おひとりさまの老後におすすめの移住先は?必要な費用や注意点もご紹介
おひとりさまが老後を過ごすとき、今の場所で暮らし続けてよいのか迷うこともあるのではないでしょうか。老後を楽しく過ごしたいおひとりさまは、憧れの地域で暮らす「移住」という選択もあります。本記事では、おひとりさまの老後におすすめの移住先や移住の際の注意点などについて、分かりやすく解説します。
おひとりさまの老後移住にはメリットが多い
おひとりさまの老後に移住を考えている方へ、まずは移住のメリットをご紹介します。
おひとりさまの老後移住におけるメリット
- 誰かの意見に左右されず自分の希望だけで移住先を決められる
- 移住先で自分の好きなように自由気ままな暮らしができる
- 移住先で交友関係を広げられる
- 一人暮らしなので移住にかかる費用負担が比較的少ない
上記のメリットを魅力的に感じるおひとりさまは、ぜひ老後の移住を検討してみてはいかがでしょうか。
おひとりさまの老後の移住先の選び方
移住先が自分に合わなかった際、すぐに引越しし直すというのは体力的になかなか難しいでしょう。したがって、老後の移住先は慎重に選ぶことが大切です。ここからは、おひとりさまの老後の移住先の選び方をご紹介します。
移住の目的と合っている地域を選ぶ
老後の移住先は、移住の目的と合っている地域を選ぶことが大切です。
「海を身近に感じられる場所で老後の生活を送りたい」「老後は農業に挑戦したい」「都会の華やかな場所でおひとりさま生活を満喫したい」など、まずは移住することで叶えたい目的を明確にしましょう。
せっかく移住したにも関わらず、老後にその目的が達成できないといった事態を防ぐためにも、移住の目的に合った地域かどうかを事前に調べる必要があります。
収入や資産に合った家賃の地域を選ぶ
住居費は毎月の出費の多くを占めるため、収入や保有資産で家賃を払える地域を選ぶことが重要です。
特におひとりさまの場合、移住費用を自分ひとりで賄う必要があるため、無理なく家賃を払える地域を選ばなくてはいけません。
おひとりさまは一人暮らしだからこそ、部屋の広さや数を抑えて物件を選べます。これからの老後の生活を考えて、自分に無理のない家賃の物件を探してみてください。
医療機関や福祉制度が整っている地域を選ぶ
老後は、医療機関に通う頻度が増える傾向にあります。また、福祉サービスを利用する機会も増えることでしょう。
そのため、自分ひとりでも問題なく医療や福祉のサービスを利用できるように、医療機関までの距離や交通機関の有無、高齢者への福祉制度の有無がとくに重要です。
身体に不調を感じたときにすぐ通院できるような環境が整っているか、万が一の場合に福祉サービスを受けられる地域であるかどうかは、移住する前にしっかり調べておきましょう。
公共交通機関が充実している地域を選ぶ
老後は自家用車を手放すことを想定しなければいけません。おひとりさまの老後の移住先は、車がなくても行きたい場所へ気軽に行けるように、電車やバスなどの公共交通機関が充実している地域を選ぶことをおすすめします。
公共交通機関が充実している移住先は、商業施設や医療機関、旅行などおひとりさまの老後生活でも不自由なく出かけられるため魅力的です。
また、交通機関が充実している地域で自家用車を手放せば、車の維持費を削減できるというメリットもあります。
気候が安定している地域を選ぶ
老後は、些細なことで体調を壊してしまうこともあるでしょう。暑すぎる地域や寒すぎる地域は、老後の身体に負担がかかりやすいです。そのため、移住先を選ぶときはできるだけ気候が安定している地域を選ぶことをおすすめします。
気候は降雨量や降雪量、一年を通しての気温などから判断しましょう。
おひとりさまの老後におすすめの移住先
ここからは、おひとりさまの老後におすすめの移住先を4つご紹介します。まだ具体的にどこに移住したいかが決まっていない方は、ぜひ参考にしてください。
茨城県
茨城県は、都心に近く関東の中でも比較的自然が豊かな県で、老後は都会と自然の両方を味わいたいというおひとりさまにおすすめの移住先です。
とくに南部は都心へのアクセスがよく、東京に訪れる必要がある方にも便利な地域といえます。都心と地方の二拠点移住を考えている方は、移住先の候補として積極的に検討するとよいでしょう。
太平洋沿いではマリンスポーツが盛んであるため、海を近くに感じながら老後を過ごしたい方に最適です。太平洋沿いは冬も比較的暖かく、雨や雪が少ないため一人暮らしの老後でも過ごしやすい傾向にあります。
日立市や常陸太田市、行方市などでは移住体験ツアーが行われています。本格的に移住をする前に短期間の移住を体験することで、理想の移住生活と照らし合わせられます。老後に茨城県での移住を考えているおひとりさまは、ぜひ移住体験ツアーに参加してみてはいかがでしょうか。
長野県
長野県は、標高3,000m級にもなる山々がある北アルプスや上高地などがある、自然豊かな県です。リゾート地や別荘地としても知られる軽井沢や、国宝に指定されている松本城などの観光地もあり、県外の人も多く訪れています。
自然豊かな場所ですが、新幹線を利用すれば1時間半程度で東京に向かえるため、たまに都心へ遊びに行きたいおひとりさまにもおすすめです。
長野というと雪が心配ですが、南信エリアは比較的雪が少ないため、移住先の検討候補にするとよいでしょう。
自然豊かだからこそ楽しめるアウトドアスポーツがたくさんあるため、ウィンタースポーツを趣味とするおひとりさまや、老後にハイキングやキャンプを楽しみたいおひとりさまにはとくに適した移住先です。
また、土地の寒暖差を活かした農産物作りも盛んで、新鮮でおいしい農産物が身近に手に入るのも魅力です。
東京都
東京都は、おひとりさまの老後移住先として注目されています。公共交通機関や商業施設などあらゆるサービスが充実しており、おひとりさまの老後であっても不自由なく過ごせます。
企業の数も多いため仕事の選択肢が広く、老後の就職先に困りにくいのも魅力です。地方と比べて人付き合いが密接でなく、周りを気にせず自分らしく好きなように暮らせます。
日本の各地では高齢者向け住宅が注目されていますが、中でも東京都には充実したサービスを提供している高齢者向け住宅が多くあります。老後にグレードの高い高齢者向け住宅に住みたいおひとりさまは、ぜひ東京都への移住を考えてみてはいかがでしょうか。
沖縄県
沖縄県は、自然豊かで温暖な気候が魅力です。言わずと知れた観光地であり、国内外から多くの観光客が訪れるため、老後にペンション経営や観光事業に携わりたいおひとりさまにもおすすめの移住先といえます。
また、沖縄ならではの食や音楽、暮らし方を楽しめることも魅力です。海が美しくマリンスポーツも盛んで、サーフィンやダイビング、シュノーケリングなどを趣味としているおひとりさまにも最適な移住先です。
沖縄は車が必要な地域が多いですが、那覇市であればモノレールが充実しており商業施設も多くあるため、車を手放す予定のおひとりさまでも暮らしやすいでしょう。
おひとりさまが老後に移住する際にかかる費用
ここでは、おひとりさまが老後に移住する際にかかる費用について紹介します。
引越し費用
引越しにかかる費用は、運ぶ荷物の量や移住先までの距離、引越し業者などによっても異なりますが、20万円~50万円が相場です。
引越し費用は大きな出費となるため、できるだけ抑えたいと思う方も多いでしょう。引越し費用を抑えたい場合には、以下の方法を検討してみるのもおすすめです。
引越し費用を抑える方法
- 引越し業者に相見積もりをとる
- 業者を頼らず知人に引越しを協力してもらう
- 引越し先に運ぶ荷物の量を少なくする
- 春先など引越しが盛んに行われる時期を避ける
家賃
住んでいる地域や住居のグレードなどによっても異なりますが、老後の一人暮らしの家賃の相場は月5万円程度です。
おひとりさまが賃貸で生活をする場合、毎月少なくとも5万円程度は家賃がかかると考えておきましょう。また、移住する前に敷金と礼金、家賃の3ヵ月分以上の資金を確保しておくと安心して生活を始められます。
また、おひとりさまの老後移住においては、賃貸ではなく家の購入も選択肢です。家の購入というとかなり大きな出費を想定するかもしれませんが、地方であれば空き家が多く、都心に比べると低価格で一軒家を購入できることもあるため、まずは移住先のエリアで調べてみましょう。家の購入に対して自治体の補助制度が設けられていることもあるため、あわせて確認してみてください。
おひとりさまが老後に移住する際の注意点
最後に、おひとりさまが老後に移住する際の注意点を紹介します。老後の暮らしを後悔なく楽しめるように、以下の注意点を理解した上で移住を検討しましょう。
物価や生活費が高くなる可能性がある
移住先の地域によっては、今住んでいる場所よりも物価や生活費が高くなる場合があります。人口が少ない地域やリゾート地などでは、価格競争がないため物価が高くなる傾向にあるためです。また、社会保険料も地域によって異なります。都心と比べると地方の方が高い傾向にあるため、移住先の社会保険料については事前に調べておくと安心です。
暮らし方の違いに戸惑う場合がある
人付き合いが盛んな地域とそうでない地域など、場所によって暮らし方はさまざまです。暮らし方がこれまで住んでいた場所と移住先で大きく異なると、その違いにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。暮らし方の違いを事前に知るためには、移住先に知人が住んでいる場合には話を聞いたり、短期間だけお試し移住をしたりするのがおすすめです。老後にストレスなく過ごすためにも、できるだけ事前に移住先の情報を仕入れておきましょう。
親しい友人と離れてしまう場合がある
おひとりさまの場合、友人はかけがえのない存在です。しかし、移住先によっては親しい友人と離れてしまうことも考えられます。
友人との日々が支えになっている方は、友人と会える距離感なのかどうかも視野に入れて移住先を探すとよいでしょう。
おひとりさまが老後を楽しく過ごすために移住を前向きに検討しましょう
この記事のまとめ
- おひとりさまの移住には、自由に老後の移住先を決められる、移住先で自由気ままに暮らせる、移住費用が比較的安いなどのメリットがある
- おひとりさまが移住先を選ぶ際は、移住の目的と合っているか、家賃が無理なく払える地域か、医療機関や公共交通機関が充実しているかなどに気を付ける
- おひとりさまにおすすめの移住先には茨城県や長野県、東京都、沖縄県などがある
- 移住にかかる費用には引越し費用や家賃などがある
- おひとりさまの移住には、元々住んでいた地域より物価や生活費が高くなる場合がある、暮らしの違いに戸惑うなどといった注意点がある
おひとりさまは、一人暮らしだからこそ自分の考えを中心にして老後の移住を決められるなど、多くのメリットがあります。気をつけなければいけない注意点もありますが、老後を楽しく過ごしたいと思う方は移住を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。