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お金・お家のこと

老後の貯蓄に必要な金額は?毎月かかる生活費や資金準備の方法を解説

老後の貯蓄に必要な金額は?毎月かかる生活費や資金準備の方法を解説

老後の貯蓄はいくら必要なのでしょうか。年金だけでは生活費がまかなえない場合、不足分は自分で準備しなくてはなりません。今回は、老後の平均生活費や年金額、資金を準備する方法を解説します。

監修者 SUPERVISOR
公認会計士/税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 岸田 康雄

平成28年度経済産業省中小企業省「事業継承ガイドライン」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施作研究調査会「事業継承支援専門部会」委員、東京中小企業診断士委員会「事業継承支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・デリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルネスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業継承から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業継承とM&A業務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業継承コンサルタント業務を提供している。

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老後の生活に毎月必要な金額は?

老後の生活費は、毎月いくらかかるのでしょうか。まずは、高齢無職世帯の平均生活費やゆとりある老後に必要な金額を紹介します。

高齢無職世帯の平均生活費

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)※」によると、夫婦高齢無職世帯(65歳以上の夫婦のみの無職世帯)の平均生活費は月25万5,100円となっています。内訳は以下の通りです。

総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」

項目

金額

構成比

食料

6万5,789円

25.7%

住居

1万6,498円

6.4%

光熱・水道

1万9,496円

7.6%

家具・家事用品

1万434円

4.0%

被服及び履物

5,041円

1.9%

保健医療

1万6,163円

6.3%

交通・通信

2万5,232円

9.8%

教養・娯楽

1万9,239円

7.5%

交際費

2万729円

8.1%

直接税

1万2,109円

4.7%

社会保険料

1万8,529円

7.2%

その他

2万5,841円

10.1%

合計

25万5,100円

-

食料費は6万5,789円で最も高く、全体の約25%を占めています。住居費が1万6,498円に抑えられているのは、持ち家が多いことが理由だと考えられます。賃貸暮らしの場合は家賃の負担が重くなるでしょう。また、「交通・通信」「交際費」が2万円を超えており、比較的割合が高くなっています。

ゆとりある老後を過ごすには月38万円必要

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査2022年(令和4年)度※1」によると、ゆとりある老後に必要な生活費は月37万9,000円です。先ほど紹介した平均生活費よりも、月12万5,000円の上乗せとなります。 上乗せ額の使途で最も多いのが「旅行やレジャー(60%)」で、次いで「日常生活費の充実(48.6%)」「趣味や教養(48.3%)」となっています。

厚生労働省の「2021年(令和3年)簡易生命表※2」によると、日本人の平均寿命は男性81.47年、女性87.57年です。仮に65歳で定年退職して平均寿命まで生きる場合、老後の生活期間は17~23年となります。
これだけの長い期間を楽しく、豊かに生きるには、旅行や趣味などに使うお金も必要になるでしょう。

※1「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる

※2「令和3年簡易生命表の概況」

年金はいくらもらえるのか

厚生労働省によると、2023年(令和5年)度の年金額は以下の通りです。

厚生年金

(夫婦二人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)※

月22万4,482円
(前年度比+4,889円)

国民年金

(一人分の老齢基礎年金の満額)

月6万6,250円
(前年度比+1,434円)

※厚生年金の標準的な年金額は、賞与を含めた平均的な収入(平均標準報酬月額43万9,000円)で40年間就業した場合に受け取り始める、老齢厚生年金と二人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準

年金額は物価変動率や賃金変動率などを考慮して毎年改定されるため、前年度に比べて年金額が増えています。

上述の通り、高齢夫婦無職世帯の平均生活費は月25万円5,000円、ゆとりある老後に必要な生活費は月38万円です。厚生年金で標準的な年金額を受け取る場合、日常生活費は月3万円、ゆとりある老後には月15万5,000円不足します。

仮に老後の生活期間が20年間だとすれば、老後に必要な貯蓄額は720~3,720万円と試算できます。平均寿命より長生きすれば、さらに多くのお金が必要になるでしょう。

※「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

年金の種類によって受給額は変わってくる

加入している年金の種類によって、受給額が変わってくる点にも注意が必要です。
厚生年金に加入している会社員に比べると、国民年金のみの自営業者・フリーランスの方は年金額が少ない傾向にあります。

夫婦ともに国民年金のみの場合は、満額受給でも二人分で月13万円程度です。平均生活費は月25万5,000円のため、年金だけでは月12万5,000円不足します。 もらえる年金額が少ない場合は、老後に向けてより多くの貯蓄を準備する必要があるでしょう。

老後に必要な貯蓄額の考え方

将来に向けて資金を準備するときは、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。ここでは、老後に必要な貯蓄額の考え方を二つ紹介します。

1.老後に必要な金額には個人差がある

老後に必要な貯蓄額は個人差があり、以下の要素に左右されます。

老後に必要な貯蓄額を左右する主な要素

  • 収入の有無
  • 理想の生活レベル
  • 老齢年金の受給額

定年退職後も年金以外に一定の収入を確保できる場合は、必要な貯蓄額は少なくすむかもしれません。

趣味やレジャーなどにお金がかからず、生活費を抑えられる場合は、年金のみで生活することも可能です。一方で、「旅行や人付き合いを楽しみたい」「趣味にお金がかかる」といった場合は、ある程度まとまったお金が必要になるでしょう。

夫婦がともに会社員で厚生年金に加入している場合は、比較的多くの年金をもらえるため、年金だけで月々の生活費をまかなえる可能性があります。

しかし、夫婦がどちらも国民年金のみで受給額が少ない場合は、貯金を取り崩して生活費を確保しなくてはなりません。

平均生活費はあくまでも目安であるため、自身の生活状況を踏まえて貯蓄目標額を設定することが大切です。

2.生活費以外の出費に備えることも重要

老後は、日常生活費以外の出費に備えることも重要です。
持ち家に住んでいる場合、老朽化などを理由にリフォームが必要になるかもしれません。

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の調査※1によると、リフォーム費用の平均は一戸建てが349万7,000円、マンションが329万7,000円です。築年数別では「築30年以上」が最も高く、408万2,000円となっています。

また、病気やケガなどで、突然介護が必要になる可能性もあります。

生命保険文化センターの調査※2によると、介護費用の平均は月8万3,000円です。平均介護期間は5年1ヵ月(61.1ヵ月)なため、総額は約507万円(月8万3,000円×61.1ヵ月)が目安となります。介護リフォーム、介護用ベッドの購入といった一時費用がかかることもあります。 生活費だけでなく、緊急資金としてまとまったお金を準備しておくと安心です。

※1「2021年度 住宅リフォームに関する 消費者(検討者・実施者)実態調査 結果報告書」

※2「実際にかかる介護費用はどれくらい?」

老後の資金を準備する方法

老後に必要な貯蓄額はどのように準備すればよいのでしょうか。ここでは、老後の資金を準備する方法を四つ紹介します。

1.できるだけ長く働いて収入を確保する

定年後も長く働いて一定の収入を確保すれば、年金だけでは足りない老後の生活費をカバーできます。勤務先の再雇用制度を利用する方法もありますが、不足分を補うだけであれば、フルタイムで働く必要はなく、「午前中だけ」「週に二日だけ」など、無理のないペースで働けば十分です。

夫婦がそれぞれ月5万円収入を得ると、世帯収入は月10万円アップするため、家計に余裕が出ます。一部を貯蓄に回せば、急にお金が必要になっても安心です。

2.繰下げ受給で年金額を増やす

年金の受け取りは原則65歳からですが、受給開始時期を遅らせる「繰下げ受給」によって年金額を増やせます。老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)は別々に繰下げが可能で、増額率は「0.7%×繰り下げた月数」です。繰下げの年齢は75歳が上限のため、増額率は最大84%となります。増額された年金は一生変わりません。

年金の繰下げ受給による増額率

請求時の年齢

増額率

66歳0ヵ月

8.4%

67歳0ヵ月

16.8%

68歳0ヵ月

25.2%

69歳0ヵ月

33.6%

70歳0ヵ月

42.0%

71歳0ヵ月

50.4%

72歳0ヵ月

58.8%

73歳0ヵ月

67.2%

74歳0ヵ月

75.6%

75歳0ヵ月

84.0%

例えば、70歳までは勤労収入や貯蓄の取り崩しで生活費を確保し、70歳以降は増額された年金で生活するといったケースが考えられます。65歳以降も働く予定がある場合、しばらくは貯蓄を取り崩して生活できる場合は年金の繰下げ受給を検討するといいでしょう。

3.家計を見直して支出を抑える

家計を見直して支出を抑えれば、老後に必要な貯蓄額は少なくすみます。家計を見直す場合は、食費や交際費などの「変動費」よりも、定期・定額で費用がかかる「固定費」を見直すのがおすすめです。見直しの対象となる主な固定費は以下の通りです。

見直したい主な固定費

  • 住居費(住宅ローン、家賃)
  • 車両費
  • 保険料
  • 通信費(携帯電話料金、インターネット回線費など)
  • 教育費
  • サブスクリプション(新聞、スポーツジム、動画配信サービスなど)

固定費は不要なサービスを解約したり、料金が安い他の商品に乗り換えたりすることによって、生活の質を落とすことなく支出を減らせます。ストレスが少なく、一度見直すと節約効果が長く続くのもメリットです。

例えば、スマートフォンは料金プランを見直したり、格安SIMに乗り換えたりすれば、月々の料金を減らせるかもしれません。また、あまり読まない新聞、ほとんど通っていないスポーツジムなどを解約すれば、無駄な出費を抑えられます。

4.資産運用でお金の寿命を延ばす

高齢化によって老後の生活期間が延びているため、お金の寿命(資産が尽きるまでの期間)を延ばすことも重要です。貯蓄や退職金などの一部を運用しながら取り崩すことによって、預貯金のみよりも資産が長持ちする可能性があります。

例えば、2,000万円を65歳から毎月10万円取り崩す場合、まったく運用しないと資産は81歳でゼロになります。一方、3%で運用しながら取り崩す場合は、88歳までお金の寿命を延ばせます。

ただし、資産運用は元本保証ではないため、仕組みを理解した上で取り組むことが大切です。初心者は運用をプロに任せられ、少額から投資を始められる「投資信託」を活用するといいでしょう。

自分らしく老後を過ごすために今から資金準備に取り組もう

この記事のまとめ

  • 高齢夫婦無職世帯の平均生活費は月25万5,000円、ゆとりある老後には月38万円が必要
  • 厚生年金の夫婦二人分の標準的な年金額は月22万5,000円で、平均生活費には月3万円足りない
  • 老後に必要な貯蓄額には個人差があり、収入の有無や理想の生活レベル、年金額などによって変わる
  • リフォームや介護など、日常生活費以外の出費に備えることも重要
  • 老後資金を準備する方法は「なるべく長く働く」「年金の繰下げ受給」「家計の見直し」「資産運用」の四つ

高齢夫婦無職世帯の平均生活費は月25万5,000円ですが、老後に必要な貯蓄額には個人差があります。収入の有無や年金額などに左右されるため、自身の生活状況を踏まえて、いくら必要かを試算することが大切です。老後を豊かに過ごすためにも、なるべく早くお金の準備を始めましょう。




家計を見直して支出を抑える方法についてはこちらも参考にしてみてください。
◆セレクトラ
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◆株式会社Jackery Japan
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