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葬儀を知る

火葬炉の仕組みと種類|綺麗に遺骨が残る理由や種類による燃焼方法の違いについて解説

火葬炉の仕組みと種類|綺麗に遺骨が残る理由や種類による燃焼方法の違いについて解説

火葬炉は、火葬場の中にある、遺体を火葬するための設備です。火葬場に行く機会はそこまで多くないため、火葬炉について知っている方はあまりいないのではないでしょうか。そこで本記事では、火葬炉の仕組みと種類、火葬の流れについて分かりやすく解説します。

火葬炉の種類とそれぞれの仕組み

火葬炉には、大きく分けてロストル式と台車式の2種類があります。それぞれで仕組みが異なります。

ロストル式の仕組み

ロストル式とは、ロストルと呼ばれる金属製の格子の上に棺を置いて火葬する仕組みの火葬炉です。ロストルの下には骨受け皿が設けられており、遺体や遺骨がロストルの上から落ち、骨受け皿で受け止められます。

ロストルは炉床から浮くように設置されているため空気の通りがよく、棺を包むようにして火がまわる仕組みになっているのが特徴です。

台車式の仕組み

台車式とは、耐火レンガなどで造られた台車に棺を置いて火葬する仕組みの火葬炉です。台車ごと火葬しますが、台車自体は耐火性があるため燃えることはありません。

台車式の場合はロストル式と違い台車と棺の間に大きな空間がないため、主に棺の上と横から火を加えながら火葬します。日本の火葬場のほとんどは、台車式の火葬炉を採用しています。ただし、都市部については上述したロストル式火葬炉を採用していることもあります。

ロストル式のメリット

続いて、ロストル式火葬炉のメリットについて紹介します。火葬炉について興味がある方は、ぜひ目を通してみてください。

火葬時間が短い

ロストル式のメリットは、火葬時間が短いことです。炉床と棺の間にロストルが設けられているため、空気を取り入れやすい仕組みで燃焼効率が高いことがその理由となっています。

火葬にかかる時間は故人の体の大きさや脂肪の量などによっても異なりますが、早いときには40分程度の時間で火葬が完了します。

火葬時間が短いことで、1日の火葬回数を多くできるのも特徴です。火葬場の需要が高い都市部などにロストル式を採用していることが多いのも、この特徴が大きく関わっています。

台車式のメリット

日本で取り入れられていることの多い台車式火葬炉のメリットは、以下のとおりです。

遺骨を綺麗に残せる

台車式のメリットは、遺骨を綺麗に残せることです。台車と棺の間には四隅にレンガなどを挟むことから若干の空間がありますが、落差はそこまでないため、遺骨が場所を大きく変えることなくそのまま台車の上に残ります。

遺骨が綺麗に残せるのは、骨上げをする慣習のある日本にとって非常に大きなメリットです。骨上げの最後に収める喉仏など、比較的小さな遺骨についても見つけやすいでしょう。

火葬炉の旧式・最新式

火葬炉には、旧式と最新式があります。旧式と最新式には火葬温度や使用燃料などに違いがあるのが特徴です。

旧式の火葬炉の特徴

旧式の火葬炉は、800~950度程度の温度で、火葬が完了するまでに2~3時間程度かかります。

温度調節は、専門の火葬技師(火夫)によって行われるのも特徴です。火葬技師は火葬炉に設けられた小窓から内部を確認しながら遺体を完全に燃焼させます。

旧式では石炭・薪・重油を燃料とすることから、黒煙や煤などが発生します。そのため、旧式の火葬炉を採用している火葬場では、長い煙突を設置していることが多いです。煙突から黒煙が流れ出ている様子はあまりよいものではなく、近隣住民が悪印象を抱くことも多くありました。

最新式の火葬炉の特徴

最新式の火葬炉は、900~1200度程度まで温度を上げられます。高温で火葬できることから火葬時間も1時間程度と短く、ご遺族にとっても負担が少ないでしょう。

旧式では温度調節のために火葬技師の存在が必要不可欠ですが、最新式では自動制御によって温度調節を行うのも特徴です。

また、最新式では都市ガスや液化石油ガスを燃料としています。そのため、長い煙突を設置する必要がなくなり、短い煙突や排煙口のみの設置など見た目も旧式と異なります。また、再燃焼室の設置やコンピューターによる排ガスの制御なども、煙突がいらなくなった理由です。

火葬の流れ

ここまで火葬炉の仕組みや特徴について解説してきましたが、火葬に参列する場合には火葬炉の仕組みだけでなく火葬の流れについても知っておきたいところです。

火葬の流れ

工程

内容

1.出棺

葬儀場から火葬場へ故人を納めた棺を運ぶ

2.読経・焼香

火葬場で僧侶による読経と焼香を行う。その後、ご遺族・一般参列者の順番で焼香する

3.火葬

火葬炉に棺を納めて火葬する。火葬の間、ご遺族や一般参列者は休憩室などで待機する

4.骨上げ

骨上げ箸を用いて2人1組で遺骨を骨壺へ納める

火葬には、基本的に遺族や故人と深い間柄があった参列者が参列します。中には、遺族のみで行うことも多くあります。葬儀に参列した全ての人が火葬場まで同行できるわけではないため注意しましょう。

また、初めて火葬に参列する方にとって一番戸惑いやすいのが、故人の遺骨を骨壺に納める骨上げの儀式です。骨上げの方法については、以下で確認しておくと安心でしょう。

骨上げの方法

  1. 2人1組になり、1本が竹、もう1本が木でできた骨上げ箸をそれぞれ持つ
  2. 骨上げ箸を使って一つの遺骨を2人で持ち、喪主・遺族・一般参列者の順番で骨壺へ納める(足の骨から上半身の順に納める)
  3. 喪主が喉仏の骨を骨壺へ納める

骨上げは上記の方法以外に1人が骨を持ち上げ、遺族に渡しながら骨壺へ納めるという方法もあり、地域差があることも多い儀式です。男女のペアで2人1組を作ったり、全てではなく一部の遺骨のみ骨壺に納めたりとさまざまあるため、その地域の方法に従いましょう。

火葬場の構造

火葬場は、火葬を行うだけの施設と思っている方もいるかもしれません。しかし、火葬場にはさまざまな設備が併設されていることもあります。火葬場の構造について以下で確認してみましょう。

火葬炉

火葬炉は、故人の遺体を火葬する火葬場のメインとなる設備です。上述のように、ロストル式と台車式という仕組みが異なる2種類の火葬炉があります。

子供や大柄の方など、体格によっては標準サイズの火葬炉(標準炉)ではなく、小型炉や大型炉を使うこともあります。

葬儀場(併設されていない場合もある)

全ての火葬場に併設されているわけではありませんが、大きな火葬場であればお通夜や葬儀を行える葬儀場が設けられていることもあります。

葬儀場と火葬場が別の場所に位置している場合には移動の手間がありますが、火葬場に葬儀場が併設されている場合は大きな移動をする必要がありません。火葬に同行するご遺族や一般参列者に高齢の方や足元に不安のある方がいるときには特に便利です。

霊安室(同上)

霊安室とは、故人の遺体を葬儀当日まで安置しておく部屋のことです。全ての火葬場に併設されているわけではありませんが、大きな火葬場では設けられていることもあります。遺体を安置する場所に困っているときには、霊安室が併設された火葬場を探すとよいでしょう。

告別室(同上)

告別室とは、火葬前の故人と最後に対面してお別れをする部屋です。必ずしも全ての火葬場に併設されているわけではありません。火葬に参列する人数が多いときなどには、告別室で火葬前の読経を行うこともあります。

炉前室

炉前室とは火葬炉の前にある空間(部屋)のことで、前室と呼ばれることもあります。火葬に参列する人がご遺族のみなどの少人数の場合には、炉前室で火葬前の読経を行います。また、火葬後の骨上げを行うのも炉前室です。

休憩室

火葬が終わるまで、ご遺族や一般参列者が待機する部屋を休憩室または控室といいます。飲食が可能なスペースとなっており、ご遺族が参列者を接待したり火葬後の精進落としの場所として使用することもあります。

火葬場には他の利用者もいるため、休憩室では大きな声は出さず静かに過ごすのがマナーです。

火葬炉にはロストル式と台車式があり、それぞれで仕組みが異なる

この記事のまとめ

  • 火葬炉には、大きく分けてロストル式と台車式の2種類がある。ロストル式は、ロストルと呼ばれる金属製の格子の上に棺を置いて火葬する仕組みの火葬炉で、台車式は、耐火レンガなどで造られた台車に棺を置いて火葬する仕組みの火葬炉
  • ロストル式は火葬時間が短い
  • 台車式は遺骨を綺麗に残せるといったメリットがある
  • 火葬炉は旧式・最新式があり、それぞれで温度や温度調節の方法、燃料などに違いがある
  • 火葬は①出棺②読経・焼香③火葬④骨上げの流れで行われる
  • 火葬場の構造は火葬炉・葬儀場・霊安室・告別室・炉前室・休憩室などがある

火葬炉の仕組みや特徴、火葬の流れについて解説しました。普段火葬炉の仕組みについて触れる機会は少ないですが、日本人のほとんどが最期にお世話になる場所のため興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

火葬場を利用する際には、本記事で説明したロストル式と台車式の仕組みやそれぞれのメリットを参考に、自分たちの希望をかなえてくれる場所を選んでください。

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