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健康・カラダのこと

認知症の人にやってはいけないことは?症状の悪化を防いで介護での失敗をなくそう

認知症の人にやってはいけないことは?症状の悪化を防いで介護での失敗をなくそう

認知症の人は通常では理解できないことやびっくりするような行動をするため、冷静な対応が難しい場面が多くあります。本記事では、認知症の人にやってはいけないことを紹介します。認知症の進行を抑えるためにも、どのように対応したらよいのかしっかりと把握しておきましょう。

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監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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認知症の人にやってはいけないこと10項目

認知症の人は、徐々にできることが少なくなっているという自覚があり、大きな不安を感じています。判断力や理解力は落ちていきますが、感情はしっかりと残っているのです。ここでは、認知症の人にやってはいけないことを具体的に紹介します。

驚かせない

「驚かせる」ことは、認知症の人にやってはいけないことです。しかし、こちらがわざと驚かせようとしなくてもびっくりさせてしまうことがあります。

例えば、声をかけるときにうしろから突然話しかけると、びっくりしてしまいパニックになることもあります。そのため、話しかけるときには前に回り、視野に入って認識してもらってからにしましょう。自分に話しかけていることは理解できるため、驚かずに話を聞けます。

このように、認知症の人を混乱させないための対応が必要となります。

急がせない

「急がせる」ことは、認知症の人にやってはいけないことです。認知機能が低下しているため、判断力も低下しています。そのため、考える時間が必要となり行動が遅くなります。

急かしても余計に混乱し時間がかかってしまうため、急かさず自分のペースで行動してもらいましょう。

自尊心を傷つけない

「自尊心を傷つける」のは、認知症の人にやってはいけないことです。認知症状が進行すると、今まで簡単にできていたことができなくなります。記憶力も低下するため、ついさっきしていたことも忘れてしまうのです。

例えば、トイレに間に合わず失禁をしてしまった場合、「もっと早くトイレに行けばよかったのに」などと失敗をとがめてしまうことは、自尊心の低下につながります。

認知症が進行してもプライドや感情は残っているため、失敗を指摘したり責めたりしてはいけません。

命令する

命令することは、認知症の人にやってはいけないことの一つです。「触らないで」「余計なことをしないで」などと命令されると、認知症の人は非常にストレスを感じます。きつい態度をとられたときに、なぜそう言われたかは分からなかったとしても、嫌な気持ちになったことは本人の中で残ってしまいます。

ストレスは認知機能を悪化させる原因となるため、強制するのではなく認知症の人の行動を理解しようとする気持ちが大切です。

怒鳴る・叱る

怒鳴ったり叱ったりすることは、認知症の人にやってはいけないことです。認知症になると理解力や判断力が低下し、混乱しやすくなっています。そのため日常生活の中で失敗することも多くなります。

例えば、夏にしまっていたはずのダウンジャケットを着ていたとき、「どうしてそんなことをしているの!」と怒りたくなりますが、これはよくありません。認知症の人が悪いのではなく、認知機能が低下して季節が分からなくなっているのです。病気が原因であることを理解しましょう。

間違いを責める

間違いを責めることも、認知症の人にやってはいけないことです。周りから見ると間違っていることでも、認知症の人は自分は正しいことをしていると思っているためです。

例えば「昨日隣に住んでいる子供が家に来た」と明らかに事実と異なる話をしてしまう場合があります。このようなときに「隣に子供なんかいない。来るわけがない」と間違いを指摘し否定してしまうと認知症の人は困惑してしまいます。

間違いを責めず、上手に聞き流したり話に共感するようにしましょう。

行動を制限する

行動を制限することは、認知症の人にやってはいけないことです。認知症になるとできないことは増えていきますが、若いころからやっている調理や掃除、スポーツなど忘れていないこともたくさんあります。

そのため、できることにまで制限をかけてしまうと、認知症の人は嫌な気持ちになったり悲しくなったりします。残っている能力を活かすためにも、できることはなるべくやってもらうようにしましょう。

何もさせない

何もさせないことも、認知症の人にやってはいけないことの一つです。認知症の人はできないことや失敗することがあるため、家族がその後片付けに追われることもあります。しかし、失敗することが多くなってきたからといって何もさせないと、認知症状は悪化していきます。

例えば、入浴時に頭から足の先まで全て介助して洗ってしまうことがあります。実際は、自分で手の届く範囲は洗えたりするため、できることはやってもらったほうがよいでしょう。

このように、何もさせないことは自分の頭で考える機会を奪ってしまうため、認知症の人にやってはいけないことなのです。

子供扱いする

認知症の人に「子供扱い」をしてはいけません。認知症の人は、自分自身の能力の低下を自覚していることが多いです。そのため、子供扱いされると自尊心を傷つけることになります。特に、「〇〇しようね」など、声掛けする際の言葉遣いにも現れやすいため注意が必要です。

子供扱いすることは認知症の人にやってはいけないことになるため、人生の先輩として尊重して接するようにしましょう。

認知症の人にやってはいけないことの理由

認知症の人にやってはいけないこととして、命令したり叱ったりなどさまざまあることを説明してきました。ここからは、なぜその行動をしてはいけないのかを解説します。

嫌な気持ちだけが残ってしまう

認知症の人にやってはいけないこととして、叱ることや子供扱いすることがあります。これは、なぜ叱られたのか理解できなくても、叱られて嫌な気持ちになったことは覚えているからです。また、子供扱いされ自尊心が傷ついてしまい、それ自体忘れてしまってもショックを受けたことは覚えています。

このように、ショックを受けた具体的な理由は忘れてしまっても、その感情は残るため注意しましょう。

認知症が進行する可能性もある

認知症の人にやってはいけないことをすると、不安やストレスが増えてしまいます。その結果、認知症状が悪化し、これまで以上にケアが必要になることがあります。

例えば、ひとりで外出しないようにとドアに鍵をかけてしまった場合、「なぜ外に出られないのか?」「ドアが壊れているのか?」など頭の中で混乱やパニックを起こし、不安が増大します。このようなストレス状態が継続することで、認知症が進行してしまう可能性があるのです。

そのため、認知症の人がひとりになる時間がある場合、デイサービスを利用するなど安全に過ごせる方法を考える必要があります。

認知症の人にやってはいけないことをしないためには

認知症の人にやってはいけないことをしないために、まずは認知症の人への接し方を学ぶことが必要です。接し方を間違えると、症状が悪化する可能性もあります。身内が認知症になったことで家族の戸惑いは大きいと思いますが、一番不安なのは本人です。そのため、認知症の人にやってはいけないことを知識として学び、対応していきましょう。

認知症の症状について理解する

認知症の人にやってはいけないことを知るためには、認知症の症状について把握しましょう。

認知症の中核症状

  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 理解力・判断力の低下
  • 実行機能障害など

認知症の周辺症状

  • 徘徊
  • 意欲の低下
  • 妄想
  • 幻覚
  • 抑うつなど

対応方法を学ぶ

認知症にはさまざまな症状がありますが、対応方法を学ぶことで認知症の人にやってはいけないことが分かります。

例えば被害妄想がある場合は、否定せずにまずは話を聞くことが大切です。周りから見ると嘘をついているように見えますが、本人は真剣に訴えています。「財布を盗まれた」と訴えてきた場合、一緒に探してみましょう。もし見つかったら本人に渡すのではなく、見つけやすい場所に置き直して発見してもらいます。自分で見つけられたという自信は、不安な気持ちを軽くしてくれるのです。

また、昼夜逆転している場合は、生活リズムを整えることが重要です。認知症が悪化してくると時間が分からなくなり、季節や朝夕などの区別がつかなくなります。そのため、夜遅くまでテレビをつけて見ていたり、昼間に深く寝てしまったりします。夜にしっかりと眠れるように、昼間に活動量を増やして寝ないようにすることや、睡眠環境を整えることが必要です。

このように、認知症の症状に合わせた対応方法を学んでおくことが大切です。

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介護サービスを利用する

認知症の人の介護は症状によって気が抜けないことも多く、家族が疲弊してしまうことが多くみられます。認知症の人にやってはいけないことをしないために、介護サービスを利用するのも一つの方法です。介護の負担を減らすためには、認知症の人と離れる時間を作ることも大切です。

デイサービスは送迎もあり、一日預かってもらうことが可能です。ショートステイは家族の旅行や息抜きで利用ができ、1泊2日から7泊8日など希望の期間ケアしてもらえます。

このように、介護サービスを利用すれば認知症の人と適切な距離を保つことができるため、積極的に利用しましょう。

認知症の人にやってはいけないことを知って、症状の悪化を防ぎましょう

この記事のまとめ

  • 認知症の人にやってはいけないことは「驚かせない・急かさない・自尊心を傷つけない・命令する・怒鳴る、叱る、責める、行動を制限する、何もさせない、子供扱いする」といった行動
  • 認知症の人にやってはいけないことをすると、ストレスを与えてしまい認知症が進行することがある
  • 認知症の症状について知識を得て、対処方法を学ぶことが重要
  • 介護サービスを利用して、認知症の人と距離を置くことも大切

これまで説明してきたように、認知症の人にやってはいけないことはさまざまあります。介護をしていく中で重要なのは、認知症の症状の悪化を防ぐことです。また、介護は長期間続くことがあるため、認知症についての正しい知識や対処方法を学び、無理のない介護をしていきましょう。 

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