお寺に依頼したり僧侶手配サービスを利用したりするのがおすすめです。
葬儀の打ち合わせ
葬儀社との打ち合わせも、遺族を代表して喪主がやるべきことの一つです。葬儀を執り行うにあたって、予算や会場、日程などを決める必要があります。まず参列者の人数を大まかに決めてから、会場の規模や費用などを検討するのがおすすめです。
内容やオプションをしっかりと確認しながら計画を立て、自身や故人、他の遺族が納得できる葬儀を行いましょう。
葬儀の準備
葬儀の内容が決まったら、葬儀の準備にとりかかります。例えば、遺影にする写真の選定や棺に入れる副葬品の用意、遠方から参列する方の宿泊先の手配などが葬儀に必要な準備です。やることが多くて喪主ひとりでは手が回らない場合は、他の家族や親戚に手伝ってもらいましょう。
訃報の連絡をする
訃報の連絡も、喪主がやるべきことの一つです。家族や親族、故人の友人、同僚といった関係者に対して、故人が亡くなったことを連絡します。訃報の連絡をする際は、喪主の名前と故人との関係、死亡日時、お通夜や葬儀を行う会場、日程を伝えましょう。訃報の連絡は基本的に電話で行いますが、限られた人のみに参列してもらう場合はメールでも構いません。
訃報の連絡は、喪主以外の人が行っても問題ありません。訃報を伝えるべき関係者が多かったり、人手に余裕があったりする場合は、家族と分担して訃報を伝えるとスムーズです。同じ人に重複して訃報を伝えることがないよう、誰がどの人に訃報を伝えるかを事前に分担しておきましょう。
参列者への挨拶
葬儀中や会食の開始時に参列者に挨拶を行うのも、喪主の仕事です。故人に代わり、葬儀に参列していただいたことへのお礼を述べましょう。お通夜や葬儀の終了後は、無事に式を終えられたことへの感謝を伝えます。長々と挨拶をする必要はなく、1、2分程度の長さで構いません。
葬儀後のお礼の挨拶回り
葬儀終了後、お手伝いをお願いした人や参列者、寺院など葬儀の関係者へのお礼の挨拶回りを行います。直接相手の自宅へ訪問するのが最も丁寧な方法ですが、難しい場合は電話をしたり、お礼状を送ったりして対応しましょう。
忌日・年忌法要の取り仕切り
葬儀後に行われる忌日・年忌法要の取り仕切りも、喪主が行うことの一つです。日程の調整や寺院とのやりとり、会場の確保などを行い、法要が執り行えるよう準備をしましょう。
喪主が押さえておくべき葬儀の流れ
ここからは、葬儀までの流れについて解説していきます。落ち着いて対応できるように、ご臨終から葬儀を行うまでの流れを押さえておきましょう。
ご遺体の搬送・安置
ご臨終から葬儀までの間、故人のご遺体をどこかに安置する必要があります。病院で亡くなった場合、すぐに搬送しなくてはいけないため、早めに安置場所を決めましょう。基本的には、葬儀を依頼する葬儀社が自宅や葬儀場にある安置所へご遺体を搬送します。
納棺
ご遺体を安置したあとは、故人の身体を拭いて身なりを整え、棺に納めます。このとき、故人が愛用していたものや好きだったものなどを副葬品として棺の中に入れます。大きなぬいぐるみや金属など、棺に入れられないものもあるため、何を入れてよいのかをあらかじめ確認しておきましょう。
お通夜
葬儀の前日には、お通夜が行われます。お通夜の受付が始まる2時間程度前には会場へ到着し、席次やお通夜の段取り、役割などを確認しておきましょう。
供物や供花に間違いがないか、筆記用具や芳名帳などの備品は足りているかなども確認しておくと安心です。もし足りないものがあれば、早急に葬儀社のスタッフに伝えましょう。
お通夜では、僧侶による読経のあとに喪主から関係の深い家族、親戚、故人の知り合いの順番で焼香を行います。お通夜のあとに会食を行う場合は、参列者を案内してもてなします。お通夜は会食を含めて2〜3時間ほどで終わることが多いです。
参列者が帰宅したあとは、葬儀社のスタッフや家族、親族と葬儀の流れを確認しておきます。
葬儀
葬儀は、故人に別れを告げるための重要な場です。葬儀が始まる1時間程度前に会場へ到着し、葬儀社のスタッフやお手伝いをしてくれる人と段取りを確認しましょう。このとき、受付の準備や会葬御礼品、会葬礼状、弔辞・弔電の確認などを行います。
葬儀が始まったら、喪主が開式の挨拶を行います。そのあと僧侶による読経と焼香を行い、終了となります。
火葬
葬儀が終わったあとは火葬を行います。遺族や親戚など、故人と関係が深かった人のみが火葬場へ移動します。その際、火葬場のスタッフに火葬許可証の提出が必要ですので喪主の方は忘れずに持参しましょう。火葬場では故人との最後のお別れをしたあと火葬を行います。火葬後は骨上げをして遺骨を骨壷に納め、埋葬許可証を発行してもらいます。
繰り上げ初七日法要
繰り上げ初七日とは、葬儀の当日に行う初七日の法要のことです。本来、初七日法要は故人の命日から7日後に行うものですが、多くの方に再度集まっていただくのも大変という考えから、葬儀当日に行われることが多くなりました。繰り上げ初七日には、お通夜・告別式に続けて行う「式中初七日」と、火葬後に再度葬儀会場へ移動して行う「戻り初七日」の二つの方法があります。
精進落とし
精進落としは、葬儀後にお世話になった方に振る舞う食事のことです。あらかじめ列席人数を確認し、食事を準備しましょう。お祝い事をイメージさせる鯛や伊勢海老といった食材は使わないよう、事前にお店に相談することをおすすめします。
精進落としが始まったら喪主が最初に挨拶をし、献杯を行って1〜2時間ほど食事を行います。歓談後は喪主が最後の挨拶をし、精進落としは終了です。
喪主の挨拶例文
喪主は、お通夜や葬儀などの重要な場面で参列者に挨拶をする必要があります。ここからは、喪主挨拶の例文を簡単に紹介します。
お通夜
お通夜の挨拶では、まずお通夜に集まってもらったことへの感謝を述べます。次に、翌日に執り行われる葬儀の時間帯や会場の場所を伝えましょう。通夜振る舞いを用意している場合は、別室で会食を行う旨も述べてください。
葬儀
葬儀の終了後には、式を無事に終えられたことへの感謝を述べます。故人が亡くなった原因を簡単に話したり、今後のサポートをお願いしたりすることもあります。
喪主の決め方や役割を把握しておきましょう
この記事のまとめ
- 喪主は家族や親族を代表し、葬儀全体の準備を行う
- 喪主は故人との縁が深い人から決めるのが一般的
- 故人が喪主に関する遺言を残していた場合は、そちらも考慮して決める
- 喪主がやることは、①死亡診断書の受け取り・提出、②寺院とのやりとり、③葬儀の打ち合わせ、④訃報の連絡、⑤参列者への挨拶など
- 喪主の挨拶は長くなりすぎないよう注意する
喪主は葬儀に関するさまざまな実務を行う役割であり、遺族の代表者でもあります。故人が亡くなってから慌てないためにも、何をするべきなのか事前に把握しておきましょう。