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健康・カラダのこと

ソフト食とは介護食のこと!メリット・デメリットや美味しい作り方を紹介

ソフト食とは介護食のこと!メリット・デメリットや美味しい作り方を紹介

ソフト食とは、舌などを使って簡単につぶすことができる、軟らかく調理された介護食のことです。本記事では、ソフト食のメリットやデメリット、美味しいソフト食の作り方を解説します。食材の選び方やレシピも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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ソフト食とは

ソフト食とは、食材をよく煮込んだり、ミキサーにかけて固め直した食事のことです。「やわらか食」ともいわれ、舌や歯茎で簡単につぶせる固さに調理されています。主に、噛む力が低下した方が食べやすいように工夫された食事と定義されています。

ミキサー食やとろみ食との違い

介護食とは、噛む力や飲み込む力が弱い人のための食事のことで、ソフト食のほかにミキサー食やとろみ食などいくつかの種類があります。ミキサー食は、食べ物をミキサーにかけてポタージュ状にした食事です。とろみ食は、ミキサーにかけた食材や流動性のある食べ物にとろみ剤を加えて飲み込みやすい形態にした食事です。

ミキサー食やとろみ食は、飲み込む力が低下した人が食べやすいように工夫されています。一方、ソフト食は噛む力(咀嚼力)が低下した人に適するよう工夫された食事です。噛む力が低下しているだけで飲み込む機能には問題がないため、食事が流動状ではない点が大きな違いです。

▶︎ミキサー食の作り方はこちら

介護食の区分におけるソフト食

介護食にはいくつかの区分があり、日本介護食品協議会が定めた「ユニバーサルデザインフード」の規格では4種類に分類されています。ユニバーサルデザインフードとは、噛みやすさ、飲み込みやすさに配慮している食品のことで、対象となる食品にはマークがついています。

ユニバーサルデザインフード4つの区分

  • 区分1:容易に噛める
  • 区分2:歯ぐきでつぶせる
  • 区分3:舌でつぶせる
  • 区分4:噛まなくてよい

ソフト食は区分2~4に該当し、噛む力が低下していても食べられる食事とされています。自宅で調理する際にも、固さを決める参考に役立ててみてください。

日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフードとは」

ソフト食のメリット・デメリット

ソフト食は介護に役立つメリットがたくさんありますが、一方で、デメリットも存在します。ここでは、ソフト食のメリットとデメリットについて解説します。

ソフト食のメリット

まずは、ソフト食のメリットを紹介します。

①見た目がよく、料理の香りも楽しめる

ソフト食は、固形のため食べ物としての見た目がよく、料理の香りも楽しめます。食べ物の原形が残りにくいミキサー食やとろみ食に比べ、ソフト食は視覚から食欲がわきやすいのがメリットです。

②軟らかく消化しやすい

ソフト食は、食材が軟らかくなるまでよく煮込んでいたり、一度ミキサーにかけて軟らかく調理したりしているため、消化しやすい点もメリットです。胃腸に負担がかかりにくく、お腹に優しい食事といえます。

③口当たりがなめらかで食べやすい

噛まなくてもよいほど軟らかいソフト食は、口当たりがとてもなめらかです。そのため、口内炎ができていたり、歯に問題があったりするときでも抵抗なく食べられます。

④口の中でまとまりやすい

ソフト食は、軟らかさだけでなく、飲み込みやすさにも配慮されています。流動性が高い場合には、とろみをつけたり、ペースト状にしたりすることで口の中でまとまりやすくなっています。そのため、ソフト食は誤嚥のリスクが低い点もメリットです。

ソフト食のデメリット

次に、ソフト食のデメリットについて解説します。ソフト食を作る前に、デメリットについても理解を深めましょう。

①調理に手間がかかる

丁寧に調理することで安全に食べられるソフト食ですが、その分、調理工程が多くなります。通常よりも食材を長時間煮込んだり、ミキサーにかけたものをもう一度固めたりなど、手間がかかる点はデメリットといえるでしょう。

ソフト食|Amazon.co.jp ソフト食|Amazon.co.jp

②食材本来の食感を感じにくい

噛まなくても食べられるソフト食は、食材がもつ本来の食感を失っている場合が多いのもデメリットです。特に、歯ごたえを楽しむような食品は、ソフト食では使用を避けられています。

③飲み込む力、噛む力が著しく低下した人には食べにくい

ソフト食は、口に食べ物を入れたときに咀嚼ができない・口の開閉ができないといったように、飲み込む力や噛む力が著しく低下した人にとっては食べにくい場合もあります。

先述した通り、人によってはミキサー食やとろみ食が合う場合もあるのです。介護食は、食べる人の嚥下機能の状態をよく観察し、適した食事形態を選ぶようにしましょう。必要であれば、専門医や管理栄養士に相談することをおすすめします。

美味しいソフト食の作り方

メリットもデメリットもあるソフト食ですが、どのようにすれば美味しくいただけるのでしょうか。ここでは、ソフト食の美味しい作り方を紹介します。

①蒸す・煮る・茹でるの調理で軟らかくする

まずは、食材を軟らかくすることがポイントです。加熱によって軟らかくなる食材は、しっかり煮込むようにしましょう。煮るだけでなく、蒸す、茹でるなどの調理方法でも食材を軟らかくできます。食材や料理によって美味しさは変わるため、適した調理方法を選びましょう。

②具材ごとにミキサーにかける

固い食材や噛むのに力が必要な料理は、ミキサーにかけます。このとき、具材はすべて別々にミキサーにかけるようにしましょう。別々にミキサーにかけることで、出来上がりの見た目がきれいに仕上がります。

また、白身魚のように食材によってはミキサーにかけることでパサパサになり、口の中でまとまりにくくなる場合もあります。食材がまとまりにくいときは、だし汁やスープを加えてペースト状にすることで食べやすくなるでしょう。

③とろみをつける

しっかり煮込んだり、ミキサーにかけた食材は水分が多くなる場合もあります。水分が多くなったときには、片栗粉やゼラチンを使ってとろみをつけることで、誤嚥のリスクを減らせます。豆腐の固さを目安とし、舌を使って押しつぶせる程度に調整しましょう。

④油を使う

ソフト食に油やバターを加えることで、飲み込みやすくなります。また、低カロリーになりがちなソフト食のカロリーアップにも役立ちます。オリーブオイルやごま油を加えると風味も増し、食欲増進効果も期待できるため試してみてください。

⑤つなぎを使う

ミキサーでつぶした食材は、口の中でまとまりやすくするためにつなぎを入れることで固さを調整できます。卵や片栗粉を加えることで、舌でつぶせる程度の固さに調整すると、誤嚥のリスクが低くなります。卵は良質なたんぱく質源でもあるため、食事の栄養価を高めるという面でもおすすめです。

ソフト食の食材の選び方と調理のポイント

ソフト食の調理では、食材選びが重要です。熱を加えても固い食材や、繊維の残る食材はソフト食に向きません。ここでは、安全なソフト食を作るための食材の選び方や調理方法を解説します。

肉料理の場合

肉料理をソフト食にする場合、軟らかく脂肪の多い部位を選びましょう。脂肪分があることで、口の中でまとまりやすくなります。赤身肉を使う場合には、必ずスジを切り、叩いて軟らかくしてから調理しましょう。ひき肉は口の中でバラバラになりやすいため、卵や片栗粉などつなぎを使うと食べやすくなります。

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魚料理の場合

魚をソフト食にする場合も、軟らかく、脂肪の多い白身魚がおすすめです。骨や皮は取り除き、加熱してもパサパサになりにくい魚を選んでください。サバ、サンマ、イワシなどはDHA、EPAなど生活習慣病予防にも有効な質のよい脂質を多く含んでいるため、積極的に取り入れましょう。

魚は血合いの部分を加熱すると固くなり、パサつきやすくなるため、高齢者にとって誤嚥の危険性が高い食べ物です。飲み込みやすいよう、血合い部分は取り除いて調理するようにしましょう。

野菜料理の場合

野菜も高齢者の健康維持のため、たくさん摂りたい食材です。野菜をソフト食にする場合、繊維の少ないトマト、ナス、ピーマン、カボチャなどがおすすめです。大根やかぶなどは時間をかけて煮込むと軟らかくなり、食べやすくなります。

また、葉物野菜もミキサーにかけると繊維が細かくなるため、ソフト食に取り入れやすくなります。一方で、ごぼうやレンコンなどは長時間加熱してもミキサーにかけても口の中に残りやすいため、ソフト食には適しません。通常の料理に使う際にも、十分な注意が必要です。

ソフト食の簡単レシピ

ここでは、ソフト食の作り方を紹介します。自宅で簡単に作れるため、ぜひ試してみてください。

蒸し鮭の柚子味噌あんかけ

材料(2人分)

  • 生鮭 2切れ
  • 塩 少々
  • 酒 少々
  • (A)みりん 小さじ1
  • (A)みそ 大さじ1
  • (A)砂糖 小さじ2
  • (A)柚子のしぼり汁 小さじ2

作り方

  1. 生鮭は塩を振ってしばらく置き、その後キッチンペーパーで水分を取り除く
  2. お皿に①を重ならないように並べ、酒を振って蒸し器で蒸す
  3. (A)を耐熱容器に入れ、500Wのレンジで1分間温める
  4. 鮭の身をほぐし、③を和えたら完成

鮭は蒸すことで身がふっくら軟らかくなるため、ソフト食におすすめの食材です。柚子味噌の風味で食欲をそそる一品となっています。

ほうれん草と豚肉のオイスターソース蒸し

材料(2人分)

  • 豚肉ロース薄切り 100g
  • ほうれん草 1/2束
  • (A)オイスターソース 小さじ2
  • (A)酒 大さじ1
  • (A)しょうゆ 小さじ2
  • (A)水 200ml
  • ごま油 小さじ1
  • 片栗粉 小さじ2

作り方

  1. ほうれん草を3cmほどの大きさに切る
  2. 豚肉も一口大の大きさに切る
  3. フライパンにごま油を熱し、豚肉とほうれん草を炒める
  4. (A)で軟らかく煮る
  5. 豚肉とほうれん草を分けてミキサーにかける
  6. それぞれを鍋で加熱しながら水溶き片栗粉を加えてとろみをつける
  7. 同じ皿に盛りつけたら完成

ほうれん草と豚肉はどちらも栄養価の高い食材です。ソフト食にすることで咀嚼機能が低下しても食べやすく、高齢者向けの料理です。少し手間はかかりますが、作り方を参考に試してみてください。

やわらかお好み焼き

材料(2枚分)

  • 山芋 100g
  • むきエビ 60g
  • はんぺん 90g
  • アボカド 50g
  • にんじん 25g
  • ねぎ 25g
  • (A)卵 1個
  • (A)片栗粉 大さじ2
  • (A)塩 少々
  • (A)みりん 大さじ1
  • (A)だしの素 小さじ1
  • (A)しょうゆ 小さじ1
  • ごま油 小さじ2

作り方

  1. 材料をすべてフードプロセッサーに入れ、回す
  2. (A)を加えてさらに混ぜる
  3. フライパンにごま油を熱し、全体の半量を入れ、蓋をして弱火~中火で蒸し焼きにする
  4. ひっくり返して反対側も同じように焼く
  5. お好みでソース、マヨネーズをかけたら完成

お好み焼きは、山芋を加えることでふわふわで軟らかな食感になります。また、アボカドの脂肪分が食感をなめらかにしてくれます。すべてミキサーにかけてから焼くため、調理も簡単です。

ソフト食の調理のポイントを押さえて、介護食に上手く取り入れましょう

この記事のまとめ

  • ソフト食とは、舌や歯茎で簡単につぶせる状態に調理された食事で、噛む力が低下した人におすすめの食事形態
  • ソフト食は見た目がよく、口当たりがなめらかで軟らかい、消化しやすいというメリットがある
  • 自宅で調理する際には、固い食材や繊維の多い食材は避ける
  • ソフト食では、食材が軟らかくなるまでよく煮る、蒸す、茹でるなどの調理を加えることで、普通食と同じように食べられる
  • 食べ物が口の中でまとまりにくいと誤嚥のリスクがあるため、とろみ剤やつなぎを加えて舌でつぶせる程度の固さに調整するとよい

噛む力が低下した高齢者にとって、ソフト食はとても食べやすい食事です。本記事で紹介した食材の選び方や作り方を参考にして、自宅でもソフト食を取り入れてみてください。

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