閉じる メニュー
健康・カラダのこと

【種類別】地域密着型サービスとは?内容や利用方法、対象者を詳しく解説

【種類別】地域密着型サービスとは?内容や利用方法、対象者を詳しく解説

地域密着型サービスは、要介護状態になっても住み慣れた地域で過ごせるようにすることを目的にした介護保険サービスです。地域特性を活かした支援を、なるべく日常生活圏内で完結できるように制度設計されている点が特徴です。本記事では、地域密着型サービスの内容や利用方法、対象者などについて詳しく解説します。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
監修者 SUPERVISOR
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級 池田 正樹

東北公益文科大学卒業。その後、介護保険や障害者総合支援法に関する様々な在宅サービスや資格講座の講師を担当した。現在は社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームの生活相談員として、入居に関する相談に対応している。在宅・施設双方の業務に加えて実際に家族を介護した経験もある。高齢者介護分野のみならず、障がい者支援に関する制度にも明るい。

東京博善のお葬式 0120-506-044 24時間365日・通話無料 お気軽にお問い合わせください 事前相談・お急ぎの方もこちらから!

地域密着型サービスとは?

地域密着型サービスの特徴

地域密着型サービスとは、利用者が居住している地域の中で最期まで安心して過ごせるようにすることを目的に、2006年4月に創設されました。介護の必要性が増したときに転居するのではなく、住み慣れた地域の力を最大限に活用して支援します。具体的な特徴は以下の通りです。

地域密着型サービスの特徴

  • 住民票がある市区町村に所在している事業所が利用できる
  • 市区町村が事業所指定・指導監督を行う
  • 小規模でアットホームな施設が多く、スタッフや地域との関係性が近い
  • 利用者・地域住民・市区町村職員を交えた運営推進会議で、情報公開とサービスの質の向上を図る

地域密着型サービスの最大の特徴は、利用できるのは住民票がある自治体の事業所のみという点です。また、利用者や地域住民・自治体にもサービスの質を高めるための役割があります。地域全体で高齢者のケアを支える仕組みが作られているという点に、大きな意義があるのです。

居宅サービスや施設サービスとの違い

介護保険サービスには、大きく「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類です。居宅サービスは在宅系、施設サービスは入所系と明確ですが、地域密着型サービスは在宅系と施設系が混在しています。

地域密着型サービスと居宅サービス、施設サービスの3つを比較すると以下のような違いがあります。

地域密着型サービス

居宅サービス

施設サービス

指定権者

市区町村

都道府県

※一部例外あり

都道府県

住所要件

住民票のある自治体の事業所のみ

住民票がある自治体以外の事業所も利用できる

住民票がある自治体以外の事業所も利用できる

複数サービスの併用

一部併用不可

不可

料金体系

1回ごとの課金制か月額制

原則1回ごとの料金

1日ごとの料金

サービスの特徴

在宅の高齢者向けサービスと入所施設利用者向けのサービスが混在している

在宅の高齢者向けサービスに限定している

入所施設のみ

居宅サービスは、都道府県が指定権者です。また、地域密着型サービスの一部には併用制限がありますが、居宅サービスの場合はほとんどありません。さらに、地域密着型サービスには一部月額制がありますが、居宅サービスはほとんどが1回ごとの料金という違いもあります。

施設サービスは、都道府県が指定や指導監督を行います。そのため、別の市区町村に住民票がある方も入所できます。施設サービスは入所先が生活拠点となるため、入所中は施設以外の介護保険サービスは利用できません。また、入所時の介護サービス費は1日単位の料金設定になっています。

地域密着型サービスの種類

地域密着型サービスは、大きく以下の3種類に分けられます。

地域密着型サービスの種類

  • 訪問・通所系のサービス(4種類)
  • 入所系のサービス(3種類)
  • 多機能型のサービス(2種類)

地域密着型サービスには複合的な機能を持つサービスが多く、登録することで一部併用できなくなるサービスがあります。この章では、地域密着型サービスの種類別の特徴や個別の利用条件などについて紹介します。

訪問・通所系のサービス

①定期巡回・随時対応型訪問介護看護

要介護1以上の方が利用できる定時訪問と随時対応を組み合わせた訪問型サービスです。入浴・食事・排泄といった身体介護と、掃除・洗濯・調理・買い物などの生活援助を必要性に応じて組み合わせて利用できます。さらに、看護師による訪問も含まれるため(一部外部委託あり)在宅ケアと医療を一体的に支えることが特徴です。

料金は月額制です。ただし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、「訪問介護・訪問看護・夜間対応型訪問介護」の機能を持っているため、これらサービスとは併用できません。

②夜間対応型訪問介護

要介護1以上の方が利用できる、夜間(18時~翌8時)に特化した訪問介護サービスです。定期的に自宅を訪問して訪問介護を提供する「定期巡回」と、要請に応じて臨時訪問する「随時対応」の2種類で利用者を支援します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違いは、原則夜間帯のみの対応であることと、看護師との連携サービスがないことです。また、料金についても1回あたりの課金制になっている点が異なります。

③地域密着型通所介護

定員19名以下の小規模な通所介護です。通常の通所介護と同様に、利用者宅に迎えに行き、介護施設にて入浴・排泄・食事・機能訓練・レクリエーションなどの支援を提供します。料金は、滞在時間や介護度によって変わります。医療ケアや重度の介護に対応した定額制の「療養通所介護」という形態もあります。

特徴は、通常の通所介護と比較すると小規模であることです。職員の目が行き届きやすいため、きめ細かい支援が期待できます。また、落ち着いた雰囲気の施設が多いため、大人数の施設に行くのは気が引ける方や、認知症があって混乱してしまう可能性がある方にも向いています。

④認知症対応型通所介護

認知症ケアに特化した通所介護です。通常の通所介護と同様に、送迎・入浴・食事・排泄・機能訓練・レクリエーションなどのサービスを提供します。認知症ケアについて研修を受けた職員が配置され、認知症の方でも落ち着ける環境が整っているのが特徴です。料金は滞在時間や要介護度によって異なります。

施設形態としては、単独型や通常のデイサービスなどに併設されている場合があります。「認知症対応型共同生活介護」(通称:グループホーム)に併設されている場合は定員3名とかなり少ないのですが、料金設定が安いのが魅力です。介護度が低い方でも利用できるため、認知症対応の強い味方になるでしょう。

入所系のサービス

①認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

「認知症の診断を受けた方が、5~9名の小規模な施設で支援を受けながら共同生活を送る」というコンセプトの入所施設です。日常生活上の支援はもちろん、地域との交流も盛んです。例えば町内会行事に参加するなど、家庭的な環境の中で過ごせるのが特徴です。

要支援2から入所の対象になりますが、それ以外に「認知症の診断を受けていること」も必須の要件になっています。

②地域密着型特定施設入居者生活介護

有料老人ホームやケアハウスなどの居住系入所施設が介護施設としての指定を受け、介護サービスを提供できるようにした状態の施設を「特定施設入居者生活介護」といいます。地域密着型特定施設入居者生活介護とは、その中でも定員が29名以下の施設を指します。

いわゆる介護付き有料老人ホームや介護型ケアハウスが該当し、通常は介護サービスが外注である住宅系施設でも、介護保険の入所施設と同様の支援を受けられます。65歳以上の高齢者で要介護1以上の方が入所の対象です。

③地域密着型介護老人福祉施設

料金も安く「終の棲家」としての機能を持つ特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)のうち、定員が29名以下の施設を指します。日常生活全般の支援に加えて一部の医療ケアや看取り介護にも対応し、地域密着型サービスとしての基本機能も併せ持っています。

入所者の経済状況によって利用料金の減免を受けられるため非常に人気が高く、年単位で入所待ちが必要な施設も少なくありません。入所申し込みをするためには、原則要介護3以上の認定を受けた高齢者である必要があります。

多機能型のサービス

①小規模多機能型居宅介護

要介護の高齢者になっても住み慣れた環境で過ごし続けられるよう、ひとつの施設の中で「通い・訪問・宿泊」の3つの支援を総合的に提供する施設です。ケアプランを作成するケアマネジャーも配置されており、自宅周辺の環境や顔なじみの関係の中で総合的・個別的な支援を受けられるのが特徴です。

要支援1から利用でき、料金は月額制です。このサービスに登録するとケアマネジャーは施設在籍の職員に変わり、他の訪問介護や通所介護 、ショートステイは利用できないため注意しましょう。

②看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

上記の小規模多機能型居宅介護の内容に、さらに訪問看護のサービスが追加された施設です。小規模多機能型居宅介護とは違い、要支援の方は利用できません。

地域密着型サービスの対象者

地域密着型サービスの利用者になるためには、以下の条件を全て満たしている必要があります。

地域密着型サービスの対象者

  • 原則65歳以上の高齢者である
  • 要介護認定を受けている
  • 利用したいサービス事業所の所在地と同じ市区町村に住民票を有している

地域密着型サービスを利用するために必要な要介護認定は、対象が原則65歳以上の高齢者に限定されています。しかし、介護が必要な状態になった理由が16の特定疾病によるものである場合は、40歳以上で公的医療保険に加入している方であれば高齢者でなくても申請できます。

16の特定疾病

引用元 | 厚生労働省 特定疾病の選定基準の考え方

また、地域密着型サービスは地域の実情に応じた支援を提供することが最大の特徴です。同一の自治体に住民票がある方のみ利用できることを覚えておきましょう。

地域密着型サービスの利用方法

地域密着型サービスの利用方法は、「訪問・通所系」「入所系」「多機能型」の3種類で異なります。この章では、地域密着型サービスの大まかな利用方法について紹介します。

訪問・通所系のサービス

地域密着型サービスにおける訪問・通所系サービスの利用方法は、「居宅介護支援事業所」などに在籍するケアマネジャーからケアプランを作成してもらうことです。まずは要介護認定を受け、要支援1・2だった場合は最寄りの「地域包括支援センター」へ、要介護1以上の場合は任意の「居宅介護支援事業所」へ相談します。

ケアマネジャーが地域密着型サービスの必要性を認めたらケアプランの原案を作成します。その後サービス担当者会議が開催され、ケアプランについて合意を得られればサービスの利用開始となります。

入所系のサービス

地域密着型サービスにおける入所系サービスの利用方法は、施設に入所申し込みすることです。所定の申込書に加え、入所意見書や診断書などを求められる場合があります。すでに担当のケアマネジャーがいる場合は、申し込み方法について聞いてみるとよいでしょう。必要書類の提出に関する助言や、施設の情報提供をしてくれます。

ただし、申し込みをしてもすぐに入所できるわけではありません。入所が決まるまでは他の地域密着型サービスを利用するなど、併せて相談しておくと安心です。

すべてのサービスが完全無料!本当の「優良施設」のみを紹介!

多機能型のサービス

地域密着型サービスにおける多機能型サービスの利用方法は、施設に直接利用申し込みをすることです。各施設ごとに登録できる人数が決まっているため、希望する施設がいっぱいの場合は別の施設に申し込みましょう。在宅介護をしていて担当のケアマネジャーがいる場合は、多機能型サービスに登録したい旨を相談しましょう。

サービスに登録すると多機能型サービスに所属しているケアマネジャーへと担当がが変わりますが、引継ぎも兼ねて担当してくれていたケアマネジャーが施設と連携し、準備を進めてくれる場合もあるでしょう。

最期まで住み慣れた地域で暮らしたい方は、地域密着型サービスを検討しましょう

この記事のまとめ

  • 地域密着型サービスとは、住み慣れた地域で最期まで安心して過ごせることを目的としたサービス
  • 地域密着型サービスの特徴は、住民票がある自治体の事業所のみ利用できる、市区町村が事業所指定・指導監督を行う、小規模でスタッフや地域との関係性が近いなどが挙げられる
  • 地域密着型サービスには、①訪問・通所系②入所系③多機能型の3つのサービスがある
  • 地域密着型サービスの対象者は①原則65歳以上②要介護認定を受けている③利用したいサービス事業所の所在地と同じ市区町村に住民票を有している、これら全ての条件を満たしている必要がある

地域密着型サービスは、「たとえ重度の要介護状態になっても、最期まで住み慣れた地域環境で過ごしたい」と考えている方に適しているサービスです。地域密着型という名前が示す通り、地域ごとの実情に応じてきめ細かい支援を受けられるため、環境の変化が苦手な認知症の方にもおすすめです。

地域密着型サービスの利用を希望する場合は、利用条件や利用方法を事前に確認し、どのサービスを利用するのがよいかケアマネジャーなどと話し合いながら検討していきましょう。 

SHARE この記事をSNSでシェアする