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特集

【地域に根ざす葬儀社のブランドづくり】地域とのつながりが、やがてブランドになる

【地域に根ざす葬儀社のブランドづくり】地域とのつながりが、やがてブランドになる

地域との接点が希薄になる今、 葬儀社に求められる新たな存在価値

近年、家族葬や直葬の増加が続いている。背景には、少子高齢化や核家族化、地域コミュニティの希薄化、新型コロナウイルスの影響といった社会構造の変化がある。

かつて地域の接点でもあった「葬儀の場」は、その役割を失いつつある。こうした中で、葬儀社が地域に根ざし、信頼される存在であり続けるには何が求められるのか。日常の中でふと思い出される、そんな存在を目指すための視点を探る。

教育・暮らし・記憶とつながる取り組み

終活セミナーや終活カフェは、今や葬儀社が地域と接点を持つための一般的な手法となっている。その一歩先を行く取り組みとして注目したいのが、地域の小学校と連携し、「いのち」や「家族」をテーマに出前授業を行う活動だ。命の大切さや人とのつながりを伝えるこうした取り組みは、子どもたちだけでなく、保護者や教職員、地域全体との信頼形成にもつながっている。

終活場面 イメージ

また、地域情報誌やフリーペーパーへの寄稿や連載も、効果的な地域ブランディングの手法の一つだ。たとえば「葬儀の豆知識」や「仏事マナー」といった身近なテーマをわかりやすく伝えることで、堅いイメージを和らげ、暮らしに寄り添う存在としての認知を高めることができる。定期的な発信が、「〇〇葬祭=地域に詳しくて頼れる存在」という自然な印象形成へとつながっていく。

さらに、「地域の記憶を残す」活動も、葬儀社ならではの強みを生かした取り組みとして注目されている。地域の高齢者に人生の歩みや家族の物語を聞き取り、地域の歴史や人々の記憶を記録・アーカイブ化するプロジェクトだ。こうして収集した内容を動画や冊子にまとめ、図書館や公共施設に提供することで、地域に貢献しながら、” いのちをつなぐ企業”としての存在価値を高めることができる。

小さな接点の積み重ねが、 信頼という無形資産に

葬儀社 イメージ

非対面のやりとりが増えた今だからこそ、リアルな接点の価値は一層高まっている。地域の人と顔を合わせ、小さな「ありがとう」を積み重ねていくことで、「あの葬儀社なら安心」という無形のブランドが育まれていく。

それは、大手には真似できない、地域密着型の葬儀社ならではの強みである。関係性から育つブランドこそ、これからの時代に求められる“ 存在価値” なのかもしれない。

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