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健康・カラダのこと

介護予防とは?健康で自立した生活を送るために今から取り組めることをご紹介

介護予防とは?健康で自立した生活を送るために今から取り組めることをご紹介

介護予防とは、介護に頼ることなく健康な状態で日常生活が送れるようにする取り組みのことです。そのためには、健康状態に気を配り、運動を継続するなど、さまざまなポイントを押さえることが必要です。本記事では、病気や介護が必要な状態にならないように、今から取り組めることを紹介していきます。

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監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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介護予防とは?

「介護予防」とは、心身ともに健康な状態を保ち、介護が必要な対象者にならないように予防していく取り組みのことです。また、すでに要介護状態の人の改善や悪化防止を目的としている試みも介護予防です。

要介護状態になると、徐々に自分でできないことが増えていくため、QOL(生活の質)の低下につながる恐れもあります。しかし、身体機能を維持することで、自分の身の回りの世話は自分で行い、自立した日常生活が送れるでしょう。

要介護状態になってから心身の機能を改善することは簡単にできません。そのため、元気なうちから現在の健康状態の問題点を見つけて対応することが大切です。

介護予防の必要性とは?

介護予防が必要な理由

  • 健康状態が維持できる
  • 医療費が削減できる
  • 家族の負担が軽減できる
  • 施設に入所することなく自宅で生活ができる

日本の高齢化に伴い、介護や福祉サービスを必要とする高齢者の数が増加しています。介護保険制度における要支援や要介護の認定を受けている人は、平成30年度末で645.3万人になります。

そして、65歳以上で介護認定を受けている割合は36.1%になることから、4割近くの人に何らかの介護が必要になっている状態といえます。

政府も介護予防に取り組むことは重要と考え、平成26年の介護保険法改正では「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」を創設しました。これは、市町村が中心となって、地域の実情に合わせて要支援者を支えていくための事業です。

このように、国や行政でも高齢者が自立して生活を送れるよう、介護予防の取り組みをしています。

少子高齢化や核家族化が進んでいることによる老老介護や、介護職の不足により介護サービスが利用しづらくなる状況など、老後の生活に不安を感じている人も多くいます。しかし、要介護状態を防げれば心配は少なくなるでしょう。

そのためには、介護予防をして健康で自立した生活を長く送れるようにすることは非常に重要です。

参考:内閣府 令和3年版高齢社会白書(全体版)

介護予防の5つのポイントとは?

介護予防を行うためにさまざまな取り組みが考えられていますが、自分でできることも多くあります。

「生活習慣病」の進行は要介護状態になる原因の一つです。生活習慣病とは、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣が大きく関わり、脳卒中、がん、心臓病、糖尿病などの病気を引き起こす原因といわれています。

生活習慣病の予防により、要介護状態になるリスクも減少します。ここからは、介護予防のための五つのポイントを解説していきます。

⒈健康状態のチェック

介護予防の取り組みを行う前に、自分自身の健康状態を把握することが基本となります。

かかりつけの医師がいれば、自身の健康状態について相談してみるのもよいでしょう。

また、厚生労働省が作成した「基本チェックリスト」を使用するのも一つの方法になります。

基本チェックリストは「運動機能・栄養状態・口腔機能・閉じこもり・認知機能・うつ病の可能性」の分野があり、現在の心身の状態が把握できます。最初に行うだけでなく定期的にチェックすることで、状態の変化や新たな問題の発見につながるでしょう。

現在の健康状態をチェックをすることで、今までの生活を振り返ったり心身機能の衰えが発見できたりと、生活改善への一歩となるのです。

参考:厚生労働省 基本チェックリスト

⒉運動習慣を見直す

運動習慣を見直すために現在どのような種類の運動をしているか、また頻度や強度はどの程度なのか振り返ってみましょう。

適度な運動をすることで心臓や血管の機能が向上し、心臓病や高血圧、糖尿病や骨粗しょう症などの発症のリスクが低下します。運動により足の筋力が鍛えられるため、転倒予防にもなるでしょう。

定期的な運動をすることは、体重の管理にも役立ちます。身体を動かすとカロリーが消費されるため、体脂肪が減少し健康的な体重の維持ができます。

運動といっても何から始めたらよいのか分からないという人は、まずは歩くことから始めてみるのがおすすめです。近所のスーパーに行く際は車から徒歩に変更したり、友人を誘って一緒にウォーキングをしたりと、継続できる方法を考えましょう。

適度な運動は身体の調子を整えるだけでなくストレスの軽減や気分の改善にもなり、心の健康にもつながります。

⒊食生活を見直す

一日の食事メニューを振り返り、バランスのよい食生活ができているのか確認をしてみましょう。

バランスのよい食事を摂取する効果

  • 免疫力が高まる
  • 体力が維持できる
  • 筋力の低下を防ぐ
  • 骨折のリスクが減る

高齢になると野菜を多く摂取する傾向がありますが、肉や魚などのたんぱく質も体を作る上で重要な栄養素のため、積極的に食べるようにしましょう。

しかし、栄養にこだわりすぎて、食事がつまらない時間になってしまうのは避ける必要があります。自分自身の好きなものを食べると心が満たされるため、楽しく食事をすることは大切です。

このように、運動だけでなく食生活を見直すことは介護予防につながるのです。

⒋口腔ケアを行う

口の中を清潔に保ち、歯周病や虫歯を予防することは、介護予防になります。高齢者の死亡原因の中にある誤嚥性肺炎は、飲み込む機能が低下し、食べ物や飲み物が気管に入ってしまい肺炎になる状態のことです。

口腔ケアが十分に対応できていない場合、唾液の中に菌が繁殖することが多く、寝ている間に唾液が気管を通って肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。それだけでなく、感染症や認知症、糖尿病などの病気の原因になるともいわれています。

毎食後のはみがきができない場合、うがいをするだけでも菌の繁殖が抑えられるため、積極的に行いましょう。

また、飲み込む力を維持するためにも、日頃から口を動かすことが重要になります。食べ物をよく噛むことや、人と会話をして口や舌をよく動かすのがおすすめです。口腔内のチェックや義歯の調整など、定期的に歯科受診をすることも、口腔内の健康を保つ上で大切なことになります。

このように、口腔内のケアを行うことは全身の健康につながり、介護予防にもなるのです。

⒌社会参加をする

社会参加とは、地域の行事に参加をしたり、社会の一員として活動をすることです。家にいることが多いと人との会話が少なくなるため、外出をしてさまざまな刺激を受けましょう。

地域で開催されるものには講習会やイベントなどがありますが、体を動かす目的なら運動教室や体操教室がおすすめです。また、新しい情報を知ることや意見を交わすことで脳によい刺激が与えられます。そのため、認知機能の向上や気分転換にもつながるでしょう。

例えば、市町村や地域包括支援センターでは、体操教室や文化講座などのイベントを開催しているため、広報誌などで詳細を確認してみましょう。

このように、社会参加は人との会話や運動の機会を得られるため、介護予防の目的として非常に有効です。

介護予防の自治体による取り組みとは?

自治体や地域包括支援センターが中心となり、健康教室や栄養改善といった介護予防の勉強会を福祉施設などで開催しています。生活機能が低下している高齢者に対して、地域で支援をしようとさまざまな取り組みがされているのです。

ここでは、二つの自治体の取り組みを具体的に紹介します。

北海道滝川市の取り組み

北海道滝川市が取り組んでいる事業の特徴は、行政が養成した「いきいき百歳サポーター(ボランティア)」が中心となって、介護予防を目的とした体操教室を開催していることです。

滝川市は4日間の「いきいき百歳体操サポーター養成講座」を実施しています。講座を修了した人たちがサポーターとなり、週1回1時間程度の介護予防を目的とした体操教室を各地で開催しているのです。

現在、市内15会場で体操教室が行われており、約450人が参加しています。それ以外にも、グループホームやデイサービスなど福祉施設の利用者およそ200人もそれぞれの施設で参加しており、大きな規模に成長しているのです。

体操教室に参加することで週1回は外出する機会が作られ、体を動かすだけでなく人と会話をするきっかけにもなります。年1回の体力測定も行われるため、前回との比較が数値で確認でき、やる気につながるのです。

このように、サポーターが主体となり体操教室の運営や参加者の対応をすることで、意欲的に取り組めます。参加者も定期的に外出して運動をする機会ができ、変化のある日常生活を送れるのです。

参考:厚生労働省 地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組事例 北海道滝川市

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千葉県印西市の取り組み

千葉県印西市は、各地区の自治体の役員やボランティアが主体となって「いんざい健康貯筋運動」を開催しています。地域の結びつきを強くしたい、地域での健康づくりをしたいなどの意識を持った住民たちがサポーターとなり、運営をしているのが特徴です。

市内4つの施設で、週1回1時間半〜2時間の教室が開催されており、約50人が参加しています。施設までは、徒歩で自分の力で行くことを基本としています。

介護予防を目的とした運動をしますが、口の体操をしたり、座ったままや、おもりを使った筋力運動を歌いながら行ったりしています。

運動教室の運営や参加者の対応をするのは、60歳代や70歳代のサポーターです。自分自身の知識や経験を活かし、人の役に立つことで充実感や満足感を得られます。新たな友人や仲間を作るきっかけにもなるでしょう。

参加者も介護予防や健康に関する知識や情報を得られ、自分自身の健康管理に役立てられます。同じように健康に関心を持つ人たちと交流し、励ましあったり、コミュニケーションを図ったりと楽しんで介護予防に取り組めます。

参考:厚生労働省 地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組事例 千葉県印西市

介護予防は自分でもできる!

この記事のまとめ

  • 介護予防とは、要介護状態にならないように運動や食事に気をつける取り組み
  • 介護予防には、高齢者が自立して生活することで、医療や介護費用を削減するという目的もある
  • 介護予防を始める前に、自分自身の現在の健康状態を把握することが必要
  • 運動習慣を見直し、無理のない範囲で運動をすることは介護予防をする上で重要
  • 食生活を見直しバランスの取れた食事を摂取していくことは、体調の管理につながる
  • 口腔ケアをすることは、感染症や心臓病などの病気の予防になる
  • 社会参加をすることで、閉じこもりを予防し変化のある生活を送るきっかけになる

年齢を重ねていくと、心身の機能が低下するリスクは高まるため、食生活に気をつけたり運動をしたりすることで、介護予防になります。介護予防は、日々の積み重ねが重要になるため、まずは自分でできることから始めてみましょう。

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