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健康・カラダのこと

高血圧の人が気をつけるべき外食の注意点|料理の選び方や食べ方の工夫を紹介

高血圧の人が気をつけるべき外食の注意点|料理の選び方や食べ方の工夫を紹介

外食で美味しい食事を楽しみたいと思う一方で、塩分が気になるという方も少なくないのではないでしょうか。外食は味付けが濃いものが多く、血圧のことを考えると不安になるものです。そこで今回は、外食で塩分の少ない食べ物を選ぶコツを紹介します。外食でも上手に減塩し、食事を楽しむヒントにしてみてください。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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高血圧とは

血圧とは、血管内を流れる血液の圧力のことを指します。血圧は「心拍出量」と「末梢血管抵抗」によって決まります。さらに細かく見ると、心拍出量は循環血液量や心収縮能力、末梢血管抵抗は血管の柔らかさや太さ、血液の粘度、動脈の緊張度などが関係しています。これらにより正常範囲以上に血圧が高くなるのが高血圧です。

一時的に血圧が高くなった場合を除き、常に最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の状態で、高血圧と診断されます。

高血圧になる原因

病気の影響で高血圧になる場合もありますが、高血圧の9割は「本態性高血圧」といって、血圧が上がるような基礎疾患などの原因が特定できない高血圧です。この本態性高血圧は、生活習慣が大きく関わっています。ここでは本態性高血圧になりやすくなる原因について解説していきます。

塩分の摂りすぎ

塩分を摂り過ぎてのどが渇いた経験はありませんか。これは、塩分に含まれるナトリウムが影響しています。塩分を多く摂ることで血液中のナトリウム濃度が上昇し、それを薄めるために体が水分を欲し、のどが渇きます。水分を多く摂ると血管を流れる血液量が増えるため、血圧が上昇します。

塩分が過剰な状態が続くと、高血圧の状態になってしまいます。高血圧を予防するためには、塩分の摂取を控えることが大切です。

肥満

肥満の人は、正常体重の人に比べ2~3倍高血圧になりやすいとされています。その原因は、肥満細胞が分泌する物質や交感神経の活動亢進により血管が収縮することにあります。また、肥満に伴いインスリンが過剰に分泌されることで腎臓での塩分調整障害が起こるため、体液量が増加することも影響します。

加齢に伴い、男性に増える内臓肥満型肥満の人は特に高血圧のリスクが高い傾向にあるため、注意しましょう。

ストレス

ストレスには精神的ストレスと肉体的ストレスがありますが、どちらのストレスを受けても身体は緊張状態になり、一時的に血圧が上昇します。これはストレスに対する防御反応であるため、正常な反応です。しかし、この状態が長く続くと慢性的な高血圧になりやすくなります。日頃から、ストレスのない生活を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れ

特に女性は更年期になると、ホルモンバランスの乱れにより高血圧になる人が増えます。これは、女性ホルモンのエストロゲンが減少することにより自律神経が乱れ、血圧が不安定になるためです。更年期は肥満や運動不足も重なりやすく、高血圧になりやすいと言えます。

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血圧を上昇させます。さらに、タバコに含まれる有害物質が動脈硬化や狭心症、心筋梗塞のリスクを上げるため危険です。

高血圧の人が外食する際の注意点

外食は味付けが濃く、塩分摂取量が多くなりがちです。高血圧の人が外食をする際には、減塩を心がける必要があります。ここでは、高血圧の人が外食する際の注意点やポイントを解説します。

外食では麺類や汁物のスープは残す

高血圧の人が外食する際は、麺類のスープや汁物は残すようにしましょう。スープには6g程度の食塩が入っています。スープを飲み干すと、それだけでほぼ1日に必要な塩分量を摂取することになってしまいます。

外食では、ラーメンの麺と具だけ食べてスープを残す、定食の味噌汁やスープは残す、洋食でもスープパスタなどのスープを食べるようなメニューを選ばないようにするなどの工夫をしましょう。

漬物や佃煮は食べない

外食で塩分摂取量を減らすためには、漬物や佃煮など塩分の多く含まれる小鉢料理を控えることも大切です。漬物や佃煮は少量でも多くの塩分を含んでおり、高血圧の人は避けたい食品です。定食などでもこれらの食品を控えることで減塩が可能になります。

外食ではソースやタレはかけない

外食では料理自体の塩分量が少なくても、ソースやタレをかけることで塩分摂取量が多くなってしまう場合もあります。ステーキやハンバーグなどは、肉に下味をつけた段階ではそれほど塩分量が多いわけではありません。食べる際にかけるソースの塩分量が多いため、結果的に塩分摂取量が多くなってしまう場合があります。

また、野菜サラダなども健康のために進んで食べたい料理ですが、ドレッシングを大量にかけてしまうとそれだけで塩分摂取量が多くなります。高血圧の人がサラダを食べる場合、できる限りドレッシングはかけずに少量の塩とオリーブオイルで食べるなどの工夫をしましょう。

外食での単品料理は避ける

ラーメンや丼物、パスタ料理、ピザなどは外食の定番ともいえますが、このような料理には特に多くの塩分が含まれています。単品料理の傾向として最初からしっかりと味付けされたものが多く、味の調整ができません。また、カロリーが高く栄養バランスも偏りがちになります。

高血圧の人が外食する場合には単品料理は避け、自分で後から味の調整ができるメニューを選ぶようにしましょう。

高血圧の人の外食時の料理の選び方

高血圧の人が外食する際、メニュー選びは非常に重要です。選ぶメニューによっては、自分で塩分量を調整できるものもあるため、外食でも減塩が可能になります。ここでは、高血圧の人が外食で料理を選ぶ際の注意点やポイントを紹介します。

外食では定食スタイルを選ぶ

定食スタイルの食事はソースやタレを後から自分でかける料理が多く、調味料を調整することで減塩が可能になります。また、付け合わせの漬物や佃煮を食べないようにすることでも減塩できます。定食の中でもメニューによって塩分量に違いがあるため、外食の成分表示なども参考にしてみてください。

揚げ物は塩分控えめな傾向

天ぷらやフライなどは素材に下味があまりついていないことが多いため、塩分控えで、高血圧の人が外食する際におすすめです。注意点は、ちくわやみりん干しなど加工食品を揚げたものに関しては塩分量が多くなることです。また、つゆやソースのつけすぎも塩分摂取量を増やす原因になるため、控えるようにしましょう。

揚げ物は塩分量は少ないですがカロリーは高い料理です。食べ過ぎによるカロリーの過剰摂取は肥満の原因になります。肥満は高血圧につながるため、食べ過ぎには注意しましょう。

ステーキは塩分控えめ

ステーキは肉の素材の味を楽しむことのできるおすすめのメニューです。調理の際、肉につける調味料は下味だけのため塩分は控えめです。ただし、ソースをたっぷりつけてしまうと塩分摂取量が増えてしまいます。ソースの量は調整して食べるようにしましょう。

野菜の多いメニューを選ぶ

野菜には減塩効果のあるカリウムが多く含まれています(カリウムの減塩効果については後ほど詳しく解説します)。また、野菜自体の塩分は少ないため、高血圧の人でも塩分摂取量を気にせず食事ができます。

さらに、カロリーの低い野菜を多く摂ることで満腹感が得られ、食べ過ぎの防止にもつながります。外食では野菜の多いメニューを積極的に選びましょう。

主食は白米、玄米を選ぶ

外食では主食が麺類やパンになることも多いでしょう。しかし、麺類やパンは製造過程で食塩が使われるため、おかずで減塩していても塩分摂取量を増やしてしまいます。おすすめの主食は米飯です。白米や玄米には塩分が含まれていないため、塩分の摂り過ぎを防ぐことができます。

中華料理は塩分が多くなりやすい

外食する際に和食、洋食、中華の中で最も塩分量が多くなりがちなのが中華料理です。中華料理は油を多く使うため高カロリーで、味付けが濃いのが特徴です。主な中華料理に含まれる塩分量を以下にまとめました。

中華料理に含まれる塩分量(1人前)

  • 醤油ラーメン:5.3g
  • 味噌ラーメン:6.3g
  • 塩ラーメン:5.6g
  • チャーシュー麺:7.1g
  • タンメン:8.9g
  • 皿うどん:4.6g
  • レバニラ炒め定食:7.0g
  • 肉野菜炒め定食:6.6g
  • 餃子定食:4.3g
  • 回鍋肉定食:6.4g
  • 海老チリ定食:7.4g

1日の塩分摂取量の目安は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますので中華料理に含まれる塩分量が多いことがわかります。

【参照】日本人の食事摂取基準(2020年版)

減塩の工夫がされた飲食店などもあるため、全ての中華料理に過剰な塩分が含まれているというわけではありませんが、高血圧の人が外食する際には、中華料理は出来るだけ避けた方がよいかもしれません。

家での食事は減塩を徹底する

外食は注意していても塩分摂取量が多くなってしまいます。外食する際には、前後の食事で減塩を徹底するようにしましょう。例えば昼食に外食の予定がある時には、朝食と夕食であまり塩分を摂らないようにするといった工夫が必要です。

1日に摂取できる塩分の目安は男性7.5g、女性6.5gです。1食ごとに塩分摂取量を気にするのではなく、1日トータルで見た時に塩分を摂り過ぎていないかを気にするようにしましょう。1日の摂取量が多くなりすぎてしまったり、旅行などで外食が続く場合には、数日単位で減塩を心がけることも大切です。

カリウムを多く含む食品を摂る

外食で塩分を摂り過ぎた時には、カリウムを多く含む食品を摂ると効果的です。ここでは、カリウムの効果とカリウムが多く含まれる食品を紹介します。

カリウムの血圧低下効果

カリウムは血液中のナトリウムを体外に排出するのを助け、血圧を低下させる作用があります。そのため、高血圧の人はカリウムを積極的に摂ることで血圧を下げることが期待できます。ただし、腎機能が低下している人はカリウムの排泄がうまくいかず高カリウム血症のリスクがあるため注意が必要です。

カリウムを多く含む食品

カリウムを多く含む食品

  • 野菜:切り干し大根、ほうれん草、にんじん
  • 果物:干し柿、バナナ、アボカド、メロン
  • いも類:干し芋、じゃがいも、さつまいも、里芋、長芋
  • 豆類:蒸し大豆、納豆、あずき、豆乳
  • 海藻類:昆布、ひじき、焼き海苔

カリウムは生の野菜や果物、生の素材をそのまま乾燥させた切り干し大根や干し芋、干し柿などに多く含まれています。水に溶けやすい性質があるため、煮たり茹でたりすると汁に溶けだしてしまいます。生のまま食べるか、調理の際に出た煮汁や茹で汁まで食べるようにしましょう。

外食ではカリウムを摂取しやすい生野菜のサラダがおすすめです。生野菜のサラダは低カロリーで食物繊維も摂取できるため、ドレッシングの量に気を付けながら取り入れてみてください。

メニュー選びと食べ方を工夫して外食時でも減塩に心がけましょう

この記事のまとめ

  • 高血圧は食生活やストレスなどさまざまな生活習慣が原因になる
  • 高血圧の人が外食する際には塩分の多い汁物や漬物などは食べないようにする
  • 外食では定食スタイルのメニューや主食が米飯の料理を選ぶとよい
  • 野菜や果物などに含まれるカリウムには血圧を下げる効果がある

外食は味付けが濃く塩分摂取量が多くなりがちです。しかし、塩分を控えるべき高血圧の人でも、メニュー選びや食べ方を工夫することで減塩しながら外食をすることが可能です。今回紹介した外食の際の注意点やおすすめのメニューを参考にして、健康的に減塩しながら外食を楽しんでください。 

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