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お金・お家のこと

「定年後に家を買う」ってどうなの?メリット・デメリットから住まい選びの注意点を解説

「定年後に家を買う」ってどうなの?メリット・デメリットから住まい選びの注意点を解説

定年の年齢になると、子供の独立などもあり、ライフスタイルも大きく変化します。近年そのようなタイミングで住み替えを考える人も少なくありません。本記事では、定年後に家を買うことを検討している方に向けて、家を買うメリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

監修者 SUPERVISOR
公認会計士/税理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 岸田 康雄

平成28年度経済産業省中小企業省「事業継承ガイドライン」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施作研究調査会「事業継承支援専門部会」委員、東京中小企業診断士委員会「事業継承支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・デリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルネスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業継承から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業継承とM&A業務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業継承コンサルタント業務を提供している。

定年後でも住宅ローンは組めるの?

相談

定年後に家を買いたいけど、現金一括払いが出来ない場合、そもそも住宅ローンは組めるのかと疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?そこで、まずは定年後の住宅ローンについて解説します。

70歳未満なら可能

定年後に家を買う際は、70歳未満なら住宅ローンを組めると考えてよいでしょう。主要銀行が設定している住宅ローンの年齢制限は、借入れするときに70歳未満、完済時は80歳未満とされています。

さらに、団体信用生命保険に加入が認められる・日本国籍(永住許可等を受けている外国人も可)などの条件が合えば、定年退職後でも住宅ローンを組むことができます。

住宅ローンを組めるのは何歳まで?5つのポイントも解説!

退職金を購入資金に充てるのは注意が必要

家を買う際の資金に退職金を充てる場合は、慎重に判断する必要があります。金融庁の試算によると、老後資金は夫婦で1千300万~2千万円程度必要とされており、一般的に退職金から多くが充当されています。そのため、十分な蓄えが無い場合は家を買う資金に退職金を充てず、温存しておかなければなりません。

万が一退職金を使い切って家を買った場合は、公的年金の収入だけでは家計を維持するのが難しくなり、残債を抱えたまま家を売却しなくてはならない可能性もあるでしょう。

また、80歳までに完済しなければならないため、定年前にある程度の購入資金を準備しておき、ローンの金額を少なくする必要があります。さらに、定年退職後の生活費を考えた場合、家計を圧迫しないように現金一括で買うことも視野に入れることが必要です。

厚生労働省の調査によると、最初に家を買う年齢は30代が多く、2度目は60代以上の方が多い傾向にあります。60代以上の方が新しく家を買うときは、それまで住んでいた家の売却費などを充てるケースが一般的なようです。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

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定年後に家を買うメリット

パソコン

住宅ローンの条件などを踏まえた上で、定年後に家を買うことを考えている方のために、そのメリットについて解説します。

相続税を抑えられる

定年後に家を買うことによって、相続税を抑えられるというメリットがあります。2015年1月より相続税の改定があり、相続税を計算する際の基礎控除額が変更になりました。それにより、相続税の納税対象になる人が大幅に増えています。

ただし、不動産の評価は固定資産税評価額に基づいて計算されるため、現金で保有していたときよりも低い価値として計算されるのです。さらに、持ち主が居住している場合は「小規模宅地等の特例」が適用されて、330平米までの土地に関しては80%の減額が受けられます。

そのため、定年後に家を買うのは、残された家族の相続税対策になるでしょう。

遺産に係る基礎控除(2015年1月改定)

  • 改定前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
  • 改定後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

小規模宅地等の特例(2015年1月改定)

  • 改定前:限度面積240m²(減額割合80%)
  • 改定後:限度面積330m²(減額割合80%)

国税庁・相続税のしくみ

資産を残せる

残された家族に資産を残せることも、定年後に家を買うことのメリットの一つといえます。特に都市圏のマンションのような値崩れしにくい環境で家を購入した場合、資産価値が高い住まいを残せるでしょう。

居住する以外にも、賃貸として貸し出して家賃収入を得る方法もあります。家を買うことは、相続を見据えた資産形成を検討している方に適しているでしょう。

ローン完済後は住居費が減少する

定年後に買った家の住宅ローンを完済した後は、月々の返済がなくなるため住居費が減少します。賃貸で家賃を支払い続けることと比較すると、月々の生活費の負担も少なくすみます。

居住エリアを柔軟に変えられる

定年後は、家を買うための予算に応じて居住エリアを選べます。たとえば、通勤の必要がないことや子供が独立している場合には、住む場所の制限が減り、エリアを柔軟に検討できることが魅力です。「今までは職場へのアクセスを考えて都心で暮らしてきたけれど、今後は静かな郊外に住みたい」などといった希望に沿うことができるでしょう。

老後を考慮した環境で暮らせる

定年後であれば、老後に生活しやすい場所や間取りの希望に沿って家を買うことができます。たとえば、現在は戸建てに住んでいるが、部屋が多すぎることで管理が負担になり、小規模なマンションに移りたいといったケースもあるでしょう。

また、将来車を手放すことも考慮して、公共交通機関の利便性が高い居住エリアにすることも選択肢の一つです。

定年後に家を買うデメリット

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定年後に家を買うことにはさまざまなメリットがありますが、デメリットについてもあらかじめ考えておく必要があるでしょう。ここからは、家を買うことのデメリットを紹介します。

住宅ローンが組みにくい

定年後に家を買う際は、年齢や健康状態によっては住宅ローンを組みにくい可能性があります。高齢の場合、健康上の不安などを理由に、団体信用生命保険に加入できない場合があるためです。

上述した通り、主要銀行の住宅ローン借入時の年齢は70歳未満、完済時は80歳未満が多いため、60歳で組む場合の返済期間は最大で20年となります。そのため、返済期間が短くなり、毎月の返済の負担も大きくなります。場合によっては返済能力が不足すると判断されることもあるでしょう。

固定資産税や維持費がかかる

家を買うことによって、固定資産税や維持費がかかります。さらに、経年劣化によるリフォーム費用が発生することもあるでしょう。賃貸のように家賃の支払いはありませんが、住宅ローンの完済後も出費は発生し続けます。

将来、子供との同居や福祉施設への入居の可能性がある

定年後に家を買っても、亡くなるまでずっと住み続けられるとは限りません。健康が続く保証はなく、高齢の親を心配して子供が同居を望む場合もあります。また、病気で入院したり福祉施設へ入居したりする可能性も十分考えられます。

賃貸ならば引き払うのは簡単ですが、持ち家の場合は手放したり住み替えたりするのは難しいでしょう。

定年後に家を買う際の選び方

内見

ここまで紹介した、定年後に家を買うメリット・デメリットなどを考慮した上で、定年後に家を買う際の選び方を紹介します。

周辺の環境を重視して選ぶ

定年後に家を買うときは、周辺の環境を重視して選びましょう。日常的に利用するスーパーや、年齢を重ねるごとに行く機会が増える医療機関などが近くにあると暮らしやすいです。

また、今後は車を運転しての移動が難しくなることを考慮し、徒歩やバスを利用しながら生活ができるかどうかも重視したい点です。

家族や親戚に近い場所を選ぶ

老後のことを考慮すると、家族や親戚が近くにいる場所に家を買うのがおすすめです。定年後は高齢者となって、介護が必要になったり、配偶者に先立たれてひとり暮らしになったりする可能性があります。

家族や親戚の近くに家を買っていれば、不測の事態が起こっても手助けしてもらいやすいでしょう。

バリアフリーやリフォームを視野に入れて選ぶ

定年後に買う家は、バリアフリーやリフォームを視野に入れて選びましょう。たとえば、階段の昇降が負担になっている場合、平屋の戸建てやマンションにするのがおすすめです。

現在は足腰に問題がなくても、年齢を重ねて身体機能が衰えていくことを考慮し、段差のないバリアフリー住宅にするのもよいでしょう。近年では、高齢者向けに設計されたマンションもあります。

また、定年後に買う家を中古物件にし、住みやすいようにリフォームするという選択肢もあります。リフォームは補助金を受けられる場合があるため、国や自治体の補助金制度をチェックしてみましょう。

資産価値が落ちない物件を選ぶ

資産価値を重視して家を買う場合は、都市部の人気エリアや築浅などの資産価値が落ちにくい物件を選ぶとよいでしょう。また、資産価値が高い物件を所有していれば、別で家を買いたい場合に、売却時に残債を精算しやすいことから、住宅ローンの審査が有利になる傾向があります。

ライフスタイルで戸建てorマンションを選ぶ

ご自身の重視するポイントやライフスタイルに合わせて、戸建てか、マンションタイプかを選びましょう。

マンションは室内に階段がない、戸締まりがラク、修繕費を自分で積み立てる必要がないなどのメリットがあります。

一方、戸建てはマンションタイプと比較して、暮らしに制約が少ないのが魅力です。大型犬を飼いたい場合やガーデニングを楽しみたいという方は、戸建てを選ぶのがよいでしょう。

定年後に家を買うときの注意点

カウンター

最後に、定年後に家を買う際の注意点を紹介します。

ローン完済は80歳未満

前述した通り、住宅ローン完済は80歳未満とされています。そのため、60歳から住宅ローンを組んだ場合、最長でも20年ローンとなってしまいます。

その間に返済できる金額しか借りられないため、審査に有利に働くように頭金を多く入れたり、月々の返済額が大きくなったりすることもあるでしょう。

売却したくてもすぐには売れない可能性がある

定年後に家を買う際は、ローンの支払いが難しくなったり、家の管理ができなくなったりなど、様々な理由から「家を手放さないといけなくなるのでは」と心配になることもあるでしょう。

その際、「維持できなくなったら売ればよい」と安直に考えるのは避けなければなりません。資産価値の低い物件は売却したくてもすぐには売れない可能性があるため、注意が必要です。

定年後の収支のバランスを試算する必要がある

定年後に家を買うことを検討している場合は、先々の収支バランスを試算してから購入を決断しましょう。定年後の主な収入が公的年金となる場合、それまでの生活レベルを維持するためには老後資金を切り崩すことになります。

さらに、家電の買い替えや冠婚葬祭などの急な出費が発生したり、医療費が増えたりするため、必ずしも生活費を節約できるとは限りません。定年後に家を買うことを検討するなら、今後の支出を総合的に考えて試算する必要があります。

定年後に家を買う場合はメリット・デメリットを考慮して選びましょう

老夫婦

この記事のまとめ

  • 住宅ローンは、借入時70歳未満、完済時80歳未満に設定されている
  • 団体信用生命保険に加入が認められる・日本国籍(永住許可等を受けている外国人も可)などの条件が合えば、定年退職後でも住宅ローンを組むことができる
  • 定年後に家を買うことには、相続税対策などのメリットがある
  • 一方で、健康状態によっては住宅ローンが組みにくいなどのデメリットもある
  • 定年後に家を買う際は、周辺の環境や家族が近くにいる地域を考慮するとよい
  • 定年後に家を買う際は、ローン返済の可否や収支バランスの試算に注意が必要

定年後に家を買うことは、相続税対策や子供に資産を残せるなどのメリットがあります。一方で、住宅ローンが組みにくい点や固定資産税がかかる点などはデメリットといえます。さまざまな点をあらかじめ考慮し、定年後の人生を楽しめる理想の家を選びましょう。 

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