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健康・カラダのこと

介護での食事で気をつけること|介護食の準備のポイントと注意点

介護での食事で気をつけること|介護食の準備のポイントと注意点

高齢になると噛む力や飲み込む力の低下により、これまでの食事が食べにくく感じるようになります。このように通常の食事が食べにくい介護での食事では、食べる人が安心して食事を楽しめるようさまざまな工夫や注意が必要です。そこで今回は、介護の食事での注意点や準備のポイントを詳しく解説します。

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介護での食事の基本

介護食とは、噛む力や飲み込む力が弱くなった人のために調理方法などを工夫し、食べやすくした食事のことです。必要な介護のレベルは個人によって異なるため、食べる人の能力を的確に把握しておくことが基本です。

また、形態的な食べやすさだけでなく栄養バランスや好み、食べる環境などの多くの配慮が必要です。ここでは、介護での食事の基本を解説していきます。

栄養バランスの整った食事内容

加齢とともに食事量が減り、必要な栄養素が十分に摂れていない高齢者は多いです。食べやすい食材ばかりを食べる偏食も栄養不足の原因となるため、介護の食事では栄養バランスを考慮することも大切です。

特に高齢者に不足しがちなカロリー、たんぱく質、ミネラルはしっかり摂りたい栄養素です。主食、主菜、副菜の揃ったバランスのよい食事内容を心がけましょう。

健康状態や好みに合わせたメニュー

高齢者の健康状態は毎日変わります。食事もその日の健康状態に合った内容を選びましょう。例えば、お腹を下し気味の日には消化がよく胃腸に負担のかからない食事を、発熱時は水分の多いメニューにし、少量の食事でも水分摂取ができるようにするなど工夫しましょう。

また、食欲のない日でも好きなものであれば食べられることもあります。うまく好物を取り入れながら、食事量の減少を防ぎましょう。

噛む力、飲み込む力に合った調理方法

介護が必要な人は噛む力、飲み込む力が低下しているため、噛みやすく飲み込みやすいように調理することが求められます。あまり噛まなくても食べられるよう軟らかくしたり、具材は細かくするなどの工夫をすると食べやすくなります。

飲み込む力に関しても、能力を把握した上で食事を提供する必要がありますが、介護のレベルに応じた食事内容については後ほど詳しく解説します。

食事環境にも配慮する

介護の食事では、食べる環境も重要です。美味しい食事でもひとりで寂しく食べる環境では食欲も湧きません。可能であれば、家族や友人と食卓を囲み、楽しい雰囲気の中で食事ができるような環境を整えましょう。

介護食と高齢者食の違い

ここでは、介護食の種類について解説します。介護食とは、食べる機能が低下したことを補うために作られた食事です。それに対し、高齢者食は一般的な成人の食事に少しの手間や工夫を加えて食べやすくしたものです。介護食と高齢者食は、種類によっては調理方法も大きく異なる場合があります。

介護のレベルに合った食事の種類

日本介護食品協議会の「ユニバーサルデザインフード」という自主規格では、介護食は四つの区分に分類されており「容易に噛める」「歯茎でつぶせる」「舌でつぶせる」「噛まなくてよい」となっています。

この区分に合わせた、刻み食、ソフト食、ミキサー食、ムース食の食事内容を紹介します。

刻み食

刻み食は食材を細かく刻んで食べやすくした食事です。噛む力が弱くなってきた方や、口周りの筋力の低下によって口が大きく開けられない方に適しています。食材を細かく刻んだだけであるため、食材の見た目や食感が残っており、食欲が湧きやすい調理法です。

食材を細かく刻んだだけのため、軟らかくはありません。また、細かすぎると口の中でバラバラになりやすいため注意しましょう。マヨネーズなどの油分を加えてまとまりやすくすると食べやすくなります。

ソフト食

煮込む、茹でるなどの調理によって食材を軟らかくしたのがソフト食です。歯茎や舌でつぶせることが軟らかさの目安です。歯のない人や噛む力が弱くなった人でも食べやすく、あまり咀嚼しなくても飲み込めます。食材が軟らかくなるまで煮込む必要があるため、調理に時間がかかります。

ミキサー食

食べ物をミキサーにかけてポタージュ状にしたものがミキサー食です。そのまま飲み込めるため、噛む力、飲み込む力が弱ってきた方におすすめです。ただし、流動性があるため誤嚥に注意が必要です。サラサラした液体には、片栗粉やとろみ剤を使って粘度を調整し誤嚥のリスクを下げましょう。

ムース食

食べ物をミキサーやフードプロセッサーにかけてペースト状にし、ゼラチンや寒天を使って固めたものがムース食です。口の中で潰す必要がないため、噛む力と飲み込む力の両方が弱くなった方に適しています。

調理の際のポイントは、食材を滑らかになるまでつぶすこと。塊が残っていると、口の中に残り誤嚥を引き起こす危険性があります。また、パサパサした食材はだし汁や牛乳を加えて滑らかにしてから固めると食べやすくなります。

介護の食事を準備する際のポイント

介護の食事を準備する際には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、介護の食事を準備する際の食材選びや調理方法について詳しく解説します。

食材選びのポイント

介護食では軟らかい食材を使用し、食べにくい食材は使わないことが基本です。特に、食べにくい食材は誤嚥の危険性もあるため注意が必要です。ここでは、介護の食事に適した食材、避けるべき食材を解説します。

舌でつぶせる程度の軟らかな食材を選ぶ

介護の食事で軟らかさの目安は「舌でつぶせる」こと。老人では、歯が欠損していたり、入れ歯が合わずに噛みにくいこともあります。そのような場合でも舌でつぶせる程度の軟らかさであれば、ストレスなく食べられます。

軟らかい食材の例

  • 絹豆腐(木綿豆腐は口の中でボロボロになり、食べにくい場合があります)
  • 白身魚(カレイ、タラ)
  • バナナ
  • ゼリー、プリン
  • お粥

食べにくい食材は使わない

老人が食べにくい食材は、まとまりがなくパサついた食材や噛みにくい食材です。特に介護の食事では、食べにくい食材は使うべきではありません。これらの食材は調理を加えても食べやすくならず、誤嚥の危険性もあります。介護食を準備するときには、食べにくい食材を使用しないよう注意しましょう。

食べにくい食材

  • 粘り気のあるもの(もち、団子など)
  • パサパサするもの(パン、クッキー、ゆで卵など)
  • 弾力があり、噛み切りにくいもの(イカ、タコ、こんにゃく、かまぼこなど)
  • 水分が少なく、硬いもの(せんべい、ゴボウ、レンコンなど)
  • 喉に貼りつきやすいもの(海藻類など)

たんぱく質の多い食材を積極的に使う

たんぱく質は身体の筋肉を構成する成分であるため、不足すると筋肉が減少し、体力の低下にもつながります。生活の質を落とす原因にもなるため、たんぱく質の多い食材を積極的に取り入れましょう。

たんぱく質が豊富で食べやすい食材の例

  • 脂ののった魚(マグロ、カレイ、ブリなど)
  • 肉類(バラ肉など脂身の多い部位)※赤身肉はパサパサして食べにくいため注意が必要
  • 豆腐
  • 軟らかく煮た豆類(薄皮は取り除く)
  • 温泉卵

調理方法のポイント

介護の食事を準備する際には調理方法がポイントです。一般的な高齢者食で提供されるメニューでも、介護が必要な方にとっては食べにくいものもあります。そのようなメニューでも、調理を工夫することで美味しく食べられるようになるため、コツを覚えておきましょう。

煮る、蒸すなどで加熱して軟らかくする

「煮る」「蒸す」などの水分の多い調理方法では食材が軟らかくなると同時に、食材がしっとりして食べやすくなります。魚は生の刺身より煮魚が、野菜や肉も煮たり蒸したりして軟らかくすると食べやすくなります。

調理済の料理をミキサーにかける

介護の食事ではその人に合った食事が必要ですが、そのためだけに食事を作るのは大変です。そこで、できあがった料理をミキサーにかけると簡単に介護食を作れます。

しかし、ミキサーにかけると全てが混ざり合ってしまい、何を食べているのかが分からなくなってしまいます。元の料理を見せたり食材を色ごとに分けてミキサーにかけるなど、ひと手間かけて何を食べているのか分かるようにしてあげると安心して食べられます。

とろみ付けやゼリー状にして飲み込みやすくする

サラサラした液体やパサパサしてまとまりにくい食材は、介護が必要な老人には食べにくいものです。そのような食事には、とろみ剤や片栗粉を活用してとろみ付けをしたり、寒天で固めてゼリー状にすると飲み込みやすくなります。誤嚥を防ぐのにも役立つため、ぜひ取り入れてみてください。

見た目を美味しそうにする

介護の食事においても、食事の見た目は非常に重要です。見た目が美味しそうだと食欲が湧き、食事量を増やせます。特に、ミキサー食やムース食では食材の形はほとんど残っていないため、それだけでは味気なく感じることも。

例えば、料理をミキサーにかける際は全ての食材を一度にかけるのではなく、緑の野菜、茶色の肉、オレンジのソースをそれぞれ別でミキサーにかけてから盛り付けるときれいな色に仕上がります。見た目がきれいだと食欲も湧きやすいため、ぜひ試してみてください。

食事介助の注意点

介護の食事では、食事内容だけでなく食べる時の姿勢や食ベ方、環境などさまざまな配慮が必要です。ここでは、食事介助を行う際のポイントを紹介していきます。

食事介助とは

食事介助とは、ひとりで上手く食事ができない方のために手伝いをすることです。食べることを手伝う摂食介助の他に、食前のうがいや食後の清掃など食事に関することを全般的にサポートします。

硬さ、大きさを調整する

食事は食べる人の状況に応じた適度な硬さ、大きさに調整が必要です。硬すぎたり大きすぎるものは噛みづらく、そのまま飲み込んでしまうと窒息の危険性があります。一方、細かく刻んだり流動性があり過ぎるものは口の中でまとまりにくく、むせたり誤嚥しやすくなります。

食べる人の噛む力、飲み込む力の状態をきちんと把握し、その人の能力に合った食事を提供するようにしましょう。

食べる時の姿勢を考慮する

介護の食事において、食べる時の姿勢は非常に大切です。基本的には座った状態で食べるのが好ましく、座位が難しい場合には45~60度くらいの傾斜にすると誤嚥しにくい姿勢になります。リクライニングチェアを活用したり、背後にクッションを挟むなどして、食べる前に好ましい姿勢を整えるようにしましょう。

また、長時間その体勢を保つのが難しい場合には、休憩を入れながら食べましょう。介護の食事には時間が長くかかることも多く、食べることに疲れを感じてしまう場合もあります。食事を苦痛に感じることがないように配慮しましょう。

サポートしつつ、自分で食事ができるようにする

介護の食事でも、基本的には自分で食事ができることを最優先に考えます。介護が必要な老人の方でも、できる限り自分の力で食事を口に運ぶことで自信がつき、食事をより楽しめます。介護する側は食べる人の状況を見守りながら、サポートするようにしましょう。

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楽しく食事ができる環境づくり

食事の目的は栄養補給だけでなく、食事を美味しく食べることで満足感を得たり、家族や友人と食卓を囲むことで心を豊かにするといった役割もあります。楽しく食事ができる環境が整うことで健康の維持や増進、生活の質の向上にもつながります。

食事の介助を行う際には、楽しく食事ができる環境を整えることも意識するようにしましょう。

介護の食事ではその人に合った食事内容、安心して楽しく食べられる環境を整えることが大切

この記事のまとめ

  • 介護の食事では、栄養バランスを考慮した上で、健康状態や好みに合わせたメニューを用意する
  • 必要な介護のレベルに合った形態の食事を見極めることが重要で、噛む力や飲み込む力に配慮した食事を用意する
  • 誤嚥の原因となる食べにくい食材は避け、軟らかな食材を選ぶようにする
  • 食材を刻んだり軟らかく調理する、ミキサーやとろみ剤を活用して粘度を調整すると食べやすくなる
  • 介助を行う際は、食前から食後まで全般的にサポートしながら自分で食べる喜びを与え、楽しく食べる環境作りにも心がける

介護の食事では、配慮すべきことが多くあります。基本は、食べる人の健康状態や嚥下能力を把握し、その人に合った内容の食事を準備するようにしましょう。その上で栄養バランスや好みに配慮し、安心して楽しく食事がとれる環境を整えていきましょう。

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