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健康・カラダのこと

要支援・要介護の違いとは?認定基準や利用できるサービスについて詳しく解説

要支援・要介護の違いとは?認定基準や利用できるサービスについて詳しく解説

介護保険サービスを受けるためには、要介護認定の申請をして要支援か要介護の認定を受ける必要があります。認定調査や主治医の意見書などの情報を基に、介護認定審査会で要介護度が決められるのです。本記事では、要支援と要介護の身体機能の違いや受けられる介護サービスについて詳しく解説します。

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監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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要支援と要介護の違いとは

介護保険では、身体機能や介護の必要度によって「要支援1〜2」、「要介護1〜5」の段階に定義されます。まずは、要支援と要介護の違いや特徴について説明していきます。

要支援とは一部介助が必要な状態

要支援の特徴は、日常生活を送るための基本動作はほぼ自分で行えますが、場合によって多少の介助が必要になる状態です。

「要支援1」「要支援2」の心身状態

  • 要支援1:日常生活の動作は自分で行える。 例えば、食事や排泄、入浴など一人で行えるが、体をかがめたりする掃除などはできない
  • 要支援2:日常生活の動作はほぼ自分で行えるが、要支援1と比較すると介助は多くなる。 例えば、食事や排泄は一人でできるが、入浴中に背中を洗ったり浴槽を一人でまたげない

このように、要支援はおおむね1人で日常生活を送れますが、場合により介助が必要な状態を指します。

要介護とは身体機能や認知機能が低下している状態

要介護の特徴は、心身機能の低下により一人では日常生活を送ることが難しいため、介助が必要になる状態です。

要介護は「要介護1〜要介護5」の5段階に定義され、身体機能や認知機能の程度により介護度が決まります。

「要介護1〜要介護5」の心身状態

  • 要介護1:起き上がりや立ち上がりが不安定で、日常生活において一部介助が必要な状態。 例えば、排泄時のパンツやズボンの上げ下ろしが困難なことや、入浴のときにも着替えの介助が必要
  • 要介護2:立ち上がりや歩行が一人でできないことが多く、日常生活全般に介助が必要となる状態。 例えば、歩く際には杖を使用したり、排泄や入浴など一部あるいは全てに介助が必要
  • 要介護3:立ち上がりや歩行が一人では困難で、日常生活全般に介助が必要な状態。 例えば、移動するときは車いすに乗ったり、排泄や入浴などにも介助が必要。認知症状により話が伝わらないときもある
  • 要介護4:立ち上がりや歩行は自力で行えず、日常生活全般に介助が必要。理解力も低下し、意思疎通が難しい状態。 例えば、排泄や入浴など全てに介助が必要であり、認知症による暴言や暴力など周辺症状が出てくることもある
  • 要介護5:寝たきりの状態となり、日常生活全てに介助が必要。 例えば、排泄はベッド上でのおむつ交換になり、寝返りも自分ではできない状態

これらは一般的な状態を示しているため、全ての人に当てはまるわけではありませんが、介護度が重くなると介助量も増えます。

要支援と要介護の認定基準とは

要支援や要介護度を決める基準として「要介護認定等基準時間」と「認知症状の有無」という認定基準があります。

ここからは、要介護認定等基準時間と認知症状の有無による違いについて説明していきます。

要介護認定等基準時間の違い

要介護認定等基準時間とは介護にかかる手間を時間に換算したもので、コンピューターによって算出されます。

Photo by www.mhlw.go.jp

要介護認定等基準時間が短い人ほど、要介護度は軽くなります。反対に、身体機能が低下している人ほど介護にかかる時間が多くなるため要介護度は重くなるのです。

持病の病状が進んでいるからといって要介護度が重くなるということではなく、身の回りのことが自分でできる場合は「要介護」ではなく「要支援」と認定されることがあります。

この要介護認定等基準時間は、要支援や要介護度を決めるものさしであり、実際に家庭で行われる介護の時間とは異なるため参考としてご覧ください。

厚生労働省 要介護認定はどのように行われるか

認知症状の有無による違い

要介護認定等基準時間と合わせて、認知症状の有無や程度も要介護認定に関わってきます。

食事や排泄など、身の回りのことを自分で行えて認知機能も維持できている場合、要介護度は軽くなります。しかし、身の回りのことを自分で行えても認知機能が低下して徘徊や暴言といった認知症の症状が強く出ている場合、要介護度は重く認定される傾向にあるのです。

このように、要介護認定等基準時間と認知症状の有無を考慮して、要支援・要介護が認定されます。

要支援と要介護での利用できるサービスの違い

要支援と要介護では、利用できる介護サービスに違いがあります。高齢者本人の状況に応じた介護サービスを利用することで、身体機能の維持や認知症の進行を抑えることが可能です。

ここからは、要支援・要介護で利用できる介護サービスや特徴について紹介していきます。

要支援で利用できる介護予防サービス

要支援で利用できる介護予防サービスは16種類あります。

要支援で利用できる介護予防サービス

  • 介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 介護予防通所介護(デイサービス)
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 介護予防福祉用具貸与(一部条件あり)
  • 特定介護予防福祉用具販売
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防支援

要支援の高齢者が、介護予防訪問介護(ホームヘルパー)や介護予防通所介護(デイサービス)を希望する場合、「介護予防・日常生活支援総合事業」を利用することになります。これは市区町村が実施している事業になるため、それぞれ独自に利用回数が決められています。

区分支給限度額(1ヶ月で利用できる介護サービスの量)を超えなければ、さまざまな介護サービスを組み合わせることが可能ですが、要介護と比較すると区分支給限度額が少ないため利用できる回数は多くないでしょう。

また、介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は「要支援2」から利用可能です。要支援の場合、介護予防福祉用具貸与の介護ベッドと車いすは基本的に利用できません。

厚生労働省 介護サービスの種類

要介護で利用できる介護サービス

要介護は要支援と比較すると区分支給限度額が広がるため、より多くの介護サービスが利用できます。要介護で利用できる介護サービスは22種類あります。

要介護で利用できる介護サービス

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 通所リハビリテーション
  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 地域密着型特定施設入所者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
  • 特定施設入居者生活介護
  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 居宅介護支援

要介護になると、介護タクシーが利用できます。介護タクシーとは、自力で移動が不可能な方向けに送迎を行う訪問介護サービスの一種です。

特別養護老人ホームに入所するためには「要介護3」以上の認定が必要となり、「要介護1」の場合は福祉用具貸与の介護用ベッドや車いすを借りられないことも多いので注意が必要です。

厚生労働省 介護サービスの種類

要介護(要支援)認定の申請方法

介護保険のサービスを利用するには、市区町村に申請をして、要介護(要支援)の認定を受ける必要があります。

ここからは、要介護(要支援)認定を受けるための申請方法を紹介します。

申請

まず、介護サービスを受けたい高齢者本人かその家族が市区町村の役所に行き、要介護(要支援)認定の申請をします。地域包括支援センターやケアマネジャーも、代行で申請可能です。

申請用紙は、住所地の役所のホームページからダウンロードして記入後に持参するか、直接窓口に出向きその場で申請用紙をもらって記入をしましょう。介護保険証と印鑑があれば、簡単に手続き可能です。

認定調査

要介護(要支援)認定の申請をしたら、認定調査が実施されます。認定調査員が自宅へ訪問をして、体の動きや認知症状の有無、住宅環境など日常生活の様子を調査します。

高齢者本人が、一人でできないことを「できる」と答えることがありますが、そのようなときは、同席している家族が実際の様子をありのままに伝えることが必要です。

本人の前で言いにくい場合、認定調査員だけに直接伝えてください。

市区町村による判定

訪問調査と同時進行で、主治医による「主治医の意見書」の記入が行われます。訪問調査員が聞き取った基本情報により、一次判定が出されます。その後、一次判定の資料と主治医の意見書を合わせて、介護認定審査会による二次判定が行われます。

この判定結果で「自立(非該当)・要支援1〜要支援2・要介護1〜要介護5」の認定が決まります。

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結果通知

介護認定審査会で認定結果が出ると、結果通知書と介護保険証が自宅に郵送されます。

要介護認定の申請から結果が通知されるまでの期間は、約30日です。申請後であれば暫定で介護サービスが利用できるため、結果が出る前に介護サービスの利用を希望する場合は地域包括支援センターかケアマネジャーに相談しましょう。

介護に困ったら介護保険の申請をしましょう

この記事のまとめ

  • 要支援とは、日常生活の一部に介助が必要な状態
  • 要介護とは、身体機能や認知機能が低下しており日常生活に多くの介助が必要な状態
  • 要支援と要介護の認定基準は、介護にかかる時間数や認知症状の有無や程度で決まる
  • 要支援と要介護を比較すると、利用できる介護サービスの種類や回数が異なる
  • 介護タクシーは要介護1から、特別養護老人ホームは要介護3から利用できる
  • 要介護(要支援)認定の申請は、家族が市区町村の窓口に行くか、地域包括支援センターやケアマネジャーに代理で依頼する

要支援と要介護では、受けられる介護サービスや回数が異なります。例えば、介護タクシーの利用には要介護の認定が必要です。また、自宅での生活が難しくなってきて施設入所を考えている場合、特別養護老人ホームは要介護3以上の認定がないと申し込みできません。

介護保険のサービスを受けるには、要介護認定の申請が必要です。手続きは難しくないため、介護に困ったら要介護認定の申請をしてみましょう。分からないことは地域包括支援センターやケアマネジャーに聞いて、疑問や不安をなくしましょう。

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