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健康・カラダのこと

認知症によい食べ物とは?予防効果のある栄養素やおすすめの献立、食事方法を紹介

認知症によい食べ物とは?予防効果のある栄養素やおすすめの献立、食事方法を紹介

認知症は老化や病気が原因で脳の働きが低下し、物忘れなど日常生活に支障が出ている状態をいいます。認知症が進むと介護が必要になってくるため、予防することが重要です。認知症によい食べ物を食べることで、進行を抑えたり予防したりする効果が期待できます。本記事では、認知症によい栄養素や献立などを紹介していきます。

監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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認知症とは

認知症とは、さまざまな原因から脳の働きが鈍くなることで、日常生活に支障が出ている状態をいいます。認知症には、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症、レビー小体型認知症などいくつか種類があります。日本人に一番多いのが、アルツハイマー型認知症です。

主な症状として物忘れや自分の家が分からなくなる、約束を忘れるなどがあります。また、個人差はありますが、人格の変化や妄想がみられることもあります。徐々に介護が必要な状況になっていくため、認知症を予防したり進行を抑制したりする対策が重要なのです。

認知症によい食べ物

認知症によい栄養素はDHAやレシチンなどさまざまありますが、どの食べ物を食べたら効率よく摂取できるのでしょうか?ここからは、認知症の予防や進行を抑制するための食べ物を紹介します。

青魚

サバやイワシなどの青魚には、DHAやEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれています。脂の一種ですが人間の体内ではほとんど作られず、食事で摂取しなければならないため必須脂肪酸といわれているのです。

DHAは記憶力や判断力の向上につながり、認知症予防になります。EPAも血管を拡張する効果があるため、血流がよくなり認知症の原因となる生活習慣病の予防や改善に効果的です。

緑黄色野菜・果物

にんじんやかぼちゃ、ホウレンソウなどの緑黄色野菜は、ビタミンCやビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンCは免疫力を高め、血中コレステロールの値を下げたり血管の老化を防いだりする働きがあります。ビタミンCとビタミンEを一緒に摂ると抗酸化作用が高まるため、認知症の予防に効果的です。

また、果物にはカリウムが多く含まれており、血液中のナトリウムを体外に出す働きがあります。高血圧症の予防に有効なため、積極的に摂りましょう。

コーヒー・緑茶

コーヒーや緑茶に含まれるポリフェノールには、抗酸化作用や抗炎症作用があり、認知症の原因となるアミロイドβの蓄積を抑制するといわれています。しかし、カフェインも含まれているため、多量に飲むと睡眠の妨げになる恐れがあります。

オリーブオイル

オリーブオイルには血中コレステロールや中性脂肪の値を下げる働きがあり、動脈硬化や脳梗塞の発症を予防します。また、熱に強く酸化しにくいエキストラバージンオリーブオイルには、アルツハイマー型認知症の発症を抑える効果があるとされています。

カレー

カレーには、ターメリックという香辛料が含まれています。その中のクルクミンという成分には免疫細胞の活性化や、アミロイドβのたまる速さを抑える作用があり、認知症の予防に役立つといわれています。

大豆製品

大豆製品には、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。また、神経伝達物質を作る働きがあるため脳機能が正常に保たれやすくなり、認知症の予防に効果があるといわれています。

納豆に含まれるナットウキナーゼは血栓ができるのを防ぐため、脳梗塞などが原因の脳血管性認知症の予防に役立ちます。日本食には豆腐や味噌、納豆などの大豆製品が豊富に含まれており、積極的な摂取をおすすめします。

赤ワイン

赤ワインには、ポリフェノールという抗酸化物質がたくさん含まれています。そのため、赤ワインを飲むことで動脈硬化や高血圧症、認知症の発症を抑える効果が期待できます。一日250〜500ml程度の量を、バランスのよい食事と一緒に楽しむとよいでしょう。

カマンベールチーズ

人間の脳内には、認知機能に関係するBDNF(脳由来神経栄養因子)というたんぱく質があります。加齢とともに減少していきますが、カマンベールチーズを食べることで血中濃度が上昇したという研究結果が出ています。ただし、脂質も多いため適切な量を摂取することが大切です。

認知症のリスクを高める食べ物

青魚や緑黄色野菜などには、認知症の発症を防いだり進行を抑制したりする効果があります。一方で、認知症のリスクを高める食べ物もあるため、注意が必要です。

肉の脂身

肉の脂身には、飽和脂肪酸が豊富に含まれています。生活習慣病である糖尿病や高脂血症は飽和脂肪酸の摂りすぎが原因といわれています。そのため、肉を食べる際には脂身を少なくするように気をつけましょう。

マーガリン・ショートニング

食パンに塗るマーガリンや、お菓子など作る際に使用するショートニングには、トランス脂肪酸が含まれています。過剰に摂取するとLDLコレステロールを増やし、動脈硬化を発症させます。その結果、脳梗塞も発症しやすくなるため要注意です。

認知症予防によい食事方法

これまで、認知症の予防や発症に関係する食べ物や栄養素を紹介してきました。ここからは、どのような食事方法が効果的なのか説明していきます。

バランスのよい食事をする

バランスのよい食事は、認知症だけでなく生活習慣病の予防など健康管理の基本となります。麺類やどんぶりなどは手軽ですが、一品料理は栄養のバランスが崩れがちです。

炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルを、バランスよく摂取できるようにメニューを考えましょう。

食事量やカロリーを適正値にする

カロリーを摂りすぎると、肥満になりやすくなります。肥満は、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の原因となります。生活習慣病は認知症のリスクを高めるため、注意が必要です。

75歳以上の摂取カロリーの目安

  • 男性:約1,800~2,100kcal/日
  • 女性:約1,400~1,650kcal/日

ただし、肥満を怖がるあまり、極端にカロリーを控えると脳に栄養が行き届かなくなる可能性があるため気をつけましょう。

塩分を摂りすぎないようにする

塩分の摂りすぎは、高血圧症を引き起こします。生活習慣病は動脈硬化の原因となり、脳血管性認知症の発症率を高めます。

和食は認知症予防によい食事ですが、味噌汁や漬物、干物などは塩分が高い傾向にあるため、注意してメニューを選びましょう。

間食や糖分を摂りすぎないようにする

高齢になると糖分を代謝する能力が落ちてくるため、糖分の過剰摂取は糖尿病のリスクを高めます。お菓子や麺類、食パンなどは糖分が多く含まれているため、適度な量を心がけましょう。

認知症によい栄養素を積極的に取り入れる

紹介した食べ物に含まれる栄養素の中でも、認知症の発症や進行を抑える効果が期待できるものがあります。認知症を予防するためにも下記の栄養素は積極的に摂取していきましょう。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

認知症によい栄養素として、DHA(ドコサヘキサエン酸)があります。サンマやアジなどの青魚に多く含まれており、悪玉コレステロールを減少させる効果があるといわれています。

悪玉コレステロールが減ることで体内の血流がよくなるため、脳への血流改善につながります。この効果が認知症の予防につながるため、青魚を積極的に摂取することが大切です。

レシチン

認知症予防として近年注目されている栄養素の一つが、レシチンです。レシチンは、卵黄・大豆・ぎんなん・ウニ・ウナギ・レバーなどの食材に多く含まれています。レシチンは食品から摂取できますが、体内にも存在しています。

脳内の海馬(かいば)は、記憶や情報を整理する器官です。レシチンは海馬に存在しており、体内のレシチンが増えることで記憶能力も維持できると考えられています。また、神経伝達物質の材料となるため、脳内の神経が正常に機能しやすくなるといわれています。

オレイン酸

オレイン酸には、血中コレステロールや中性脂肪を低下させる働きが確認されています。動脈硬化や脳梗塞、血栓症が予防できると認知症のリスクは低下します。

オレイン酸はオリーブオイルに豊富に含まれているため、食事に油を使用するときには優先的に使用するとよいでしょう。

カフェイン

脳内にアミロイドβという物質が蓄積すると、認知症になるといわれています。コーヒーや緑茶などに含まれているカフェインは、アミロイドβの蓄積を防ぐ作用があります。また、活性酸素(体内のサビを作り、血管や脳を老化させる)を取り除く効果もあるため、脳の老化防止に効果的です。

カフェインは認知機能の維持・向上が期待できますが、飲み過ぎると睡眠障害になる可能性があるため注意しましょう。

認知症予防によい献立

認知症予防によいといわれている食材を使用した献立は、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは、認知症予防に役立つメニューを紹介します。

地中海式料理

地中海式料理とは、イタリアやギリシャ、スペインなど地中海沿岸の人々が食べている料理を指します。アクアパッツァ(魚介類をトマトとオリーブオイルで煮込んだもの)やブイヤベース、赤ワインが代表的です。

特徴は「オリーブオイル」「トマト」「魚介類」が中心となり、肉類が少ないことです。これらの食べ物は健康によいとされ、認知機能向上や脳の老化防止に役立ちます。

和食

和食は、日本人が昔から食べているメニューになります。焼き魚にはDHAが含まれており、認知機能が向上します。味噌や納豆、豆腐などの大豆製品は、脳の情報伝達物質の働きをよくします。

納豆や漬物などの発酵食品は悪玉コレステロールを減らす効果があるため、生活習慣病の予防としても有効です。塩分を摂りすぎないように、バランスよく和食を食べましょう。

認知症によい食べ物をバランスよく食べましょう

この記事のまとめ

  • 認知症とは脳の働きが悪くなり、物忘れや自分の家が分からなくなる、約束を忘れるなど日常生活に支障が出る状態をいう
  • 認知症によい食べ物は「青魚・緑黄色野菜・果物・コーヒー・緑茶」などがある
  • 認知症のリスクを高める食べ物は「肉の脂身・マーガリン・ショートニング」がある
  • 認知症予防にはバランスよく、適正な量やカロリーの食事をすることや予防や抑制に効果的な栄養素を取り入れることが必要となる
  • 認知症予防には、地中海式料理や和食がおすすめ

身体は毎日の食事から作られているため、食べ物は認知症のリスクを軽減するための重要な要素です。毎日の食事にさまざまな食材を取り入れることで、認知症対策になります。

また、自分で調理したり人と会話をしながら楽しく食事することも認知症予防につながります。認知症予防に効果的な食べ物を取り入れて、食事を楽しみましょう。

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