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葬儀のあと

浄土真宗の初盆では何をする?迎え方や仏壇の飾り方などを紹介

浄土真宗の初盆では何をする?迎え方や仏壇の飾り方などを紹介

家族が亡くなってから初めて迎えるお盆は、初盆としてさまざまな行事が行われるのが一般的です。しかし浄土真宗では、故人は亡くなった後すぐに極楽浄土に往生するとされており、ほかの宗派との初盆の過ごし方が異なります。本記事では、浄土真宗の初盆の迎え方や仏壇の飾り方などを紹介するので参考にしてみてください。

浄土真宗における初盆とは

灯篭

一般的な初盆とは、四十九日の忌明け後に迎えるお盆のことです。四十九日よりも前にお盆を迎える場合は、翌年のお盆が初盆となります。

初盆では故人があの世からこの世に初めて戻ってくると考えられていることから、家族や親族、知人などと法要を行う宗派が多くあります。

一方、浄土真宗ではお盆に亡くなった方がこの世に霊として戻ってくるという考えはありません。

そのため、初盆に「迎え火・白提灯・精霊馬」などの準備をすることはありませんが、お盆の期間に「歓喜会(かんぎえ)」と呼ばれる行事を執り行う習慣があります。

浄土真宗の初盆の迎え方

僧侶

浄土真宗では一般的な初盆の行事は行いません。ただし、お盆の時期は歓喜会が行われるため、浄土真宗の初盆に準備するものや行うことなど、浄土真宗の初盆の迎え方を紹介します。

歓喜会を執り行う

浄土真宗の初盆の迎え方として大切なのは、供養ではなくご先祖や阿弥陀如来に感謝する歓喜会を執り行うことです。浄土真宗で初盆の迎え方として執り行われる歓喜会は、ご先祖の恩に感謝する会です。自宅に僧侶を招いて仏法を学んだり、お寺での法話会に参加したりして阿弥陀如来の教えに触れることを目的としています。

初盆の歓喜会へ参加する際は礼服を着用するのが一般的ですが、近年では平服でお越しください、と記載されることも増えてきています。その場合でも、肌の露出は控えて、なるべく落ち着いた色やデザインの服装を心がけましょう。

案内状の送付や返礼品・会食の手配をする

浄土真宗の初盆の迎え方として執り行われる歓喜会は、親族や故人と親しかった方を招くのが一般的です。そのため、日程が決まったら案内状を送付します。

また、浄土真宗の歓喜会でも香典をいただく場合があるため、返礼品も準備しておきましょう。一般的にはタオルや菓子折り、お茶などで、予算は1,500円〜3千円程度です。

参列者の人数に増減が予想される場合は、予備として千円程度の返礼品を準備しておくとよいでしょう。

高額の香典をいただいた場合は、カタログギフトなどを後日郵送します。香典返しはいただいた額の2分の1程の半返しがよいとされていますが、半返しでなくても構いません。参列していただいた方へ、感謝の気持ちを込めて送ることが大切です。

法要後に会食を行う場合は、会場や仕出し料理などの手配も必要になります。会食を行わない場合は、案内状に事前にお知らせしておきましょう。会食を省略しても、代わりに同等の金額のお弁当を用意しておくと、参列者へのお礼の気持ちを表せられるでしょう。

お墓参りする

一般的な初盆では、故人の霊を供養するためにお墓参りに行きますが、浄土真宗では故人の霊という考えがないため、初盆でも供養のためにお墓参りをすることはありません。

浄土真宗にとってお墓は、遺骨を納める場所や亡くなって仏になった人に感謝する場所、阿弥陀如来の教えに気づき信仰を深める場所でもあるのです。

そのため、浄土真宗の初盆の迎え方として、お墓参りはお盆だから行くのではなく、普段のお墓参りと同じ意味合いで行います。

浄土真宗の初盆の仏壇の飾り方

仏壇

浄土真宗の初盆の仏壇には、一般的な初盆のような特別な飾り付けやお供えはしません。ただし、初盆の代わりに歓喜会を執り行い、僧侶を招いたり親族や故人と親しかった方が集まるため、仏壇まわりはきれいにしておくことをおすすめします。

ここでは、浄土真宗の仏壇の飾り方やお供え物について解説します。

生花を飾る

浄土真宗の初盆の花の飾り方として、生花を供えることとされています。一般的に初盆では造花やプリザーブドフラワーを飾ることも増えてきていますが、浄土真宗では生花以外は認められていないため注意しましょう。

浄土真宗の初盆の花の飾り方で大切なのは、慶事をイメージさせる赤い花や、匂いの強い花を避けることです。また、スイセンのような毒をもった花も相応しくないとされています。

お供えに適した花は菊やカーネーション、リンドウなどです。初盆の季節に合った花で、長持ちするものを選びましょう。

打敷(うちしき)を敷く

打敷とは、仏壇を飾るための荘厳具(しょうごんぐ)の一つで、「内敷」「打布」「内布」といった別名もあります。平時では使用しませんが、法要や彼岸などでは全宗派で使用されているものです。夏用と冬用で使い分けられており、四十九日には白地の打敷を敷きます。

また、宗派によっても異なり、浄土真宗本願時派や真宗大谷派の打敷は逆三角形をしており「三角打敷」と呼ばれるものです。主に、宗紋が入ったもの又は織物の打敷で、仏壇の前卓よりもやや大きなサイズがよいとされています。

打敷は具足をお供えする前卓、上卓に敷きます。卓に備わった打敷を挟むための下水板(げすいいた)と、本体の間に差し込んでください。

供笥(くげ)に白い丸餅や落雁をお供えする

浄土真宗の仏壇の「供笥(くげ)」と呼ばれる台には、丸餅や落雁(らくがん)をお供えします。宗派によって供笥の形が異なるのも特徴の一つで、浄土真宗本願寺派は六角形、真宗大谷派は八角形の形状です。

浄土真宗本願寺派は丸餅のほかに、お菓子や果物なども用意しますが、真宗大谷派は丸餅だけと飾り方に違いがあります。

また、浄土真宗の仏壇に仏飯をお供えする場合は、蓮の花のつぼみを模した形に盛り付けてください。仏飯は朝にお供えし、昼に下げるのが一般的です。

浄土真宗の初盆のお布施の相場

御布施

浄土真宗の初盆で歓喜会を執り行い、僧侶を招いて法要をお願いする場合、お布施はいくらくらい包めばよいのでしょうか。また、お布施以外にかかる費用についても解説します。

お布施の相場は3万円〜5万円

浄土真宗の初盆で僧侶に渡すお布施の相場は、3万円〜5万円が一般的です。法要で読経をあげてもらったり、自宅で説法を説いてもらったりする僧侶への感謝の気持ちとして渡すもので金額に厳格な決まりはありません。

ただし、お寺や地域の慣習によってある程度の金額が決まっている場合もあるため、周囲の方に尋ねてみることをおすすめします。お寺に直接尋ねる場合は、「皆さんはどのくらい包まれていますか?」と聞けば、僧侶も答えやすいでしょう。

お布施袋は、白無地の封筒に「御布施」や「御経料」と濃墨で書かれたものを用意してください。

御膳料やお車代が必要な場合もある

浄土真宗の初盆に僧侶を自宅に招き、法要を執り行う場合は、お車代として5千円〜1万円程度を用意します。

また、僧侶が会食を辞退されて帰られる場合は、御膳料として5千円〜1万円を渡しましょう。僧侶が会食に参加する場合は必要ありません。

浄土真宗の考え方に則り初盆を迎えましょう

喪服

この記事のまとめ

  • 浄土真宗では初盆の代わりに「歓喜会(かんぎえ)」を執り行う
  • 歓喜会は自宅に僧侶を招いて仏法を学んだり、お寺での法話会に参加したりして阿弥陀如来の教えに触れることが目的
  • 浄土真宗の歓喜会は、初盆と同様に法要や会食が行われることもある
  • 浄土真宗の仏壇には生花を飾る
  • 浄土真宗の初盆の歓喜会のお布施の相場は、3万円〜5万円
  • 一般的な初盆で行う迎え火や送り火は行わず、白提灯や精霊棚・精霊馬・精霊牛も飾らない

浄土真宗の初盆は故人の霊が戻ってくるという考えがないため、故人の霊を供養する行事は行いません。ただし、阿弥陀如来の教えに触れることを目的とした歓喜会が執り行われ、仏法を学んだり法話会に参加したりします。宗派によって仏壇の飾り方などに違いがありますが、浄土真宗ならではの初盆の迎え方をしましょう。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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