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葬儀を知る

お経を唱える(あげる)本当の意味とは?お経に込められた教えや宗派による違いまで細かく解説

お経を唱える(あげる)本当の意味とは?お経に込められた教えや宗派による違いまで細かく解説

仏教の法要ではお経を唱えるのが一般的ですが、お経に込められた意味までは理解していない人も多いのではないでしょうか?本記事では、法要でお経を唱える意味や宗派ごとで唱えるお経の違いを解説します。お経について学びたい人は参考にしてください。

お経とは?

法要でお経を唱える意味を解説する前に、まずはお経の役割や日本に伝わった経緯について解説します。

お経とはお釈迦様の教えをまとめたもの

お経とは、お釈迦様の教えを弟子たちが再編したものです。お釈迦様は多くの弟子を抱えながら仏教を布教してきましたが、その教えはすべて口伝だったといわれています。

お釈迦様が亡くなった後、弟子達はお釈迦様からの教えを文書化し、誰でも読める状態に再編しました。これがお経の起源といわれています。

インドで広まったお経は中国、朝鮮を経由し、500年代に日本へ伝わりました。もともとのお経はサンスクリット語で書かれていましたが、中国や朝鮮を経由したことで漢字に訳されたと言われています。

お経にはさまざまな種類がある

お釈迦様の教えを記したお経は、大きく分けて「経蔵」「律蔵」「論蔵」の三つから構成されています。それぞれの違いは下記のとおりです。

お経の種類

  • 経蔵…仏教の思想を説いたもの
  • 律蔵…弟子達が守る規律をまとめたもの
  • 論蔵…経蔵や律蔵を分析した注釈書

お経には莫大な種類があり、宗派によって唱えるお経が異なります。多くの人が聞き馴染みのある「般若心経」も数あるお経の一つです。

法要でお経を唱える意味とは?

法要でお経を唱える意味は大きく二つに分けられます。ここからはそれぞれの意味を詳しく解説します。

故人を極楽浄土に導くために唱える

法要でお経を唱える意味は、故人を極楽浄土に導くためです。仏教では亡くなった人は輪廻転生を繰り返し、やがては極楽浄土に行くと考えられています。法要でお経を唱えることは、故人のために善を積むことで極楽浄土へ導く手助けとなります。

また、宗派によってはお経を唱えるだけで仏様の救済を得られて、極楽浄土に行けると考えられているのです。このように、お経を唱えることは故人の冥福を願う意味が込められています。

ご利益を得るために唱える

お釈迦様の教えであるお経は、唱えるだけでご利益があると言われています。そもそもお経とは、現在生きている人を幸せに導くための教えです。その教えを唱えることで、お釈迦様の考え方を学び、幸せに近づける役割を持っています。

お経を唱えるだけではお釈迦様の教えは分からないかもしれませんが、意味を理解していなくてもご利益があるといわれています。お経を唱えることそのものがお釈迦様の教えを知る第一歩なのです。

お経の種類

お経の種類は数えきれないほどありますが、その中でも特に有名なお経を四つ紹介します。それぞれのお経に込められた意味も解説するので、法要で唱えるお経にどのような意味があるのか知りたい人はぜひ参考にしてください。

般若心経

数あるお経の中で、もっとも知名度が高いのが「般若心経(はんにゃしんぎょう)」です。全文は300字ほどの短いお経ですが、その内容は600巻にも及ぶ経典を要約したものであるといわれています。

難解に思える般若心経ですが、実はお釈迦様の弟子と観音菩薩の対話形式になっています。弟子のシャーブリトラが「悟りを得て、この世の苦しみから逃れるにはどうしたらよいか」と尋ねるところから始まり、観音菩薩が世の中の在り方を説いていきます。

阿弥陀経

阿弥陀経(あみだきょう)は、お釈迦様本人が祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)と呼ばれるお寺で説いたお経です。全文は約1800文字で、写経で用いられることもあります。

阿弥陀経では、極楽浄土の存在と行き方について説いていることが特徴です。前半では極楽浄土はいっさいの苦しみのない素晴らしい場所であることを説き、中盤からは念仏を唱えることで極楽浄土に行けると示しています。

法華経

法華経(ほけきょう)は、お釈迦様が菩提樹の下に弟子を集めて説いたお経であるといわれています。全文は6万文字以上あり、お釈迦様の教えを説いた集大成ともいえるものです。

法華経では、人間だけでなく動植物や大地などのすべての存在には仏の心があると説いています。そのすべてに感謝し「南無阿弥陀仏」と唱えることで誰でも成仏できることも示しています。

法華経が説かれるまでは、悪人などの特定の人物は成仏できないといわれてきました。しかし、法華経が現れたことですべての存在が成仏して救われることを明かしています。

華厳経

華厳経(けごんきょう)とはお釈迦様のさまざまな教えをまとめた経典で、数十巻にも及ぶボリュームのある内容になっています。

華厳経の教えのひとつに「世の中の全てのものはお互いに干渉し合うが、邪魔することのないもの」と説かれています。この教えは華厳経の中心となっています。

なお、華厳経の中では「毘盧遮那仏」が登場しますが、こちらを模して造られたのが東大寺の大仏です。

宗派によって唱えるお経が異なる

お経にはさまざまな種類がありますが、宗派によって唱えるお経に違いがあります。ここからは、法要で唱えるお経を宗派別に解説します。

真言宗

真言宗は、平安時代に弘法大師空海によって開かれた宗派です。本尊は大日如来で、経典は大日経と金剛頂経の2種類があります。真言宗では「即身成仏」という考え方が基本となっており、仏のように行動し、心を清く保つことで自らも仏になれると説かれています。

真言宗で唱えるお経は、「般若心経」「理趣経(りしゅきょう)」「遺教経(ゆいきょうぎょう)」などが挙げられます。

浄土宗

浄土宗は、平安時代末期に法然によって開かれた宗派です。本尊は阿弥陀如来で、経典は阿弥陀経、観無量寿経、無量寿経です。浄土宗は民衆の間に広まった宗派であることが特徴で、「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで救われると説かれています。

浄土宗で唱えるお経は、「般若心経」「阿弥陀経」「無量寿経」「観無量寿経」などが挙げられます。

浄土真宗

浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞によって開かれた宗派です。本尊は阿弥陀如来で、経典は阿弥陀経、観無量寿経、無量寿経です。浄土真宗と浄土宗は「南無阿弥陀仏」と唱えることで救われるという考え方は共通していますが、浄土真宗では阿弥陀如来に救いを求めることで成仏できる他力念仏という考え方があります。また、ほかの宗派とは違い、戒律がないことも特徴です。

浄土真宗で唱えるお経は、「阿弥陀経」「無量寿経」「観無量寿経」が挙げられます。浄土真宗では「般若心経」を唱えないことも特徴です。

天台宗

天台宗は中国で開かれた宗派で、平安時代に最澄によって日本に伝えられました。本尊は釈迦如来、薬師如来、観音菩薩などが一般的で、経典は法華経を根本としています。天台宗には、最終的には一つの教えによってすべては救われるという「法華一乗」の考え方があります。

天台宗で唱えるお経は、「法華経」「自我偈(じがげ)」「観音経(かんのんぎょう)」などが挙げられます。

曹洞宗

曹洞宗は中国で開かれた宗派で、鎌倉時代に道元によって日本に伝えられました。本尊は釈迦牟尼仏で、経典は正法眼蔵、伝光です。曹洞宗は坐禅を組むことを基本としており、坐禅を組む姿こそが「仏の姿」であり「悟りの姿」であると考えられています。

曹洞宗で唱えるお経は、「般若心経」「修証義」などが挙げられます。

臨済宗

臨済宗は中国で開かれた宗派で、鎌倉時代に栄西によって日本に伝えられました。本尊は釈迦牟尼仏で、特定の経典は定めていませんが般若心経、観音経などが用いられています。臨済宗では、ひたすら坐禅を組むことで悟りの境地に辿り着けると考えられています。

日蓮宗

日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮によって開かれた宗派です。本尊は大曼荼羅(だいまんだら)で、経典は法華経です。日蓮宗は、大地震や噴火など災害に見舞われる時代に生まれた宗派で、身分に関係なく誰もが平等に成仏できると考えられています。

日蓮宗で唱えるお経は「法華経」で、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と繰り返し唱えることが特徴です。

読経中のマナー

法要では僧侶が唱えるお経をただ聞いているだけでなく、参列者も読経したり礼拝したりするタイミングがあります。ここからは読経中のマナーについて解説します。

お経の前後で礼拝する

お経を唱える前後では、礼拝するのが一般的です。礼拝とは合掌した状態で、上体を45度にゆっくり傾け礼をします。

礼拝には、読経前後の挨拶や仏への感謝の気持ちが込められています。僧侶から礼拝の合図をされたら、心を穏やかにしてお辞儀をしましょう。

数珠をかけて合掌する

宗派によっては、数珠を手に持って読経することがあります。数珠には念仏の回数を数える役割があるといわれており、正式な数珠は玉の数が108個あります。

数珠の持ち方や種類は宗派によって異なりますが、読経を聞いている間は左手で持つのが基本です。合掌の際には左手にかけた状態で両手を合わせるようにしましょう。

読経が始まったら静かに拝聴する

読経中は、故人の冥福を祈りながら静かに拝聴するのがマナーです。読経中は途中退出を控え、スマートフォンなどの電子機器が鳴らないように注意しましょう。

また、宗派によっては参列者も一緒に読経する場合があります。その際にはあらかじめ経典が配布されるため読みあげるようにしましょう。

お経を唱える意味を知って故人を供養しましょう

この記事のまとめ

  • お経とはお釈迦様の教えを弟子達が文書化したもの
  • 法要でお経を唱えることは故人の冥福を願う意味があり、唱えることでご利益がある
  • お経には「般若心経」や「阿弥陀経」をはじめ膨大な種類がある
  • 真言宗や浄土宗など宗派によって唱えるお経が異なる
  • 読経の前後は礼拝し、読経中は静かに拝聴する
  • 数珠の持ち方や種類は宗派によって異なるが、左手で持つのが基本

お経を唱えることには、故人の冥福を祈ること、お経を唱えることでご利益を得ることの二つの意味があります。お経の意味が分からなかったとしても、静かに拝聴することに意味があります。これから法要に参列される人は、今まで以上にお経に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

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