【ひとたび編集部が選ぶ人生で一度は見たい絶景】海外編<後編>
息を呑むほどの絶景を前にしたとき、どう感じるのかを想像したことはありますか?大自然が織りなす壮大な景観や人間の営みが生む美しい街並みなど、心を揺さぶる絶景を見つけにいきましょう。本特集では、ひとたび編集部が選ぶ一度は訪れたい国内外の絶景を紹介します。今回は海外編後編5ヵ所です。スポットごとにアクセスの良さや観光のしやすさ、気候の過ごしやすさを解説するため、旅行計画の参考にしてください。
前編がまだの方は、こちらも合わせてご一読ください。
【ひとたび編集部が選ぶ人生で一度は見たい絶景】海外編<前編>
サグラダファミリア(スペイン)
バルセロナの空に向かって聳え立つサグラダファミリアは、まさに建築の奇跡と呼ぶにふさわしい絶景です。天才建築家アントニ・ガウディの生涯をかけた傑作は、140年以上の歳月を経てもなお、完成への道を歩み続けています。
18本の天を突くような尖塔やステンドグラスが幻想的な空間、精緻な彫刻群など、訪れる人を魅了し圧倒する建築物です。信仰と芸術が融合したこの建築物は人類の創造力の結晶であり、絶景の名にふさわしい存在といえるでしょう。
アクセスの良さ:★★
サグラダファミリアへのアクセスは、長距離でありながら比較的スムーズです。日本からサグラダファミリアのあるバルセロナへは現在直行便がなく、乗り継ぎが必要です。しかし、空港からサグラダファミリアへは、公共交通機関で比較的簡単にアクセスできます。
日本から飛行機でアジア・中東・ヨーロッパなどを経由してバルセロナ・エル・プラッ空港に行く場合、総飛行時間は約15〜20時間程度です。長距離になりますが、多くの航空会社が運航しているため選択肢は豊富にあります。
空港からサグラダファミリアへは、地下鉄やタクシー、アプリで予約するライドシェアの利用が可能です。地下鉄は約50分、タクシーや送迎サービスの場合は約30分かかります。
観光のしやすさ:★★
サグラダファミリアは常に混雑しているものの、比較的観光しやすい場所です。世界中から観光客が訪れる大人気の観光地であり、長蛇の列ができることもあります。実は、オンライン予約が可能で、事前に準備しておけば長時間待つ必要はありません。
また、人気スポットのため日本語のガイドツアーが豊富にあり、スペイン語を話せなくとも楽しめるのがメリットです。パックツアーやオプショナルツアーなど、旅行のスタイルに合わせて選んでみましょう。
気候の過ごしやすさ:★★
サグラダファミリアのあるバルセロナは、どちらかといえば観光に適した気候です。年間を通じて穏やかな気候であり、雨が少なくて晴れの日が多い傾向にあります。ただし、夏の昼間はかなり暑くなり、冬は冷え込むため、それぞれに適切な服装の用意が必要です。
ピラミッド(エジプト)
エジプトのピラミッドは、古代文明の神秘と壮大さを今に伝える世界遺産です。ギザの三大ピラミッドの中でも最大のクフ王のピラミッドは、高さ約147m、底辺約230mもの大きさを誇ります。夕陽に照らされた姿は息を呑むほど美しく、砂漠の風景と溶け合う絶景を楽しめます。
内部に入ると狭い通路や天井の高い大回廊が現れ、王の間に辿り着くまでの旅路はまさに冒険気分です。4,600年の時を超えて、今なお私たちを魅了し続けるピラミッドの壮大さと謎に満ちた魅力を自分の目で確かめに行きましょう。
アクセスの良さ:★★
ギザのピラミッドは、総合的に見てアクセスしやすい絶景スポットです。日本からカイロ国際空港へは、便利な直行便があります。また、ピラミッドはカイロ市内から遠くない場所にあり、空港から現地までタクシーやライドシェア、バスを使って向かうことが可能です。
日本からカイロ国際空港への飛行時間は、直行便で約14時間、乗り継ぎ便で約17〜20時間となります。空港から現地へタクシーやライドシェアで行く場合は45分程度、バスの場合はシャトルバスやローカルバスを乗り継いで1時間30分前後かかります。
一見、ピラミッドへのアクセスは良好ですが、注意も必要です。バス停やタクシー乗り場にはしつこい客引きが多く、無理に車やラクダに乗せて高額の運賃を請求することも珍しくありません。配車予約から支払いまでアプリで完結するライドシェアを活用するなどして、トラブルを避けましょう。
観光のしやすさ:★
ピラミッドは、観光のしやすさという点においてはハードルの高い絶景スポットです。勧誘の強引さや歩きにくさといった難しい問題があります。まず、ピラミッド周辺はラクダ乗りの勧誘が強引なことで知られており、不当な料金を請求されることが少なくありません。トラブルを避けるために、ガイド付きツアーへの参加を検討しましょう。
また、ピラミッドの内部に進むと、腰をかがめなければ進めないトンネル状の通路や急勾配の大回廊などがあり、高齢の方や体力がない方にとって厳しい滞在となる可能性があります。
一方、施設は充実しており、チケットは現地とオンラインで購入できる便利さがあります。はっきりと勧誘を断ることができ、歩く体力がある方にはおすすめの絶景スポットです。
気候の過ごしやすさ:★★
ピラミッドのあるカイロ周辺は、過ごしにくい季節と過ごしやすい季節があります。夏は非常に暑く、連日30度以上が続きます。
一方、冬の昼間は温暖で過ごしやすく、日本の春ぐらいの服装で観光可能です。ただし、夜は冷え込むことがあるため、防寒着を忘れずに持って行きましょう。
ウユニ塩湖(ボリビア)
標高約3,700mに位置するボリビアのウユニ塩湖は、世界最大の塩原です。訪れる季節や時間帯によって異なる表情を見せるウユニ塩湖は、何度訪れても新たな発見がある絶景スポットとして知られています。
雨季には湖面が鏡のようになり、空や雲を映し出す幻想的な光景を楽しめるでしょう。乾季には真っ白な塩の結晶が露出し、遠近感を失うトリック写真の撮影が人気です。ウユニ塩湖は一生に一度は訪れたい場所として、多くの旅行者を魅了し続けています。
アクセスの良さ:★
ウユニ塩湖へのアクセスは、非常に困難です。日本からボリビアの首都ラパスへは直行便がないため乗り継ぎが必要となり、総飛行時間は24時間以上に及びます。さらに、ラパス到着後は飛行機またはバスでの移動が必要です。
具体的に説明すると、まず日本からラパスへは主にアメリカやペルーを経由します。運賃や飛行時間は、乗り継ぎ方によってさまざまです。ラパスからウユニまでは、空路だと約1時間、陸路だと約10~12時間かかります。ロングスケジュールになるため、体力と綿密な計画が必要です。
観光のしやすさ:★★
ウユニ塩湖は、比較的観光がしやすい名所です。ボリビアの中でも治安は悪くない方で、湖周辺にも魅力的なスポットが点在しています。例えば、19世紀の鉄鋼業の繁栄を物語る「列車の墓場」、土産物屋や飲食店が立ち並ぶ「ウユニの街」、湖の塩で造られた「塩のホテル」などです。
ただし、バスターミナルや車内、ホテル、レストランでは観光客を狙った置き引きやスリ、窃盗などが少なくありません。南米の他の地域と比べると安全な方ですが、気を引き締めて行動しましょう。
気候の過ごしやすさ:★
ウユニ塩湖周辺の気候は、過ごしやすさという点で厳しい条件があります。標高約3,700mに位置するため、年間を通して気温が低いです。特に4〜11月の乾季は厳しい寒さになり、最低気温は氷点下になることも少なくありません。
また、12〜3月の雨季は比較的温暖ですが、昼夜の寒暖差が大きく、体調管理が難しいです。さらに、高地特有の薄い空気により、高山病のリスクもあります。ボリビアで快適に過ごすには、十分な準備と体調管理が不可欠です。
ハロン湾(ベトナム)
ベトナム北部のハロン湾は、水墨画から飛び出たかのような絶景が広がる世界遺産です。2011年には新・世界七不思議に選出され、訪れる人の心を魅了し続けています。
翡翠色の海に広がるのは、大小2,000もの奇岩から成る幻想的な風景です。朝日に輝く水面、夕焼けに染まる島々など、時間の経過とともにさまざまな表情を見せます。また、クルーズで湾内を巡れば「夫婦岩」や「スンソット洞窟」など、自然が生み出した芸術に出会えるでしょう。
アクセスの良さ:★★★
ハロン湾は、数ある世界遺産の中でもアクセスが良好な絶景スポットです。日本からベトナムのノイバイ国際空港まで直行便があり、空港からはバスや車で2~5時間程度で到着します。
まず、日本からハノイにあるノイバイ国際空港まで飛行機での所要時間は5〜6時間半程度です。成田空港や羽田空港だけでなく、関西空港、中部空港、福岡空港からも直行便が運航しており、出発する場所によって飛行時間が異なります。
ノイバイ国際空港からは、バスまたはツアーを利用して行くことになります。バスは混雑していることが多く、長時間バスの中で立ったままになる可能性もあるため、体力に自信がない方はツアーで行くとよいでしょう。
観光のしやすさ:★★
ハロン湾の観光は主にクルーズとなるため自由度が低いですが、多様な体験が充実しているという点で観光がしやすいといえます。
ハロン湾では、日常から離れて海上でのさまざまな体験ができることがメリットです。船上から奇岩群や鍾乳洞を眺めたり、カヤックやシュノーケリング、ダイビングといったアクティビティを楽しんだりできます。さらに、手漕ぎボートで水上生活村の跡地への訪問も可能です。
このように、ハロン湾は海上で過ごすことがメインの観光になることから、個人で現地に行くよりも、ハノイから日帰りや宿泊のツアーで参加することになります。そのため、自由に旅行内容をアレンジするのが難しい点がデメリットです。
気候の過ごしやすさ:★★
ハロン湾の気候の過ごしやすさは、季節によって大きく異なります。
まず、5〜10月の雨季は非常に蒸し暑く、短時間の激しいスコールがほぼ毎日起こるため、観光には厳しい環境です。特に6〜8月は猛暑となり、最高気温が連日30°Cを超え、湿度も急上昇します。
寒い時には5℃前後まで下がる11〜4月の乾季は、ハロン湾のベストシーズンです。雨季以降も度々雨は降りますが、雨季のように一日中雨が降り続けることは少なくなります。ただし、朝晩は冷え込むため防寒着を用意しましょう。
イエローナイフ(カナダ)
カナダ北西部に位置するイエローナイフは、年間を通じて高確率でオーロラを観測できる場所です。空一面に光のカーテンのようなオーロラが広がり、夏には湖面に映る逆さオーロラを楽しめます。また、冬には犬ぞりやスノーモービルも充実し、極寒の中での冒険も魅力です。
さらに、イエローナイフにはオーロラ鑑賞専用の「オーロラビレッジ」があり、ティーピーの中で暖かく過ごしながら、バノックやバッファローのスープなど地元料理を堪能できます。このような多彩な魅力が詰まったイエローナイフは、一生に一度は訪れてみたい絶景スポットといえるでしょう。
アクセスの良さ:★★
イエローナイフへのアクセスは、他の絶景スポットに比べて良好です。日本からイエローナイフに行くためには飛行機の乗り継ぎが必要ですが、空港からイエローナイフまで約6kmと非常に近く、シャトルバスやタクシーですぐにたどり着けます。
まず、日本から飛行機で行く場合、バンクーバー空港またはカルガリー空港でイエローナイフ空港行きへ乗り換えましょう。日本からカナダの空港までの所要時間は約9〜10時間、バンクーバーまたはカルガリー空港からイエローナイフまでは約2時間半前後です。空港からイエローナイフまでは、ホテルのシャトルバスやタクシー、ライドシェアに乗って約10分で到着します。
観光のしやすさ:★★
イエローナイフは、観光に適したスポットです。治安がよい小さな田舎町であり、一般的な防犯対策をしっかりすれば安心して過ごせます。また、ゴールドラッシュ時代に建てられたオールドタウンや入場無料ながら充実している博物館など見どころが多く、アクティビティも豊富です。
ただし、昨今カナダ全体で物価が上昇しており、旅行費用が高くなる可能性があります。イエローナイフは観光地のため、観光客向けのレストランや土産物屋が多く、予定よりも食費やお土産代が上がる可能性があることを心に留めておきましょう。
気候の過ごしやすさ:★★
イエローナイフのオーロラが見られるシーズンは冬季の11~4月と夏季の8~9月がありますが、冬と夏で過ごしやすさが全く異なります。
冬季の平均気温は氷点下まで下がり、専用の防寒着が必要です。最も寒い1月は-30℃になることもあります。一方、夏季の平均気温は15℃前後ほどであり、日本と同様の防寒対策でもオーロラを楽しむことが可能です。体力が心配な方や寒さが苦手な方には、夏に訪れることをおすすめします。
まとめ
今回紹介した世界の絶景スポットは、驚くほどの美しさと感動を与えてくれる場所ばかりです。中にはアクセスが難しい場所もありますが、どれも一生に一度は訪れる価値があります。
ぜひ実際に訪れて、自分の目で見て、肌で感じてください。きっと忘れられない思い出となり、人生を豊かにする体験となるはずです。